昼前の放牧地に、キタキツネの姿がありました。
寝ているニューイヤーズデイ牝馬の周りをうろちょろ。
私に気付かず、近くを通っていきました。
キタキツネでも気付かなかったのに、目ざとく見つけてやって来たのは、サクソンウォリアー牝馬。
お母さんと一緒に来ると、ニンジンねだり。
この人懐こさに、ついポケットの中身が減っていきます。
サクちゃんの向こうに、ダノンレジェンド牡馬の姿がありました。
横で草を食べていた母が、突然、ゴロン。
「うわ、何?」
思わず振り返るレジェンドくん。
サクちゃん、移動。
カッコウの鳴き声がよく聞こえるようになりました。
初夏の到来です。
さて、場所を替えて、今度は、スワーヴリチャード牝馬の前へ。
すると、またまた、サクちゃん。
「どいて!私が遊ぶの!」
仲間にはいつも強気です。
そんな中、スワちゃんのお母さんが、ニューイヤーズデイ牝馬の母に近付いていました。
グルーミングです。
ニューちゃんが寄ってきて、
グルーミングに参加するのかと、凝視していたところ、
いったん顔を上げ、
今度は、腹の下へ。
ここで、スワちゃんのお母さん、後ろの肢を少し下げました。
「どうぞ」と言わんばかり。
「え?もしかして?」
ニューちゃんは、母と一緒に、グルーミングするふりをしながら、
徐々に、乳房の方へ。
「えー?うそー?」
カメラを向けながら、思わず、苦笑い。
「飲んでる!」
ニューイヤーズデイ牝馬が、スワちゃん母さんの乳を飲んでいるのです。
我が仔だと思っているのか、怒る気配は全くなし。
ニューちゃん母さんは、一瞬、目が点になりながらも、再び、グルーミング。
「あー、美味しかった!」
一度顔を上げて、再び。
「あー、飲んじゃった!」
本当の娘のスワちゃんはといえば、私の前から移動し、柵の隅。
全く、無関心。
大胆にも、ニューちゃんは、そのままスワ母に密着しながら、
スワ母の前へ。「ねえ。私も参加させてー」
そして、何食わぬ顔で、去っていきました。
グルーミングを終えた、2頭の母さんたち。
ニューちゃんは、スワちゃんのそばを通り、
草を食べ始めました。
スワちゃん母さん、初産です。
新米ママです。
オルフェーヴルの娘です。
他の仔に授乳するなど、サラブレッドでは、なかなかないこと。
狐につままれたような出来事でした。
驚いている私の前へ、またサクちゃん登場。
スワちゃん。
ニューちゃんも。
長靴をかじり始めたサクに、
ニューちゃんが寄ると、「ダメ―!」
スワちゃんにも、「ダメ―!」
甘えん坊サクちゃんを筆頭に、この娘たちは、かなりの個性派ぞろい。
まだまだ発見はありそうです。
寝ているニューイヤーズデイ牝馬の周りをうろちょろ。
私に気付かず、近くを通っていきました。
キタキツネでも気付かなかったのに、目ざとく見つけてやって来たのは、サクソンウォリアー牝馬。
お母さんと一緒に来ると、ニンジンねだり。
この人懐こさに、ついポケットの中身が減っていきます。
サクちゃんの向こうに、ダノンレジェンド牡馬の姿がありました。
横で草を食べていた母が、突然、ゴロン。
「うわ、何?」
思わず振り返るレジェンドくん。
サクちゃん、移動。
カッコウの鳴き声がよく聞こえるようになりました。
初夏の到来です。
さて、場所を替えて、今度は、スワーヴリチャード牝馬の前へ。
すると、またまた、サクちゃん。
「どいて!私が遊ぶの!」
仲間にはいつも強気です。
そんな中、スワちゃんのお母さんが、ニューイヤーズデイ牝馬の母に近付いていました。
グルーミングです。
ニューちゃんが寄ってきて、
グルーミングに参加するのかと、凝視していたところ、
いったん顔を上げ、
今度は、腹の下へ。
ここで、スワちゃんのお母さん、後ろの肢を少し下げました。
「どうぞ」と言わんばかり。
「え?もしかして?」
ニューちゃんは、母と一緒に、グルーミングするふりをしながら、
徐々に、乳房の方へ。
「えー?うそー?」
カメラを向けながら、思わず、苦笑い。
「飲んでる!」
ニューイヤーズデイ牝馬が、スワちゃん母さんの乳を飲んでいるのです。
我が仔だと思っているのか、怒る気配は全くなし。
ニューちゃん母さんは、一瞬、目が点になりながらも、再び、グルーミング。
「あー、美味しかった!」
一度顔を上げて、再び。
「あー、飲んじゃった!」
本当の娘のスワちゃんはといえば、私の前から移動し、柵の隅。
全く、無関心。
大胆にも、ニューちゃんは、そのままスワ母に密着しながら、
スワ母の前へ。「ねえ。私も参加させてー」
そして、何食わぬ顔で、去っていきました。
グルーミングを終えた、2頭の母さんたち。
ニューちゃんは、スワちゃんのそばを通り、
草を食べ始めました。
スワちゃん母さん、初産です。
新米ママです。
オルフェーヴルの娘です。
他の仔に授乳するなど、サラブレッドでは、なかなかないこと。
狐につままれたような出来事でした。
驚いている私の前へ、またサクちゃん登場。
スワちゃん。
ニューちゃんも。
長靴をかじり始めたサクに、
ニューちゃんが寄ると、「ダメ―!」
スワちゃんにも、「ダメ―!」
甘えん坊サクちゃんを筆頭に、この娘たちは、かなりの個性派ぞろい。
まだまだ発見はありそうです。
生後1ヵ月を過ぎたニューイヤーズデイ牝馬。
通りかかった放牧地で、1頭だけ動き回っている姿を発見。
普段、母にぴったり寄り添っているイメージだったので、意外でした。
天気が良くて、うきうき。
身体が勝手に動いてしまうのでしょうか。
やがて、母のところへ戻り、また磁石のように、くっついてしまいました。
こちらに気付いて、やって来たのは、スワーヴリチャード牝馬。
でも、「あれ?なんだ?」
違うところを見ているので、振り返ると、私のあとをつけて来たとみられるミケが、「ニャー」
「おいで」と呼んで、仔馬たちと対面。
サクソンウォリアー牝馬が、興味津々でした。
黄色いタンポポが、鮮やか。
サクちゃんの後ろでは、ダノンレジェンド牡馬にスワちゃんが、「やーっ!」
負けていられないレジェンドくんが、「やーっ!」
仔馬たちは、母馬たちの干渉がなくなり、自由に遊び始めています。
楽しい時間です。
通りかかった放牧地で、1頭だけ動き回っている姿を発見。
普段、母にぴったり寄り添っているイメージだったので、意外でした。
天気が良くて、うきうき。
身体が勝手に動いてしまうのでしょうか。
やがて、母のところへ戻り、また磁石のように、くっついてしまいました。
こちらに気付いて、やって来たのは、スワーヴリチャード牝馬。
でも、「あれ?なんだ?」
違うところを見ているので、振り返ると、私のあとをつけて来たとみられるミケが、「ニャー」
「おいで」と呼んで、仔馬たちと対面。
サクソンウォリアー牝馬が、興味津々でした。
黄色いタンポポが、鮮やか。
サクちゃんの後ろでは、ダノンレジェンド牡馬にスワちゃんが、「やーっ!」
負けていられないレジェンドくんが、「やーっ!」
仔馬たちは、母馬たちの干渉がなくなり、自由に遊び始めています。
楽しい時間です。
4月8日の午前8時半頃、父ニューイヤーズデイの牝馬が誕生しました。
母は4産目で、予定日より1日早い出産。
初日から馬房を走り回る、元気な仔で、翌朝にはパドックに出ました。
これは、生後3日目の今朝の姿です。
実は、前日、ショックな出来事があり、心の整理がついていない自分がいました。
目の前で、すやすやと眠る仔馬。
昨日の朝まで、同じように元気だったジャスタウェイ牝馬が、もうこの世にいません。
一昨日から、小さい放牧地へ出ていたジャスタちゃん親子。
昨日も、同じ場所へ放れていましたが、昼に、水桶の水を点検にいったスタッフが、異変を発見。
仔馬の片目が、開いてなかったそうです。
母に蹴られた以外、考えられません。
この母が我が仔をわざと蹴るわけがなく、偶然蹴り上げた蹄が、運悪く、仔馬の目を直撃したのでしょう。
他馬の種付けから帰って来たリーダーと共に、すぐに獣医さんを通じ、センターに連絡。
診療を受けましたが・・・。
「開くようになるだろう」と思った皆の予想に反し、くだった診断は、予後不良。
蹴られた片目の回復は見込めず、競走馬としての生命が絶たれたための処分でした。
「片目でも生きているのに、どうして?」
「どうして、こんなことになった?なんで、防げなかった?」
そんな考えが頭の中をぐるぐる渦巻き、とても冷静ではいられませんでした。
日高地方は、春先、毎日のように、冷たい強い西風が吹きます。
この日も強風。
風にイライラした母馬が、駆け回って後肢を蹴り上げたのか、その場を見た者はいません。
そして、起こってしまったことは、もうどうすることも出来ませんでした。
やるせなさだけが、どんどん募り、気持ちは沈む一方。
「それが競走馬なんだ・・・」
最後は結局、こうして、自分を納得させるしかありません。
たった2週間の命。
それでも、あの人懐こい顔と、愛らしい仕草を思い浮かべると、涙がにじみます。
春休み中、母馬の種付けに同行した次女は「あの仔、ずっと手をぺろぺろなめてくれてた」と喜んでいました。
わずかな間に、皆の心を動かした、小さな命。
朝の太陽が、暗い気持ちに少し光を差し込んでくれ、また仔馬たちに向き合いました。
寝ているニューイヤーズデイ牝馬の前から、ダノンレジェンド牡馬の前へ。
レジェンドくんが、隣の放牧地を見ているので、目をやると、ジャスタウェイ牝馬の母が、歩いていました。
朝から、空胎馬の放牧地に入っています。
最初、群れの面々から追いかけられていましたが、それも落ち着いたようでした。
立ち止まって、隣の放牧地を凝視する、ジャスタ母。
明らかに、いなくなった我が仔を探しています。
そこには、ジャスタちゃんとよく似た星のルーラーシップ牡馬の姿がありました。
いななく母馬に、また、レジェンドくんが反応。
歩き出した母馬に、さりげなく近付くレジーナ。
追いかけるわけではなく、寄り添っているように見えました。
ため息交じりに、パドックへ戻ると、ニューイヤーちゃんの姿。
そっと顔を出して来ます。
ぷりっぷりの馬体。
初日からそうだったように、元気よく、跳ね回っていました。
静止したニューイヤーちゃんに、毛づくろいする母。
「気持ちいい!」
愛情いっぱいの母の仕草を見るのは、微笑ましくもあり、少し辛くもあり。
「命を預かる仕事は、きついな」と改めて感じながらも、前を向くしかないと思いました。
母は4産目で、予定日より1日早い出産。
初日から馬房を走り回る、元気な仔で、翌朝にはパドックに出ました。
これは、生後3日目の今朝の姿です。
実は、前日、ショックな出来事があり、心の整理がついていない自分がいました。
目の前で、すやすやと眠る仔馬。
昨日の朝まで、同じように元気だったジャスタウェイ牝馬が、もうこの世にいません。
一昨日から、小さい放牧地へ出ていたジャスタちゃん親子。
昨日も、同じ場所へ放れていましたが、昼に、水桶の水を点検にいったスタッフが、異変を発見。
仔馬の片目が、開いてなかったそうです。
母に蹴られた以外、考えられません。
この母が我が仔をわざと蹴るわけがなく、偶然蹴り上げた蹄が、運悪く、仔馬の目を直撃したのでしょう。
他馬の種付けから帰って来たリーダーと共に、すぐに獣医さんを通じ、センターに連絡。
診療を受けましたが・・・。
「開くようになるだろう」と思った皆の予想に反し、くだった診断は、予後不良。
蹴られた片目の回復は見込めず、競走馬としての生命が絶たれたための処分でした。
「片目でも生きているのに、どうして?」
「どうして、こんなことになった?なんで、防げなかった?」
そんな考えが頭の中をぐるぐる渦巻き、とても冷静ではいられませんでした。
日高地方は、春先、毎日のように、冷たい強い西風が吹きます。
この日も強風。
風にイライラした母馬が、駆け回って後肢を蹴り上げたのか、その場を見た者はいません。
そして、起こってしまったことは、もうどうすることも出来ませんでした。
やるせなさだけが、どんどん募り、気持ちは沈む一方。
「それが競走馬なんだ・・・」
最後は結局、こうして、自分を納得させるしかありません。
たった2週間の命。
それでも、あの人懐こい顔と、愛らしい仕草を思い浮かべると、涙がにじみます。
春休み中、母馬の種付けに同行した次女は「あの仔、ずっと手をぺろぺろなめてくれてた」と喜んでいました。
わずかな間に、皆の心を動かした、小さな命。
朝の太陽が、暗い気持ちに少し光を差し込んでくれ、また仔馬たちに向き合いました。
寝ているニューイヤーズデイ牝馬の前から、ダノンレジェンド牡馬の前へ。
レジェンドくんが、隣の放牧地を見ているので、目をやると、ジャスタウェイ牝馬の母が、歩いていました。
朝から、空胎馬の放牧地に入っています。
最初、群れの面々から追いかけられていましたが、それも落ち着いたようでした。
立ち止まって、隣の放牧地を凝視する、ジャスタ母。
明らかに、いなくなった我が仔を探しています。
そこには、ジャスタちゃんとよく似た星のルーラーシップ牡馬の姿がありました。
いななく母馬に、また、レジェンドくんが反応。
歩き出した母馬に、さりげなく近付くレジーナ。
追いかけるわけではなく、寄り添っているように見えました。
ため息交じりに、パドックへ戻ると、ニューイヤーちゃんの姿。
そっと顔を出して来ます。
ぷりっぷりの馬体。
初日からそうだったように、元気よく、跳ね回っていました。
静止したニューイヤーちゃんに、毛づくろいする母。
「気持ちいい!」
愛情いっぱいの母の仕草を見るのは、微笑ましくもあり、少し辛くもあり。
「命を預かる仕事は、きついな」と改めて感じながらも、前を向くしかないと思いました。