『火の鳥 エデンの花』『映画 すみっコぐらし ツギハギ工場のふしぎなコ』イオンシネマシアタス調布11,8
- Date
- 2023/11/07/Tue 22:58
- Category
- 映画(FC2独自レビュー)
同日鑑賞2本を同時レビュー。
◆『火の鳥 エデンの花』イオンシネマシアタス調布11
▲ふぁーあーあーあー。
五つ星評価で【★★それぞれが何をしたいのか】
原作の「火の鳥 望郷編」は雑誌マンガ少年でリアルタイムに読んで何だか、「火の鳥」の一片としては力不足だよなあという印象。神様・手塚治虫だから単行本化された時に大量の加筆があったみたいな話もありえなくはないが。なんか「火の鳥」キャラによる「大甲子園」みたいで、それ以上の感慨がないのは私自身に「望郷」という感情がないからかもしれない。
絵柄が純粋な手塚治虫のものではなく、ちょっとアレンジした形に変わっている。これが失敗なのではないかと思う。キャラクターはリアル方向に調整され、手塚マンガのような一目でキャラクターの感情が分かる状態ではなくなった(コムだけはそうではない)。「望郷編」とのもっとも大きな違いはロミとカインがセックスをしない点だと思うが、「エデンの花」でもロミはカインとセックスをする気持ちがあった。コールドスリープした理由はそこにあるとしか言えない。何故? 母と息子のままで生きていってはいけないのか? エデンを繁栄させる事がそんなに必要か? そこが伝わってこなかった。うろ覚えだが「望郷編」では逃げ帰るという選択肢が宇宙船故障で出来ず、ロミの連れ合いのジョージの意思を継ぐという意味合いがあったのだと思う。「エデンの花」はその辺、曖昧だ。「望郷編」のロミは手塚治虫マンガの美少女顔なので奔放で感情的、「エデンの花」のロミは宮沢りえが声を充ててる事からもとても冷静な行動家のように見える。ちょっとやってしまう事がチグハグに思える。これが「望郷編」のマンガ顔のロミなら、考えなしに感情的でやってしまうのが分からなくもないのだが。
ロミを助けながらも最後には追い詰める牧村も冷静なキャラクターだが、「望郷編」ではもっと苦渋の判断に悩んでいたと思う。
宇宙商人のズダーバンもやる事は同じだが、「望郷編」の彼のモラルのなさは彼がくりくりネズミの容貌を持っている事から、イヤな部分ではあるが共感してしまえる。「エデンの花」のズダーバンは単にイヤな奴がひどい事をして、その報いを受けて死んでいく(ように見える)。
手塚治虫のマンガ絵というのは、現実の人間と違って非常に共感度が高い。
ロミも牧村もズダーバンもみな、それなりに突拍子のない行動を取るのだが、マンガ絵のキャラクターに感情移入させつつ、物語の中でちゃんとキャラクターの感情を独白させたりして、何でそんな事をやったのか分からないという事はない。そこが「エデンの花」との違いだと思う。「エデンの花」は決められた物語があり、それに合わせてキャラクター達が自分の感情はともかくとして、そこに向かって行動しているように見える。
コムは「望郷編」でも「エデンの花」でも、そう違わない。だから可愛い。
◆『映画 すみっコぐらし ツギハギ工場のふしぎなコ』イオンシネマシアタス調布8
▲(*´Д`)ハァハァ
五つ星評価で【★★★ちゃんとしてる】
子供たちを泣かすんだよね。
冒頭、レギュラーすみっコそれぞれの説明が本編内につく親切構造。こういうの大切で大事。
ナレーターが本上まなみ一人になってしまったが、「ああ一人になってしまったんだなあ」とは思うものの、直接の問題点はなし。ただ、井ノ原快彦のナレーションが加わっていたら、それはそれできっとよかったであろう事を考えると残念ではある。
決して100%幸せでないすみっコ達が人の幸せの為に努力するという構造はじんわり心を温かくする。
本物のペンギンさんが再登場するまでの時間が長い。そのまま出て来なくなる事もないとは思っていたが。
パフュームの主題歌、タピオカのキャラクターがパフュームの振り付けで踊るカットがパフュームのMVにはあるらしい。当然、それがエンドロールに付くと思っていたので、それがなかったのは残念だった。
【銭】
イオンシネマは55歳からシニア扱いで各1100円。
▼作品の概要はこの辺り見てください。
・火の鳥 エデンの花@映画.com
・映画 すみっコぐらし ツギハギ工場のふしぎなコ@映画.com
◆『火の鳥 エデンの花』イオンシネマシアタス調布11
▲ふぁーあーあーあー。
五つ星評価で【★★それぞれが何をしたいのか】
原作の「火の鳥 望郷編」は雑誌マンガ少年でリアルタイムに読んで何だか、「火の鳥」の一片としては力不足だよなあという印象。神様・手塚治虫だから単行本化された時に大量の加筆があったみたいな話もありえなくはないが。なんか「火の鳥」キャラによる「大甲子園」みたいで、それ以上の感慨がないのは私自身に「望郷」という感情がないからかもしれない。
絵柄が純粋な手塚治虫のものではなく、ちょっとアレンジした形に変わっている。これが失敗なのではないかと思う。キャラクターはリアル方向に調整され、手塚マンガのような一目でキャラクターの感情が分かる状態ではなくなった(コムだけはそうではない)。「望郷編」とのもっとも大きな違いはロミとカインがセックスをしない点だと思うが、「エデンの花」でもロミはカインとセックスをする気持ちがあった。コールドスリープした理由はそこにあるとしか言えない。何故? 母と息子のままで生きていってはいけないのか? エデンを繁栄させる事がそんなに必要か? そこが伝わってこなかった。うろ覚えだが「望郷編」では逃げ帰るという選択肢が宇宙船故障で出来ず、ロミの連れ合いのジョージの意思を継ぐという意味合いがあったのだと思う。「エデンの花」はその辺、曖昧だ。「望郷編」のロミは手塚治虫マンガの美少女顔なので奔放で感情的、「エデンの花」のロミは宮沢りえが声を充ててる事からもとても冷静な行動家のように見える。ちょっとやってしまう事がチグハグに思える。これが「望郷編」のマンガ顔のロミなら、考えなしに感情的でやってしまうのが分からなくもないのだが。
ロミを助けながらも最後には追い詰める牧村も冷静なキャラクターだが、「望郷編」ではもっと苦渋の判断に悩んでいたと思う。
宇宙商人のズダーバンもやる事は同じだが、「望郷編」の彼のモラルのなさは彼がくりくりネズミの容貌を持っている事から、イヤな部分ではあるが共感してしまえる。「エデンの花」のズダーバンは単にイヤな奴がひどい事をして、その報いを受けて死んでいく(ように見える)。
手塚治虫のマンガ絵というのは、現実の人間と違って非常に共感度が高い。
ロミも牧村もズダーバンもみな、それなりに突拍子のない行動を取るのだが、マンガ絵のキャラクターに感情移入させつつ、物語の中でちゃんとキャラクターの感情を独白させたりして、何でそんな事をやったのか分からないという事はない。そこが「エデンの花」との違いだと思う。「エデンの花」は決められた物語があり、それに合わせてキャラクター達が自分の感情はともかくとして、そこに向かって行動しているように見える。
コムは「望郷編」でも「エデンの花」でも、そう違わない。だから可愛い。
◆『映画 すみっコぐらし ツギハギ工場のふしぎなコ』イオンシネマシアタス調布8
▲(*´Д`)ハァハァ
五つ星評価で【★★★ちゃんとしてる】
子供たちを泣かすんだよね。
冒頭、レギュラーすみっコそれぞれの説明が本編内につく親切構造。こういうの大切で大事。
ナレーターが本上まなみ一人になってしまったが、「ああ一人になってしまったんだなあ」とは思うものの、直接の問題点はなし。ただ、井ノ原快彦のナレーションが加わっていたら、それはそれできっとよかったであろう事を考えると残念ではある。
決して100%幸せでないすみっコ達が人の幸せの為に努力するという構造はじんわり心を温かくする。
本物のペンギンさんが再登場するまでの時間が長い。そのまま出て来なくなる事もないとは思っていたが。
パフュームの主題歌、タピオカのキャラクターがパフュームの振り付けで踊るカットがパフュームのMVにはあるらしい。当然、それがエンドロールに付くと思っていたので、それがなかったのは残念だった。
【銭】
イオンシネマは55歳からシニア扱いで各1100円。
▼作品の概要はこの辺り見てください。
・火の鳥 エデンの花@映画.com
・映画 すみっコぐらし ツギハギ工場のふしぎなコ@映画.com