わたしはひとり、ひとりの私
公演が終わってはや一か月弱、舞台の残り香も消え、しがない大学生としての自我を取り戻しつつある元リベラがお送りいたします。
幼い頃から音楽を通して表現者としての自己を模索し続けていたわたしが、大学生になりようやく演劇へのあこがれを実現した今回の公演。初めてのお芝居で、ひとり3役―ッッ!?という感じではありましたが、全身で楽しませていただけた贅沢な機会だったなと懐かしく振り返っています。
わたしの「表現」への情熱は、物心ついた時から一貫してあるものです。
ただひとり、美しいもの、胸を打つもの、幻惑するものを追求する営み。
ひとりで始まり、ひとりに帰結するもの。
それがわたしにとっての「表現」です。
思えば、人とともにいるようでありながら、ひとりでいるのが自分でした。
ひとり、社会の型にハマれない子どもでした。はたから見れば発達の遅い子どもに見えたでしょうか。(正直自分では、小6くらいまでの自分は極めて遅れた子どもだったと思っています)
叱られ、反感を買い、ひんしゅくを買い。それでも自分の世界が守りたくて、わたしは仮面を作りました。
「おりこうな私」「よく働く私」「思いやりのある私」
自分の世界観の中にこもっていては周りと衝突してしまうから、社会と――他人と生きていくのにはペルソナが必要であることを知りました。
わたしと私がずれすぎてしまって涙しか出てこない夜もありました。
今でもどうしたって涙がこぼれてしまう日があります。
うまく擬態できなかった。「私」が崩れた。
そんな時に狭苦しい練習室でひとり、ピアノの蓋を開くのです。
そうすると、どうしようもなく救われる気がするのです。
「演奏する私」「演じる私」「踊る私」
どうせ擬態するなら、どうせ仮面を被るなら、可能な限り美しく!
華やかな仮面の下には、どこまでもひとりのわたしがいる。
わたしは立派じゃないし、美しくない。
だけど、ステージの上の私にだけは、優しい光が降り注ぐ。
それを知っているから、わたしは生涯表現から離れることはないと思う。
結局は、自分のためです。仮面を脱いだわたしが少しでも救われるように、私を磨いて磨いて磨くのです。
表現が、ひとりに始まり、ひとりに終わるゆえんです。
……ひとりぼっちだったリベラも、無意識のうちに舞踊に救済を見出したのでしょうか?
私は、リベラは、苦しく、美しく、狂おしく、世界を焼いた火炎を舞う。
そうして、影のように存在する孤独と向き合っているのです。きっと。
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