3夏。最後の公演。最後の稽古場日記。
うん。
別に最後だからどうってことない気もする。ここにきて天邪鬼を発揮しているだけかもしれんが。どう引退するかよりも「プリズムをやめた後演劇をどうすればいいのか」ということばかり考えている。
実は作演出を務めた冬公演の後、元旦、プリズムと演劇をやめようと思った。去年役者も小屋入りも一切できなくてコロナとプリズムと演劇を心底憎み泣きまくっていた時はプリズムも演劇もやめるなんてことは欠片も思わず「ただ1度舞台に立っただけで満足なんてできるか」ともがいていたのに。「あ、今演劇やめられるなア」なんて餅を食べながらのんびり。良くならない状況に愛想をつかしたわけでも、未熟ながら作演出をやりきったことに満足したわけでもない。ただただ「今ならやめられるなア、やめよっかなア」と、のんびり。
1月3日、前から人と約束していたので青年団の作品を観にいった。めちゃくちゃ面白かった。帰り道、息を巻いて私もあんなことがしたい、こんなことがしたいと語った。プリズムと演劇をやめ損ねた。やめられなかった自分をバカだと思いつつ引退するまで頑張ることにした。
そして2021年6月、夏公演を最後にプリズムを引退するらしい。
役者ができる。声がよく出る。1秋よりは演技の引き出しが増えたと感じる。充実している。みんなと過ごす時間が楽しい。
役者をしている。鏡に映る自分が醜くて許せない。通し映像を見て自分の演技のひどさに発狂する。金もないし疲れる。
プリズムでの2年間、1つのことにこんなにものめりこんだことはなかった。表現を恥ではなく尊いと感じた。自分の意志で努力をした。自分の言葉で語れるものを持てた。
プリズムでの2年間、人間性がゴミに近づいた。演劇を盾に向き合わなくても良いことをほじくり返し病み散らかしたくさんの人に迷惑をかけた。
自分の意志や感情に関係なく終わりがあることは良いことなのかもしれない。良いことは無くさなければいいし、悪いことには区切りをつければよい。
で、そっから私はどうするんでしょうか。演劇に対する心持ちはどう変化するのでしょうか。めちゃくちゃ気になりますネ。
まあ上の文章はどうでもよくて、そんなことより19のみんな2年間ありがとうね。作品を観てくださる方に大きな感謝を。
へばな。
19役者・衣装 廣田華子
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