ドアを開けろ

朝8時過ぎ。
家を出て、オフィス街にあるローソンを目指す。

エディー・ローソンと間違えないように（マニアなネタですまん））

今日は、高校吹奏楽コンクール中国大会のチケット発売日。

毎年、入手困難と聞いていたので、わざと人の少ないであろうローソンを選んで順番待ちをすることに決めた。

アホはアホなりに考えを巡らすのである。

ローソン到着8時30分。

幸いなことに誰も順番待ちをしていない。

販売開始は10時なので、持参した本を読みながらロッピーの前で時間をつぶす。

9時半を過ぎた頃、一人のご婦人が後ろへ並んだ。

他の用事かもしれないので、用件を尋ねたら同じ目的である。

聞けばSのつく女子高の保護者さんで、ひとしきり吹奏楽談話に華が咲く。

しばらくすると、今度はどこかのお父さんが並ぶ。

お尋ねすると、やはりコンクールチケットが目的で、ここでもひとしきり華が咲く。

もうしばらくすると、同じ学校の顔見知りのお母さんが並ぶ。

それぞれの必要チケットを詳しく聞くと、良い塩梅で4人分が手に入ることがわかった。

ここで並んだのも何かの縁。

協力してチケットを取りましょう・・・と全員の意見が一致した。

いよいよ販売開始の数分前。

もう一人のお父さんが最後尾に並んだ。

聞けばHがつく女子高の保護者の方。

先に並んだ人間だけで、枚数制限に達しているので、幸運を祈るしかない。

午前10時の時報を合図に、ロッピーのタッチパネルを操作する。

ナニ？？？
ローソンカードが居るの？

オレ持ってないよ！！！

私が持っておりますわ～と同じ学校の保護者が叫ぶ。

ロッピーの前で大騒ぎしながらも無事に必要枚数を入手。

次に並んだ人の分も、同じ手順で無事に購入出来た。

ホット一安心したもののHがつく女子高のお父さんが残っている。

さぁ急いで操作しましょう！！
そういって、タッチパネルに触れた途端・・・

「このチケットは完売しました」

無情な文字が映るスクリーンに一同唖然とする。

時間を見ると10時06分。

まぁ、自分達の必要枚数は入手出来て嬉しいものの、目の前で売り切れたお父さんの気持ちはいかほどのものか。

さぞかし無念であろうと推測する。

まさか「なにやっとんの、あなた！！マジで取れんかったん？」とか「どうしてもっと早く並ばんかったんね！！」とかヨメや娘に責められていないことを願うのである。

想像を絶するチケット争奪戦。

残念ながら取れなかった人の分までしっかりと応援しようと思う。

これがそのチケット




取れなかったお父さんの分までクリック