エルザおばさんの大昼食会 | 長谷川たかこのパリのふつうの生活
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エルザおばさんの大昼食会

エルザ夫妻市場の最終日には、お孫さんまで家族全員、昔の店員さんもやってきて、賑やかな「さよなら」になった。
その時、エルザから、
「10月に大昼食会をするから必ず来てね。車はある?」
わたしは運転できないし、夫はパリの駐車場が高すぎるので、古い車は田舎に置いてある。
エルザ夫妻はオルリー空港の近くに住んでいるので、空港まで電車で行ってタクシー?
「空港を右に曲がって、すぐを左に曲がったとこよ。すごく簡単」
オルリーは第4ターミナルまであって、どこを右に曲がればいいのよ。そんな簡単なわけないでしょ、と思っているうちに当日になった。
メトロ14番線でオルリー空港まで行き(すごく便利。オリンピックのお陰?)、駅に息子さんが車で迎えに来てくれた。
果たして空港からの道のりは「右に曲がってすぐを左に」とは程遠く、複雑であった。

常連だったお客さん、長く続いた店員さん・・・・総勢20余人

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1週間前から用意したという料理は、まずハム&サラミのプレート、海の幸のプレート(魚屋に注文)、得意のラザーニャ。
もうお腹いっぱいで、ここで終わりかと思ったら、子牛の煮込み、チーズとサラダが出てきた。写真は全部撮り忘れ!
さすがに“チーズはパス”の人が多く、その後デザートはシンプルにジェラートと木苺(ほっ)。

エルザおばさんは退職後ちょっと鬱になっているそうで、この笑顔からは想像しにくいけど

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「アタシは市場しかできない。何をしていいかわからなくて家の中をウロウロしている」
市場ではとりわけ賑やかな名物おばさんだったのに、
「引っ込み思案で、退職者のサークルにも行きたがらない。市場では“別人”だった」と娘さん。
「イタリア料理を教えたら?」と言うと、
「分量なんか計ったことない。自分の舌で決めるから教えるなんてムリムリ!」

息子さんが市場を引き継ごうとトライしたけど、
「親父がランジス(パリの卸売市場)を自由に泳ぎ回り、買い付けするのを見て、僕は何年やってもあんなことはできない、向いていないとわかった。でも1年試してよかった」

スーパーではどんどん機械が人間に取って代わる一方、昔からの朝市が脈々と続いているのは素晴らしい。
そこでは会話があり、お店の人やすれ違うお客と仲良くなり、いろいろな食材に出会う。
その中でもエルザとは本当に仲良くなった。
最初は、この昼食会を「めんどくさい」と言っていた夫が大いに楽しみ、大いに食べて飲み、「今度ウチに呼んだらどう?」と言うくらい。


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コメント
素敵な調度品に囲まれて、エルザご夫妻のお人柄が感じられます。お二人のこれまでのchapitreの良い締めくくりになった昼食会だったのではないでしょうか。
また人生の続編を執筆するように元気に活躍されますように。
Re: アレックス様
壁には子供や孫たちの写真がかけてあって温かい雰囲気でした。ご主人はすぐに引退生活に馴染んだそうですが、エルザは「市場が恋しくて落ち着かない」。早く慣れて、楽しんでほしいです。
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プロフィール

Author:長谷川たかこ

この国に住もう!と決めたのは13歳のとき。それが実現したのは10年以上経ってから、それから30年の月日が流れました(単純計算しても歳は出ません!)
訳書多数、著書3冊。夫1人、子供2人、猫2匹と暮らす騒がしい毎日。映画と料理とヴィンテージの服、デビッド・ボウイが趣味。


長谷川たかこ

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