今から20年前の1993年、チェコスロバキアが連邦を解消し、チェコ共和国とスロバキア共和国の両国はそれぞれの道を歩むことになりましたが、争いごとなく分離連邦を解消したことを各マスコミがビロード革命と呼んでました。個人的にはチェコスロバキアの響きがいいのだが・・・・・・・
チェコスロバキアというと、ZB26マシンガンや改良型のZB30などの活躍をみると、隣国のドイツやオーストリアなどと比べても銃器開発の能力の高さは負けてません。
そのZB26の改良型のZB30Jの無可動実銃がシカゴレジメンタルスさんにけっこうな数が入荷したので前から欲しかったモデルということもあり、即購入したのだが、10月頃からグリース落としのためWD-40をぶっかけて放置状態のため、部屋中WD-40のニオイがとれずファブリーズをさらにぶっかけるハメに・・・・・・(笑)
まぁ元々がほぼ未使用状態だったからそこまでぶっかけて置かなくてもよかったのだがねぇ。こりゃ~完全にクセですな。でも磨きあがったZB30Jはブルー色の美しい事!
ユーゴ製、ZB30J軽機関銃。左側面。
削り出しのボディーのブルーの深い色合いと、木ストの美しさに酒もススム。
右側面。
ヴァクラブ・ホレック氏が開発したZB26の改良型。ユーゴ製ZB30J『J』はユーゴを表しているとのこと。
当時のクラフトマンシップ魂を見せつけられるのが、このボディーの削り出し加工ときれいなブルー。まったく読めませんがこれセルビア語でしょうか?
アッパーレシーバー右側面には3b M37と刻印が入っている。
ZB30Jのコッキング・ハンドル。
昔の月刊Gun誌、床井先生のWWⅡシリーズのZB26分解写真を見ると、コッキング・ハンドルはボルトと独立している。ここんところは溶接されている無可動銃では資料を見ながら想像の世界を楽しむしかない・・・・・
でも想像するのは好き・・・・・・・(笑)
改良型のZB30Jはこのようにコッキング・ハンドルが前方に折りたためるようになっている。折りたたむときのカッチン!カッチン!と鋼鉄の歯切れのよいクリック感がたまらん。亜鉛ダイキャストのモデルガンなどでは味わえないクリック感ですのぉ!
バットストックも未使用だけあってほとんどスレていない。大戦モノは通常はバットストックはまっ黒というのも多いのだが、これは美しい。時間がある時にでも木ストック用オイルでも塗りたくってあげよう。
ショルダー・レストを引き起こした状態のZB30J軽機関銃。テッポーのことに興味のない人がこの写真をみたら、靴べらにみえるだろう?
レシーバー後方の上面には、ユーゴスラビア王国の国章とシリアルナンバー、そしてCS.ZBROJOVKA A.S BRNOの刻印がくっきりと入っている。
ユーゴスラビア王国時代の国章。アップ画像。
ちょっとクドイがもういっちょ! CS.ZBROJOVKA A.S BRNOの刻印のアップ画像。ほんとクドイ・・・・・・・
ZB30Jのキャリングハンドル。持ち運びにはこの状態。射撃時にはハンドルを引っ張り、横の位置にすることが可能。
こちらもキッチリと造られている。可動部分も鋼鉄の塊からの削り出しには惚れ惚れする。
キャリングハンドルを引っ張り、横位置にすると射撃体勢モード。これってしっかり保持されて安定感ある。
手の込んだ製造も当時は大変だったろうなぁ。このような放熱フィン構造のバレル。放熱効果が実際にはほとんどないようで、最近のマシンガンには採用されてませんが、当時の銃器類に多いこの形状が好きなんだなぁ。
ZB30Jマシンガンの特徴的なのが、放熱フィンとヤスリのようなデザインのバレル。女性的なZB26の全て放熱フィン・バレルのフォルムと違って、これがまた質実剛健さをアップさせている。
ZB26マシンガンと比べると長いフラッシュ・サプレッサー。これだけでイメージが全然変わってくるのよねぇ。しかし、このブルー色はいつ見てもたまらんのぉ!
ZBシリーズの中でも特徴的なもののひとつに、左側にデザインされたサイト。これって取扱に気をつけないと、左側面を下にしたり手荒く扱うと変形しそうだ。
フロントサイトと同じように左側に位置するリアサイト。折りたたみコッキング・ハンドルと同様、これも実物を実際に作動させると鋼鉄のクリック感がたまらん。亜鉛ダイキャストの違い(あたり前だが)を感じる。
円形のハンドルの後側に射程の目盛りがついている。
ZB30J軽機関銃のトリガーまわりのアップ画像。
グリップ上にあるセレクターは、写真の状態がセミオートで、真下がセーフ、トリガー側前方がフルオート。
んんっ・・・・レシーバーの溝、横一線に赤茶けたサビっぽいのが薄っすらと浮いとるなぁ。こりやぁWD40を、もうひと吹きするか!
トリガーはテンションなしのブーラブラ。まぁこれはしょうがない。しかし、こんな細くて貧弱そうに見えるトリガーでも実戦で耐えられたんだからすごい。現代のハンドガンのトリガーのほうがまだ太いよなぁ。
ピストルグリップ底辺部分。ここんところはまだ手をつけてない。今度時間があるときにでもバラしてお掃除だな。
バットストック底辺部分。ここもホントしっかりとした作りをしている。
マガジンの装着というと一般的には下方からだが、ZB系は上方からマガジンを装着するのでサイトも含めて少し変わったデザインとなっているが、これが見ればみるほど美しく見えてくるんだよなぁ。
マガジンハウジング上部には砂や泥などの混入を防ぐためだろう、このように前方からスライドさせられるようにフタが装備されているのだが、これが意外と薄くてユルユルなんだなぁ。ちょっとした衝撃でも大丈夫だろうか。
レシーバー下方。エジェクションポートまわり。
グリース漬けで拭きとるのに大変だったのがこちらロアレシーバー内部。きれいになりましたのぉ!
ご覧のとおりZB30Jのリコイル・スプリングはバットストック内に収められている。
バットストック内に収められているリコイル・スプリングのテンションは、この先っちょがボルトキャリアーと接する。
アッパーレシバー内部。
ボルトキャリアー部分に見えるグリース。何度もWD40をぶっかけても出てくる出てくる。
ZB30Jのレシーバー内後端からの眺め。溶接されているためここんところは指をくわえて見るだけだが、ボルトキャリアーがスル~スル~っと抜けてくるのを想像をするだけでもヨダレが出てくる!
バイポッド取り付け基部まわり。大戦時モノだけあってキッチリしてますなぁ。
バイポッドは5段階くらい調節が出来るようになっている。
現代の軽機関銃と比べると大きいバイポッド、スパイク部分。
ZB30Jのマガジン。側面。
ほぼ未使用だけあってキレイだが、ここ最近はマガジンスプリングを全て除去されているのでテキトーなモデルガンのスプリングを代用するのだが、最近はそれももったいないのでちょっと恥ずかしいのだが、
ハンガーなどの針金で代用している。(笑)
ちょっとクドイが、もういっちょ!マガジン。
レシーバー側のリリースキャッチ部分に引っかける突起部分のアップ。
二次大戦時にはチェコ機銃と称され、故障が少ない名器と言わしめたZB26軽機関銃。その改良型でユーゴスラビア王国が採用したZB30J機関銃は美しいの一言に尽きる。また、バレル半分が放熱フィンであと半分がヤスリのようなツートンデザインがこれまたいいのよねぇ。
イギリスのブレン軽機関銃の基になったZB26やZB30軽機関銃。中国やユーゴスラビア、トルコ、スペイン、イラン、ブラジル、タイ等々・・・・・・いろんな国へ輸出あるいはライセンス生産されたZB系の軽機関銃はチェコスロバキアの銃器開発能力のレベルの高さをあらためて感じさせるモデルですなぁ。見ればみるほど、触ればさわるほど味わい深いテッポーでもある。
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