ゴールド投資の記録 2018年06月
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ゴールド投資の記録

 まもなく到来する石油生産のピークアウトは経済や金融システムを崩壊の危機に直面させることになるでしょう。だとしたら、私達は長きに亘って発展してきた文明社会の頂点に立っているという事であり、この先世界を待っているのは長い黄昏の時代です。数百年に一度の激動期、ゴールドは輝きを放つのでしょうか?

ゴールドフェスティバル2018

20180630_ゴールドフェスタ2018
 東京・品川で開催された、ゴールドフェスティバル2018に参加してきました。

 「赤ちゃんは金色が好き」という話は面白かったですね。実験で赤ちゃんに色んな色を見せると金色に強い反応を示すのだそうです。そのほか太陽や電灯などの光り輝くものが好きらしく、それはもしかすると地球上に太陽が降り注いでいるから我々生命は生きているわけで、それがDNAに刻まれているからかも知れない、とのお話でした。言われてみると金と太陽って相通じるような神秘さがありますよね。

 次に金の工業用途としての可能性が拡がっていくかもしれない研究として、金をナノレベルで加工して触媒として実用化を目指す、大学発のベンチャー企業の話です。

 金というと酸化しない、錆びないというのが一般の認識であると思いますが、ナノレベルだと全く違って金は活発に反応し、例えば一酸化炭素の触媒として使えるようになるのだそうです。触媒というとプラチナやパラジウムを連想しますが、金にもそういう用途があったとは驚きでした。商業プラントでの採用実績など実用化への動きも進みつつあり、今後面白くなりそうな分野です。

 そして今回のゴールドフェスタ、様々な講演者が登壇なさったのですが、その中で最も楽しみと同時に意外だったのは日銀出身の岩村充氏の講演でした。

 岩村氏はビットコインなどの暗号通貨に詳しく、私も2冊程著作を読まさせて頂いたことがあります。氏の「貨幣進化論」でも触れていますが、お金というのは元々金や銀だったものが兌換紙幣、今では貴金属と何の交換機能もない銀行券へ「進化」してきた歴史があります。なぜ金が通貨として使われなくなったのかというと、そのままでは不都合があったからです。

 「金」は通貨としては「過去の遺物である」という考えが岩村氏にあるのを知っていましたので、「ゴールドの祭典」に氏が登壇するのをやや意外に感じていたのです。講演時間は短めでしたので、暗号通貨がなぜコロンブスの卵であるか?という説明に大部分の時間を費やされていました。

 少しハッとしたのは「ビットコインはバブルですらない」という話ですね。バブルというのは”アンカー”のある資産が適正価格を超えて高騰していく現象のことですが、ビットコインには”アンカー”にあたるものがないので、百万ドルでもバブルには当たらないのだそうです。(逆に千ドルでもおかしくない。価格を論じること自体ナンセンス)

 ビットコインを採掘するには電気を使った計算機の力技が必要ですがビットコインは、それ自体に何かの価値がある訳ではありません。そしてその点は金とビットコインは同じです。金は地中から大変な労力をかけて掘り出していますが、そうやって苦労して掘り出された金の大部分は暗い金庫の中に保管されるだけです。はっきり言ってビットコインと同じくやってることは無駄でしかありません。すなわち金にもアンカーにあたるものは無いのです。むしろビットコインの設計者はそうした金の特性に着目してデジタルゴールドたる暗号通貨を創造した、と見るべきなのかも知れません。

 講演の最後で、金とビットコインを比較するパネルが出てきましたが、現在、金は1,254ドル/oz、ビットコインは6,396ドル/btcで取引されています。金がビットコインを逆転するようになるか?というと「分からない」としか言いようがありません。どちらにもアンカーがありませんから、比較するのも意味が無いように思います。

 「ゴールドフェスティバル」ですから、参加者はゴールドはこれから有望だよ、間違いないよ、という話を聞きたかったと思います。岩村氏は通貨としての金の復権を明確に否定していますから、がっかりした方もいたかも知れません。しかし私が思うにそういった見解も受け入れた上で「なぜゴールドなのか」。自分が理解しているか、納得しているか、ということではないでしょうか。


金価格、1,250ドル/oz割れ

 ゴールド価格が1,250ドル/ozを割って下落しています。

 長期レンジを破って上昇基調に移ったものだと思っていましたが、未だレンジ内に留まっていたようです。ゴールドがこの水準でうだうだしているということは、今の金融相場は崩れるにはまだ早いということなのでしょう。

 私は現物の長期保有派なので、値動きに関わらず基本的に売ることはありません。手持ちのお金が出来ればちょこちょこと買い増すだけです。でも先物等のレバレッジ取引をやっている人は大変だと思いますよ。ゴールドは今年の高値からすでに100ドル位下がっていますが、ボラリティが低いはずのゴールドでも年間を通して見れば、それ位の値動きはあるのです。だからゴールドに投資するにあたって、レバレッジを利かした方法は止めておいた方が無難です。自己資金の範囲内で現物を持つのが一番間違いありません。

 それにしても強いのは原油。ドル高にも関わらずOPEC総会後に70ドル/バレルをすぐさま回復し、現在73ドル台で推移しています。これで苦しいのは日本ですよね。円安+原油高がダブルパンチで経済にのしかかってきます。


上場企業 実質無借金、6割に迫る

 上場企業の財務が改善している。手元資金が有利子負債より多い「実質無借金企業」は2017年度末に1年前より36社多い2071社となり最多となった。上場企業の59%を占める。好業績で手元資金が積み上がっているためで、富士通などが新たに無借金に転じた。投資家からは潤沢な手元資金の使い道を問われそうだ。


-------------引用終わり-------------


 上場企業の6割が実質無借金になったという日経の記事です。

 手許資金を積み上げる、借金を減らすというのは、企業にとって投資機会がないからです。10年物国債の金利はほぼ0%ですが、これは借金をして10年間事業をしても利益は0%だということと同義です。

 しかし金融というのは拡大し続けることが前提のシステムですから、企業が借金を減らしている分、国が借金を増やし続けて帳尻を合わせざるを得なくなっているのが今の日本です。逆を言えば企業が借金を減らし続ける以上、国の財政再建はいつまでたっても出来ないということを示しています。

 ですから「好業績で企業が手許資金を積み上げている」というのは意味合いが違うと思います。国が支えているからこその今の経済であって、もし国が借金を増やすのを止めてしまったら、恐慌で大手企業もバタバタ倒産して失業者が町に溢れることになるでしょう。


沖縄「慰霊の日」、平和祈念公園で戦没者追悼式

 沖縄は23日、太平洋戦争末期の沖縄戦の犠牲者を悼む平成最後の「慰霊の日」を迎えた。最後の激戦地となった沖縄県糸満市摩文仁まぶにの平和祈念公園では、県主催の「沖縄全戦没者追悼式」が開かれ、約5100人が参列した。


-------------引用終わり-------------


 昨日の夜、NHKで沖縄の特集を見ました。戦争というと遠い過去のことのように思われますが、いまだ存命の方がいらっしゃって、壮絶な体験談を聞くにつけ「昔の話ではないのだ」ということを否応なしに意識させられます。

 戦時中の悲惨な体験を語り継ぐのは無論、大切なことだと思います。でも私が疑問に思うのは「何故彼らがこんな酷い目に遭わなくてならなかったのか?」ということです。

 ここで改めて指摘しておきますが、沖縄戦が始まる前に既に日本は敗けていました。

 1941年にアメリカと戦争を始めた日本は、1944年6月のマリアナ沖海戦で惨敗を喫し、空母機動部隊は壊滅。日本は制空権と制海権を失いました。サイパン島を攻略され日本本土は戦略爆撃の射程内に入り、この時点で軍事的に敗北していたのです。しかし日本は敗けを認めることが出来ず、この先何の見通しも立たない絶望的な戦いを継続します。もしここで降伏していれば沖縄戦もありませんでしたし、特攻で多くの若者が死ぬこともありませんでしたし、東京大空襲もありませんでしたし、広島・長崎に原爆が落とされることもなかった。

 そもそも、日本とアメリカとでは国力の差があり過ぎました。一例を挙げると弾丸の生産力はアメリカは日本の500倍以上。日本が1発弾を撃つと500発返ってくるんですよ?。また、開戦前まで最も貴重な戦略物資である石油の輸入のほとんどをアメリカに依存していました。それではまともなケンカになるはずがありません。なぜそんな相手と戦争することになったのか。

 そして戦争中に徹底抗戦を叫んだ政治家や高級将校。敗戦の責任をとって自害した者もいましたが、戦後のうのうと生き続けた者も大勢いました。他人には国のために死ぬことを強要しておきながらね。驚くべきことに国会議員になったものまでいますよ。

 悲惨な戦争体験というのは、いわば「起こった結果」であってそれだけ見つめても不十分だと私は思うのです。戦争に至った経緯、なぜ惰性で戦争を続けたのか、その責任はどう問われたのか。いわば総括というのですかね。政府はおろかマスコミにおいても不十分で、個々人の検証に委ねられているというのが実態なんじゃないでしょうか。

 現在の日本で「なぜアメリカを相手に戦争を始めたのか?」答えられる人は10人に1人もいないと思いますよ。そんな事じゃこの戦争で亡くなった方はいつまでも報われないし、この先同じ過ちをおかさないと何故言えるのでしょうか。そんな事を感じた「慰霊の日」でした。


鬼怒川温泉旅行

20180409_鬼怒川旅行
 鬼怒川温泉へ旅行へ行ってきました。

 宿はTVCMで有名な「ホテル三日月」。鬼怒川温泉駅の目の前の一等地で、元々は岡部ホテルグループの旗艦店だったのですが倒産して三日月グループに渡った経緯があります。

20180419_開運の湯
 ホテルは豪華の一言。立派な大浴場があるのですが、なんと金の風呂と銀の風呂があります。金の風呂は18金で田中貴金属ジュエリー謹製とされています。田中貴金属、こんな物も作っているんですね。もちろん私は両方入浴しましたので、今後金運に恵まれる?かも知れません。

 残念ながら温泉街はあまり栄えていない感じですね。伊香保や伊東もそうですけど、地方の温泉街の衰退は隠しようがありません。観光客もホテルの中で完結して外にお金を落とさない、そんな流れが出来上がっている気がします。

 あと、同行した父が満天の星空が素晴らしかったと言っていました。街の電灯が少なく空気が澄んでいるのでしょうね。


<大阪震度6弱>「水、食料を」買い物客殺到 品切れ相次ぐ

 震度6弱を観測した地震の震源地となった大阪府北部のスーパーには、飲料水やカップ麺、冷凍食品などを買い求める客が殺到し、商品が品切れになる店が相次いだ。


-------------引用終わり-------------


 大阪の地震、驚きましたね。

 スーパーでは客が殺到し食料や飲料水が品切れになってしまったようです。東日本大震災のとき実感しましたが、お店には商品が潤沢に並んでいるように見えますが、一たび事が起こるとあっという間に店頭から姿を消してしまうんですよね。

 普段、店も経営の効率化で最小限の在庫しか持っていません。それから都市の流通網ってトラックに依存しているのが実態ですよね。つまり自然災害に対して脆弱だということです。

 ガスや水道も復旧にしばらく時間がかかりそうです。水は特に困るでしょうね。飲料水もそうだけど生活用水、特にトイレね。トイレは使えないと本当に地獄です。

 今回、3日分くらいの水や食料、簡易トイレ、カセットボンベくらいは家に備蓄しておいた方がいいと改めて感じました。


BP Statistical Review Of World Energy 2018

 英国の石油企業、BPが「BP Statistical Review Of World Energy 2018」を発表しました。



 「BP Statistical Review Of World Energy」は化石燃料の生産や消費、発電電力量、再生可能エネルギーを網羅した、世界のエネルギー動向の分析に役立つレポートの1つです。


【2017年・主要地域の石油および電力 消費動向】
・米国の石油消費は前年比+1.0%の伸び。電力消費は▲1.3%の減少。
・日本の石油消費は前年比▲1.1%の減少。電力消費は+2.0%の増加。
・欧州の石油消費は前年比+1.9%の増加。電力消費は+1.3%の増加。
・世界の石油消費は前年比+1.8%の増加。電力消費は+2.8%の増加。

 エネルギー消費の観点から見ると、発表されているGDP統計とは違い米国と日本に経済の勢いは感じられません。一方、欧州は比較的堅調のようです。しかし留意すべき点は日米欧ともリーマン危機前の水準を未だ下回っているということです。つまり世界経済をけん引しているのは新興国であることが確認できます。


【2017年・石油生産の動向】
 世界全体の石油増産量は前年比+625千バレル/日でした。国別内訳をみると最大は米国で、その増産量は+691千バレル/日です。米国の既存油田は減退していることが知られているため、この増加分はすべてシェールオイルによるものと考えられます。すなわち世界の石油増産でシェールオイルの占める割合はなんと110%に及びます。2017年の石油増産は事実上、シェールオイルに支えられているのが見てとれます。

20180616_石油増産量の推移

 国・地域別の動向としては過去10年、アメリカとイラクの増産が際立っており、両国で世界の石油増産量の83.1%を占めています。ロシア、サウジは微増。OPEC(サウジ・イラク除く)は2008年をピークに減少傾向にあるようです。気になるのは「その他の国」で、2002年まで世界の石油増産量の60.1%を担ってきましたが、この15年はずっと横這い(つまりゼロ)で推移しています。石油生産が頭打ちになったところで増産の役割をアメリカ・イラクにスイッチした、という形になっています。しかし、もし「その他の国」がピークアウトし、減産に転じたとしたら今後もアメリカとイラクだけで石油需要を支えられるのでしょうか?。大いに疑問を感じます。


金価格急落の背景

先日の金価格急落ですが、背景にドル指数の急騰があったようです。



 グラフを見て判るようにゴールドとドル指数は逆の動きを示しています。ゴールドはドルの反通貨だからです。そして良く見ると4/20頃からドル指数はずっと上昇を続けています。(ゴールドは逆に下落)

 この時、何があったのかというと米国10年債利回りが2014年以来の3%に乗せたんですね。その後3.1%を超えたところで一旦ピークアウトし、現在は2.922%で推移しています。

 目先、米国10年債利回りがどこまで上昇していくかが、ゴールドの値動きにとっての鍵となりそうです。


貴金属価格急落

 昨日、ゴールドを始めとする貴金属価格が急落しました。

20180616_貴金属価格


 FOMCも無事に乗り切って、地固めは終わったかに見えましたが…。原因はこれです。

トランプ大統領、500億ドル相当の中国製品に対する関税発表

 対話ムードになりかけていたんですけどね。中国もすかさず報復関税を発表しており、貿易戦争の様相を見せ始めています。保護主義が蔓延し貿易が縮小すれば素材や穀物などの商品価格は下落します。ゴールドは通貨と商品の二面性を備えているので、「商品の面」が嫌気されたのでしょう。

 また、中国は積極的に金備蓄を増やしたり石油先物にゴールドを紐づけするなど、アメリカの通貨覇権に挑戦する動きを見せていました。しかしアメリカとの対立が深まって貿易戦争になれば、おそらく中国に分が悪いのでしょう。よって金備蓄のペースが落ちたり場合によっては取り崩しされるようなことになるのでは?という連想が働いたのかもしれません。


FRB、今年2度目の利上げ決定、年内利上げ見通しを上方修正

米連邦公開市場委員会(FOMC)は12、13両日の定例会合で、フェデラルファンド(FF)金利誘導目標を0.25ポイント引き上げ、1.75-2%のレンジに設定した。利上げは今年に入って2度目。失業率が低下し、インフレ率が従来の見通しよりも速いペースで上昇していることから、2018年通年の利上げ予測は4回に上方修正された。


-------------引用終わり-------------


 アメリカが今年2回目の利上げです。通年の利上げ見通しは従来の3回から4回へ上方修正されました。利息を生まないゴールドには利上げは圧力になるはずですが、FOMC通過後も目立った下げは見せず、1,300ドル/oz台を堅持しています。

 まあFRBの利上げは正直ゴールドに余り関係ないので気にする必要はありません。これから決定的に重要になるのは石油の需給と価格動向です。でも本当にインフレが走り始めたら、量的緩和を実施してきた中央銀行は進退窮まるでしょうね。もしそうなったら、いよいよゴールドは面白くなっていくと思いますよ。


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プロフィール

GC

Author:GC
2002年からゴールド投資を始める。2015年まで米国株メインでしたが、現物ゴールドを中心にポートフォリオを再構築しました。2021年新型コロナの渦中に地方移住を決断し、自家菜園やオフグリッドを模索中。2024年9月自主退職。

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