金融抑圧は資産価格を高騰させた
2017-08-11
アベノミクスが始まって間もなくの頃、中央銀行の金融緩和政策は「金融抑圧」なのではないか?という記事を見たことがあります。
金融抑圧とはインフレ率よりも低い金利に固定することで、物価の上昇という形で国民に対して見えない負担を負わす仕組みのことです。インフレは債権者から債務者への富の移転ですから、国の実質債務残高の縮小にも繋がるわけです。
例えば物価上昇が50%で金利がゼロなら、実質債務は半分になる一方で、購買力も半分になってしまうので、国民にとっては実質的な課税と変わりません。消費税等の増税策は国民に不人気ですから、それを実施しようとすると政権が持たず選挙で負けてしまいます。インフレは物価の上昇という形を採るので批判の矛先が政府に向きづらいのです。
当局の発表では消費者物価は上がっていない、とのことですが庶民目線では身の回りの食品や消費財は、値上がりしているものや、値段が同じでも内容量を少なくしたものが多くなったと感じられることから、金融抑圧の信憑性が増しています。
更に問題と思えるのはインフレ率よりも金利を低く固定したことで、投機的な動きを加速させたことです。現金や日銀当座預金に置いておいても金利は付きませんから、株や債券等の金融資産、不動産のリスク性資産へ資金が誘導されました。現に中央銀行が金融緩和を始めてから、世界中の金融資産や不動産が高騰しています。しかし金融資産は一部の富裕層が大量に保有していますから、大部分の国民はその恩恵にあずかることは出来ていません。
金融抑圧政策は、恐慌から金融システムを守るためには正しい選択だったにせよ、その結果起きたのは、1%の富裕層とそれ以外の人々との間の絶望的な格差拡大という深刻な歪みを世界にもたらした事だったのです。
金融抑圧とはインフレ率よりも低い金利に固定することで、物価の上昇という形で国民に対して見えない負担を負わす仕組みのことです。インフレは債権者から債務者への富の移転ですから、国の実質債務残高の縮小にも繋がるわけです。
例えば物価上昇が50%で金利がゼロなら、実質債務は半分になる一方で、購買力も半分になってしまうので、国民にとっては実質的な課税と変わりません。消費税等の増税策は国民に不人気ですから、それを実施しようとすると政権が持たず選挙で負けてしまいます。インフレは物価の上昇という形を採るので批判の矛先が政府に向きづらいのです。
当局の発表では消費者物価は上がっていない、とのことですが庶民目線では身の回りの食品や消費財は、値上がりしているものや、値段が同じでも内容量を少なくしたものが多くなったと感じられることから、金融抑圧の信憑性が増しています。
更に問題と思えるのはインフレ率よりも金利を低く固定したことで、投機的な動きを加速させたことです。現金や日銀当座預金に置いておいても金利は付きませんから、株や債券等の金融資産、不動産のリスク性資産へ資金が誘導されました。現に中央銀行が金融緩和を始めてから、世界中の金融資産や不動産が高騰しています。しかし金融資産は一部の富裕層が大量に保有していますから、大部分の国民はその恩恵にあずかることは出来ていません。
金融抑圧政策は、恐慌から金融システムを守るためには正しい選択だったにせよ、その結果起きたのは、1%の富裕層とそれ以外の人々との間の絶望的な格差拡大という深刻な歪みを世界にもたらした事だったのです。