猫箱ただひとつ 2018-05-06T14:41:30+09:00 bern-kaste Hatena::Blog hatenablog://blog/11696248318755117475 WA2レビュー小木曽雪菜という諸悪の根源 hatenablog://entry/17391345971641016947 2018-05-06T14:41:30+09:00 2018-05-06T14:41:30+09:00 私的満足度:★★★(3.7)疑似客観視:★★★(3.8) 私のWHITE ALBUM2の評価は、高くない。 むしろ低いのは「良い点」と「悪い点」がぶつかり合い、際立ったものが削れてしまったからだろうか。 とかく両方とも書いていく。 (1)雪菜さえいなければ・・・ (2)自罰をめぐる物語~WHITE ALBUM2の純愛~ (3)WA2の比喩表現の乏しさはヤバイ (4)テキストの特徴 (5)立ち絵の同人並感 (6)音がかさなる演出 (7)千晶派 (8) データ吹っ飛び おわり ノベルゲーム関連記事 <p><img class="hatena-fotolife" title="f:id:bern-kaste:20180503091933j:plain" src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/b/bern-kaste/20180503/20180503091933.jpg" alt="f:id:bern-kaste:20180503091933j:plain" width="438" /></p> <p>私的満足度:★★★(3.7)<br />疑似客観視:★★★(3.8)</p> <p> </p> <p>私の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/WHITE%20ALBUM2">WHITE ALBUM2</a>の評価は、高くない。</p> <p>むしろ低いのは「良い点」と「悪い点」がぶつかり合い、際立ったものが削れてしまったからだろうか。</p> <p>とかく両方とも書いていく。</p> <ul class="table-of-contents"> <li><a href="#1雪菜さえいなければ">(1)雪菜さえいなければ・・・</a></li> <li><a href="#2自罰をめぐる物語WHITE-ALBUM2の純愛">(2)自罰をめぐる物語~WHITE ALBUM2の純愛~</a></li> <li><a href="#3WA2の比喩表現の乏しさはヤバイ">(3)WA2の比喩表現の乏しさはヤバイ</a></li> <li><a href="#4テキストの特徴">(4)テキストの特徴</a></li> <li><a href="#5立ち絵の同人並感">(5)立ち絵の同人並感</a></li> <li><a href="#6音がかさなる演出">(6)音がかさなる演出</a></li> <li><a href="#7千晶派">(7)千晶派</a></li> <li><a href="#8-データ吹っ飛び">(8) データ吹っ飛び</a></li> <li><a href="#おわり">おわり</a><ul> <li><a href="#ノベルゲーム関連記事"> ノベルゲーム関連記事</a></li> </ul> </li> </ul> <p> </p> <p>  </p> <h3 id="1雪菜さえいなければ">(1)雪菜さえいなければ・・・</h3> <p> </p> <p>WA2は第一部で三角関係が成立し、かずさ不在のまま春希と雪菜が結ばれる第二部、そして再びどちらを選ぶか?迫られる第三部によって捻りにねじれた愛憎劇になっている。</p> <p>ここで「<strong>なぜ</strong>」このような事態になってしまったのかを考えれば、小木曽雪菜に原因が集中するのは疑うまでもない。</p> <p>彼女がいたから、春希は何度も間違えるのだ。<br />彼女がいるから、かずさの恋は実らないのだ。<br />彼女がいなければ、二人は結ばれた。</p> <p>――春希が「いちばん」好きなのはかずさだ。けれど彼はその恋が実らないと思い込んでいたし、その気持ちに気づいたのは雪菜にせまられた後だった。この意味では彼にも悪いところはある。</p> <p>だが、それらを全部見透かして行動したのは小木曽雪菜である。かずさの恋心も、春希の想いも、分かった上で告白したのだ。このままでは二人が惹かれていくのは目に見えていたし、三人が一人になることを怖れ、あせった、愚鈍な一手。</p> <p>ううん彼女にとっては最善の一手。</p> <p> </p> <blockquote> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>「かずさがあなたに気持ちを伝える前なら、絶対に勝てるって、知ってたんだよ」</strong></span></p> <p><br />――雪菜/Introduction/<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/WHITE%20ALBUM2">WHITE ALBUM2</a></p> </blockquote> <p> </p> <p>その結果、春希とかずさは想い合うんだから皮肉だ。</p> <p>しかしこれは<span style="color: #0000cc;"><strong>雪菜さえいなければ</strong></span>そうなって当然だと明らかにしたものである。雪菜さえいなければ二人は速やかに結ばれたし、邪魔者なのは彼女をもってして他にいない。</p> <p>第二部では雪菜が執着すればするほど、春希は苦しむ構図になっている。その関係性から逃げるようにして後輩や上司と恋仲になるのは、それだけ雪菜の想いは重荷ということだ。</p> <p>それでも春希が向き合い、関係を修復し、2年間の熱い交際をしたところで5年音信不通だったかずさが現れれば彼の心は揺れる。「ほんとう」に好きな相手がいるからなんども間違えてしまうし、「二番目」に好きな相手と板挟みだから心身が失調するのだ。</p> <p>――小木曽雪菜さえいなければ、二人はこんなにも苦しまかった。</p> <p>雪菜は自分のことを汚い、汚い言うが、本当にそのとおりだよ。お前のエゴによって彼らは辛い思いをし、お前の粘着質な態度によって事態はここまで悪化した。</p> <p>雪菜はここを理解しているからこそ、春希の浮気を浮気とは思わず、なるようにしてなった、割り込んだのは私だ、という意識を持っているのである。けれど道徳観念が強い春希はこれを理解できず、罰を求めるのだからもうどうにもならない。</p> <p>もしも<span style="color: #0000cc;"><strong>誰が悪いか</strong></span>を決めるのなら、以上の理由において雪菜しかいない。彼女こそWA2における諸悪の根源。</p> <p> </p> <p>……もちろん二元論で割り切るなんてナンセンスだけどね。だれもが悪く、だれもが正しかった。己の願いを叶えようとすることが間違いだと思わないし、それでだれかが傷つくのは当然のことだろう。だからこの話は「しいて言うならば?」程度にすぎない。</p> <p> </p> <p> </p> <h3 id="2自罰をめぐる物語WHITE-ALBUM2の純愛">(2)自罰をめぐる物語~<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/WHITE%20ALBUM2">WHITE ALBUM2</a>の純愛~</h3> <p> </p> <p>言うまでもないが、春希が恐れるのは「<span style="color: #0000cc;"><strong>世間から外れた自分</strong></span>」である。</p> <p>高校のときから委員長として規則を守り、クラス全員に規則を守らせお節介からも分かるようにルールをとても大事にしてる。</p> <p>決められたものを遵守するのは当然であり、逸脱するものを決して許さないその気質が、大学、バイト、仕事……において活かされると責任感は人一倍で、やるべきことをやり、周囲の信頼を勝ち取ることに繋がっている。</p> <p>だから社会適応につまづくことはないし、むしろ定められた場所があることに安心を覚えてる風でさえある。</p> <p>しかしこれは逆さまにすれば、<span style="text-decoration: underline;">社会の決めごとを逸脱した時、耐えられないほどの罪悪感が彼に襲いかかる</span>ということだ。今回の件でいえば、雪菜への裏切りであり、交際からわずか数ヶ月で浮気し、小木曽家族からの信頼を一蹴したそれらは不義理で、不道徳な、倫理違反。</p> <p>世俗に生きることを是とする春希だからこそ、それが彼のアイデンティとなってるからこそ、<span style="color: #000000;">逸脱した自分を罰し続ける</span>のである。</p> <p>――つまりWA2における純粋なる愛とは、<span style="color: #0000cc;"><strong>世の中から外れてもひとりの女の子を愛せますか?</strong></span> にかかるわけだ。雪菜を2度裏切り、小木曽家族を裏切り、殴られ、友達もなくし会社やめてそれでも……冬馬かずさを愛せますか? </p> <p>愛せます!と言うのがかずさ√。</p> <p>愛せない!と言うのが雪菜√なのである。</p> <p> </p> <blockquote> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>かずさ「本当は、本当はさ… もっと違う、一番幸せな道、あったんだよ」</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>春希「…もう、寝ろよ。夜、開けちまったぞ」</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>かずさ「教会の祭壇で雪菜が泣いてて、春希が照れてて、そしてあたしが、祝いのオルガンを弾く」</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>春希「………寝るぞ、俺は」</strong></span></p> <p> </p> <p><img class="hatena-fotolife" title="f:id:bern-kaste:20180506201533j:plain" src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/b/bern-kaste/20180506/20180506201533.jpg" alt="f:id:bern-kaste:20180506201533j:plain" /></p> <p>――coda,かずさ√,<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/WHITE%20ALBUM2">WHITE ALBUM2</a></p> </blockquote> <p> </p> <p>雪菜√は春希にとって「ほんとう」の好きを貫けない代わりに、誰も失わないENDになっている。社会から受け入れられ、恋人も、親友も、疎遠だった母親とも和解(?)し、式場にまで呼ぶそんな誰もが笑っていられる結末。</p> <p>「社会的」な視点からいえばまず間違いなく幸せだし、その価値観を絶対視しながら背き続けることで潰れていく春希をみかねて振ってしまうのが浮気√なのである。</p> <p>そしてこれは<span style="color: #0000cc;"><strong>冬馬かずさにおいての愛</strong></span>とも考えられるわけだ。本当ならばずっと側にいてほしい、ずっと守ってほしい。でも春希の幸せを考えるなら自分と一緒にいてはダメだ……という苦渋の決断。</p> <p> </p> <blockquote> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>「本当は、ずっとずっと、お前と一緒に… 二人だけの世界に、閉じこもっていたかった」</strong></span>(中略)</p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>「でも壊れてく! あたしといると春希がどんどん壊れていくんだよ!」</strong></span></p> <p><br />――かずさ,coda,浮気√,<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/WHITE%20ALBUM2">WHITE ALBUM2</a></p> </blockquote> <p>  </p> <p>本気で好きだからこそ、遠ざける。かずさにとっての純愛とはそういうものだったのかもしれない。</p> <p>なんにせよ<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/WHITE%20ALBUM2">WHITE ALBUM2</a>は「自罰」的な物語である。春希しかり、雪菜しかり、かずさ然り……誰も彼も自分を責めて、罰することが常態化している。そこから抜け出すには「向き合うしかない!」という答えで、そこを描くまでものすごい量の描写がなされた、そんな作品であった。</p> <p> </p> <p> </p> <p> </p> <h3 id="3WA2の比喩表現の乏しさはヤバイ">(3)WA2の比喩表現の乏しさはヤバイ</h3> <p> </p> <p>まー、とにかくひどいですよね。</p> <p>手垢にまみれた比喩表現のオンパレードで、新鮮味もユーモアも全然感じられないし、本作のキラーフレーズってなに?って聞かれても何も浮かばないでしょ? そゆことさ。</p> <p> </p> <p> </p> <blockquote> <p><img class="hatena-fotolife" title="f:id:bern-kaste:20180505073120j:plain" src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/b/bern-kaste/20180505/20180505073120.jpg" alt="f:id:bern-kaste:20180505073120j:plain" /></p> <p>"春希「俺たちのことを誰も知らない、俺たちのことを気にする人なんかいない。そんな、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C0%D0%B4%EF%BB%FE%C2%E5">石器時代</a>に行こう……」"</p> <p> </p> <p>――coda,浮気√,<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/WHITE%20ALBUM2">WHITE ALBUM2</a></p> </blockquote> <p> <a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C0%D0%B4%EF%BB%FE%C2%E5">石器時代</a>……。</p> <p>文脈で考えれば不適当ではないものの、もうあまりのあれさにやるせないです。</p> <p> </p> <p> </p> <blockquote> <p><img class="hatena-fotolife" title="f:id:bern-kaste:20180505073424j:plain" src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/b/bern-kaste/20180505/20180505073424.jpg" alt="f:id:bern-kaste:20180505073424j:plain" /></p> <p>"たった一日の結婚生活を締めくくる、<br />スピード離婚の聖なる儀式。"</p> <p>――coda,浮気√,<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/WHITE%20ALBUM2">WHITE ALBUM2</a></p> </blockquote> <p> </p> <blockquote> <p><img class="hatena-fotolife" title="f:id:bern-kaste:20180505073434j:plain" src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/b/bern-kaste/20180505/20180505073434.jpg" alt="f:id:bern-kaste:20180505073434j:plain" /></p> <p>"まるで伝説の名演奏のように……"</p> <p> </p> <p>――coda,浮気√,<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/WHITE%20ALBUM2">WHITE ALBUM2</a></p> </blockquote> <p> </p> <p>なにが "まるで" なの? かずさの演奏を表現するのがこれなの? もうまんまじゃん。 やってらんねー……。</p> <p> </p> <blockquote> <p><img class="hatena-fotolife" title="f:id:bern-kaste:20180505073638j:plain" src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/b/bern-kaste/20180505/20180505073638.jpg" alt="f:id:bern-kaste:20180505073638j:plain" /></p> <p>"春希「お前、見た目キンキラキンだけど中身は腐ってる。いくら才能だけ認められても、社会人としては失格だ」"</p> <p> </p> <p>――coda,かずさ√,<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/WHITE%20ALBUM2">WHITE ALBUM2</a></p> </blockquote> <p> </p> <p>きんきらきん……。</p> <p> </p> <blockquote> <p><img class="hatena-fotolife" title="f:id:bern-kaste:20180505073709j:plain" src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/b/bern-kaste/20180505/20180505073709.jpg" alt="f:id:bern-kaste:20180505073709j:plain" /></p> <p>"春希「悪魔と、契約してでも、な」"</p> <p> </p> <p>――coda,かずさ√,<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/WHITE%20ALBUM2">WHITE ALBUM2</a></p> </blockquote> <p> </p> <blockquote> <p><img class="hatena-fotolife" title="f:id:bern-kaste:20180505073728j:plain" src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/b/bern-kaste/20180505/20180505073728.jpg" alt="f:id:bern-kaste:20180505073728j:plain" /></p> <p>"俺たちは、血の契約を交わした。"</p> <p> </p> <p>――coda,かずさ√,<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/WHITE%20ALBUM2">WHITE ALBUM2</a></p> </blockquote> <p> </p> <blockquote> <p><img class="hatena-fotolife" title="f:id:bern-kaste:20180505073846j:plain" src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/b/bern-kaste/20180505/20180505073846.jpg" alt="f:id:bern-kaste:20180505073846j:plain" /></p> <p>"アリが冬に備えてせっせと働いているとき、キリギリスは優雅に歌い、遊び。"</p> <p> </p> <p>――coda,かずさ√,<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/WHITE%20ALBUM2">WHITE ALBUM2</a></p> </blockquote> <p> </p> <blockquote> <p><img class="hatena-fotolife" title="f:id:bern-kaste:20180505074155j:plain" src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/b/bern-kaste/20180505/20180505074155.jpg" alt="f:id:bern-kaste:20180505074155j:plain" /></p> <p>"かずさ「根っこのところで全然変わってない。あの杓子定規がやっぱり好きなんだ!」"</p> <p> </p> <p>――coda,かずさ√,<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/WHITE%20ALBUM2">WHITE ALBUM2</a></p> </blockquote> <p> </p> <p>……もういいでしょう。</p> <p>引用が後半に集中したのは隠喩・暗喩・換喩etcがそもそも絶対数<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A4%AB%A4%E9%A4%B7">からし</a>て少なく、登場してもこんなふうに陳腐。黴くさい「キンキラキン」「ピカピカ」「スピード離婚」からも分かるように、センスのいい比喩がほんっとーーにない。プレイ時間60時間↑でうまい言い回しもない驚くべき事態。</p> <p>読み物として楽しくない作品ってこういうとこありますよね。(怒)</p> <p> </p> <p> </p> <h3 id="4テキストの特徴">(4)テキストの特徴</h3> <p> </p> <p>WA2は</p> <ul> <li><span style="color: #0000cc;"><strong>だらっとした心理描写</strong></span></li> <li><span style="color: #0000cc;"><strong>時間差</strong></span></li> <li><span style="color: #0000cc;"><strong>浅い比喩表現</strong></span></li> </ul> <p>この3つで編み上げられており、ダラダラ春希の心理を積み上げつつ、それをセリフとの時間差でぐだぐだ表現する面白味のないテキストだ。</p> <p>例)</p> <blockquote> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>どうしたらいいのかわからなくて焦るあまりに、</strong></span><br /><span style="color: #286f2c;"><strong>いつも最悪の選択ばかりしてきた付属時代の俺を、</strong></span><br /><span style="color: #286f2c;"><strong>二度と繰り返したくなかったから…</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>でも結局、そういう決断からはいつも逃げてたから、</strong></span><br /><span style="color: #286f2c;"><strong>今までほとんどこういう場面に出くわさなかったけど。</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>小春「さてと…じゃあ今からどうしましょうか? もう帰ってるか、小木曽の家に電話してみます? それともやっぱり、もう少し心当たりを…」</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>と、もうとっくに日付も変わったというのに、</strong></span><br /><span style="color: #286f2c;"><strong>まだまだ元気で、そして何故だか</strong></span><br /><span style="color: #286f2c;"><strong>機嫌を直してしまった杉浦を、俺は…</strong></span></p> <p>――Crossing Chapte,<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/WHITE%20ALBUM2">WHITE ALBUM2</a></p> </blockquote> <p> <br />セリフと地の文、とかく長ったらしいのである。</p> <p>人によっては「素直」で「わかりやすい」という評価を下すかもしれない、が私からいわせれば芋虫が1mを1日かけて這いずりまわるようなじれったさを感じてしまう。</p> <p> </p> <p>時間差というのは、「春希の心情」と「携帯メールの返信」を交互に繰り替えされる、あのような構造をいっている。</p> <p>この2つはそれぞれ異なった<strong>意味</strong>をもっているが、それを連続して表示しないことで春希の実際の気持ちをあらわしたり、リアルタイムに移り変わる様子をだしている。</p> <p>ただ、正直読みにくいことこの上ない。意味がちぎれちぎれなので、正確に把握するにはいちいち履歴を漁らなくてはいけないし、その手間分の価値はないときている。</p> <p>また演出上、画面が暗転し、フェートアウト。そして春希の気持ちがすっと表示されるあの「タメ演出」が多用しすぎていてげんなりである。</p> <ul> <li><span style="color: #286f2c;"><strong>時間差+タメ演出+冗長なテキスト=読みにくさ</strong></span></li> </ul> <p>に繋がっていると指摘する。</p> <p> </p> <p> </p> <h3 id="5立ち絵の同人並感">(5)立ち絵の同人並感</h3> <p> </p> <blockquote> <p><img class="hatena-fotolife" title="f:id:bern-kaste:20180506132116j:plain" src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/b/bern-kaste/20180506/20180506132116.jpg" alt="f:id:bern-kaste:20180506132116j:plain" /></p> <p><img class="hatena-fotolife" title="f:id:bern-kaste:20180506132135j:plain" src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/b/bern-kaste/20180506/20180506132135.jpg" alt="f:id:bern-kaste:20180506132135j:plain" /></p> <p><img class="hatena-fotolife" title="f:id:bern-kaste:20180506132129j:plain" src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/b/bern-kaste/20180506/20180506132129.jpg" alt="f:id:bern-kaste:20180506132129j:plain" /></p> <p> <img class="hatena-fotolife" title="f:id:bern-kaste:20180506132231j:plain" src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/b/bern-kaste/20180506/20180506132231.jpg" alt="f:id:bern-kaste:20180506132231j:plain" /></p> <p>――<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/WHITE%20ALBUM">WHITE ALBUM</a>2</p> </blockquote> <p> </p> <p>まず「手」は描けてないし「重心」はガタガタ「背の反り」は骨が折れるかっつーくらい曲がり「肘の位置」はおかしい。正直、違和感だらけ。</p> <p>もちろんイラストなのだから現実の法則を持ってくるかどうかは慎重にしなければいけないが、これはそういう次元ではない。人体構造がそもそもなってないし、現実の齟齬の「処理」がうまくいってない。</p> <p>パッケージ絵との落差すごい、と思ったのは私だけじゃないはず。(セット版)</p> <p> </p> <p> </p> <h3 id="6音がかさなる演出">(6)音がかさなる演出</h3> <p>Introductionでギターとピアノの音が重なり合う演出はとてもよかった。縦横無尽に駆ける音素が雑なリフといつの間にか一致している……この体験をADVで得られたことは大きかったなと。</p> <p> </p> <h3 id="7千晶派">(7)千晶派</h3> <p>WA2でだれが好きかと言われれば、千晶である。かずさでも雪菜でも春希でもなく、物語を食い散らかす彼女のことが大好きである。</p> <p>しかし作品的に「演技」を重視されるキャラなのに、千晶の「声」がミスマッチすぎて悔しい……。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%CC%F2%C9%D4%C2%AD">役不足</a>ならぶ役者不足。なので普通にボイスOFF。</p> <p> </p> <p> </p> <h3 id="8-データ吹っ飛び">(8) データ吹っ飛び</h3> <p><img class="hatena-fotolife" title="f:id:bern-kaste:20180508184656j:plain" src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/b/bern-kaste/20180508/20180508184656.jpg" alt="f:id:bern-kaste:20180508184656j:plain" /></p> <p>OS対応、推奨スペック、パッチ済み……にも関わらずこのエラーメッセージが出て<strong>内部データが初期化</strong>されてしまいリスタート。それも5回も。</p> <p>既読フラグも吹っ飛ぶので、正直最悪である。強制スキップ(ctrl)で凌ぐものの、正直うーんという感じでした。</p> <p>PCとの相性が悪かったのかな。</p> <p> </p> <p> </p> <h3 id="おわり">おわり</h3> <p> </p> <p>辛辣な感想で申し訳ないが、<span style="text-decoration: underline;">ストーリー、テキスト、演出、立ち絵</span>どれも取るに足らない作品だった。これが正直な気持ちである。</p> <p>長い長い痴情のもつれの中で輝いていたのは、千晶√のみ。そう思ってしまうのは、本作の関係性の腐敗は小木曽雪菜によるものだと理解したこと、第一部~第三部やってることは全部同じなこと、+素朴なテキストを丸4日読まされた苛立ちからだろうか。</p> <p>了.</p> <p> </p> <p>(ちなみに、今買うならこっちのほうがいいはず)</p> <div class="amazlet-box" style="margin-bottom: 0px;"> <div class="amazlet-image" style="float: left; margin: 0px 12px 1px 0px;"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0788BRGN3/114alme-22/ref=nosim/" name="amazletlink" target="_blank"><img style="border: none;" src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/51LAMJwIHBL.jpg" alt="WHITE ALBUM2 EXTENDED EDITION" /></a></div> <div class="amazlet-info" style="line-height: 120%; margin-bottom: 10px;"> <div class="amazlet-name" style="margin-bottom: 10px; line-height: 120%;"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0788BRGN3/114alme-22/ref=nosim/" name="amazletlink" target="_blank">WHITE ALBUM2 EXTENDED EDITION</a> <div class="amazlet-powered-date" style="font-size: 80%; margin-top: 5px; line-height: 120%;"> </div> </div> <div class="amazlet-detail">リーフ (2018-02-14)</div> <div class="amazlet-sub-info" style="float: left;"> <div class="amazlet-link" style="margin-top: 5px;"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0788BRGN3/114alme-22/ref=nosim/" name="amazletlink" target="_blank">Amazon.co.jpで詳細を見る</a></div> </div> </div> <div class="amazlet-footer" style="clear: left;"> </div> </div> <p> </p> <div class="amazlet-box" style="margin-bottom: 0px;"> <div class="amazlet-image" style="float: left; margin: 0px 12px 1px 0px;"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B06VY9SJCR/114alme-22/ref=nosim/" name="amazletlink" target="_blank"><img style="border: none;" src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/61onK0BHqpL._SL160_.jpg" alt="WHITE ALBUM2 ORIGINAL SOUNDTRACK~kazusa~" /></a></div> <div class="amazlet-info" style="line-height: 120%; margin-bottom: 10px;"> <div class="amazlet-name" style="margin-bottom: 10px; line-height: 120%;"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B06VY9SJCR/114alme-22/ref=nosim/" name="amazletlink" target="_blank">WHITE ALBUM2 ORIGINAL SOUNDTRACK~kazusa~</a> <div class="amazlet-powered-date" style="font-size: 80%; margin-top: 5px; line-height: 120%;"> </div> </div> <div class="amazlet-detail"><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A2%A5%AF%A5%A2%A5%D7%A5%E9%A5%B9">アクアプラス</a> (2017-04-20)<br />売り上げランキング: 595</div> <div class="amazlet-sub-info" style="float: left;"> <div class="amazlet-link" style="margin-top: 5px;"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B06VY9SJCR/114alme-22/ref=nosim/" name="amazletlink" target="_blank">Amazon.co.jpで詳細を見る</a></div> </div> </div> <div class="amazlet-footer" style="clear: left;"> </div> </div> <div class="amazlet-box" style="margin-bottom: 0px;"> <div class="amazlet-image" style="float: left; margin: 0px 12px 1px 0px;"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00FP1C6GU/114alme-22/ref=nosim/" name="amazletlink" target="_blank"><img style="border: none;" src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/51iOw7UVJYL._SL160_.jpg" alt="WHITE ALBUM2 1 [Blu-ray]" /></a></div> <div class="amazlet-info" style="line-height: 120%; margin-bottom: 10px;"> <div class="amazlet-name" style="margin-bottom: 10px; line-height: 120%;"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00FP1C6GU/114alme-22/ref=nosim/" name="amazletlink" target="_blank">WHITE ALBUM2 1 [Blu-ray]</a> <div class="amazlet-powered-date" style="font-size: 80%; margin-top: 5px; line-height: 120%;"> </div> </div> <div class="amazlet-detail"><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AD%A5%F3%A5%B0%A5%EC%A5%B3%A1%BC%A5%C9">キングレコード</a> (2013-12-25)<br />売り上げランキング: 37,821</div> <div class="amazlet-sub-info" style="float: left;"> <div class="amazlet-link" style="margin-top: 5px;"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00FP1C6GU/114alme-22/ref=nosim/" name="amazletlink" target="_blank">Amazon.co.jpで詳細を見る</a></div> </div> </div> <div class="amazlet-footer" style="clear: left;"> </div> </div> <p>アニメはどうなのかきになる。</p> <p> </p> <h4 id="ノベルゲーム関連記事"> ノベルゲーム関連記事</h4> <p><iframe class="embed-card embed-blogcard" style="display: block; width: 100%; height: 190px; max-width: 500px; margin: 10px 0px;" title="【批判】Clover Day'sというセクハラゲームがほんとうに辛い(そこを抜きにしてもツラい)【レビュー】 - 猫箱ただひとつ" src="https://hatenablog-parts.com/embed?url=http%3A%2F%2Feroge-pc.hatenablog.jp%2Fentry%2F2017%2F10%2F13%2F220000" frameborder="0" scrolling="no"></iframe><cite class="hatena-citation"><a href="http://eroge-pc.hatenablog.jp/entry/2017/10/13/220000">eroge-pc.hatenablog.jp</a></cite></p> <p><iframe class="embed-card embed-blogcard" style="display: block; width: 100%; height: 190px; max-width: 500px; margin: 10px 0px;" title="幸せの定義(Angel Beats! 1st beat) - 猫箱ただひとつ" src="https://hatenablog-parts.com/embed?url=http%3A%2F%2Feroge-pc.hatenablog.jp%2Fentry%2F2017%2F10%2F21%2F220000" frameborder="0" scrolling="no"></iframe><cite class="hatena-citation"><a href="http://eroge-pc.hatenablog.jp/entry/2017/10/21/220000">eroge-pc.hatenablog.jp</a></cite></p> <p><iframe class="embed-card embed-blogcard" style="display: block; width: 100%; height: 190px; max-width: 500px; margin: 10px 0px;" title="私達は死ぬほど『現実』が嫌いなんだよ。違う?(トライアンソロジー~planetarian)総括・レビュー - 猫箱ただひとつ" src="https://hatenablog-parts.com/embed?url=http%3A%2F%2Feroge-pc.hatenablog.jp%2Fentry%2F2017%2F12%2F21%2F223000" frameborder="0" scrolling="no"></iframe><cite class="hatena-citation"><a href="http://eroge-pc.hatenablog.jp/entry/2017/12/21/223000">eroge-pc.hatenablog.jp</a></cite></p> <p> </p> <p> </p> bern-kaste 【DMM】ギャルゲ50%OFFキタ hatenablog://entry/10328749687200767582 2018-05-01T07:00:00+09:00 2016-12-25T12:00:26+09:00 GWに重なるようにDMM50%キャンペーン.はじまりましたね。 私的におすすめしたいものと気になった作品を列挙していきます。 Canvas 15th ANNIVERSARY PACK Canvas 15th ANNIVERSARY PACK通常価格 7,800円↓ 3,900円 【収録作品】 ◆CanvasDVD 〜セピア色のモチーフ〜 Vista対応版◇Canvas2 DVD EDITION ◆Canvas3〜白銀のポートレート〜 ◇Canvas4 アクロウムエチュード 人気声優のつくりかた 人気声優のつくりかた通常価格 7,800円 ↓6,240円 こんぼく麻雀 〜こんな麻雀があったら僕は… <p>GWに重なるようにDMM50%キャンペーン.はじまりましたね。</p> <p>私的におすすめしたいものと気になった作品を列挙していきます。</p> <p> </p> <h3><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Canvas">Canvas</a> 15th ANNIVERSARY PACK </h3> <div style="margin: 0px; padding: 5px; font-size: 12px; word-break: break-all;"><a style="display: block; text-align: center;" href="http://dlsoft.dmm.co.jp/detail/shall_0089pack/nreb-001" target="_blank"><img style="margin: 0px; padding: 0px; border: 0px none;" src="http://pics.dmm.co.jp/digital/pcgame/shall_0089pack/shall_0089packpl.jpg" /><span style="display: block; margin: 5px 0px 0px; padding: 0px; text-align: left;">Canvas 15th ANNIVERSARY PACK</span></a><span style="text-decoration: line-through;"><span style="color: #d32f2f; text-decoration: line-through;"><strong>通常価格 7,800円</strong></span></span><br /><span style="color: #d32f2f;"><strong>↓</strong></span></div> <p><span style="color: #d32f2f; font-size: 150%;"><strong>3,900円</strong></span></p> <blockquote> <p>【収録作品】</p> <p>◆CanvasDVD 〜セピア色のモチーフ〜 <a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Vista">Vista</a>対応版<br />◇<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Canvas2">Canvas2</a> DVD EDITION <br />◆<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Canvas3%A1%C1%C7%F2%B6%E4%A4%CE%A5%DD%A1%BC%A5%C8%A5%EC%A1%BC%A5%C8%A1%C1">Canvas3〜白銀のポートレート〜</a> <br />◇<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Canvas4%20%A5%A2%A5%AF%A5%ED%A5%A6%A5%E0%A5%A8%A5%C1%A5%E5%A1%BC%A5%C9">Canvas4 アクロウムエチュード</a></p> </blockquote> <p> </p> <h3><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BF%CD%B5%A4%C0%BC%CD%A5%A4%CE%A4%C4%A4%AF%A4%EA%A4%AB%A4%BF">人気声優のつくりかた</a> </h3> <div style="margin: 0px; padding: 5px; font-size: 12px; word-break: break-all;"><a style="display: block; text-align: center;" href="http://dlsoft.dmm.co.jp/detail/cuffs_0015/nreb-001" target="_blank"><img style="margin: 0px; padding: 0px; border: 0px none;" src="http://pics.dmm.co.jp/digital/pcgame/cuffs_0015/cuffs_0015pl.jpg" /><span style="display: block; margin: 5px 0px 0px; padding: 0px; text-align: left;">人気声優のつくりかた</span></a><span style="color: #d32f2f;"><strong>通常価格 7,800円</strong></span></div> <p><span style="color: #d32f2f;"><strong>↓</strong></span><br /><span style="color: #d32f2f; font-size: 150%;"><strong>6,240円</strong></span></p> <p> </p> <h3> <a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A4%B3%A4%F3%A4%DC%A4%AF">こんぼく</a>麻雀 〜こんな麻雀があったら僕はロン!〜</h3> <div style="margin: 0px; padding: 5px; font-size: 12px; word-break: break-all;"><a style="display: block; text-align: center;" href="http://dlsoft.dmm.co.jp/detail/akbs_0075/nreb-001" target="_blank"><img style="margin: 0px; padding: 0px; border: 0px none;" src="http://pics.dmm.co.jp/digital/pcgame/akbs_0075/akbs_0075jp-012.jpg" /><span style="display: block; margin: 5px 0px 0px; padding: 0px; text-align: left;">こんぼく麻雀 〜こんな麻雀があったら僕はロン!〜</span></a><span style="color: #d32f2f;"><strong>通常価格 6,995円</strong></span></div> <p><span style="color: #d32f2f;"><strong>↓</strong></span><br /><span style="color: #d32f2f; font-size: 150%;"><strong>3,498円</strong></span></p> <p> </p> <h3>プレミアム<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A2%A1%BC%A5%AB%A5%A4%A5%D6">アーカイブ</a>ス 山田 一 (<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C5%C4%C3%E6%A5%ED%A5%DF%A5%AA">田中ロミオ</a>)</h3> <div style="margin: 0px; padding: 5px; font-size: 12px; word-break: break-all;"><a style="display: block; text-align: center;" href="http://dlsoft.dmm.co.jp/detail/quadthree_0003/nreb-001" target="_blank"><img style="margin: 0px; padding: 0px; border: 0px none;" src="http://pics.dmm.co.jp/digital/pcgame/quadthree_0003/quadthree_0003ps.jpg" /><span style="display: block; margin: 5px 0px 0px; padding: 0px; text-align: left;">プレミアムアーカイブス 山田 一</span></a><span style="color: #d32f2f;"><strong>通常価格 8,800円</strong></span></div> <p><span style="color: #d32f2f;"><strong>↓</strong></span><br /><span style="color: #d32f2f; font-size: 150%;"><strong>4,400円</strong></span></p> <blockquote> <p> 収録内容<br />◆加奈…おかえり!!<br />◇<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C0%B1%B6%F5%A4%D7%A4%E9%A4%CD%A4%C3%A4%C8">星空ぷらねっと</a> 〜夢箱〜<br />◆家族計画〜追憶〜<br />◇家族計画〜そしてまた家族計画を〜<br />◆黒の図書館<br />◇ドーターメーカー元気いっぱい</p> </blockquote> <p> </p> <h3> ハロー・レディ!</h3> <div style="margin: 0px; padding: 5px; font-size: 12px; word-break: break-all;"><a style="display: block; text-align: center;" href="http://dlsoft.dmm.co.jp/detail/akbs_0029/nreb-001" target="_blank"><img style="margin: 0px; padding: 0px; border: 0px none;" src="http://pics.dmm.co.jp/digital/pcgame/akbs_0029/akbs_0029pl.jpg" /><span style="display: block; margin: 5px 0px 0px; padding: 0px; text-align: left;">ハロー・レディ!</span></a><span style="color: #d32f2f;"><strong>通常価格 6,995円</strong></span></div> <p><span style="color: #d32f2f;"><strong>↓</strong></span><br /><span style="color: #d32f2f; font-size: 150%;"><strong>3,498円</strong></span></p> <p> </p> <h3> 果てしなく青いこの空の下で…。[完全版]</h3> <div style="margin: 0px; padding: 5px; font-size: 12px; word-break: break-all;"><a style="display: block; text-align: center;" href="http://dlsoft.dmm.co.jp/detail/sccd_0003/nreb-001" target="_blank"><img style="margin: 0px; padding: 0px; border: 0px none;" src="http://pics.dmm.co.jp/digital/pcgame/sccd_0003/sccd_0003pl.jpg" /><span style="display: block; margin: 5px 0px 0px; padding: 0px; text-align: left;">果てしなく青いこの空の下で…。[完全版]</span></a><span style="color: #d32f2f;"><strong>通常価格 3,909円</strong></span></div> <p><span style="color: #d32f2f;"><strong>↓</strong></span><br /><span style="color: #d32f2f; font-size: 150%;"><strong>1,954円</strong></span></p> <p> </p> <h3> <a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%CE%F8%A1%DF%A5%B7%A5%F3%A5%A2%A5%A4%C8%E0%BD%F7">恋×シンアイ彼女</a></h3> <div style="margin: 0px; padding: 5px; font-size: 12px; word-break: break-all;"><a style="display: block; text-align: center;" href="http://dlsoft.dmm.co.jp/detail/spal_0114/nreb-001" target="_blank"><img style="margin: 0px; padding: 0px; border: 0px none;" src="http://pics.dmm.co.jp/digital/pcgame/spal_0114/spal_0114pl.jpg" /><span style="display: block; margin: 5px 0px 0px; padding: 0px; text-align: left;">恋×シンアイ彼女</span></a><span style="color: #d32f2f;"><strong>通常価格 6,750円</strong></span></div> <p><span style="color: #d32f2f;"><strong>↓</strong></span><br /><span style="color: #d32f2f; font-size: 150%;"><strong>3,375円</strong></span></p> <p> (何だ.ただの名作か)</p> <p> </p> <h3> 屋上の百合霊さん</h3> <div style="margin: 0px; padding: 5px; font-size: 12px; word-break: break-all;"><a style="display: block; text-align: center;" href="http://dlsoft.dmm.co.jp/detail/bpartner_0025/nreb-001" target="_blank"><img style="margin: 0px; padding: 0px; border: 0px none;" src="http://pics.dmm.co.jp/digital/pcgame/bpartner_0025/bpartner_0025pl.jpg" /><span style="display: block; margin: 5px 0px 0px; padding: 0px; text-align: left;">屋上の百合霊さん</span></a><span style="color: #d32f2f;"><strong>通常価格 5,800円</strong></span></div> <p><span style="color: #d32f2f;"><strong>↓</strong></span><br /><span style="color: #d32f2f; font-size: 150%;"><strong>2,900円</strong></span></p> <p> </p> <h3>どうして、そんなに黒い髪が好きなの?【萌えゲーアワード2014 ニューブランド賞受賞】 </h3> <div style="margin: 0px; padding: 5px; font-size: 12px; word-break: break-all;"><a style="display: block; text-align: center;" href="http://dlsoft.dmm.co.jp/detail/views_0417/nreb-001" target="_blank"><img style="margin: 0px; padding: 0px; border: 0px none;" src="http://pics.dmm.co.jp/digital/pcgame/views_0417/views_0417pl.jpg" /><span style="display: block; margin: 5px 0px 0px; padding: 0px; text-align: left;">どうして、そんなに黒い髪が好きなの?【萌えゲーアワード2014 ニューブランド賞受賞】</span></a><span style="color: #d32f2f;"><strong>通常価格 6,995円</strong></span></div> <p><span style="color: #d32f2f;"><strong>↓</strong></span><br /><span style="color: #d32f2f; font-size: 150%;"><strong>3,498円</strong></span></p> <p> </p> <h3> シークレットゲーム 究極完全合体BOX</h3> <div style="margin: 0px; padding: 5px; font-size: 12px; word-break: break-all;"><a style="display: block; text-align: center;" href="http://dlsoft.dmm.co.jp/detail/views_0405/nreb-001" target="_blank"><img style="margin: 0px; padding: 0px; border: 0px none;" src="http://pics.dmm.co.jp/digital/pcgame/views_0405/views_0405pl.jpg" /><span style="display: block; margin: 5px 0px 0px; padding: 0px; text-align: left;">シークレットゲーム 究極完全合体BOX</span></a> <span style="color: #d32f2f;"><strong>通常価格 9,990円</strong></span></div> <p><span style="color: #d32f2f;"><strong>↓</strong></span><br /><span style="color: #d32f2f; font-size: 150%;"><strong>4,995円</strong></span></p> <blockquote> <p> 【収録作品】<br />・シークレットゲーム-KILLER <a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/QUEEN">QUEEN</a>- DEPTH EDITION<br />・<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%EA%A5%D9%A5%EA%A5%AA%A5%F3">リベリオン</a>ズ Secret Game 2nd Stage BOOSTED EDITION</p> </blockquote> <p> </p> <h3> あおぞらストライプ</h3> <div style="margin: 0px; padding: 5px; font-size: 12px; word-break: break-all;"><a style="display: block; text-align: center;" href="http://dlsoft.dmm.co.jp/detail/kaguya_0073/nreb-001" target="_blank"><img style="margin: 0px; padding: 0px; border: 0px none;" src="http://pics.dmm.co.jp/digital/pcgame/kaguya_0073/kaguya_0073pl.jpg" /><span style="display: block; margin: 5px 0px 0px; padding: 0px; text-align: left;">あおぞらストライプ</span></a><span style="color: #d32f2f;"><strong>通常価格 6,995円</strong></span></div> <p><span style="color: #d32f2f;"><strong>↓</strong></span><br /><span style="color: #d32f2f; font-size: 150%;"><strong>3,498円</strong></span></p> <p> </p> <h3> ランス9 ヘルマン革命</h3> <div style="margin: 0px; padding: 5px; font-size: 12px; word-break: break-all;"><a style="display: block; text-align: center;" href="http://dlsoft.dmm.co.jp/detail/alice_0024/nreb-001" target="_blank"><img style="margin: 0px; padding: 0px; border: 0px none;" src="http://pics.dmm.co.jp/digital/pcgame/alice_0024/alice_0024pl.jpg" /><span style="display: block; margin: 5px 0px 0px; padding: 0px; text-align: left;">ランス9 ヘルマン革命</span></a><span style="color: #d32f2f;"><strong>通常価格 7,344円</strong></span></div> <p><span style="color: #d32f2f;"><strong>↓</strong></span><br /><span style="color: #d32f2f; font-size: 150%;"><strong>3,672円</strong></span></p> <p> </p> <h3><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/euphoria">euphoria</a>(HDリマスター)</h3> <div style="margin: 0px; padding: 5px; font-size: 12px; word-break: break-all;"><a style="display: block; text-align: center;" href="http://dlsoft.dmm.co.jp/detail/hobc_0435/nreb-001" target="_blank"><img style="margin: 0px; padding: 0px; border: 0px none;" src="http://pics.dmm.co.jp/digital/pcgame/hobc_0435/hobc_0435pl.jpg" /><span style="display: block; margin: 5px 0px 0px; padding: 0px; text-align: left;">euphoria(HDリマスター)</span></a><span style="color: #d32f2f;"><strong>通常価格 7,300円</strong></span></div> <p><span style="color: #d32f2f;"><strong>↓</strong></span><br /><span style="color: #d32f2f; font-size: 150%;"><strong>3,650円</strong></span></p> <p> </p> <h3><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%E8%A5%B9%A5%AC%A5%CE%A5%BD%A5%E9">ヨスガノソラ</a></h3> <div style="margin: 0px; padding: 5px; font-size: 12px; word-break: break-all;"><a style="display: block; text-align: center;" href="http://dlsoft.dmm.co.jp/detail/cuffs_0010/nreb-001" target="_blank"><img style="margin: 0px; padding: 0px; border: 0px none;" src="http://pics.dmm.co.jp/digital/pcgame/cuffs_0010/cuffs_0010pl.jpg" /><span style="display: block; margin: 5px 0px 0px; padding: 0px; text-align: left;">ヨスガノソラ</span></a><span style="color: #d32f2f;"><strong>通常価格 6,995円</strong></span></div> <p><span style="color: #d32f2f;"><strong>↓</strong></span><br /><span style="color: #d32f2f; font-size: 150%;"><strong>3,498円</strong></span></p> <p> </p> <h3><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D5%A5%A7%A5%A2%A5%EA%A1%BC%A5%C6%A5%A4%A5%EB">フェアリーテイル</a>・レクイエム</h3> <div style="margin: 0px; padding: 5px; font-size: 12px; word-break: break-all;"><a style="display: block; text-align: center;" href="http://dlsoft.dmm.co.jp/detail/bpartner_0026/nreb-001" target="_blank"><img style="margin: 0px; padding: 0px; border: 0px none;" src="http://pics.dmm.co.jp/digital/pcgame/bpartner_0026/bpartner_0026pl.jpg" /><span style="display: block; margin: 5px 0px 0px; padding: 0px; text-align: left;">フェアリーテイル・レクイエム</span></a><span style="color: #d32f2f;"><strong>通常価格 7,800円</strong></span></div> <p><span style="color: #d32f2f;"><strong>↓</strong></span><br /><span style="color: #d32f2f; font-size: 150%;"><strong>3,900円</strong></span></p> <p> </p> <h3>魔女こいにっき</h3> <div style="margin: 0px; padding: 5px; font-size: 12px; word-break: break-all;"><a style="display: block; text-align: center;" href="http://dlsoft.dmm.co.jp/detail/spal_0079/nreb-001" target="_blank"><img style="margin: 0px; padding: 0px; border: 0px none;" src="http://pics.dmm.co.jp/digital/pcgame/spal_0079/spal_0079pl.jpg" /><span style="display: block; margin: 5px 0px 0px; padding: 0px; text-align: left;">魔女こいにっき</span></a><span style="color: #ff0000;"><strong>通常価格 6,750円</strong></span></div> <p><span style="color: #ff0000;"><strong>↓</strong></span><br /><span style="color: #ff0000; font-size: 150%;"><strong>3,375円</strong></span></p> <p> </p> <h3>ダンジョン オブ レ<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AC%A5%EA">ガリ</a>アス 〜背徳の都イシュ<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AC%A5%EA">ガリ</a>ア〜 </h3> <div style="margin: 0px; padding: 5px; font-size: 12px; word-break: break-all;"><a style="display: block; text-align: center;" href="http://dlsoft.dmm.co.jp/detail/cveaa_0021/nreb-001" target="_blank"><img style="margin: 0px; padding: 0px; border: 0px none;" src="http://pics.dmm.co.jp/digital/pcgame/cveaa_0021/cveaa_0021pl.jpg" alt="" /><span style="display: block; margin: 5px 0px 0px; padding: 0px; text-align: left;">ダンジョン オブ レガリアス 〜背徳の都イシュガリア〜</span></a> <p style="margin: 5px 0px 0px; padding: 0px; color: #cc0000; font-weight: bold;">7,800円</p> <span style="color: #d32f2f; font-size: 200%;"><strong><span style="color: #d32f2f;">↓<br /> </span>3,900円</strong></span></div> <p> </p> <h3> キミのとなりで恋してる!</h3> <div style="margin: 0px; padding: 5px; font-size: 12px; word-break: break-all;"><a style="display: block; text-align: center;" href="http://dlsoft.dmm.co.jp/detail/views_0455/nreb-001" target="_blank"><img style="margin: 0px; padding: 0px; border: 0px none;" src="http://pics.dmm.co.jp/digital/pcgame/views_0455/views_0455pl.jpg" alt="" /><span style="display: block; margin: 5px 0px 0px; padding: 0px; text-align: left;">キミのとなりで恋してる!</span></a> <p style="margin: 5px 0px 0px; padding: 0px; color: #cc0000; font-weight: bold;"><span style="text-decoration: line-through;">4,995円</span></p> <span style="font-size: 200%; color: #d32f2f;"><strong><span style="color: #d32f2f;">↓<br /> </span>2,498円</strong></span></div> <p> </p> <h3><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BB%FE%B7%D7%BB%C5%B3%DD%A4%B1%A4%CE%A5%EC%A5%A4%A5%E9%A5%A4%A5%F3">時計仕掛けのレイライン</a> 3本パック</h3> <div style="margin: 0px; padding: 5px; font-size: 12px; word-break: break-all;"><a style="display: block; text-align: center;" href="http://dlsoft.dmm.co.jp/detail/spal_0086/nreb-001" target="_blank"><img style="margin: 0px; padding: 0px; border: 0px none;" src="http://pics.dmm.co.jp/digital/pcgame/spal_0086/spal_0086pl.jpg" alt="" /><span style="display: block; margin: 5px 0px 0px; padding: 0px; text-align: left;">時計仕掛けのレイライン 3本パック</span></a> <p style="margin: 5px 0px 0px; padding: 0px; color: #cc0000; font-weight: bold;">12,960円</p> <span style="color: #d32f2f;"><strong><span style="font-size: 200%;">↓<br /> 6,480円</span></strong></span></div> <p> </p> <h3> サクラノモリ†ドリーマーズ</h3> <div style="margin: 0px; padding: 5px; font-size: 12px; word-break: break-all;"><a style="display: block; text-align: center;" href="http://dlsoft.dmm.co.jp/detail/moonstn_0004/nreb-001" target="_blank"><img style="margin: 0px; padding: 0px; border: 0px none;" src="http://pics.dmm.co.jp/digital/pcgame/moonstn_0004/moonstn_0004pl.jpg" alt="" /><span style="display: block; margin: 5px 0px 0px; padding: 0px; text-align: left;">サクラノモリ†ドリーマーズ</span></a> <p style="margin: 5px 0px 0px; padding: 0px; color: #cc0000; font-weight: bold;">7,800円</p> <span style="color: #d32f2f;"><strong><span style="font-size: 200%;">↓<br /> 3,900円</span></strong></span></div> <p> </p> <h3> <a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A4%D2%A4%B3%A4%A6%A4%AD%B1%C0">ひこうき雲</a>の向こう側</h3> <div style="margin: 0px; padding: 5px; font-size: 12px; word-break: break-all;"><a style="display: block; text-align: center;" href="http://www.dmm.co.jp/dc/pcgame/-/detail/=/cid=views_0406/nreb-001" target="_blank"><img style="margin: 0px; padding: 0px; border: 0px none;" src="http://pics.dmm.co.jp/digital/pcgame/views_0406/views_0406pl.jpg" alt="" /><span style="display: block; margin: 5px 0px 0px; padding: 0px; text-align: left; font-size: 150%;">ひこうき雲の向こう側</span></a><span style="font-size: 80%;">6,995円</span></div> <p><span style="font-size: 150%; color: #ff0000;"><strong><span style="color: #d32f2f;">↓<br /> </span>3,498円</strong></span></p> <p> </p> <h3> Clover Day’s</h3> <div style="margin: 0px; padding: 5px; font-size: 12px; word-break: break-all;"><a style="display: block; text-align: center;" href="http://dlsoft.dmm.co.jp/detail/views_0454/nreb-001" target="_blank"><img style="margin: 0px; padding: 0px; border: 0px none;" src="http://pics.dmm.co.jp/digital/pcgame/views_0454/views_0454pl.jpg" alt="" /><span style="display: block; margin: 5px 0px 0px; padding: 0px; text-align: left;">Clover Day’s</span></a> <p style="margin: 5px 0px 0px; padding: 0px; color: #cc0000; font-weight: bold;">7,800円</p> <span style="font-size: 200%; color: #d32f2f;"><strong><span style="color: #d32f2f;">↓<br /> </span>5,461円</strong></span></div> <p> </p> <h3> なつくもゆるる【萌えゲーアワード2013 シナリオ賞 金賞受賞】</h3> <div style="margin: 0px; padding: 5px; font-size: 12px; word-break: break-all;"><a style="display: block; text-align: center;" href="http://dlsoft.dmm.co.jp/detail/crnt_0001/nreb-001" target="_blank"><img style="margin: 0px; padding: 0px; border: 0px none;" src="http://pics.dmm.co.jp/digital/pcgame/crnt_0001/crnt_0001pl.jpg" alt="" /><span style="display: block; margin: 5px 0px 0px; padding: 0px; text-align: left;">なつくもゆるる【萌えゲーアワード2013 シナリオ賞 金賞受賞】</span></a> <p style="margin: 5px 0px 0px; padding: 0px; color: #cc0000; font-weight: bold;">6,995円</p> <span style="font-size: 200%; color: #d32f2f;"><strong><span style="color: #d32f2f;">↓<br /> </span>3,498円</strong></span></div> <p> </p> <h3> 黄雷のガクトゥーン</h3> <div style="margin: 0px; padding: 5px; font-size: 12px; word-break: break-all;"><a style="display: block; text-align: center;" href="http://dlsoft.dmm.co.jp/detail/bpartner_0010/nreb-001" target="_blank"><img style="margin: 0px; padding: 0px; border: 0px none;" src="http://pics.dmm.co.jp/digital/pcgame/bpartner_0010/bpartner_0010pl.jpg" alt="" /><span style="display: block; margin: 5px 0px 0px; padding: 0px; text-align: left;">黄雷のガクトゥーン</span></a> <p style="margin: 5px 0px 0px; padding: 0px; color: #cc0000; font-weight: bold;">6,995円</p> <span style="font-size: 200%; color: #d32f2f;"><strong><span style="color: #d32f2f;">↓<br /> </span>3,498円</strong></span></div> <p> </p> <h3>あけいろ怪奇譚</h3> <div style="margin: 0px; padding: 5px; font-size: 12px; word-break: break-all;"><a style="display: block; text-align: center;" href="http://dlsoft.dmm.co.jp/detail/silkysall_0009/nreb-001" target="_blank"><img style="margin: 0px; padding: 0px; border: 0px none;" src="http://pics.dmm.co.jp/digital/pcgame/silkysall_0009/silkysall_0009pl.jpg" /><span style="display: block; margin: 5px 0px 0px; padding: 0px; text-align: left;">あけいろ怪奇譚</span></a><span style="color: #d32f2f;"><strong>通常価格 7,400円 </strong></span></div> <p><span style="color: #d32f2f;"><strong>↓<br /> <span style="font-size: 150%;">3,700円</span></strong></span></p> <p>■</p> <p>■ ■ ■ </p> <p>■ ■ ■ ■ ■ </p> <p>■ ■ ■ ■ ■ ■</p> <p>個人的には『<strong><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%CE%F8%A1%DF%A5%B7%A5%F3%A5%A2%A5%A4%C8%E0%BD%F7">恋×シンアイ彼女</a></strong>』はめちゃくちゃおすすめしたいです。正直。安易に薦めることは難しいものの――本当に難しいものの――こんな素敵な物語はそうそうないので一読の価値は絶対にあります。よければ是非是非。</p> <p> </p> <h4>関連記事</h4> <ul> <li> <p><a href="http://eroge-pc.hatenablog.jp/entry/osusume_eroge2016">2016年にプレイしたエ口ゲ総括(おすすめ~駄作まで)</a></p> </li> <li><a href="http://eroge-pc.hatenablog.jp/entry/2013/07/07/172538">おすすめエ口ゲリスト</a></li> <li><a href="http://eroge-pc.hatenablog.jp/entry/2013/07/09/174308">サイト紹介</a></li> </ul> <p> </p> <p> </p> bern-kaste エロゲにおける「ボイス」の役割と効果(4087文字) hatenablog://entry/8599973812319870708 2018-02-04T17:00:00+09:00 2018-02-04T17:00:16+09:00 *といいつつ一般ゲーも扱います。 <p><img class="hatena-fotolife" title="f:id:bern-kaste:20180114152515j:plain" src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/b/bern-kaste/20180114/20180114152515.jpg" alt="f:id:bern-kaste:20180114152515j:plain" width="320" /></p> <p>*といいつつ一般ゲーも扱います。</p> <p> </p> <p>  </p> <h3>(1)キャラに存在感をあたえる</h3> <p> </p> <p>ボイスはキャラの存在を高めてくれる。</p> <p>立ち絵しか与えられなかった彼らに怯え、喜び……あるいは言葉にさえならない小さな揺らめきすらも声は表現できる。それは情報量が増しただけに留まらず、そのボイスが魅力的であればあるほどに、キャ<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%E9%A5%AF">ラク</a>ターは輪郭をつよめ、実際に<span style="color: #0000cc;"><strong>そこにいるかのような錯覚</strong></span>を生み出すものだ。</p> <p>逆にそのボイスが聴くに耐えられないならば、そのキャラの存在感と比例するように不快感も高まっていくだろう。エロゲの場合個別にOFFできるのでさしたる問題ではないだろうが。</p> <p>ボイスの効果をより感じ取れる作品は、例えばこの2つ。</p> <p>『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BE%AF%BD%F7%A4%BF%A4%C1%A4%CF%B9%D3%CC%EE%A4%F2%CC%DC%BB%D8%A4%B9">少女たちは荒野を目指す</a>』<span style="font-size: 80%;">(非18)</span>ではメインはもちろんのこと、モブと呼ばれる端役にも実力のある声優陣を起用し、取るに足らない応対でも生き生きとした雰囲気を味わえる貴重な作品。</p> <p>また『MYTH』<span style="font-size: 80%;">(非18)</span>は、最初は声なしなのだが、物語がくだるにつれ徐々にボイスが付加される。これはひとえに「ボイスとはキャ<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%E9%A5%AF">ラク</a>ターに存在感を与える」ことを逆手に取ったもので、本作のテーマを考えると重要な演出になっている。</p> <p> </p> <div class="amazlet-box" style="margin-bottom: 0px;"> <div class="amazlet-image" style="float: left; margin: 0px 12px 1px 0px;"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0179EUSG0/114alme-22/ref=nosim/" name="amazletlink" target="_blank"><img style="border: none;" src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/51tKI0u-hCL._SL160_.jpg" alt="少女たちは荒野を目指す アニメEdition【予約特典:オリジナルサウンドトラック付き】" /></a></div> <div class="amazlet-info" style="line-height: 120%; margin-bottom: 10px;"> <div class="amazlet-name" style="margin-bottom: 10px; line-height: 120%;"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0179EUSG0/114alme-22/ref=nosim/" name="amazletlink" target="_blank">少女たちは荒野を目指す アニメEdition【予約特典:オリジナルサウンドトラック付き】</a> <div class="amazlet-powered-date" style="font-size: 80%; margin-top: 5px; line-height: 120%;"> </div> </div> <div class="amazlet-detail"><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A4%DF%A4%CA%A4%C8%A4%BD%A4%D5%A4%C8">みなとそふと</a> (2016-03-25)<br />売り上げランキング: 1,929</div> <div class="amazlet-sub-info" style="float: left;"> <div class="amazlet-link" style="margin-top: 5px;"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0179EUSG0/114alme-22/ref=nosim/" name="amazletlink" target="_blank">Amazon.co.jpで詳細を見る</a></div> </div> </div> <div class="amazlet-footer" style="clear: left;"> </div> </div> <p><iframe src="http://store.steampowered.com/widget/366380/" width="646" height="190" frameborder="0"></iframe></p> <p> </p> <p> </p> <h3>(2)読みを重くする</h3> <p> </p> <p>ボイスが付加されることで、読むことは<strong>重く</strong>なってしまう。</p> <p>ADVはテキスト表示と同時にボイス再生するので、「文章は読み終えたがキャラは喋ってる」という状態になりがちだ。これがじれったく、ボイスを聞き終えないうちに次のテキストを読み込んでしまうプレイヤーも多い。</p> <p>設定に「次ボイスを待つ」かのチェック項目があるのも、これを配慮したものだろう。</p> <p>――だが、それは一概に悪いことではない。なぜなら「<span style="color: #0000cc;"><strong>ペースダウン</strong></span>」を狙えるからだ。</p> <p>テキストを速くよみすぎると、状況状況は理解できても、その状況にたいする体験は薄くなることがある。</p> <p>例えばヒロインが夜空を眺めるシーンがあったとする。それを眺める今の気分、自分がいる廃バスの雰囲気や、空の様子を細かく描写しても、<span style="color: #0000cc;"><strong>その質感を実際に感じ取れるか</strong></span>は読み手にかかってくる。<span style="font-size: 80%;">(もちろんテキスト自体の品質もあるが)</span></p> <p>「それを描写した」ことは理解できても、「それを感じ取れる」ことはまた別というわけだ。サッサッサと読んでいる時ほどその感じ方は鈍くなり、ゆっくりと文章をかみ砕き、味わい、想像していくとリアルに感じ取れたという経験をした人も多いだろう。</p> <p>例え次ボイスを待たない人でも、ちょっと気になった台詞だったら、自然と、最後まで聴いてしまうことがあると思う。すると――一時的にせよ――読むペースはゆるまるし、他の文章にたいしても注視する機会は増えることだろう。</p> <p>つまり、ボイスは(その性質上)読む速度を落とすことで、物語にたいするプレイヤーの注意力を高めるのではないかということ。</p> <p>ちなみに『<a href="http://eroge-pc.hatenablog.jp/entry/2017/07/14/220000">ダンガンロンパ</a>』<span style="font-size: 80%;">(非18)</span>は部分ボイスを採用し、SEのように<span style="font-size: 80%;">――「ふふ」「黙れ」などを――</span>取り扱うことで読むことの "重さ" を軽減した作品である。</p> <p> </p> <div class="amazlet-box" style="margin-bottom: 0px;"> <div class="amazlet-image" style="float: left; margin: 0px 12px 1px 0px;"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00DS3SZMQ/114alme-22/ref=nosim/" name="amazletlink" target="_blank"><img style="border: none;" src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/61fu17omJsL._SL160_.jpg" alt="ダンガンロンパ1・2 Reload - PSVita" /></a></div> <div class="amazlet-info" style="line-height: 120%; margin-bottom: 10px;"> <div class="amazlet-name" style="margin-bottom: 10px; line-height: 120%;"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00DS3SZMQ/114alme-22/ref=nosim/" name="amazletlink" target="_blank">ダンガンロンパ1・2 Reload - PSVita</a> <div class="amazlet-powered-date" style="font-size: 80%; margin-top: 5px; line-height: 120%;"> </div> </div> <div class="amazlet-detail"><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B9%A5%D1%A5%A4%A5%AF%A1%A6%A5%C1%A5%E5%A5%F3%A5%BD%A5%D5%A5%C8">スパイク・チュンソフト</a> (2013-10-10)<br />売り上げランキング: 2,810</div> <div class="amazlet-sub-info" style="float: left;"> <div class="amazlet-link" style="margin-top: 5px;"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00DS3SZMQ/114alme-22/ref=nosim/" name="amazletlink" target="_blank">Amazon.co.jpで詳細を見る</a></div> </div> </div> <div class="amazlet-footer" style="clear: left;"> </div> </div> <p> </p> <p> </p> <h3>(3)主人公との距離感</h3> <p> </p> <p>エロゲの主人公にボイスがつくことは稀だ。</p> <p>これには様々な理由があるが、その一つに「<span style="color: #0000cc;"><strong>主人公とプレイヤーの距離を近づけさせる</strong></span>」といった作用が考えられる。声がない――というのは具体ではない。曖昧だ。けれどその曖昧さが、あやふやさが、キャラを<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%CB%A5%E5%A1%BC%A5%C8%A5%E9">ニュートラ</a>ルに保ってくれる。</p> <p>そのおかげで本来異質である主人公は自分と同じように感じられ、とても近しい存在、あるいは<strong>自分自身</strong>だと思うことを後押ししてくれるだろう。</p> <p>これは異性と仲良くなり、異性との甘酸っぱい日々を楽しむ、自己没入型の恋愛シュミレーションゲームでは効果的に働く。</p> <p>もちろん『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B0%A5%EA%A5%B6%A5%A4%A5%A2%A4%CE%B2%CC%BC%C2">グリザイアの果実</a>』風見雄二のように強烈な主人公はいるし、その強烈さによって身近に感じられないこともあるかもしれない。しかしもしも風見雄二に「ボイス」がついていたならば、その影響はより強くなっていたんじゃないだろうか? </p> <p><span style="font-size: 80%;">(いちおう言っておくが感情移入が絶対ではないし、プレイヤーと距離が近いことが必ずしもいいとは限らないことをひとつ)</span></p> <table style="border-collapse: separate; border-spacing: 5px; border: none 0;" border="0" cellpadding="5"> <tbody> <tr> <td style="vertical-align: top; text-align: left;" align="left" valign="top"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B01N66UR79/114alme-22/ref=nosim/" target="_blank"><img src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/61%2B4-qMhLeL._SL160_.jpg" alt="グリザイア・コンプリートボックス[アダルト]" /></a></td> <td style="vertical-align: top; text-align: left;" align="left" valign="top"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B01N66UR79/114alme-22/ref=nosim/" target="_blank">グリザイア・コンプリートボックス</a><br /><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Windows%20Vista">Windows Vista</a><br /><br /><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D5%A5%ED%A5%F3%A5%C8%A5%A6%A5%A4%A5%F3%A5%B0">フロントウイング</a><br /><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B01N66UR79/114alme-22/ref=nosim/" target="_blank">Amazonで詳しく見る</a><a href="http://sakuratan.biz/azlink/dp/%E3%82%B0%E3%83%AA%E3%82%B6%E3%82%A4%E3%82%A2%E3%83%BB%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%97%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%9C%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%B9/B01N66UR79/114alme-22" target="_blank"> </a></td> </tr> </tbody> </table> <p> </p> <p>逆にいえばボイスを与えれば「プレイヤーとの距離を遠ざける」ことができるわけだ。</p> <p>これは群像劇のような"主人公不在"にとっては有利に働く。主人公と同一化することが絶対だと思っているプレイヤーに<strong><span style="color: #0000cc;">客観的な見方を要請できる</span></strong>からだ。</p> <p>本当はどのキャ<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%E9%A5%AF">ラク</a>ターでも我々は共感できるし、ましてや共感することが絶対ではない。さまざまな人間の、さまざまな声が、物語を形作る『Forest』や『ef』の場合、プレイヤーに "一歩引かせた" 状態を取らせるのは重要だろう。</p> <p>これを効果的に使用したのが『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%CE%F8%A1%DF%A5%B7%A5%F3%A5%A2%A5%A4%C8%E0%BD%F7">恋×シンアイ彼女</a>』である。</p> <p> </p> <table style="border-collapse: separate; border-spacing: 5px; border: none 0;" border="0" cellpadding="5"> <tbody> <tr> <td style="vertical-align: top; text-align: left;" align="left" valign="top"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00X9FKBW0/114alme-22/ref=nosim/" target="_blank"><img src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/61c1iRGTdEL._SL160_.jpg" alt="恋×シンアイ彼女 初回版" width="196" /></a></td> <td style="vertical-align: top; text-align: left;" align="left" valign="top"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00X9FKBW0/114alme-22/ref=nosim/" target="_blank">恋×シンアイ彼女 初回版</a><br /><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Windows%20Vista">Windows Vista</a><br />Us:track<br /><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00X9FKBW0/114alme-22/ref=nosim/" target="_blank">Amazonで詳しく見る</a></td> </tr> </tbody> </table> <p> </p> <p>これは<strong>最終√で主人公にはじめてボイスがつく作品で</strong>、唐突にプレイヤーと國見洸太郎を隔てた。</p> <p>それまで築き上げられた主人公とのリンクはぶちぶちと切られ、我々は彼以外――つまりヒロイン――の視点を汲むよう促される。なぜならヒロインの胸中を理解できなければ、國見洸太郎の想いも理解できないからだ。</p> <p><strong>ヒロインが主人公に取る行動は、主人公がヒロインに取るものと本質的に同じ</strong>ことに気づけなければ、無意味に小説を書き、むやみに恋人を追いかけ続ける、真摯で、純粋で―――けれどあまりにもむなしい行為の数々に迫ることはできない。</p> <p>ゆえに最後の最後でプレイヤーを "一歩引かせる" ために、國見洸太郎の存在感は強められ<span style="font-size: 80%;">(=ボイスON)</span>るのだ。</p> <p>しかしもしもボイスの後押しを見過ごし、はねのけ、主人公に<span style="text-decoration: underline;">べったりとしがみつく</span>のならば『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%CE%F8%A1%DF%A5%B7%A5%F3%A5%A2%A5%A4%C8%E0%BD%F7">恋×シンアイ彼女</a>』はきっと混乱に満ちたものになるだろう。</p> <p> </p> <p><iframe src="https://www.youtube.com/embed/AdPtQZNzBRY?feature=oembed" width="480" height="270" frameborder="0" allowfullscreen=""></iframe><cite class="hatena-citation"><a href="https://www.youtube.com/watch?v=AdPtQZNzBRY">www.youtube.com</a></cite></p> <p> </p> <p>ちなみに『ものべの』はセッ久シーンで<strong>のみ</strong>OFFとなる。</p> <p>なぜ特定箇所で主人公にボイスがつかなくなるのか?――これもプレイヤーとの距離感で説明可能だ。</p> <p>主人公に声がつけばそれは「他人のセッ久を眺める」ものになるし、声がなくなれば「自分がやるセッ久」になる。自己投影するキャ<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%E9%A5%AF">ラク</a>ターの存在感の強さによって、そのシーンで受け取る印象は変わってくるというわけだ。</p> <p>もちろん読者の読み方は多様なので、必ずしもそう読まれるとは限らないが、物語がある程度の方向をしめすことはできる。とくに自己投影の読みを好む<span style="font-size: 80%;">――あるいはそれしか知らない――</span>ユーザーを没入させたいならば効果的だろう。</p> <p> </p> <div class="amazlet-box" style="margin-bottom: 0px;"> <div class="amazlet-image" style="float: left; margin: 0px 12px 1px 0px;"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B006LE5LA8/114alme-22/ref=nosim/" name="amazletlink" target="_blank"><img style="border: none;" src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/61ESDXIkCQL.jpg" alt="ものべの 初回版" /></a></div> <div class="amazlet-info" style="line-height: 120%; margin-bottom: 10px;"> <div class="amazlet-name" style="margin-bottom: 10px; line-height: 120%;"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B006LE5LA8/114alme-22/ref=nosim/" name="amazletlink" target="_blank">ものべの 初回版</a> <div class="amazlet-powered-date" style="font-size: 80%; margin-top: 5px; line-height: 120%;"> </div> </div> <div class="amazlet-detail">Lose (2012-04-27)</div> <div class="amazlet-sub-info" style="float: left;"> <div class="amazlet-link" style="margin-top: 5px;"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B006LE5LA8/114alme-22/ref=nosim/" name="amazletlink" target="_blank">Amazon.co.jpで詳細を見る</a></div> </div> </div> <div class="amazlet-footer" style="clear: left;"> </div> </div> <p> </p> <h3>(4)リアルタイムっぽさ</h3> <p> </p> <p>テキストにはテキストの<strong>時間</strong>があり、音声には音声の<strong>時間</strong>がある。</p> <p>エロゲではこの2つの時間軸がばらばらになることはなく、基本的には同じ軸上で展開する。かんたんに言うと、テキスト<span style="font-size: 80%;">(=台詞)</span>とボイスは同時に表示されるという当たり前なこと。</p> <p>けれど『セブンブリッジ』や『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Sugar%2BSpice2">Sugar+Spice2</a>』のように、登場人物がきゃあきゃあ喋りながら、テキストは主人公のモ<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%CE%A5%ED">ノロ</a>ーグで埋め尽くされる作品もある。<span style="color: #0000cc;"><strong>背景音</strong></span>としてボイスが使用され、2つの時間が別々に流れるので、結果、リアルタイムっぽさを演出できる。</p> <p>注意したいのは、これは「がや」のことではない。ざわざわとしただれかが喋っている声、けれどよくよく聞いてみると何を話しているか分からない声とは違う。</p> <p>――意味のある、内容のある、物語に関わりのある、聞くべきに値する声と、読むに値するテキストが同時に流れないとリアルタイム感は生まれないのだ。</p> <table style="border-collapse: separate; border-spacing: 5px; border: none 0;" border="0" cellpadding="5"> <tbody> <tr> <td style="vertical-align: top; text-align: left;" align="left" valign="top"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B016VYE6IA/114alme-22/ref=nosim/" target="_blank"><img src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/61cqdzhOWML.jpg" alt="Liar-Soft Selection 04 SEVEN-BRIDGE[アダルト]" /></a></td> <td style="vertical-align: top; text-align: left;" align="left" valign="top"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B016VYE6IA/114alme-22/ref=nosim/" target="_blank">Liar-Soft Selection 04 SEVEN-BRIDGE</a> <br /><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Windows">Windows</a><br />Liar-Soft<br /><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B016VYE6IA/114alme-22/ref=nosim/" target="_blank">Amazonで詳しく見る</a></td> </tr> </tbody> </table> <p>欠点があるとすれば、情報量が一気に増すので<span style="font-size: 80%;">――音声に気を配りながらテキストも読む<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DE%A5%EB%A5%C1%A5%BF%A5%B9%A5%AF">マルチタスク</a>により――</span>プレイヤーの処理能力に負担をかけること。</p> <p>これを用いる作品は基本的に「ここぞ」という時に使用するので問題ないが、もしも毎度毎度、ボイスとテキストのタイムラインが異なればとても辛い状況になるのは言うまでもない。</p> <p>とはいえそんな「過負荷」を効果的に演出できるならば、その辛さは楽しさへ変換されることだろう。</p> <p> </p> <p> </p> <h3>(5)情報の削減、および強調化</h3> <p> </p> <p>ボイスはそれだけで<span style="color: #0000cc;"><strong>「だれが」「どのような状態」</strong></span>かを判別できる情報量を持っている。</p> <p>ゆえに視覚情報はなくともキャ<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%E9%A5%AF">ラク</a>ターを十分に表せるし、『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%CA%A5%EB%A5%AD%A5%C3%A5%BD%A5%B9">ナルキッソス</a>』のように立ち絵を排除し、視覚的要素を最小限にとどめながらも、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D3%A5%B8%A5%E5%A5%A2%A5%EB%A5%CE%A5%D9%A5%EB">ビジュアルノベル</a>は機能することを示した。</p> <p>もちろん視覚要素が必要ないというわけでもないが、ボイスさえあればここまで削ってもなんら問題ないということでもある。そしてミニマルな作品はシンプルであるがゆえに、劇中に点在するものは際立つ可能性がある。</p> <p>つまり画、文、音はより注意を向けられ、それぞれの存在感を強められる。</p> <p> </p> <p><iframe src="http://store.steampowered.com/widget/264380/" width="646" height="190" frameborder="0"></iframe></p> <p><iframe class="embed-card embed-blogcard" style="display: block; width: 100%; height: 190px; max-width: 500px; margin: 10px 0px;" title="ナルキッソス 感想―死の読み味が軽い― - 猫箱ただひとつ" src="https://hatenablog-parts.com/embed?url=http%3A%2F%2Feroge-pc.hatenablog.jp%2Fentry%2F2017%2F08%2F25%2F220000" frameborder="0" scrolling="no"></iframe><cite class="hatena-citation"><a href="http://eroge-pc.hatenablog.jp/entry/2017/08/25/220000"> </a></cite><a href="http://eroge-pc.hatenablog.jp/entry/2017/08/25/220000">ナルキッソス 感想―死の読み味が軽い― </a></p> <p> </p> <p> </p> <p> </p> <h3> おわり</h3> <p> </p> <p>てな感じでどうだったでしょうか。楽しくよんでいただけたら嬉しいですし、今後気づいたことがあればその都度更新していこうと思います。そして恋カケは最高&最高ですよね…(YES!)</p> <p>それではまたね。 </p> <p> </p> <h4> 関連記事</h4> <p> </p> <p><iframe class="embed-card embed-blogcard" style="display: block; width: 100%; height: 190px; max-width: 500px; margin: 10px 0px;" title="2016年にプレイしたエロゲ総括(おすすめ~駄作まで) - 猫箱ただひとつ" src="https://hatenablog-parts.com/embed?url=http%3A%2F%2Feroge-pc.hatenablog.jp%2Fentry%2Fosusume_eroge2016" frameborder="0" scrolling="no"></iframe><cite class="hatena-citation"><a href="http://eroge-pc.hatenablog.jp/entry/osusume_eroge2016">eroge-pc.hatenablog.jp</a></cite></p> <p><iframe class="embed-card embed-blogcard" style="display: block; width: 100%; height: 190px; max-width: 500px; margin: 10px 0px;" title="エロゲのE-mote(=動く立ち絵)をプレイヤーは求めているのかな。ぶっちゃけ要らなくない?(コロナブロッサム~トライアンソロジー) - 猫箱ただひとつ" src="https://hatenablog-parts.com/embed?url=http%3A%2F%2Feroge-pc.hatenablog.jp%2Fentry%2F2017%2F01%2F29%2F070000" frameborder="0" scrolling="no"></iframe><cite class="hatena-citation"><a href="http://eroge-pc.hatenablog.jp/entry/2017/01/29/070000"> </a></cite><a href="http://eroge-pc.hatenablog.jp/entry/2017/01/29/070000">エロゲのE-mote(=動く立ち絵)をプレイヤーは求めているのかな。ぶっちゃけ要らなくない?(コロナブロッサム~トライアンソロジー)</a></p> <p> </p> bern-kaste 私が愛用している物語の「読み方」のいくつか(5815文字) hatenablog://entry/8599973812335387522 2018-01-31T17:00:00+09:00 2018-01-31T17:00:19+09:00 <p> </p> <p> </p> <p> </p> <h3 id="1内在視点">(1)内在視点</h3> <p> </p> <p>当ブログでは耳にタコができるくらいに繰り返してきた視点制限法。可能な限り「作品内」で理解を深めようとすることで、妄想もはなはだしい作家の人格・意図を連結させた読みを排除し、作品を見ることが可能になる。</p> <p>副産物としては、時に、ユニークな見方につながることが多い(と思われる)。なぜなら、<span style="text-decoration: underline;">どうすれば外在的文脈にたよらず作品内で説明できるか?</span> そう考えることを強く要請されるので、その試行錯誤が、よい結果を生み出すのかもしれない。「制限」をかけるメリットはそこだろう。</p> <p> </p> <h3 id="2-多視点">(2) 多視点</h3> <p><iframe class="embed-card embed-blogcard" style="display: block; width: 100%; height: 190px; max-width: 500px; margin: 10px 0px;" title="物語における『視点取得限界』を考える(24463文字) - 猫箱ただひとつ" src="https://hatenablog-parts.com/embed?url=http%3A%2F%2Feroge-pc.hatenablog.jp%2Fentry%2F2016%2F08%2F19%2F070000" frameborder="0" scrolling="no"></iframe><cite class="hatena-citation"><a href="http://eroge-pc.hatenablog.jp/entry/2016/08/19/070000">eroge-pc.hatenablog.jp</a></cite></p> <p>「<span style="color: #0000cc;"><strong>あらゆるものに視点はあり、その視点によって物語は紡がれ、けれど紡がれないままの視点もある</strong></span>」という考え方。</p> <p>例えばアニメ<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Charlotte">Charlotte</a>では、乙坂有宇の視点で進んでいくものの、ときに隼翼の視点で感情の温度をあらわしもするし、"人" ではない "物語そのもの" の視点も混ざりながら全体としての『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Charlotte">Charlotte</a>』を表現しているわけだ。</p> <p>逆に焦点をあてられない七野<span style="font-size: 80%;">(=金髪少年)</span>にも、乙坂有宇と同じように彼にとっての世界があり、彼にだけしか認識できないものがある。痛みや苦しみがある。例え物語がその視点を描かなかったとしても、それを"見よう"とする―――つまり想像することも『多視点』では大事だ。</p> <p>――いわば人、物、概念……あるゆる対象の "認知" を補完する読み方と言っていい。</p> <p> </p> <h3 id="3感情同期途絶">(3)感情同期・途絶</h3> <p><iframe class="embed-card embed-blogcard" style="display: block; width: 100%; height: 190px; max-width: 500px; margin: 10px 0px;" title="物語は、当事者性を奪う - 猫箱ただひとつ" src="https://hatenablog-parts.com/embed?url=http%3A%2F%2Feroge-pc.hatenablog.jp%2Fentry%2F2017%2F07%2F17%2F220000" frameborder="0" scrolling="no"></iframe><cite class="hatena-citation"><a href="http://eroge-pc.hatenablog.jp/entry/2017/07/17/220000">eroge-pc.hatenablog.jp</a></cite></p> <p>キャ<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%E9%A5%AF">ラク</a>ターの心的状況をトレースし、自分が感じていない感情でも、自己内で再現しようとする試み。</p> <p> </p> <blockquote> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>別作品、別キャ<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%E9%A5%AF">ラク</a>ターの心的機構を持ってきて――仮想し――"その" 感情に近づける事はよくあるし、それでも近似値に達さないならば抽出・変質して当該対象にデザインすることもある。</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>これは他者感情だが、自己感情において行う場合もあり、またこの順番は明確なものではなく状況において変化し、最初は自己感情をデザインするもののいやいやこれじゃないなとなり、別の心的機構を仮想するといった事もざらだ。</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>(中略)</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>これは所謂、感情移入ではない。あれは自分が経験したことがある範囲内を拠り所にするが、多視点による仮想は(それを含めて)自分が経験したことがない感情も自己内部で走らせ(ようとす)るものだからだ。</strong></span></p> <p>――<a href="http://eroge-pc.hatenablog.jp/entry/2017/07/17/220000">物語は、当事者性を奪う</a></p> </blockquote> <p> </p> <p>結果、その世界、およびキャ<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%E9%A5%AF">ラク</a>ターを身近に感じられるだろう。</p> <p>もちろん "それ" を実際そのキャラが感じているかは誰にも分からないし、証明することもできない。そもそも同一の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AF%A5%AA%A5%EA%A5%A2">クオリア</a>なんてありえない。それでも他者と自己を繋げ、距離を0に縮めようとするのが「感情同期」である。うーんBALDR SKY。</p> <p>例えば、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BA%C7%B2%CC%A4%C6%A4%CE%A5%A4%A5%DE">最果てのイマ</a>の灰野の心は、言葉であらわせるならば、おそらく「無」だろう。概念となりはてた人間に心なんてあるわけがないのだ。しかしその心的状態を理解しようとする時、自分自身もまた感情をなくし、意志(プログラム)だけで日々を徘徊している内面を作りだすことで、灰野の状況を<strong>皮膚感覚</strong>として感じ取れる、あるいは取れるよう努力することはできる。</p> <p>これは感情にかぎらず、「<span style="color: #0000cc;"><strong>感覚</strong></span>」――触覚や嗅覚、筋肉の動きなど――も含まれる。</p> <p><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%CE%BE%B5%B7%BC%B0">両儀式</a>の腕が「ぐちゃぐちゃ」になったらその痛みもまた自分自身のものとして再現していくし、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C0%F5%BE%E5%C6%A3%C7%B5">浅上藤乃</a>のように「痛みを感じない痛み」という複雑な感覚も同じこと。</p> <p> </p> <table style="border-collapse: separate; border-spacing: 5px; border: 0px none;" border="0" cellpadding="5"> <tbody> <tr> <td style="vertical-align: top; text-align: left;" align="left" valign="top"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00XTPOT2I/114alme-22/ref=nosim/" target="_blank"><img src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/515vJz0wbEL._SL160_.jpg" alt="最果てのイマ -COMPLETE-【同梱特典:1.『最果てのイマ コンプリートブックレット』オールカラー64P 2.『最果てのイマ』オリジナルサウンドトラック付き】[アダルト]" width="109" /></a></td> <td style="vertical-align: top; text-align: left;" align="left" valign="top"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00XTPOT2I/114alme-22/ref=nosim/" target="_blank">最果てのイマ -COMPLETE-<br />【同梱特典:<br />1.『最果てのイマ コンプリートブックレット』オールカラー64P <br 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class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C6%E0%BF%DC%A4%AD%A4%CE%A4%B3">奈須きのこ</a></li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">出版社/メーカー:</span> <a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B9%D6%C3%CC%BC%D2">講談社</a></li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">発売日:</span> 2007/11/15</li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">メディア:</span> 文庫</li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">購入</span>: 6人 <span class="hatena-asin-detail-label">クリック</span>: 108回</li> <li><a href="http://d.hatena.ne.jp/asin/406275892X/saazuhatesayanoimasafueyoukoitukisyoujiimanekonade-22" target="_blank">この商品を含むブログ (225件) を見る</a></li> </ul> </div> <div class="hatena-asin-detail-foot"> </div> </div> </div> <p>またあるキャ<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%E9%A5%AF">ラク</a>ターの心的状況に嫌悪・不快を催した場合、同期するのではなくむしろ"感じ"ないようする試みが「途絶」となる。</p> <p>たとえば、<a href="http://eroge-pc.hatenablog.jp/entry/koiirosoramoyou">恋色空模様</a>の主人公・<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C0%BF%B8%E7">誠悟</a>はいつも発情しているのだが、あまりにも発情回数が多いため<span style="font-size: 80%;">――その情欲にあてられ――</span>げんなりするし、『<a href="http://eroge-pc.hatenablog.jp/entry/2017/08/23/220000">幼女戦記</a>』のターニャは社会的情緒が欠けた人間なので、同期を試みるほど、段々と自分自身も情動が抜け落ちていき怖くなり中断……そういったケースを指している。</p> <p>これはキャ<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%E9%A5%AF">ラク</a>ターを身近に感じ<strong>ない</strong>ことで、キャラに対する嫌悪・不快をやわらげる効果を狙える。すくなくとも視聴中に当該感情に煩わされることはなくなるだろう。.</p> <p> </p> <h3 id="4-音読スキミング">(4) 音読・<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B9%A5%AD%A5%DF%A5%F3%A5%B0">スキミング</a> </h3> <p> </p> <p>音読は脳内でもいいし、実際に声にだしてもいい。そうすることで「文章から→映像化」はとてもやりやすくなる。当然読みは遅くなるけれど、そのぶん<strong>体験力</strong>は増す。</p> <p>私はむかしから<span style="font-size: 80%;">(無意識に)</span>脳内音読、通常音読<span style="font-size: 80%;">――アニメでもするものの特に文章媒体はその傾向が顕著で、地の文やキャラのセリフを口にする――</span>やり方をしてきたのだけど、最近はしなくなっていた。</p> <p>どうも「映像に変換することなく文字をさらう」ことに慣れてしまったため、以前より高速に読むことができるものの、なんか違うなあ……物語体感がおかしいなあ……と感じていた。</p> <p>――そこで意識的に音読をしてみると、問題は解決。</p> <p>どうやら文章への<span style="color: #0000cc;"><strong>「理解」と「体験」は別物</strong></span>らしい。テキストで表現される色や匂い、肌触りから視覚……そういったものをゆっくりと、丁寧に、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A4%AB%A4%DF%A4%AF%A4%C0%A4%AF">かみくだく</a>ことでその世界を(擬似的)ながらも五感で味わうことが多くなる。</p> <p>眼球でとらえる文字<span style="font-size: 80%;">(線の集合体)</span>は<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AF%A5%AA%A5%EA%A5%A2">クオリア</a>の導き手。たんなるシンボルではなく一つ一つに豊かな価値を孕んでいるものの、急ぎ足で通り過ぎてしまえばきっとそうとは気づけない。</p> <p>私の場合、物語の五感やら情景を脳内で映像化することでよりその感覚が増していくみたい。「読みがはやくなってるなー」って時はペースダウンも兼ねて声に出して読むようにしている。</p> <p>逆に「読むのうっざったいなー」ってときは、映像化をやめて<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B9%A5%AD%A5%DF%A5%F3%A5%B0">スキミング</a>(拾い読み)で高速に読むこともある。時折。たまに。基本しないんだけどね、あまりにも<a href="http://eroge-pc.hatenablog.jp/entry/2017/10/13/220000">文章のレベルが低い作品</a>だとちんたら読むのは疲れてしまうので。</p> <p> </p> <p>-</p> <h3 id="5言葉にせず解釈はせず">(5)言葉にせず、解釈はせず</h3> <p><iframe class="embed-card embed-blogcard" style="display: block; width: 100%; height: 190px; max-width: 500px; margin: 10px 0px;" title="物語は朝焼けの色みたいなもので、ただそこにあるだけのもの。(3347文字) - 猫箱ただひとつ" src="https://hatenablog-parts.com/embed?url=http%3A%2F%2Feroge-pc.hatenablog.jp%2Fentry%2F2017%2F09%2F05%2F220000" frameborder="0" scrolling="no"></iframe><cite class="hatena-citation"><a href="http://eroge-pc.hatenablog.jp/entry/2017/09/05/220000">eroge-pc.hatenablog.jp</a></cite></p> <p><span style="color: #0000cc;"><strong>「言葉にしたくないものは言葉にしなくていいし、解釈だってしなくていい。むしろそうすることで作品の価値が高まる場合もある」</strong></span>という考え方。</p> <p>とてもとても当たり前のことだけど、これをちゃんと意識している人は案外少ないと思う。作品の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B8%C0%B8%EC%B2%BD">言語化</a>が全てではなく、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B8%C0%B8%EC%B2%BD">言語化</a>したものはその作品ではない―――これを皮膚感覚で理解できなければこの気づきには至らないからだ。</p> <p> </p> <blockquote> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>実際の世界と、紙の上の世界は違う。</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>物語を見るとは<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AF%A5%AA%A5%EA%A5%A2">クオリア</a>(=感覚質)であって、それを感じる事はできても、(完全な)言葉として表現するのは不可能なのである。もちろんこの「見る」を「読む」に置き換えても同じだ。</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>映像媒体だろうが、文字媒体だろうが、音楽媒体だろうが、それを"読"んだ際に生じるテクストは――『果つることなき未来ヨリ』の言葉を借りれば――「それは朝焼けの色みたいなもの、ただそこにあるだけのもの」と言えばいいだろうか。</strong></span></p> <p> </p> <p>――<a href="http://eroge-pc.hatenablog.jp/entry/2017/09/05/220000">物語は朝焼けの色みたいなもので、ただそこにあるだけのもの。</a></p> </blockquote> <p> </p> <p>だから私は語りたくないものは語らないし、語りたいことは語るという線引を引いている。それは"直感"であって、これに触れるのはよそうとか、ここは探ってみてもいいなという感じで、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B8%C0%B8%EC%B2%BD">言語化</a>をすすめたり、解釈を停止したりする。</p> <p>この考えは、今では私にはなくてはならないものになりつつある。なぜなら<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B8%C0%B8%EC%B2%BD">言語化</a>/解釈とは作品を殺すことと同義であり、ときに<strong>損失感</strong>を伴うものだからだ。それはつらい事だし、疲れることだから、だからやらなくていいという選択肢は重要になる。</p> <p> </p> <h3 id="6可能性">(6)√―可能性―</h3> <p> </p> <p>物語は「ある可能性」を見せてくれるが、それとはちがう、「別の可能性」ももちろんある。</p> <p>もしも夏果の心のケアをしていたら?あるいはしていなかったら?という行動分岐でENDが様変わりする『ものべの』のように、ADVでは「√」という概念によってそれは表現される。</p> <div class="freezed"> <div class="hatena-asin-detail"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00JL8FZOS/saazuhatesayanoimasafueyoukoitukisyoujiimanekonade-22/"><img class="hatena-asin-detail-image" title="ものべの -pure smile- (通常版) - PS Vita" src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/615MLHKeJjL._SL160_.jpg" alt="ものべの -pure smile- (通常版) - PS Vita" /></a> <div class="hatena-asin-detail-info"> <p class="hatena-asin-detail-title"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00JL8FZOS/saazuhatesayanoimasafueyoukoitukisyoujiimanekonade-22/">ものべの -pure smile- (通常版) - PS Vita</a></p> <ul> <li><span class="hatena-asin-detail-label">出版社/メーカー:</span> dramaticcreate</li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">発売日:</span> 2014/09/25</li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">メディア:</span> Video Game</li> <li><a href="http://d.hatena.ne.jp/asin/B00JL8FZOS/saazuhatesayanoimasafueyoukoitukisyoujiimanekonade-22" target="_blank">この商品を含むブログ (2件) を見る</a></li> </ul> </div> <div class="hatena-asin-detail-foot"> </div> </div> </div> <p> しかしそれは実際に可視化されたものを言っているのではなく、アニメだろうと<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%E9%A5%CE%A5%D9">ラノベ</a>だろうと、そうであろうとなかろうと物語には"あらゆる可能性"が存在する。</p> <p>もしも菅野考が二つの月を見なかったら? もしも高須竜児が櫛枝を選んでいたら? もしも神尾美鈴がゴールしなかったら?・・・その物語はどうなっていただろうか。どんな結末を迎え、どのような読後感をもたらしただろうか。だれが涙し、凱歌をあげたのか。</p> <p><span style="color: #0000cc;"><strong>物語が描いたのは一つの、あるいはいくつかの√<span style="font-size: 80%;">―可能性―</span>であって、その全てを描ききったわけではない。我々が見たのは「それ」だけだ。それだけなんだ。まだ見ぬ数百、数千の分岐世界は存在し、その中には、true√と矛盾する結末だってありえよう。</strong></span></p> <p>という考え方が「√」である。</p> <p>必ずしも「描かれたもの」だけを捉えるのではなく、もっと広く、深く作品を眺めるときに重宝する。</p> <p>(関連)</p> <ul> <li><a href="http://eroge-pc.hatenablog.jp/entry/2016/06/30/120000">批評と創作はある一点において本質的に同じである。(1812文字) </a></li> </ul> <p> </p> <p> </p> <h3 id="7-かっこに入れる">(7) かっこに入れる</h3> <p> </p> <p>人の認知は歪みまくっていて、完全なる主体と客体が一致することはありえない。どんな人でも、自分の都合のいいように物事を見るし、あるいは過剰にネガティブに受け取り現実とのギャップに苦しんでしまうもの。</p> <p>そんな自己認知を意識しつつ、バイアスをある程度抑えるためのひとつとして カッコにいれる、があげられる。</p> <p>これは「<strong>まあ、とりあえずそれは一旦置いて考えましょう</strong>」という思考方法で、感情、五感、気づきを()にいれてしまい、入れた状態で対象を観察してみようというもの</p> <p>今まで語ってきた内在視点、感情同期、√……の根本的な概念だったりする。</p> <table style="border-collapse: separate; border-spacing: 5px; border: none 0;" border="0" cellpadding="5"> <tbody> <tr> <td style="vertical-align: top; text-align: left;" align="left" valign="top"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B003H9MM1G/114alme-22/ref=nosim/" target="_blank"><img src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/51kFDRtCKLL._SL160_.jpg" alt="CLANNAD メモリアルエディション 全年齢対象版" /></a></td> <td style="vertical-align: top; text-align: left;" align="left" valign="top"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B003H9MM1G/114alme-22/ref=nosim/" target="_blank">CLANNAD メモリアルエディション 全年齢対象版</a><br /><a class="keyword" 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href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/kanon">kanon</a>はきっちりと奪うものを奪って奇跡を成したが<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/CLANNAD">CLANNAD</a>のこれは毛色が違うしそもそも<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/AIR">AIR</a>では・・・」</span>という思考をわきにどけた状態で<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/CLANNAD">CLANNAD</a>を見てみる。すると、いったいどんな考えが浮かぶんだろう? 自分はどのように感じるんだろう? と観察してみる。 </p> <p>たとえば『MR.ROBOT』の吹替音声をきいて「乙坂有宇くんの声!?!!!」と<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B4%BF%B4%EE">歓喜</a>したとしてもその感情を () にいれてしまう。カッコにいれた状態で、それとは別の感情が自分の中で立ち上がるかどうか、観察してみる。</p> <p>すると、乙坂有宇を媒介にしエリオットを見るのではなく、エリオットをエリオットとして見ていることに気づくかもしれないし、あるいは<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C6%E2%BB%B3%B9%B7%B5%B1">内山昂輝</a>さんの演技論について何か発見し、さりとてそれもまた ( ) にいれて『MR.ROBOT』のダークな空気を胸いっぱいに吸いこんでみてもいい。</p> <div class="freezed"> <div class="hatena-asin-detail"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B016RY2XS4/saazuhatesayanoimasafueyoukoitukisyoujiimanekonade-22/"><img class="hatena-asin-detail-image" title="Mr. Robot [Blu-ray]" src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/51%2BlA2ShVYL._SL160_.jpg" alt="Mr. Robot [Blu-ray]" /></a> <div class="hatena-asin-detail-info"> <p class="hatena-asin-detail-title"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B016RY2XS4/saazuhatesayanoimasafueyoukoitukisyoujiimanekonade-22/">Mr. Robot [Blu-ray]</a></p> <ul> <li><span class="hatena-asin-detail-label">メディア:</span> <a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Blu-ray">Blu-ray</a></li> <li><a href="http://d.hatena.ne.jp/asin/B016RY2XS4/saazuhatesayanoimasafueyoukoitukisyoujiimanekonade-22" target="_blank">この商品を含むブログを見る</a></li> </ul> </div> <div class="hatena-asin-detail-foot"> </div> </div> </div> <p>――そのとき、その作品について、今までの自分とは<span style="font-size: 80%;">(ちょっとだけ)</span><strong>違った見方</strong>ができるようになっているかもしれない。</p> <p>もちろんヒトの認知は歪みまくっているので、カッコに入れたくらいでバイアスから完全に逃れられるわけでも、フレームに振り回されないわけでもない。『自己の枠組み』から我々は逃れられないものね。</p> <p>けれどそういった<span style="color: #0000cc;"><strong>歪みにさらされている</strong></span>ことは理解できる。</p> <p>理解した上で、ではその歪みを遠ざけた上で対象を見たらどうなるか? と熟考することはできるし、そのあり方は狭まっていた視界を広げ、作品の体感すらも変える契機になりえるものだ。</p> <p>それに、条件反射で浮かんだものなんて大抵、とるにたらないもの。</p> <p>一通り処理をおえたならば ( ) で閉じていたものを外しさいど評価・観察し、ふたたび閉じ、はずし、とじてを繰り返すことも可能だ。</p> <p> </p> <p> </p> <p>まとめ</p> <ul class="table-of-contents"> <li><a href="#1内在視点">(1)内在視点</a></li> <li><a href="#2-多視点">(2) 多視点</a></li> <li><a href="#3感情同期途絶">(3)感情同期・途絶</a></li> <li><a href="#4-音読スキミング">(4) 音読・スキミング </a></li> <li><a href="#5言葉にせず解釈はせず">(5)言葉にせず、解釈はせず</a></li> <li><a href="#6可能性">(6)√―可能性―</a></li> <li><a href="#7-かっこに入れる">(7) かっこに入れる</a></li> </ul> <p> </p> <p>さてどうだったでしょうか。楽しく読んでいただけたならば嬉しいですし、これを機会に――あなた自身の――作品へのまなざしに注目してみてもいいかもしれません。</p> <p>(了)</p> <table style="border-collapse: separate; border-spacing: 5px; border: none 0;" border="0" cellpadding="5"> <tbody> <tr> <td style="vertical-align: top; text-align: left;" align="left" valign="top"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00H7NZG8Y/114alme-22/ref=nosim/" target="_blank"><img src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/61wqVHWeWRL.jpg" alt="魔女こいにっき 初回版" /></a></td> <td style="vertical-align: top; text-align: left;" align="left" valign="top"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00H7NZG8Y/114alme-22/ref=nosim/" target="_blank">魔女こいにっき 初回版</a><br /><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Windows%20Vista">Windows Vista</a><br /><br />Qoobrand<br /><br /><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00H7NZG8Y/114alme-22/ref=nosim/" target="_blank">Amazonで詳しく見る</a></td> </tr> </tbody> </table> <table style="border-collapse: separate; border-spacing: 5px; border: none 0;" border="0" cellpadding="5"> <tbody> <tr> <td style="vertical-align: top; text-align: left;" align="left" valign="top"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B072BBVFT3/114alme-22/ref=nosim/" target="_blank"><img src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/61DyC7%2BgSwL.jpg" alt="猫撫ディストーション&amp;猫撫ディストーションExodus 2in1+αおまけデータ" /></a></td> <td style="vertical-align: top; text-align: left;" align="left" valign="top"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B072BBVFT3/114alme-22/ref=nosim/" target="_blank">猫撫ディストーション&amp;<br />猫撫ディストーションExodus <br />2in1+αおまけデータ</a><br /><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Windows%207">Windows 7</a><br />ホワイトソフト<br /><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B072BBVFT3/114alme-22/ref=nosim/" target="_blank">Amazonで詳しく見る</a></td> </tr> </tbody> </table> <p> </p> bern-kaste 幸せとは「ずっと」を有された言葉 hatenablog://entry/8599973812336796382 2018-01-27T00:00:00+09:00 2018-01-27T00:00:52+09:00 幸せとかくそくらえなので 映画『Hector and the Search for Happiness』*1は、題名どおりヘクターなる精神科医が幸せをさがすお話。 彼はことあるごとに「あなたは幸せか?」と人々に訊ねるのだけど、これはなんだか変な質問じゃないだろうか。 *1:邦題:しあわせはどこにある <p><img class="hatena-fotolife" title="f:id:bern-kaste:20180113131708j:plain" src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/b/bern-kaste/20180113/20180113131708.jpg" alt="f:id:bern-kaste:20180113131708j:plain" width="238" /></p> <h3>幸せとかくそくらえなので</h3> <p> </p> <p>映画<span style="font-size: 80%;">『Hector and the Search for Happiness』</span><a href="#f-237a4bf9" name="fn-237a4bf9" title="邦題:しあわせはどこにある">*1</a>は、題名どおりヘクターなる<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C0%BA%BF%C0%B2%CA%B0%E5">精神科医</a>が幸せをさがすお話。</p> <p>彼はことあるごとに「あなたは幸せか?」と人々に訊ねるのだけど、これはなんだか変な質問じゃないだろうか。</p> <p>幸せって<span style="text-decoration: underline;">単なる感情の一つ</span>で喜怒哀楽と大差ない。しあわせな時もあれば、そうじゃない時もある。</p> <p>にも関わらず「あなたは幸せか?」と訊ねるとき、そこには"今その瞬間"しあわせかを聴いているのではなく、<span style="color: #0000cc;"><strong>あるスパンでその感情を継続的に味わっているか</strong></span>を伺っていることが多い。</p> <p>もしもこれが「あなたは喜んでいるか?」「あなたは悲しいか?」と訊かれたのなら、いやいや私は今喜んではないなという返答でおかしくないしそこに躊躇する気持ちはない。</p> <p>だって、今、この瞬間の気持ちではないというだけの話だからだ。</p> <p>けれど、もしも「私は幸せではないな」と言いにくいのならば、ならば、自分の人生は干からび、活力を失っていると吐露することに近いからかもしれない。少なくともそういった意識が根底にはある。</p> <p>つまり幸せとは "ずっと" を含有された言葉であり、他の感情群とは扱いが違うのだ。そこには絶えず人生という長い期間を対象にしている。</p> <p>――でもこれって<strong>現実に即さないよね?</strong></p> <p>あらゆるものは朽ちるし、腐る。栄えていたものはいつか凋落し、決意した気持ちは寝たらチリと化す。こどもは成長して大人になるように、苦しみだってずっとは続かない。</p> <p>そういった場において"ずっと"であろうとすることは、どう考えても無意味だろう。</p> <p>幸せであろうとするのではなく―――どうしたら楽しいと、なにをすれば喜ばしい気持ちになれるのか。悲しみを受け止め、乗り越えるにはどうすればいいか。そんな模索のほうがずっと大事だし、例えそれが一瞬しか続かないとしてもその一瞬一瞬を積み重ねていけばいいだけではないのか。</p> <p>なぜ「<strong>常に</strong>」多幸感を覚えなければならない……絶えず<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%C9%A1%BC%A5%D1%A5%DF%A5%F3">ドーパミン</a>で脳をジャックしろとでも?</p> <p>こうした意識が「幸せ」という荒唐無稽な概念を探そうとし、そもそもその実像をよく分かっていないくせに求める人が後を絶たないのだと思う。そして果てしない時間をその単一感情で満たそうとしては、疲弊してしまう。(できっこないので)</p> <p>――本作では、負の感情にもフォーカスした。飲んで食べて交わり、恐怖におびえ死にかけ騙された旅の経験<strong>すべて</strong>をヘクターが想起したとき、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A4%A5%F3%A5%D4%A1%BC%A5%C0%A5%F3%A5%B9">インピーダンス</a>CTは『光がまざりあった脳』を可視化した。</p> <p>それこそが幸せだと。</p> <p>そして幸せとは義務であるとも言い切った。</p> <p>つまり幸せとはさまざまな感情が一体化した時に生じるもので、幸せを求めるのならば、我々はさまざまな経験を通じて、<span style="color: #0000cc;"><strong>さまざまな感情を味わなければならない</strong></span>。プラスもマイナスも、後悔も退屈も、そうさ、しあわせとは「人生」という言葉と同じなのだと。本作は描いたと解釈できる。</p> <p>そしてこの答えは、なかなかに納得できるものだ。</p> <p>荒唐無稽な「ずっと」を含有された幸福なんかよりずっといい。</p> <p> </p> <p> </p> <h3>おわり</h3> <p> </p> <p><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D6%A5%C3%A5%B7%A5%E5%A5%DE%A5%F3">ブッシュマン</a><span style="font-size: 80%;">(狩猟採集民族)</span>には幸福なる概念がないとのことで、そもそもシアワセ探しに陥ることはないでしょうし、ピダハンは「赤」「青」といった抽象化された色彩表現は存在せず、血だとか何らかの植物といった実際にあるもので色を表現する。これは"現実"にしっかりピントが合っている文化・生活で、妄想と現実のミスマッチに苦しむことはないのでしょうね。</p> <p>そう考えると「人生」「幸福」―――そんな実体のない言葉って、どう?本当にこの概念って必要なの?って気はしてきたり。もちろん形而上的なものはすべからく。</p> <p> </p> <div class="amazlet-box" style="margin-bottom: 0px;"> <div class="amazlet-image" style="float: left; margin: 0px 12px 1px 0px;"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4622076535/114alme-22/ref=nosim/" name="amazletlink" target="_blank"><img style="border: none;" src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/51qiE0qAxyL.jpg" alt="ピダハン―― 「言語本能」を超える文化と世界観" /></a></div> <div class="amazlet-info" style="line-height: 120%; margin-bottom: 10px;"> <div class="amazlet-name" style="margin-bottom: 10px; line-height: 120%;"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4622076535/114alme-22/ref=nosim/" name="amazletlink" target="_blank">ピダハン―― 「言語本能」を超える文化と世界観</a> <div class="amazlet-powered-date" style="font-size: 80%; margin-top: 5px; line-height: 120%;"> </div> </div> <div class="amazlet-detail">ダニエル・L・エヴェレット <br /><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A4%DF%A4%B9%A4%BA%BD%F1%CB%BC">みすず書房</a> <br />売り上げランキング: 30,096</div> <div class="amazlet-sub-info" style="float: left;"> <div class="amazlet-link" style="margin-top: 5px;"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4622076535/114alme-22/ref=nosim/" name="amazletlink" target="_blank">Amazon.co.jpで詳細を見る</a></div> </div> </div> <div class="amazlet-footer" style="clear: left;"> </div> </div> <h4> 関連記事</h4> <p><iframe class="embed-card embed-blogcard" style="display: block; width: 100%; height: 190px; max-width: 500px; margin: 10px 0px;" title="幸せの定義(Angel Beats! 1st beat) - 猫箱ただひとつ" src="https://hatenablog-parts.com/embed?url=http%3A%2F%2Feroge-pc.hatenablog.jp%2Fentry%2F2017%2F10%2F21%2F220000" frameborder="0" scrolling="no"></iframe><cite class="hatena-citation"><a href="http://eroge-pc.hatenablog.jp/entry/2017/10/21/220000">eroge-pc.hatenablog.jp</a></cite></p> <p><iframe class="embed-card embed-blogcard" style="display: block; width: 100%; height: 190px; max-width: 500px; margin: 10px 0px;" title="ナルキッソス感想―死の読み味が軽い― - 猫箱ただひとつ" src="https://hatenablog-parts.com/embed?url=http%3A%2F%2Feroge-pc.hatenablog.jp%2Fentry%2F2017%2F08%2F25%2F220000" frameborder="0" scrolling="no"></iframe><cite class="hatena-citation"><a href="http://eroge-pc.hatenablog.jp/entry/2017/08/25/220000">eroge-pc.hatenablog.jp</a></cite></p> <p><iframe class="embed-card embed-blogcard" style="display: block; width: 100%; height: 190px; max-width: 500px; margin: 10px 0px;" title="【簡易考察】群青の空を越えて―俺たちは何のために戦ってきた?― - 猫箱ただひとつ" src="https://hatenablog-parts.com/embed?url=http%3A%2F%2Feroge-pc.hatenablog.jp%2Fentry%2F2017%2F09%2F15%2F220000" frameborder="0" scrolling="no"></iframe><cite class="hatena-citation"><a href="http://eroge-pc.hatenablog.jp/entry/2017/09/15/220000">eroge-pc.hatenablog.jp</a></cite></p> <p> </p><div class="footnote"> <p class="footnote"><a href="#fn-237a4bf9" name="f-237a4bf9" class="footnote-number">*1</a><span class="footnote-delimiter">:</span><span class="footnote-text">邦題:しあわせはどこにある</span></p> </div> bern-kaste 私達は死ぬほど『現実』が嫌いなんだよ。違う?(トライアンソロジー~planetarian)総括・レビュー hatenablog://entry/8599973812328639627 2017-12-21T22:30:00+09:00 2017-12-21T22:30:03+09:00 ※重篤的なネタバレ注意 <p><img class="hatena-fotolife" title="f:id:bern-kaste:20171221194449j:plain" src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/b/bern-kaste/20171221/20171221194449.jpg" alt="f:id:bern-kaste:20171221194449j:plain" width="525" /></p> <p><span style="color: #d32f2f;"><strong>※</strong></span>重篤的なネタバレ注意</p> <h3>(1)それが「現実」になった時、遠ざかる理由になる</h3> <p> </p> <p>『トライアンソロジー』は3つの物語を見ていく中で、<span style="text-decoration: underline;">なんら関わりのない</span>A世界のキャラクターが実はB世界、C世界へとリンクすることを仄めかす構造を取る。</p> <p>田舎青春「<span style="color: #286f2c;"><strong>カントリーガアル</strong></span>」の桂子が、未来SF「<span style="color: #673ab7;"><strong>ベスピオ2438</strong></span>」のオムツであり、「<span style="color: #cc00cc;"><strong>学園恋愛(と呼ぶにはおこがましい)アド<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D9%A5%F3%A5%C1%A5%E3%A1%BC">ベンチャー</a></strong></span>」のゆかりだったりするわけだ。</p> <p>あらゆる登場人物がすこしづつカミングアウトしていき、どのキャラがどの世界のキャラなのか? 一体全体「中の人」はどいつなのか?を推理していくもののそれは上下関係ではなく、<strong>円環構造</strong>になっていたという怪作である。</p> <p> </p> <blockquote> <p><img class="hatena-fotolife" title="f:id:bern-kaste:20171221202412j:plain" src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/b/bern-kaste/20171221/20171221202412.jpg" alt="f:id:bern-kaste:20171221202412j:plain" width="488" /></p> <p><span style="font-size: 80%;"> ――<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/07th%20Expansion">07th Expansion</a>|トライアンソロジー</span></p> </blockquote> <p> </p> <p>――そうすべては学校にいかず、部屋に引きこもり、退屈をしのぐ"アリス"の悲しき現実逃避の輪廻。娯楽を長引かせる遊興、;これこそが本作の全容である。</p> <p>そして3つのカケラが終わった今、アリスはその"現実"からをも踏み出しエンドマークが付けられた。</p> <p> </p> <blockquote> <p><img class="hatena-fotolife" title="f:id:bern-kaste:20171221203819j:plain" src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/b/bern-kaste/20171221/20171221203819.jpg" alt="f:id:bern-kaste:20171221203819j:plain" /></p> <p> ――<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/07th%20Expansion">07th Expansion</a>|トライアンソロジー</p> </blockquote> <p> </p> <p>ラストは現実「復帰」と呼べるもので、一見すれば現実逃避せずに自分の世界を生きろとでも言いたげだ。</p> <p>しかし終盤の学園ラ<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D6%A5%B3%A5%E1">ブコメ</a>、ベスピオを見る限り「どちらも大事」「逃げるなら全力で引きこもれ」と描かれているわけだからそれは安直な考えだろう。なにより最後にアリスを後押ししたのは誰か?―――そう虚構たる幹彦やゆかり、ウサギなのである。本来存在しえない彼彼女らに叱咤激励されたアリスは「ぼんぼやーじゅっ」と旅立つ決意をしたのであれば</p> <p>『トライアンソロジー』はたんなる現実へ帰れ譚ではなく、「<span style="color: #0000cc;"><strong>現実逃避した先が現実となるからこそ現実逃避は"円環"構造になりえる</strong></span>」ことを描いたものに過ぎないのである。</p> <p>アリスは3つの物語を経て目覚めた。半径5メートルの世界から"逃避"しまた学校へ行くのかもしれない、別の生き方を模索するのかもしれない。彼女はこれからも彼女が暮らすそここそが【現実】となり、しかしてまたどこかで、現実逃避先として様々なカケラを用いるのかもしれない。</p> <p>そしてそれは、きっと悪いことではないのだ。</p> <p>あるひとつの【現実】があったとして、けれど彼らはそこからさらに別の世界へと逃避していった。現実逃避した先でも現実逃避をし、そのさきでも現実逃避をし続ける。</p> <p>それはカントリーガアル内における学園シュミレーションゲームであり、ベスピオにおけるマインドケアマシンでもあり、あるいはカントリーガアルで学校に行かなくなった幹彦を宮が引きずり出し、同時に引きこもる宮を幹彦が引っ張り出したように、</p> <p>そんな様子を見ていると、こんな考えを思いつく。</p> <p><strong>私達は【現実】を忌み嫌っているのではないか?</strong>と。その【現実】が苦痛ならば嫌う理由は十分だが、例えそれが幸せで充足したものであっても<span style="text-decoration: underline;">ひとたび【現実】になってしまったら</span>飽きてしまうのではないか。つまらなくなるのではないか。ここではない何処かへと、夢想を巡らし始める。</p> <p>現実逃避の「仕方」は多種多様であり、それは異世界を観測するカケラ<span style="font-size: 80%;">(=物語)</span>かもしれないし、物理的に外界へ踏み出す、今まで自分の半径5メートルになかったものにチャレンジする<span style="font-size: 80%;">(=お祭り実行)</span>といったものが該当するだろうか。</p> <p>――いずれにせよ、私達は定着した【現実】が死ぬほどイヤなのかもしれない。</p> <p> </p> <p> </p> <h3>(2)だから夢を見る</h3> <p> </p> <p><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/planetarian">planetarian</a>は終わった星を舞台にした、ロボットと青年のお話。</p> <p>自分は壊れていると語るコンパニオンロボットは、確かにどこか可笑しく、要を得ない会話を繰り返す。黙れといっても黙らず、黙ることを了承してもなおその口は閉じることなく性能自慢をしては青年を呆れさせた。</p> <p>そのせいか青年は、ロボットをうとましく思う。最初は特に。にも関わらず終盤ではこんなにも"やさしい"言葉を贈るのであった。</p> <p> </p> <blockquote> <p>今なら、俺にもわかる。</p> <p>だれ一人、だれ一人として、真実を伝えることなどできはしなかったのだ。</p> <p>このちっぽけな、少女のかたちをしたロボットに。</p> <p>人により創りだされ、人のためだけに尽くす、このちいさな存在に。</p> <p>「いいか? よく聞け」</p> <p>「はい…」</p> <p>「本当のことを言うとな、俺はお前を迎えに来たんだ」</p> (中略) <p>「あの壁のむこうにな、お前の新しい職場がある」</p> <p>立ちふさがる封鎖壁を、俺は指さした。</p> <p>壁のむこうに見渡すかぎり続く、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%CC%B5%BF%CD">無人</a>の、水浸しの荒地を指さした。</p> <p>「おまえの相棒の投影機も、おまえの同僚も、みんなそこで待っている」<br />「客も満員で、おまえを待っている」</p> <p>「おまえの解説を、みんな楽しみにしている」</p> <p>「おまえは今日から、そこで働くんだ」</p> <p>「いつまでも、お前の好きなだけ働くことができるんだ」</p> <p> </p> <p>――屑屋/<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/planetarian">planetarian</a>~ちいさなほしのゆめ~ HDエディション(Key)</p> </blockquote> <p> </p> <p>もちろんこれは噓であり、ありえない戯言。この壊れた惑星ではそんな光景二度と、もう二度と訪れることはないのだから。</p> <p>ではなぜ、青年はそんなでまかせを彼女に言い訊かせたのか?……それは<strong>現実にはありえない</strong>ことだからである。現実にはないからこそ、現実がクソッタレでつまらなくて何も思い通りにいかないからこそ「美しいもの」に置き換える必要性が出てくる。</p> <p>夢を見るとは、夢を見る必要性があるから見ようとするものだ。「ここ」が汚く、不愉快で、生きにくいからこそ我々はそれを求めようするし、<span style="text-decoration: underline;">現実を拒絶する</span>からこそ夢は夢足り得るのだ。</p> <p>……<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D7%A5%E9%A5%CD%A5%BF%A5%EA%A5%A6%A5%E0">プラネタリウム</a>がなぜ娯楽として存在するのか、その答えもそこにある。</p> <p> </p> <blockquote> <p><span style="color: #00796b;"><strong>「…<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D7%A5%E9%A5%CD%A5%BF%A5%EA%A5%A6%A5%E0">プラネタリウム</a>は、いかがでしょう?」</strong></span></p> <p><span style="color: #00796b;"><strong>「どんな時も決して消えることのない、美しい無窮のきらめき」</strong></span></p> <p><span style="color: #00796b;"><strong>「満天の星々がみなさまをお待ちしております」</strong></span></p> <p><span style="color: #00796b;"><strong>「<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D7%A5%E9%A5%CD%A5%BF%A5%EA%A5%A6%A5%E0">プラネタリウム</a>はいかがでしょう?…」</strong></span></p> <p> </p> <p> ――ほしのゆめみ/<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/planetarian">planetarian</a>~ちいさなほしのゆめ~ HDエディション(Key)</p> </blockquote> <p> (了)</p> <p> </p> <div class="amazlet-box" style="margin-bottom: 0px;"> <div class="amazlet-image" style="float: left; margin: 0px 12px 1px 0px;"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B01E9TLR5Y/114alme-22/ref=nosim/" name="amazletlink" target="_blank"><img style="border: none;" src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/51hmFb1lfdL.jpg" alt="planetarian~ちいさなほしのゆめ~ HDエディション" /></a></div> <div class="amazlet-info" style="line-height: 120%; margin-bottom: 10px;"> <div class="amazlet-name" style="margin-bottom: 10px; line-height: 120%;"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B01E9TLR5Y/114alme-22/ref=nosim/" name="amazletlink" target="_blank">planetarian(プラネタリアン)~ちいさなほしのゆめ~ HDエディション</a> <div class="amazlet-powered-date" style="font-size: 80%; margin-top: 5px; line-height: 120%;"> </div> </div> <div class="amazlet-detail">KEY (2016-07-29)<br />売り上げランキング: 1,439</div> <div class="amazlet-sub-info" style="float: left;"> <div class="amazlet-link" style="margin-top: 5px;"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B01E9TLR5Y/114alme-22/ref=nosim/" name="amazletlink" target="_blank">Amazon.co.jpで詳細を見る</a></div> </div> </div> <div class="amazlet-footer" style="clear: left;"> </div> </div> <div class="amazlet-box" style="margin-bottom: 0px;"> <div class="amazlet-image" style="float: left; margin: 0px 12px 1px 0px;"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B01LCXO1C6/114alme-22/ref=nosim/" name="amazletlink" target="_blank"><img style="border: none;" src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/61ngeOhsYJL.jpg" alt="PCソフト トライアンソロジー~三面鏡の国のアリス~" /></a></div> <div class="amazlet-info" style="line-height: 120%; margin-bottom: 10px;"> <div class="amazlet-name" style="margin-bottom: 10px; line-height: 120%;"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B01LCXO1C6/114alme-22/ref=nosim/" name="amazletlink" target="_blank">PCソフト トライアンソロジー~三面鏡の国のアリス~</a> <div class="amazlet-powered-date" style="font-size: 80%; margin-top: 5px; line-height: 120%;"> </div> </div> <div class="amazlet-detail"><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/07th%20Expansion">07th Expansion</a> <br />売り上げランキング: 91,180</div> <div class="amazlet-sub-info" style="float: left;"> <div class="amazlet-link" style="margin-top: 5px;"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B01LCXO1C6/114alme-22/ref=nosim/" name="amazletlink" target="_blank">Amazon.co.jpで詳細を見る</a></div> </div> </div> <div class="amazlet-footer" style="clear: left;"> </div> </div> <p> </p> <h4> ADV・他記事</h4> <p><iframe class="embed-card embed-blogcard" style="display: block; width: 100%; height: 190px; max-width: 500px; margin: 10px 0px;" title="言葉にするほど、共有すればするほど作品の価値は失われる。そういう気持ちを覚えることがあるんだよ - 猫箱ただひとつ" src="https://hatenablog-parts.com/embed?url=http%3A%2F%2Feroge-pc.hatenablog.jp%2Fentry%2F2017%2F11%2F13%2F220000" frameborder="0" scrolling="no"></iframe><cite class="hatena-citation"><a href="http://eroge-pc.hatenablog.jp/entry/2017/11/13/220000">eroge-pc.hatenablog.jp</a></cite></p> <p><iframe class="embed-card embed-blogcard" style="display: block; width: 100%; height: 190px; max-width: 500px; margin: 10px 0px;" title="【批判】Clover Day'sというセクハラゲームがほんとうに辛い(そこを抜きにしてもツラい)【レビュー】 - 猫箱ただひとつ" src="https://hatenablog-parts.com/embed?url=http%3A%2F%2Feroge-pc.hatenablog.jp%2Fentry%2F2017%2F10%2F13%2F220000" frameborder="0" scrolling="no"></iframe><cite class="hatena-citation"><a href="http://eroge-pc.hatenablog.jp/entry/2017/10/13/220000">eroge-pc.hatenablog.jp</a></cite></p> <p><iframe class="embed-card embed-blogcard" style="display: block; width: 100%; height: 190px; max-width: 500px; margin: 10px 0px;" title="幸せの定義(Angel Beats! 1st beat) - 猫箱ただひとつ" src="https://hatenablog-parts.com/embed?url=http%3A%2F%2Feroge-pc.hatenablog.jp%2Fentry%2F2017%2F10%2F21%2F220000" frameborder="0" scrolling="no"></iframe><cite class="hatena-citation"><a href="http://eroge-pc.hatenablog.jp/entry/2017/10/21/220000">eroge-pc.hatenablog.jp</a></cite></p> <p><iframe class="embed-card embed-blogcard" style="display: block; width: 100%; height: 190px; max-width: 500px; margin: 10px 0px;" title="マジ恋のバカやろうwww(るーすぼーい氏を声優に起用し以下略) #1 - 猫箱ただひとつ" src="https://hatenablog-parts.com/embed?url=http%3A%2F%2Feroge-pc.hatenablog.jp%2Fentry%2F2017%2F12%2F05%2F220000" frameborder="0" scrolling="no"></iframe><cite class="hatena-citation"><a href="http://eroge-pc.hatenablog.jp/entry/2017/12/05/220000">eroge-pc.hatenablog.jp</a></cite></p> <p> </p> <p> </p> <p> </p> <p> </p> <p> </p> <p> </p> <p> </p> <p> </p> <p> </p> <p> </p> <p> </p> <p> </p> bern-kaste 一週間を乗りきるずぼら料理リスト(随意更新) hatenablog://entry/8599973812318083571 2017-11-17T22:00:00+09:00 2017-11-17T22:00:22+09:00 目的 内蔵をいたわりたくなり自炊率を上げたいものの、毎回作って毎回洗うのは面倒。 なので食材を吟味しつつ、手軽に作れるものを探し求め、三ヶ月続けて食卓に残ったレシピの一覧です。備忘録の体であります。 本記事の料理法は面倒くさがりな私がやっているもので、別段信憑性があるとか、科学的に正しいわけではない事もあるでしょう。もっといい方法がある、以下の条件に適したレシピを知っている、という方がいたらぜひアドバイスお願いします。 条件 ・一週間食べれる量を一度で作れる ・小麦NG ・豆系NG(毒性と抗栄養素をもつため大豆を原材料とする醤油、味噌も同様) ・乳製品NG ・食品添加物NG ・人工甘味料NG … <p><img class="hatena-fotolife" title="f:id:bern-kaste:20171115220857j:plain" src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/b/bern-kaste/20171115/20171115220857.jpg" alt="f:id:bern-kaste:20171115220857j:plain" width="419" /></p> <p> </p> <h3 id="目的">目的</h3> <p>内蔵をいたわりたくなり自炊率を上げたいものの、毎回作って毎回洗うのは面倒。</p> <p>なので食材を吟味しつつ、手軽に作れるものを探し求め、三ヶ月続けて食卓に残ったレシピの一覧です。備忘録の体であります。</p> <p>本記事の料理法は面倒くさがりな私がやっているもので、別段信憑性があるとか、科学的に正しいわけではない事もあるでしょう。もっといい方法がある、以下の条件に適したレシピを知っている、という方がいたらぜひアド<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D0%A5%A4%A5%B9">バイス</a>お願いします。</p> <p> </p> <h3 id="条件">条件</h3> <p><span style="color: #00796b;"><strong>・一週間食べれる量を一度で作れる</strong></span></p> <p><span style="color: #00796b;"><strong>・小麦NG</strong></span></p> <p><span style="color: #00796b;"><strong>・豆系NG<span style="font-size: 80%;">(毒性と抗栄養素をもつため大豆を原材料とする醤油、味噌も同様)</span></strong></span></p> <p><span style="color: #00796b;"><strong>・乳製品NG</strong></span></p> <p><span style="color: #00796b;"><strong>・<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BF%A9%C9%CA%C5%BA%B2%C3%CA%AA">食品添加物</a>NG</strong></span></p> <p><span style="color: #00796b;"><strong>・<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BF%CD%B9%A9%B4%C5%CC%A3%CE%C1">人工甘味料</a>NG</strong></span></p> <p><span style="color: #00796b;"><strong>・加工調味料NG<span style="font-size: 80%;">(<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B3%A5%F3%A5%BD%A5%E1">コンソメ</a>、だしの素、ソース等)</span></strong></span></p> <p><span style="color: #00796b;"><strong>・美味しいこと!(←これだいじ)</strong></span></p> <p> </p> <h3 id="1白米">(1)白米</h3> <p>電子炊飯器でなくともご飯は炊ける――むしろ電気よりガスを使ったほうが美味しいし、米を浸水させる必要がないので今は圧力鍋をチョイス。</p> <p>この器具ならば<span style="font-size: 80%;">(洗うのが面倒なので)</span>無洗米4合+水850mlに、火を入れておおよそ30分で出来上がり。</p> <p>冷凍するならば「安全弁が下がったあと」すぐに冷凍容器に詰めて――つまり蒸らしの時間は必要ない――すぐさま冷凍庫にいれると後日レンチンしても美味しく頂ける。</p> <p>ほっかほっかの時に冷凍するのがコツ。</p> <p>米4合ならば(メーカーにもよるが)冷凍容器八つ分は手堅く、600Wならば3分20秒のレンチンでちゃんとあたたまる。一人暮らしならば3合くらいが量的にいいはず。</p> <p> ・使用器具 </p> <div class="amazlet-box" style="margin-bottom: 0px;"> <div class="amazlet-image" style="float: left; margin: 0px 12px 1px 0px;"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B000BY8KH0/114alme-22/ref=nosim/" name="amazletlink" target="_blank"><img src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/41jv19C5fmL._SL160_.jpg" alt="パール金属 圧力鍋 3.5L IH対応 3層底 切り替え式 レシピ付 クイックエコ H-5040" /></a></div> <div class="amazlet-info" style="line-height: 120%; margin-bottom: 10px;"> <div class="amazlet-name" style="margin-bottom: 10px; line-height: 120%;"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B000BY8KH0/114alme-22/ref=nosim/" name="amazletlink" target="_blank">パール金属 圧力鍋 3.5L IH対応 3層底 切り替え式 レシピ付 クイックエコ H-5040</a> <div class="amazlet-powered-date" style="font-size: 80%; margin-top: 5px; line-height: 120%;"> </div> </div> <div class="amazlet-detail"><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D1%A1%BC%A5%EB%B6%E2%C2%B0">パール金属</a> <br />売り上げランキング: 176</div> <div class="amazlet-sub-info" style="float: left;"> <div class="amazlet-link" style="margin-top: 5px;"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B000BY8KH0/114alme-22/ref=nosim/" name="amazletlink" target="_blank">Amazon.co.jpで詳細を見る</a></div> </div> </div> <div class="amazlet-footer" style="clear: left;"> </div> </div> <p>思ってたよりサイズは大きいので1~3人前ならこれで十分。 2年程つかっているが、まだパッキン交換には至っていない。</p> <p> </p> <p> </p> <h3 id="2パキスタンカレーっぽいもの">(2)<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D1%A5%AD%A5%B9%A5%BF%A5%F3">パキスタン</a>カレー(<strong>っぽいもの)</strong></h3> <blockquote> <p><材料></p> <p><span style="color: #00796b;"><strong>油</strong></span></p> <p><span style="color: #00796b;"><strong>玉ねぎ 2個</strong></span></p> <p><span style="color: #00796b;"><strong>にんにく 一玉</strong></span></p> <p><span style="color: #00796b;"><strong>しょうが 適量</strong></span></p> <p><span style="color: #00796b;"><strong>トマト 3個</strong></span></p> <p><span style="color: #00796b;"><strong>(お好みで)肉</strong></span></p> <p><span style="color: #00796b;"><strong>5種のスパイス</strong></span></p> <p><span style="color: #00796b;"><strong>塩 大さじ1</strong></span></p> </blockquote> <p> </p> <p>(1) 鍋底1cmくらいまで油を注ぎ<span style="font-size: 80%;">――まずは4つのスパイス――</span><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B3%A5%EA%A5%A2%A5%F3%A5%C0%A1%BC">コリアンダー</a>、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%BF%A1%BC%A5%E1%A5%EA%A5%C3%A5%AF">ターメリック</a>、クミン、カルダモンを入れ香りが立つまで弱火でじっくりと煮る。</p> <blockquote> <p><span style="color: #00796b;"><strong><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B3%A5%EA%A5%A2%A5%F3%A5%C0%A1%BC">コリアンダー</a>:大さじ2</strong></span></p> <p><span style="color: #00796b;"><strong><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%BF%A1%BC%A5%E1%A5%EA%A5%C3%A5%AF">ターメリック</a>:大さじ1</strong></span></p> <p><span style="color: #00796b;"><strong>クミン:小さじ1</strong></span></p> <p><span style="color: #00796b;"><strong>カルダモン:小さじ1/2</strong></span></p> </blockquote> <p>(2) 香りが立ってきたらみじん切りにした玉ねぎ、すりおろしたにんにくとしょうがを入れ、玉ねぎに色がつくまでじっくりと煮る。</p> <p>(3) 次に、トマト3個をミキサーにかけピューレにしたものを投下、馴染むまで煮る。(面倒ならトマト缶で代用)</p> <p>(4) 仕上げは塩大さじ1、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AC%A5%E9%A5%E0%A5%DE%A5%B5%A5%E9">ガラムマサラ</a>大さじ3/4をいれて、少し置いて完成。肉をいれたければ(この時に)火を止めて、投下し、予熱で火を通すとぱさつかず柔らかい仕上がりになる。</p> <p>(補足)トマトベースなので骨付きチキン、鶏肉モモが相性よし。豚牛の合い挽き肉でも美味い。サラダのドレッシングソースとしてもいける。</p> <p>最近はここにナスとパプリカ、人参をいれて美味しく頂いている。なにを入れても包み込んでくれる器の広さがこの料理にはある。カレーって素晴らしい。</p> <p>レンチンで一食分あたためる時、「バター」を入れるとリッチに、「ココナッツオイル」をいれるとエキゾチックな風味を醸し出すのでオプションとしてどうぞ。</p> <p>ちなみに仕上げの<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AC%A5%E9%A5%E0%A5%DE%A5%B5%A5%E9">ガラムマサラ</a>を入れないと、2ランクほど味が落ちるので面倒くさがらず投入してほしいところ。</p> <p> </p> <p> 使用器具は<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B9%A5%ED%A1%BC%A5%AF%A5%C3%A5%AB%A1%BC">スロークッカー</a>。</p> <div class="amazlet-box" style="margin-bottom: 0px;"> <div class="amazlet-image" style="float: left; margin: 0px 12px 1px 0px;"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B009JXQWR4/114alme-22/ref=nosim/" name="amazletlink" target="_blank"><img src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/41EyrHmFLpL._SL160_.jpg" alt="ツインバード スロークッカー ブラウン EP-4717BR" /></a></div> <div class="amazlet-info" style="line-height: 120%; margin-bottom: 10px;"> <div class="amazlet-name" style="margin-bottom: 10px; line-height: 120%;"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B009JXQWR4/114alme-22/ref=nosim/" name="amazletlink" target="_blank">ツインバード スロークッカー ブラウン EP-4717BR</a> <div class="amazlet-powered-date" style="font-size: 80%; margin-top: 5px; line-height: 120%;"> </div> </div> <div class="amazlet-detail"><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%C4%A5%A4%A5%F3%A5%D0%A1%BC%A5%C9%B9%A9%B6%C8">ツインバード工業</a>(TWINBIRD) (2012-09-29)<br />売り上げランキング: 1,328</div> <div class="amazlet-sub-info" style="float: left;"> <div class="amazlet-link" style="margin-top: 5px;"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B009JXQWR4/114alme-22/ref=nosim/" name="amazletlink" target="_blank">Amazon.co.jpで詳細を見る</a></div> </div> </div> <div class="amazlet-footer" style="clear: left;"> </div> </div> <p>こいつは<span style="text-decoration: underline;">電気によってとろ火調理</span>を可能にしてくれるナイスなやつ。ガスを気にせず家を空けられるし、食材をいれる容器は陶器なのですんなり汚れが落ちるので洗うのも幾分か楽。</p> <p>最初は鍋で作っていたんだけど「火のお守りつらい」「ガスコンロだと弱火でもすぐ温度が上がってしまう」「油でぎとぎと鍋を洗うのイヤ」といった点からこちらに変更。</p> <p>注意する点は、この価格帯の製品では「タイマー」がついてないので別途用意する必要があること。なければないでそこまで――製品の性質的に――問題ないかもしれないが。</p> <p> </p> <h3 id="3鶏ガラスープ">(3)鶏ガラスープ</h3> <blockquote> <p><材料></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>鶏ガラ1.5kg</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>人参2本</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>玉ねぎ2個</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>にんにく一玉</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>しょうが適量</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>昆布1パック(70g)</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>干し椎茸40g</strong></span></p> </blockquote> <p> </p> <p>(1)解凍した鶏ガラを<span style="font-size: 80%;">(固まっているので)</span>手で分けていき、沸騰した鍋にいれ表面に軽く熱を通す。この処理をすませたら、鶏ガラを鍋から全て出し、残ったスープのアク取りをはじめる。</p> <p><span style="font-size: 80%;">※本当は鶏ガラのくさみを取るために流水にかけ、内蔵を取るといった作業も必要なのだそうけど、こちらの環境では問題なく美味しいスープが出来上がるので私は省略してる。</span></p> <p>(2)アク取りが終わったら、鍋に全ての材料を入れて煮込む。24時間たったら完成。</p> <p>※問題は鶏ガラの量が量なので、私のところでは圧力鍋と<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B9%A5%ED%A1%BC%A5%AF%A5%C3%A5%AB%A1%BC">スロークッカー</a>2つを使って、分けて、調理している。もしも寸動鍋があるならばここから先は読むのは不要。</p> <p>(3)残ったスープを半々、食材も半々にわけ、圧力鍋と<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B9%A5%ED%A1%BC%A5%AF%A5%C3%A5%AB%A1%BC">スロークッカー</a>それぞれにいれる。この時、水位が足りなければ容器の八分目まで水を追加。</p> <p>(4)圧力鍋ならば2時間、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B9%A5%ED%A1%BC%A5%AF%A5%C3%A5%AB%A1%BC">スロークッカー</a>ならばLow(低火力)で24時間煮込めば完成。</p> <p>(補足)塩を一切いれていないが、これだけで十分おいしいスープになる。干し椎茸と昆布をいれことで味の密度が一層高まっているのだが、ただ味覚が<span style="font-size: 80%;">――加工食品等によって――</span>強い味になれてしまっていると物足りなく感じるかもしれない。</p> <p> </p> <p> </p> <h3 id="4キャベツのトマト煮口に入れたらロールキャベツ"> (4)キャベツのトマト煮(口に入れたらロールキャベツ)</h3> <blockquote> <p><材料></p> <p><span style="color: #00796b;"><strong>キャベツ1/2</strong></span></p> <p><span style="color: #00796b;"><strong>トマト3個(トマト缶代用OK)</strong></span></p> <p><span style="color: #00796b;"><strong>牛ひき肉400g</strong></span></p> <p><span style="color: #00796b;"><strong>玉ねぎ一個以上</strong></span></p> <p><span style="color: #00796b;"><strong>(お好みで)にんにく3欠片</strong></span></p> <p><span style="color: #00796b;"><strong>塩 大さじ1</strong></span></p> </blockquote> <p> </p> <p>キャベツ、玉ねぎはざく切り。トマトはピューレにして鍋<span style="font-size: 80%;">(私は<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B9%A5%ED%A1%BC%A5%AF%A5%C3%A5%AB%A1%BC">スロークッカー</a>を使用)</span>で煮込む。</p> <p>弱火で6時間もすればいい感じになるので、仕上げに塩大さじ1投下。火を止め、牛ひき肉をいれ、予熱で火を通す。完成。</p> <p>オプションでオリーブオイルを垂らせばフレッシュな香りが。 </p> <p> </p> <p> </p> <p> </p> <h3 id="番外時間があるときのサイドメニュー">(番外)時間があるときのサイドメニュー</h3> <p> </p> <h4 id="鯖缶アボガド"><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BB%AA%B4%CC">鯖缶</a>+アボガド</h4> <blockquote> <p><材料></p> <p><span style="color: #00796b;"><strong>アボガド1個</strong></span></p> <p><span style="color: #00796b;"><strong>玉ねぎ1個</strong></span></p> <p><span style="color: #00796b;"><strong><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BB%AA%B4%CC">鯖缶</a>1個</strong></span></p> <p><span style="color: #00796b;"><strong>酢 適量</strong></span></p> <p><span style="color: #00796b;"><strong>オリーブオイル 大さじ1</strong></span></p> </blockquote> <p>(1)玉ねぎを細切りにし、レンジで3分30秒加熱</p> <p>(2)アボガドの果肉をとりだし、ブロック状に切る。</p> <p>(3) (1)(2)に加え、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BB%AA%B4%CC">鯖缶</a>、酢、オリーブオイルをすべて混ぜ合わせ完成。</p> <p>(補足)酢は、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D0%A5%EB%A5%B5%A5%DF%A5%B3%BF%DD">バルサミコ酢</a>(白)が癖がなく合わせやすいでの重宝してる。また酢ではなくしょうがのすりおろしでも美味い。</p> <p>これは所要時間10分でできるけど、包丁出すのもいやーって時は、手を出さないようにしている。そういうときは<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BB%AA%B4%CC">鯖缶</a>ひとつあけるだけで終わり。</p> <p> </p> <h4 id="かぼちゃの素焼き">かぼちゃの素焼き</h4> <blockquote> <p><span style="color: #00796b;"><strong>かぼちゃ</strong></span></p> </blockquote> <p> </p> <p>かぼちゃ一玉500円で売られている時によく作る料理で、一口サイズに切断し、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B9%A5%ED%A1%BC%A5%AF%A5%C3%A5%AB%A1%BC">スロークッカー</a>に入れるだけ入れて――水はいれない――そのまま6時間ほったらかしで完成。</p> <p>出来上がった直後はおいしい!</p> <p>のだけど冷蔵庫にいれた翌日は味が落ちてしまうのが難点か。また<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B9%A5%ED%A1%BC%A5%AF%A5%C3%A5%AB%A1%BC">スロークッカー</a>より、鉄フライパンで素焼きしたほうがもっとおいしいので時間があるときは出来るだけこちらで。</p> <p>おいしくない残りかぼちゃはパンプキンスープにするといい感じ。<span style="font-size: 80%;">(ただし牛乳は使わず水でのばすだけ・・・でも牛乳使えるならばそちらのほうが美味しいはず。水だけだとどうも芯がない味になりがちなんで)</span></p> <p>そしてそれを先述した「キャベツのトマト煮」に(適量)いれると、かぼちゃの甘さとトマトの酸味があわさって美味。</p> <p>使用器具</p> <div class="amazlet-box" style="margin-bottom: 0px;"> <div class="amazlet-image" style="float: left; margin: 0px 12px 1px 0px;"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B009UE3JSC/114alme-22/ref=nosim/" name="amazletlink" target="_blank"><img style="border: none;" src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/41V1Drp4R5L._SL160_.jpg" alt="リバーライト 旧タイプ フライパン 28cm 極ROOTS" /></a></div> <div class="amazlet-info" style="line-height: 120%; margin-bottom: 10px;"> <div class="amazlet-name" style="margin-bottom: 10px; line-height: 120%;"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B009UE3JSC/114alme-22/ref=nosim/" name="amazletlink" target="_blank">リバーライト 旧タイプ フライパン 28cm 極ROOTS</a> <div class="amazlet-powered-date" style="font-size: 80%; margin-top: 5px; line-height: 120%;"> </div> </div> <div class="amazlet-detail">リバーライト <br />売り上げランキング: 78,166</div> <div class="amazlet-sub-info" style="float: left;"> <div class="amazlet-link" style="margin-top: 5px;"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B009UE3JSC/114alme-22/ref=nosim/" name="amazletlink" target="_blank">Amazon.co.jpで詳細を見る</a></div> </div> </div> <div class="amazlet-footer" style="clear: left;"> </div> </div> <p>ハンドル部分が鉄剥き出しではなく持ちやすい木材を使われているところに目をつけてこれに。当時は4800円だったののと、何度もフライパンを買っては捨てることがイヤだったのが購入するきっかけ。</p> <p>一年ほど使っていますけど、不満はなく、これで作る目玉焼きのおそろしさ。最初の数ヶ月油膜をつくる作業+洗剤を使わないで洗うことを厭わなければという条件ですが。</p> <p> </p> <p> </p> <h3 id="おわり">おわり</h3> <p> </p> <p>メインメニューはがっつり量を作れるので、一人分ならば確実に一週間はもつはず。<span style="font-size: 80%;">(一応素人ながら栄養価も気にしています)</span></p> <p>夕食時は「メインメニュー1~2つ+ご飯」、オプションで卵or焼き鮭orサイドメニューを追加する食事を三ヶ月続けているが不満点はなし。お腹いっぱいになるし、ちゃんとおいしい。ただNG要素が多すぎるので一週間に一度はなんでも食べてOkとしている。ゆるい。そして味噌おいしすぎ。</p> <p><strong>  ◆</strong> </p> <p>あんま~り、こういうブログテーマと関係ない記事投稿するのって迷うくちなんですけどついに書いてしまった感が。まあでも、これくらいならばギリギリセーフなはず…。</p> <p>ってことで、他にもおいしいレシピ教えて頂けると大変喜びますので、ぜひぜひ。</p> <p> </p> <p>・段落SKIP</p> <ul class="table-of-contents"> <li><a href="#目的">目的</a></li> <li><a href="#条件">条件</a></li> <li><a href="#1白米">(1)白米</a></li> <li><a href="#2パキスタンカレーっぽいもの">(2)パキスタンカレー(っぽいもの)</a></li> <li><a href="#3鶏ガラスープ">(3)鶏ガラスープ</a></li> <li><a href="#4キャベツのトマト煮口に入れたらロールキャベツ"> (4)キャベツのトマト煮(口に入れたらロールキャベツ)</a></li> <li><a href="#番外時間があるときのサイドメニュー">(番外)時間があるときのサイドメニュー</a><ul> <li><a href="#鯖缶アボガド">鯖缶+アボガド</a></li> <li><a href="#かぼちゃの素焼き">かぼちゃの素焼き</a></li> </ul> </li> <li><a href="#おわり">おわり</a></li> </ul> <p> </p> <p> </p> bern-kaste 幸せの定義(Angel Beats! 1st beat) hatenablog://entry/8599973812300782380 2017-10-21T22:00:00+09:00 2017-10-21T22:00:22+09:00 ※ネタバレ注意 幸せとはなにか?――答えは多種多様あれど、私はこの定義で十分だと考えている。 ・衣食住+活動(他者交流-好奇心-達成可能目標)=幸せ なぜ労働するかというと自分に餌をやるためであり、餌を与えなければ人は死んでしまう。餌とは文字通りの食べ物であり、安息をあたえる宿、社会的な身だしなみが該当する。 生命(=肉体/精神/社会性)維持の次は、他者と交流し、そしてその者と「達成可能だけどやや難しい(興味ある)目標」をもつことが肝要である。大勢が拍手する意義深いものでも、逆に社会的価値がうすい趣味でもなんでもいい。とにかく誰かと一緒に(やや難しい)達成可能な(興味ある)目標に向かうことで人… <p><img class="hatena-fotolife" title="f:id:bern-kaste:20170924142346j:plain" src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/b/bern-kaste/20170924/20170924142346.jpg" alt="f:id:bern-kaste:20170924142346j:plain" width="266" /></p> <p><span style="color: #d32f2f;">※</span>ネタバレ注意</p> <p> </p> <p>幸せとはなにか?――答えは多種多様あれど、私はこの定義で十分だと考えている。</p> <p><span style="color: #0000cc;"><strong>・衣食住+活動(他者交流-好奇心-達成可能目標)=幸せ</strong></span></p> <p>なぜ労働するかというと自分に餌をやるためであり、餌を与えなければ人は死んでしまう。餌とは文字通りの食べ物であり、安息をあたえる宿、社会的な身だしなみが該当する。</p> <p>生命<span style="font-size: 80%;">(=肉体/精神/社会性)</span>維持の次は、他者と交流し、そしてその者と「達成可能だけどやや難しい(興味ある)目標」をもつことが肝要である。大勢が拍手する意義深いものでも、逆に社会的価値がうすい趣味でもなんでもいい。とにかく<span style="color: #0000cc;"><strong>誰かと一緒に(やや難しい)達成可能な(興味ある)目標に向かうこと</strong></span>で人はじゅうぶんな幸福を覚えるものだ。<span style="font-size: 80%;">(ようするにエピックウィンを起こしたいので困難な企画、簡単な作業ではダメということでもある)</span></p> <p>こう考えると仕事とは「労働」と「活動」の2つの側面を持っており、前者の天秤が傾けばひどくつまらないものに、後者に傾けばとても楽しいものになりえる。また「活動」がうまくいっていれば<span style="font-size: 80%;">――その時間はとても楽しく、有意義なものなので――</span>それを人は生きる意味と見做す(錯覚)し、逆にいえば特権的な生きる意味なんていう下らないものを望む必要性はなくなるのだ。</p> <p>生きる意味があるから生きるのではなく、楽しい一時を手繰れる瞬間に人は生きたいと思うのである。そしてそれを「幸福」と呼ぶのではないか?</p> <p>――adv『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Angel%20Beats%21">Angel Beats!</a> -1st beat-』は、これをめちゃくちゃ簡単に満たせる世界である。</p> <p>おさらいすると(<span style="font-size: 80%;">adv版の)</span>死後の世界では肉体的・精神的に負った傷はどんなものでも回復し、また空腹による苦しみは学食で満たすことができるので<span style="font-size: 80%;">(全品美味い!というのが日向の弁)</span>ただ生きるのではなく、充足した日々を送れるようになっている。</p> <p>そしてなによりここには「人」がいる。</p> <p>同じ境遇の「死んだ記憶を持っている者」に関わらず、例え魂のない<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/NPC">NPC</a>だとしても、彼らは我々と違わぬ意志をもち、思考をし、辛い人生を送ってきた者たちに手を差し伸べてくれるのだ。むしろそれは<span style="font-size: 80%;">――我々がしっている人間よりも人間らしく――</span>とてもやさしい態度で、あたたかな笑顔で迎えて入れくれる。</p> <p>思い出して欲しい。音無結弦が『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BB%E0%A4%F3%A4%C0%C0%A4%B3%A6%C0%EF%C0%FE">死んだ世界戦線</a>』<span style="font-size: 80%;">(以下SSS)</span>に所属せず、ふつうの学園生徒としてすごした日常を。誰もが音無の入部を歓迎し、コンピュータ部で大作ゲームを作り、他者と交流しながらよりよい成果物を目指したあの毎日を。</p> <p>あれはここで言う幸せの定義の大部分を満たしていたと考える。しかし最後のワンピースが揃わなかったため、音無にとっては辛い日々になってしまったとも。</p> <p> </p> <blockquote> <p><span style="color: #286f2c;"><strong> 朝起きて、朝食を食べ、午前の授業を受け、昼飯を食べ、午後の授業を受け、部活動でデバックに励み、夕食を食べ、就寝する。</strong></span></p> <p> </p> <p>――音無結弦(<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Angel%20Beats%21">Angel Beats!</a>-1st beat-)</p> </blockquote> <p> </p> <p>残念ながら、彼は(この時点で)記憶なし男であり、自身の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A2%A5%A4%A5%C7%A5%F3%A5%C6%A5%A3%A5%C6%A5%A3">アイデンティティ</a>を失ったままなので、興味のないコンピュータ部の活動では『活動』たりえなかった。</p> <p>音無にとって興味があるのは「欠けた記憶」であり、その記憶に迫る「世界の仕組み」またはそれに繋がるであろう「天使」となっている。ゆえにSSSで活動することは彼にとって有意義であり、コンピュータ部で活動するよりは生き生きしていたのだろう。</p> <p>逆に、(ゆりが消滅し)日向をリーダーに据えたSSSの入隊を断った彼は、記憶が戻らなくても幸せな日常へとありつく。それはひとえに「興味」が記憶から別のものへと移り変わったからではないか。</p> <p> </p> <blockquote> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>俺の記憶は一向に戻らない。</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>そもそも俺は<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/NPC">NPC</a>なんじゃないかと、思い始めていた。</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>そう割り切ると、意外と友達が増えた。</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>共に学校の行事を手伝い、その成功に喜び、部活でもキャプテンになり、責任感を覚える。</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>女生徒から何度も告白されることもあった。</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>まんざらでもない。</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>いつの間にか、この世界に取り込まれていた。</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>素敵なガー<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%EB%A5%D5%A5%EC">ルフレ</a>ンドも出来た。</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/NPC">NPC</a>だろうけど、世界の核心に迫ることを訊かなければ、問題ない。</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>永遠に続く世界なら、楽しいと思い始めた。</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong><END></strong></span></p> <p> </p> <p>――音無結弦(<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Angel%20Beats%21">Angel Beats!</a>-1st beat-)</p> </blockquote> <p> </p> <p>『活動』に大事なのは交流・興味・目標であり、そのいずれかが欠けると『活動』たり得なくなる。</p> <p>だがこの3つのうち1つ――つまり己の<strong>興味</strong>さえ分かっているならば、後は死後の世界がまるごとバックアップしてくれる。なにせここには衣食住が用意されており、死後者に寄り添う<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/NPC">NPC</a>が、部活動が、そして永遠の時間があるのだから――。</p> <p>日向によれば 「本人にとってプラスになることは生前と同じルールが働く」とのことなので、トレーニングすれば筋肉がつき、勉強をすれば賢くもなる。 必ずしも "永遠" に縛られないフレキシブルな世界であり、生前果たせなかっ<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A4%BF%A4%B3">たこ</a>とはここでならば果たす可能性をぐぐんと上げてくれるのは最早言うまでもないだろう。</p> <p>例えそれが本来の心残りでなくとも<span style="font-size: 80%;">――『活動』によって人は幸いを覚えるために――</span>代償行為だったとしても全然構わない。心は満ち足りるのだ。満ち足りてしまう。</p> <p> </p> <blockquote> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>音無「でも、同じような心残りでここにやってきた奴も他に居たはずだろ?」</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>音無「そういう連中はどうやって消えたんだ?」</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>ゆり「学校に通って、勉学に励んで、友達を作って、真っ当な暮らしを送っていれば消えるわよ」</strong></span><br /><br /></p> <p><img class="hatena-fotolife" title="f:id:bern-kaste:20170927223902j:plain" src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/b/bern-kaste/20170927/20170927223902.jpg" alt="f:id:bern-kaste:20170927223902j:plain" /></p> <p>――(<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Angel%20Beats%21">Angel Beats!</a>-1st beat-/岩沢√)</p> </blockquote> <p> </p> <p> 岩沢√のゆりの弁を見れば分かるように、必ずしも生前の未練の解消すること「だけ」が満足するただひとつの方法ではないということである。</p> <p>実際この学園生活で多くの者が満たされて、消えたからこそ、SSSは消えないように「まともな学園生活」を送らないようにしているわけだ。</p> <p>それはつまり、仲村ゆりは<span style="text-decoration: underline;">幸せになるのを善しとしなかった</span>と言っていい。安易な救い、お手軽な充足、そんなものを彼女は望んでいなかったし、その強張った考えはやがて多くの者を感化し<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Angel%20Beats%21">Angel Beats!</a>は始まっていったのだろう。</p> <p>(了)</p> <h4><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Angel%20Beats%21">Angel Beats!</a>関連記事</h4> <p><iframe class="embed-card embed-blogcard" style="display: block; width: 100%; height: 190px; max-width: 500px; margin: 10px 0px;" title="ゲームAngel Beatsが発売された今だからこそ当時の考察・批評をまとめる - 猫箱ただひとつ" src="https://hatenablog-parts.com/embed?url=http%3A%2F%2Feroge-pc.hatenablog.jp%2Fentry%2F2015%2F07%2F15%2F070000" frameborder="0" scrolling="no"></iframe></p> <p><a href="http://eroge-pc.hatenablog.jp/entry/2015/07/15/070000">ゲームAngel Beatsが発売された今だからこそ当時の考察・批評をまとめる</a></p> <p><iframe class="embed-card embed-blogcard" style="display: block; width: 100%; height: 190px; max-width: 500px; margin: 10px 0px;" title="ヒロインではなく「友達」と仲良くなるノベルゲームがやりたい(シュガスパ2~Angel Beats!) - 猫箱ただひとつ" src="https://hatenablog-parts.com/embed?url=http%3A%2F%2Feroge-pc.hatenablog.jp%2Fentry%2F2017%2F10%2F02%2F220000" frameborder="0" scrolling="no"></iframe></p> <p><a href="http://eroge-pc.hatenablog.jp/entry/2017/10/02/220000">ヒロインではなく「友達」と仲良くなるノベルゲームがやりたい(シュガスパ2~Angel Beats!)</a></p> <p> </p> <div class="amazlet-box" style="margin-bottom: 0px;"> <div class="amazlet-image" style="float: left; margin: 0px 12px 1px 0px;"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00RGCN91M/114alme-22/ref=nosim/" name="amazletlink" target="_blank"><img style="border: none;" src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/61KllVTCfHL.jpg" alt="Angel Beats! -1st beat- 【予約特典:ガルデモ未公開シングルCD「Million Star」/Na-Ga描き下ろし色紙】" /></a></div> <div class="amazlet-info" style="line-height: 120%; margin-bottom: 10px;"> <div class="amazlet-name" style="margin-bottom: 10px; line-height: 120%;"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00RGCN91M/114alme-22/ref=nosim/" name="amazletlink" target="_blank">Angel Beats! -1st beat- 【予約特典:ガルデモ未公開シングルCD「Million Star」/Na-Ga描き下ろし色紙】</a> <div class="amazlet-powered-date" style="font-size: 80%; margin-top: 5px; line-height: 120%;"> </div> </div> <div class="amazlet-detail">KEY (2015-06-26)<br />売り上げランキング: 539</div> <div class="amazlet-sub-info" style="float: left;"> <div class="amazlet-link" style="margin-top: 5px;"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00RGCN91M/114alme-22/ref=nosim/" name="amazletlink" target="_blank">Amazon.co.jpで詳細を見る</a></div> </div> </div> <div class="amazlet-footer" style="clear: left;"> </div> </div> <div class="amazlet-box" style="margin-bottom: 0px;"> <div class="amazlet-image" style="float: left; margin: 0px 12px 1px 0px;"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B010VD2KEY/114alme-22/ref=nosim/" name="amazletlink" target="_blank"><img style="border: none;" src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/31FF%2B3OTEnL._SL160_.jpg" alt="Angel Beats! -1st beat- ソフマップLIMITED EDITION" /></a></div> <div class="amazlet-info" style="line-height: 120%; margin-bottom: 10px;"> <div class="amazlet-name" style="margin-bottom: 10px; line-height: 120%;"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B010VD2KEY/114alme-22/ref=nosim/" name="amazletlink" target="_blank">Angel Beats! -1st beat- ソフマップLIMITED EDITION</a> <div class="amazlet-powered-date" style="font-size: 80%; margin-top: 5px; line-height: 120%;"> </div> </div> <div class="amazlet-detail">key <br />売り上げランキング: 3,699</div> <div class="amazlet-sub-info" style="float: left;"> <div class="amazlet-link" style="margin-top: 5px;"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B010VD2KEY/114alme-22/ref=nosim/" name="amazletlink" target="_blank">Amazon.co.jpで詳細を見る</a></div> </div> </div> <div class="amazlet-footer" style="clear: left;"> </div> </div> <div class="amazlet-box" style="margin-bottom: 0px;"> <div class="amazlet-image" style="float: left; margin: 0px 12px 1px 0px;"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B003IGMJX4/114alme-22/ref=nosim/" name="amazletlink" target="_blank"><img style="border: none;" src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/51zrhOHTANL.jpg" alt="Keep The Beats!" /></a></div> <div class="amazlet-info" style="line-height: 120%; margin-bottom: 10px;"> <div class="amazlet-name" style="margin-bottom: 10px; line-height: 120%;"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B003IGMJX4/114alme-22/ref=nosim/" name="amazletlink" target="_blank">Keep The Beats!</a> <div class="amazlet-powered-date" style="font-size: 80%; margin-top: 5px; line-height: 120%;"> </div> </div> <div class="amazlet-detail"><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Girls%20Dead%20Monster">Girls Dead Monster</a> <br />SMD (2010-06-30)<br />売り上げランキング: 4,729</div> <div class="amazlet-sub-info" style="float: left;"> <div class="amazlet-link" style="margin-top: 5px;"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B003IGMJX4/114alme-22/ref=nosim/" name="amazletlink" target="_blank">Amazon.co.jpで詳細を見る</a></div> </div> </div> <div class="amazlet-footer" style="clear: left;"> </div> </div> bern-kaste 【批判】Clover Day'sというセクハラゲームがほんとうに辛い(そこを抜きにしてもツラい)【レビュー】 hatenablog://entry/8599973812291675041 2017-10-13T22:00:00+09:00 2017-10-13T22:00:07+09:00 (1)クロデイに対するうんざり感はどこからくるのか 女の価値は胸!尻!外面!―――主人公はそれを事ある事に俎上にあげてはヒロインにセクハラをし(その時分に流行った面白くもなんともない)パロネタとホモフォビア(=同性愛者嫌悪)が蔓延しているのがギャルゲーである。 というのは言い過ぎにしてもこの傾向はこの媒体にあるし、特に「萌えゲー/キャラゲー」と分類されるジャンルにおいてよく見られるのも確かだ。しかしだからといって、“だからといって” (私は)それが悪いと思わない。作品の倫理観はそこに独立したものであって、その時代の読者と合うこともあれば合わないこともあるのだから。 その読者の倫理観に合わないか… <p><img class="hatena-fotolife" title="f:id:bern-kaste:20170824231947j:plain" src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/b/bern-kaste/20170824/20170824231947.jpg" alt="f:id:bern-kaste:20170824231947j:plain" /></p> <p> </p> <h3>(1)クロデイに対するうんざり感はどこからくるのか</h3> <p> </p> <p><strong>女の価値は胸!尻!外面!</strong>―――主人公はそれを事ある事に俎上にあげてはヒロインにセクハラをし(その時分に流行った面白くもなんともない)パロネタと<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DB%A5%E2%A5%D5%A5%A9%A5%D3%A5%A2">ホモフォビア</a>(=同性愛者嫌悪)が蔓延しているのがギャルゲーである。</p> <p>というのは言い過ぎにしてもこの傾向はこの媒体にあるし、特に「萌えゲー/<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AD%A5%E3%A5%E9%A5%B2%A1%BC">キャラゲー</a>」と分類されるジャンルにおいてよく見られるのも確かだ。しかしだからといって、“<strong>だからといって</strong>” (私は)それが悪いと思わない。作品の倫理観はそこに独立したものであって、その時代の読者と合うこともあれば合わないこともあるのだから。</p> <p>その読者の倫理観に合わないからといって、イコールでその作品はダメとは限らない。</p> <p>しかしそれでも程度問題はあるし、あるいは私が許容できないラインがあり、それを越せば「なんだこれ?」と思うのも必然である。本記事はそういった前提において、<span style="text-decoration: underline;">本稿管理人の許容できなかった部分が、どのようにして、許容できなかったのか</span>を記していく。</p> <p> </p> <h4>a,数分に一度はレッツセクハラ!それがクロデイ流さ</h4> <p> </p> <p>日常パートでは必ずといってもいいほど<span style="font-size: 80%;">――5分に一度は――</span><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%BB%A5%AF%A5%B7%A5%E3%A5%EB%A5%CF%A5%E9%A5%B9%A5%E1%A5%F3%A5%C8">セクシャルハラスメント</a>が行われるのが本作である。おPIがどうの処☓がどうだのと実際に言葉に、行動に、移しているのは最早疑うまでもない。</p> <p> </p> <blockquote> <p><img class="hatena-fotolife" title="f:id:bern-kaste:20170919221547j:plain" src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/b/bern-kaste/20170919/20170919221547.jpg" alt="f:id:bern-kaste:20170919221547j:plain" /></p> <p>杏璃「優人さん、起きてますか?」</p> <p>優人「はい。さっきから、おっきしてます!」</p> <p>杏璃「は?」</p> <p>優人「おわっ!? 違った!」</p> <p> <strong><img class="hatena-fotolife" title="f:id:bern-kaste:20170919221412j:plain" src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/b/bern-kaste/20170919/20170919221412.jpg" alt="f:id:bern-kaste:20170919221412j:plain" /></strong></p> <p>優人「実は毎晩のように、杏鈴とプロレスごっこしてるんだ。性的な意味で」</p> <p> </p> <p><img class="hatena-fotolife" title="f:id:bern-kaste:20170919221415j:plain" src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/b/bern-kaste/20170919/20170919221415.jpg" alt="f:id:bern-kaste:20170919221415j:plain" /></p> <p>優人「ほら、恥ずかしがらずに杏鈴のすべてをお兄ちゃんに晒してごらん。優しくするから。はぁはぁ!」</p> <p><span style="font-size: 80%;">――Clover Day's</span></p> </blockquote> <p> </p> <p> 同様に、(声には出しておらずとも)思考においてもそれはたびたび見られる。</p> <p> </p> <blockquote> <p><img class="hatena-fotolife" title="f:id:bern-kaste:20170919221543j:plain" src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/b/bern-kaste/20170919/20170919221543.jpg" alt="f:id:bern-kaste:20170919221543j:plain" /></p> <p> </p> <p><img class="hatena-fotolife" title="f:id:bern-kaste:20170919221535j:plain" src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/b/bern-kaste/20170919/20170919221535.jpg" alt="f:id:bern-kaste:20170919221535j:plain" /></p> <p>――Clover Day's</p> </blockquote> <p> </p> <p>驚くべきことにこれは主人公に限らず、<strong>女性陣も</strong>そうなのだ。むしろ率先してセクハラをし、かと思えば自らを性的対象としてアピールしまくるのはある意味必見である。</p> <p> </p> <blockquote> <p><img class="hatena-fotolife" title="f:id:bern-kaste:20170919221458j:plain" src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/b/bern-kaste/20170919/20170919221458.jpg" alt="f:id:bern-kaste:20170919221458j:plain" /></p> <p>「おお、さすがつばめちん。揉み応えのある■イ■ツね。本当にミルクが出そう」<span style="font-size: 80%;">(引用者注:■は自主規制)</span></p> <p><img class="hatena-fotolife" title="f:id:bern-kaste:20170919221514j:plain" src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/b/bern-kaste/20170919/20170919221514.jpg" alt="f:id:bern-kaste:20170919221514j:plain" /></p> <p>「ユウ……お胸好きなの? なら、ワタシのを……」</p> <p> </p> <p><img class="hatena-fotolife" title="f:id:bern-kaste:20170919221539j:plain" src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/b/bern-kaste/20170919/20170919221539.jpg" alt="f:id:bern-kaste:20170919221539j:plain" /></p> <p>ヘキル「いい子いい子……」<br />と、突然俺の■間を撫で始めた。<span style="font-size: 80%;">(引用者注:■は自主規制)</span></p> <p> </p> <p><img class="hatena-fotolife" title="f:id:bern-kaste:20170919221351j:plain" src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/b/bern-kaste/20170919/20170919221351.jpg" alt="f:id:bern-kaste:20170919221351j:plain" /></p> <p> 「夜這いなう」</p> <p> </p> <p><img class="hatena-fotolife" title="f:id:bern-kaste:20170919221401j:plain" src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/b/bern-kaste/20170919/20170919221401.jpg" alt="f:id:bern-kaste:20170919221401j:plain" /></p> <p>「兄の■■も妹のものだって法律で決まってるんです~~~!!」<span style="font-size: 80%;">(引用者注:■は自主規制)</span></p> <p> </p> <p><img class="hatena-fotolife" title="f:id:bern-kaste:20170919221354j:plain" src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/b/bern-kaste/20170919/20170919221354.jpg" alt="f:id:bern-kaste:20170919221354j:plain" /></p> <p>「……まあ、相手がいないって言うなら産卵させてあげてもいいけど」</p> <p><img class="hatena-fotolife" title="f:id:bern-kaste:20170919221409j:plain" src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/b/bern-kaste/20170919/20170919221409.jpg" alt="f:id:bern-kaste:20170919221409j:plain" /></p> <p> 「ああっ、舌くちゅくちゅ絡めるとか絶対痺れちゃうからだめぇっ! ファーストキスどころか■ージンまで奪われちゃうっ!! 幸せにされちゃうっ!」<span style="font-size: 80%;">(引用者注:■は自主規制)</span></p> <p><span style="font-size: 80%;">――Clover Day's</span></p> </blockquote> <p> </p> <p>見てわかるように、特にヘキルと泉は、、、脳神経が焼き切れてしまったのか下品なコミュニケーションがデフォルトだ。こんな女性に男性<span style="font-size: 80%;">(=優人)</span>は惹かれるんだろうか? ああそう……。</p> <p>もちろん今取り上げたのは『Clover Day's』のほんの一部分で、本編では<span style="text-decoration: underline;">この数倍のセクハラ</span>が波のように押し寄せてくる。「ギャルゲーってそんなものだよね」と理解している私でも、さすがにこの物量は処理しきれなかったのか久々に嫌悪感がぶわっと出た。</p> <p>ああ、この世界のヒロインとはつまり・・・(てんてんてん)なんだなと承知した。</p> <p> </p> <p> </p> <h4>b,他者がいない</h4> <p>他者とは、本質的に理解不能な者を指す。</p> <p>我々のまわりにいる、我々<strong>以外</strong>の人間はすべからく他者であり、心を通わせた思うことはあっても往々にして一方の勘違いで、はたまた両方が幸せな幻想に浸っているに過ぎない。</p> <p>しかしそれでも我々は(自己だけでは成立できないからこそ)他者を求め、その些細な勘違いを願うものだ。時としてそれは不快をもたらすが、同時に幸福もそこから導き出されていくのだから。</p> <p>だが本作においてそんな「他者」はそもそも存在しないのである。</p> <p>どのヒロインも優人すきー!状態であり、そこには互いの(<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D6%A5%E9%A5%C3%A5%AF%A5%DC%A5%C3%A5%AF%A5%B9">ブラックボックス</a>な)心を読み解こうとする努力なんてものはないし、例えあったとしても筒抜けで、表面上は嫌そうでも実は・・・という都合のいい女性ばかり。最初から好感度がMAXなので優人さえその気になればカップルは成立する。</p> <p>セクハラをされても嬉々として受け入れる彼女らは一体何者なのか?・・・まるでヒロイン=主人公のような、相手と自分に差がないような、彼彼女らの自己が同一化している雰囲気すら覚えるものだ。</p> <p>ギャルゲーの面白さに他者との交流が挙げられるのだとすれば、クロデイはそれを否定し、最初から最後まで<span style="text-decoration: underline;">だれも優人を嫌いにならないやさしい世界</span>を創り出したと言ってもいい。</p> <p> その代償として、深みのない、ガワだけの、空虚な登場人物が幅を利かせるのは仕方のないことなのかもしれない。</p> <p> </p> <p> </p> <h4>c,ワンパターンな会話</h4> <p> </p> <p>本作の会話は主に「ボケツッコミ」「パロネタ」「セクハラ」で展開されるものの、ノリツッコミは滑るわ、ボケはつまらないわで何も良いところがない。そして賞味期限が切れたパロネタと先述のセクハラが降り混ざられるとなれば地獄だ。</p> <p>ここで私が問題視しているのは<span style="font-size: 80%;">(それが致命的につまらないということもあるが)</span>「同型の会話が繰り返される」ことである。同じよーな展開の、同じよーな題材で、同じよーな会話を30時間見せられるのは、心底きつい。</p> <p>全くもってつまらないテーブル<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%C8%A1%BC%A5%AF">トーク</a>を壊れたラジオのように繰り返されるこのうんざり感をどのように表現すればいいのだろう。</p> <p>あのね、これが豊穣なる日々<span style="font-size: 80%;">(=Clover Day's)</span>ってなわけ? 冗談でしょ。こういうのは"Texture Day<span style="font-size: 80%;">'s</span>"っていうんじゃないの。</p> <p> </p> <p> </p> <h4>d,優人はなぜ約束に<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B8%C7%BC%B9">固執</a>するのか描かれず</h4> <p> </p> <p> ヘキルとの結婚話がどうもおかしい。</p> <p>優人は結婚の証拠が<strong>でてくれば</strong>既成事実として、それを受け入れるかどうか決めなくてはいけないと悩む。</p> <p>しかしそんなのがあろうがなかろうが、許容するかどうかなんて今決めればいいはずだ。証拠がなくても(今)結婚してもいいならば受け入れればいいし、出来ないならば「あれは子どもの頃のちょっとした口約束だったんだよ」と断ればいい。</p> <p>なぜ証拠が出てこなければ悩もうとせず、出てきたら悩み始めるのか全くもって意味不明である。</p> <p>どうも彼は「過去の約束」を私が思っているよりも重く感じている(=神聖視)ので、こういう判断になるのだと思う。そういうふうに解釈すれば、腑に落ちないこともない。</p> <p>だが劇中ではその心理状況にディティール与えることなく、下記のみで証明終了してしまうので、なにがなんだかという感想を覚えてしまうのも確かだ。</p> <p> </p> <blockquote> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>ただ、あの約束は子供の頃のじゃれ合いみたいなものだった。</strong></span><br /><br /><span style="color: #286f2c;"><strong>ふざけて婚姻届に名前を書いたのと変わらない。俺も真剣じゃなかった。だから――</strong></span><br /><br /><span style="color: #286f2c;"><strong>だから、何だろう。</strong></span><br /><br /><span style="color: #286f2c;"><strong>子供の戯言だから、なかったことにしてほしいって? そんなの都合が良すぎる。</strong></span><br /><br />――優人(Clover Day's)</p> </blockquote> <p> </p> <p>「あの約束はじゃれあいだった」→「だからってなかったことにはできない!」</p> <p>ここの論理が破綻しているため、彼の気持ちを納得できる人は少ないだろう。仮に「だからってなかったことにできない」と考えるのであれば<strong>証拠がなくても受け入れればいい</strong>だけの話では?</p> <p>このように優人の心的状況は要を得ないので、結局は理屈ではなく、感情的な、つまり<a href="http://eroge-pc.hatenablog.jp/entry/2017/08/04/220000">そういう物語</a>を彼は信じていると考えればいいのかもしれない。</p> <p>しかし本作において「ヘキルの約束」は今までの日々を変化させるターニングポイントなので、ここをしっかり描かないと後にヘキルと付き合ったり、あるいは断ることが何ら意味をなさなくなってしまう。</p> <p>実際、この約束によって優人は「誰かを選ばなければならない」状況を本作は創り出したわけだけど、まるで役立ってはいないのだ。</p> <p>泉の場合でも、つばめの場合でも、ヘキルとの約束はあっさりと流されて個別√に入るため作品全体を通しての「要点」にはなっておらず、単純な「序盤を盛り上げるだけの<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B0%EC%C8%AF%B2%B0">一発屋</a>」にしかなっていない。つまり<span style="text-decoration: underline;">後のお話に生かされないのに、この約束はやたら重大な出来事のように描かれている</span>。</p> <p>それに、そもそも優人は選ばないよね? 泉√もつばめ√も告白するのはヒロイン達だし、優人はただそれを首肯するだけである。少なくとも“能動的”な選択はされていない。</p> <p>一体全体「ヘキルとの約束」は何だったのか――この序盤と中盤の接続がでたらめなため本作はなんだかちぐはぐなのである。</p> <p> </p> <p> </p> <h4>おわり</h4> <p> </p> <p>他にも最初から最後まで面白みがないとか、個別終了→ED→エピローグの後にさらにヒロインの独言を長々と聞かされる演出表現がくどいとか、無断で小学校に侵入したあげく在校生の体操着を(学園生)が勝手にはいてイ☓☓ラプレイとかバカなの?とかまだありますけどもういい加減語り終えたいのでその話はしません。</p> <p>今まで触れた、</p> <p><span style="color: #00796b;"><strong>a,数分に一度はレッツセクハラ!それがクロデイ流さ</strong></span><br /><span style="color: #00796b;"><strong>b,他者がいない</strong></span><br /><span style="color: #00796b;"><strong>c,ワンパターンな会話</strong></span><br /><span style="color: #00796b;"><strong>d,優人はなぜ約束に<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B8%C7%BC%B9">固執</a>するのか描かれず</strong></span></p> <p>この4つでClover Day'sに対する私のうんざり感は十分表せたと思います。そういうことにします。<a href="#f-78ce3e3b" name="fn-78ce3e3b" title="強いて良い所をあげるならば個別√クリア後に、タイトル画面の風景とBGMがすこしづつ変化するところは好きです。それ以外は本当に駄作といって申し分ない品質でした。いやもう・・・これは(私は)ダメだと思うよ。ひどい。">*1</a></p> <p>私的満足度:★★(2.0)<br />疑似客観視:★★(2.0)</p> <p> </p> <div class="amazlet-box" style="margin-bottom: 0px;"> <div class="amazlet-image" style="float: left; margin: 0px 12px 1px 0px;"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B011T2VBYG/114alme-22/ref=nosim/" name="amazletlink" target="_blank"><img style="border: none;" src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/51RX8gNNH0L.jpg" alt="Clover Day's 【初回限定版特典】アクリルキーホルダー 同梱" /></a></div> <div class="amazlet-info" style="line-height: 120%; margin-bottom: 10px;"> <div class="amazlet-name" style="margin-bottom: 10px; line-height: 120%;"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B011T2VBYG/114alme-22/ref=nosim/" name="amazletlink" target="_blank">Clover Day's 【初回限定版特典】アクリルキーホルダー 同梱</a> <div class="amazlet-powered-date" style="font-size: 80%; margin-top: 5px; line-height: 120%;"> </div> </div> <div class="amazlet-detail">ヴューズ (2017-09-28)<br />売り上げランキング: 3,124</div> <div class="amazlet-sub-info" style="float: left;"> <div class="amazlet-link" style="margin-top: 5px;"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B011T2VBYG/114alme-22/ref=nosim/" name="amazletlink" target="_blank">Amazon.co.jpで詳細を見る</a></div> </div> </div> <div class="amazlet-footer" style="clear: left;"> </div> </div> <div class="amazlet-box" style="margin-bottom: 0px;"> <div class="amazlet-image" style="float: left; margin: 0px 12px 1px 0px;"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B004M5J7RQ/114alme-22/ref=nosim/" name="amazletlink" target="_blank"><img style="border: none;" src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/51BIsKxJtrL._SL160_.jpg" alt="鬼ごっこ!" /></a></div> <div class="amazlet-info" style="line-height: 120%; margin-bottom: 10px;"> <div class="amazlet-name" style="margin-bottom: 10px; line-height: 120%;"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B004M5J7RQ/114alme-22/ref=nosim/" name="amazletlink" target="_blank">鬼ごっこ!</a> <div class="amazlet-powered-date" style="font-size: 80%; margin-top: 5px; line-height: 120%;"> </div> </div> <div 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max-width: 500px; margin: 10px 0px;" title="『あえて無視する君との未来』批判レビュー。最も重要な部分をスルーしてしまった本作 - 猫箱ただひとつ" src="https://hatenablog-parts.com/embed?url=http%3A%2F%2Feroge-pc.hatenablog.jp%2Fentry%2F2016%2F03%2F15%2F070000" frameborder="0" scrolling="no"></iframe></p> <p><a href="http://eroge-pc.hatenablog.jp/entry/2016/03/15/070000">『あえて無視する君との未来』批判レビュー。最も重要な部分をスルーしてしまった本作 </a></p> <p><iframe class="embed-card embed-blogcard" style="display: block; width: 100%; height: 190px; max-width: 500px; margin: 10px 0px;" title="累計800,000ダウンロードされた『NOeSIS』の文章レベルが低くてGiveUpしたお話 - 猫箱ただひとつ" src="https://hatenablog-parts.com/embed?url=http%3A%2F%2Feroge-pc.hatenablog.jp%2Fentry%2F2016%2F06%2F06%2F070000" frameborder="0" scrolling="no"></iframe></p> <p><a href="http://eroge-pc.hatenablog.jp/entry/2016/06/06/070000">累計800,000ダウンロードされた『NOeSIS』の文章レベルが低くてGiveUpしたお話 </a></p> <p> </p> <p><iframe class="embed-card embed-blogcard" style="display: block; width: 100%; height: 190px; max-width: 500px; margin: 10px 0px;" title="HOLY BREAKER!感想―理解が及んでしまえば、もう終わりだ - 猫箱ただひとつ" src="https://hatenablog-parts.com/embed?url=http%3A%2F%2Feroge-pc.hatenablog.jp%2Fentry%2FHOLYBREAKER" frameborder="0" scrolling="no"></iframe><cite class="hatena-citation"></cite></p> <p><a href="http://eroge-pc.hatenablog.jp/entry/HOLYBREAKER">HOLY BREAKER!感想―理解が及んでしまえば、もう終わりだ </a></p> <p> </p><div class="footnote"> <p class="footnote"><a href="#fn-78ce3e3b" name="f-78ce3e3b" class="footnote-number">*1</a><span class="footnote-delimiter">:</span><span class="footnote-text">強いて良い所をあげるならば個別√クリア後に、タイトル画面の風景とBGMがすこしづつ変化するところは好きです。それ以外は本当に駄作といって申し分ない品質でした。いやもう・・・これは(私は)ダメだと思うよ。ひどい。</span></p> </div> bern-kaste 【簡易考察】群青の空を越えて―俺たちは何のために戦ってきた?― hatenablog://entry/8599973812294767352 2017-09-15T22:00:00+09:00 2017-09-15T22:00:15+09:00 <p><img class="hatena-fotolife" title="f:id:bern-kaste:20170904013341j:plain" src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/b/bern-kaste/20170904/20170904013341.jpg" alt="f:id:bern-kaste:20170904013341j:plain" width="310" /></p> <p> </p> <p>社はラストシーンで「俺たちは何のために戦ってきた?」と自問する。それは経済的理由、関東の独善的独立、幸せのためでは<strong>ない</strong>と言い切るのだが、では、なんの為にだったのだろう?</p> <p>   ◆</p> <p>まず最初に選べる3つの√――フィー・加奈子・若菜――では社の戦争動機はいつもはっきりしていなかった。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C9%E3%BF%C6">父親</a>のコンプレックスがきっかけだったとしても「死」に直面してまで、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B0%A5%EA%A5%DA%A5%F3">グリペン</a>に搭乗し続けるにはまた別の理由が必要である。手足がぶるって、明日なんてないと判りつつも、それでもと群青の空を駆け上る理由が。</p> <p>けれど彼にはそれは言葉にせず、ううんできなかったのだろう。できないまま、人を殺し続けた。とても愚かだと思う。何のために戦っているのかわかっておらず、それでも、だけれどもと、"戦わなきゃ"いけないことだけははっきりしているなんて。</p> <p>それは社に限らず、若菜も、フィーも、トシも同じだ。彼らもまた絶対的な戦争動機はなく(いつも<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BC%AB%B8%CA%C8%E3%C8%BD">自己批判</a>と自問自答を繰り返し)最前線に立っていたのだから。</p> <p> </p> <p><img class="hatena-fotolife" title="f:id:bern-kaste:20170909012415j:plain" src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/b/bern-kaste/20170909/20170909012415.jpg" alt="f:id:bern-kaste:20170909012415j:plain" width="263" /></p> <p> </p> <p>後に選べる2つの√――圭子、夕紀――ではそんな<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BB%EB%CC%EE%B6%B9%BA%F5">視野狭窄</a>な世界をひろげ、劇中で明らかになっていなかった円経済圏理論の骨格を露わにした。社の父・萩野憲ニが提唱したこの(あまりにも壮大な)理論がきっかけで関東は我が身可愛さに独立を宣言し、関西との内戦にまで至ってしまった事。</p> <p>また人間なんてものは生まれた時期/育った環境によって「世の中の接し方」は変わり「求めるもの」も当然違ってくる。だれかが声高に叫ぶ理想なんてものは――結局、合理的判断で導き出されたものではなく――幼児期の精神的な刷り込みに過ぎないのだと喝破した。</p> <p> </p> <blockquote> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>「それが悪いと責めてるんじゃないのよ。人って、思っている以上に環境に流される生き物なの。そもそも個人の意志なんて、本当は無いのかも知れない。</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>おそらく、同じ人でも違う時代、違う場所に生まれれば、鬼畜米英・新米反ソと叫びを変え、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C8%BF%C6%FC">反日</a>を唱えたかと思えばアジアを蔑視する……それを、高尚な自己主張だと錯覚する愚かな人々が、まだ世の中には沢山残っている」</strong></span></p> <p> </p> <p>――澤村夕紀(<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B7%B2%C0%C4%A4%CE%B6%F5%A4%F2%B1%DB%A4%A8%A4%C6">群青の空を越えて</a>/夕紀√)</p> </blockquote> <p> </p> <p>いかなる動機だろうとも、ここでは一切の価値を解体される。つまり動機が「あやふや」なまま戦争に赴いていた社と、動機が「はっきり」していた夕紀(&圭子)に差はなく、どんな高尚な理由であろうがなかろうが彼らは環境に促されただけだったのだと。</p> <p>すると当然、「俺が命を張ってまで戦ってきたことは、俺の意志が介在していないのか?」という疑問が沸き起こるはずだ。</p> <p>それは――当事者であるほどに――受け入れ難くく、今までの葛藤も、苦痛も、悲哀もすべて取るに足らない事と言われているも同義である。実際、社は夕紀にそう言われるのは心外だと言い放った。</p> <p>ただ後のGRAND√では彼はそれを受け止め、その上で――俺たちは何の為に死んで、何の為に戦ってきたのか――と大観衆の前で演説をぶっ放す。その「答え」は明らかにされなかったものの、劇中で何度か触れた<span style="color: #0000cc;"><strong><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A2%A5%A4%A5%C7%A5%F3%A5%C6%A5%A3%A5%C6%A5%A3">アイデンティティ</a></strong></span>という言葉で紐解けるはずだ。</p> <p>つまり<span style="text-decoration: underline;">自分が自分であることを定義するための活動</span>こそが我々を突き動かすものであり、なにかを叶えたり、なにかを奪ったり、なにかを成し遂げようとし始める。死んだ兄の軌跡を求めた三種予備生徒、恩師の理想が人類をしあわせに導くと信じる少女、そうして人々はちっぽけな理由で戦争に参加し、よく分からないままよく分からない引き金を引いてしまうのである。</p> <p>逆にいえば、<span style="color: #0000cc;"><strong>『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B7%B2%C0%C4%A4%CE%B6%F5%A4%F2%B1%DB%A4%A8%A4%C6">群青の空を越えて</a>』では長い時間をかけて<span style="font-size: 80%;">――社を取り巻く人々、円経済圏理論と代理戦争によって――</span>「幸福希求」「国・民族への<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B5%A2%C2%B0%B0%D5%BC%B1">帰属意識</a>」「記憶の集積による思考システムの独自性」という分かりやすい自己定義できる3つをそれでは足り得ない</strong><span style="color: #000000;">と否定した</span></span>のだ。</p> <p>だからこそ金でも名誉でも過去でも幸いでも<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B5%A2%C2%B0%B0%D5%BC%B1">帰属意識</a>でもないならば、我々はなにをもってして我々足り得るのか? こんな無意味な代理戦争をなぜ行なってきたのか? という疑問に繋がるのである。</p> <p> </p> <blockquote> <p><span style="color: #286f2c;"><strong> 「民族も<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A4%A5%C7%A5%AA%A5%ED%A5%AE%A1%BC">イデオロギー</a>も宗教も社会システムも、人に幸福をもたらしはしない。</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>……そして、人がそこまでして求めた幸福に、おそらく意味などないのでしょう。得られた幸せに意義を見いだせないからこそ、文明は進歩し、我々は今日まで歴史を築いてきた。……その何物にも、満足を得られなかったがゆえに」<br /><br /></strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>――俺たちは……何のために、死んできたのだろう。<br /><br /></strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>「……ならば、今一度、俺は問いましょう。何故、我々は戦い続けてきたのだろうか、と」<br /><br /></strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong> 脳裏を、走馬灯のように様々な光景が横切る。戦い傷つき、虚しく散っていった先達たち。今も戦っている友たち。関東も関西も関係なく、無意味に死んでいく者たち。<br /><br /></strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>「関東の独善的な独立の為……違います。共通通貨圏のもたらす<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B7%D0%BA%D1%C5%AA%CD%F8%B1%D7">経済的利益</a>の為……違います。ならば、幸せのため? ……違う! 人はそんなくだらないお題目の為に死ぬわけにはいかないんだ!」<br /><br /></strong></span></p> <p><img class="hatena-fotolife" title="f:id:bern-kaste:20170911211635j:plain" src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/b/bern-kaste/20170911/20170911211635.jpg" alt="f:id:bern-kaste:20170911211635j:plain" /></p> <p>――萩野 社(<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B7%B2%C0%C4%A4%CE%B6%F5%A4%F2%B1%DB%A4%A8%A4%C6">群青の空を越えて</a>/GRAND√)</p> </blockquote> <p> </p> <p>―― 我々は本質的自己規定<span style="font-size: 80%;">(=自分を自分であると見做す)</span>為ならば、なんだって出来るし、どこまででも行ける。彼らが駆けぬけた血と銃声で塗りたくられたあの戦争は、確かに、人を人たらしめる“表現活動”がそこにはあったし、生と死のないまぜの中で激しく輝いていたとすら思う。</p> <p>・・・しかしそれもまた幸福希求と同じくらいに下らないものだろう。逆にいえば本作はその下らないものを徹底的に描き上げたと言ってもいい代物だ。</p> <p>社がなぜ「その答え」を言わなかったか、あるいは言えなかったのかを考えると、彼もまたその活動の下らなさに気づいていたからこそ閉口セざるを得なかったし、けれどそれを安々と認めてしまうには彼の戦争体験は軽くはなかった。当事者だからこそ、答えが分かっていても答えられない、答えるわけにはいかないという胸中がそこにはあったとしても何ら不思議ではない。</p> <p>そうして三度、問いは繰り返される。</p> <p>  <span style="color: #286f2c;"><strong>"ならばなぜ、なぜ、俺たちは戦っていたのでしょう!?"</strong></span></p> <p>(了)</p> <p> </p> <p>関連→<a href="http://eroge-pc.hatenablog.jp/entry/osusume_2015">2015年にプレイした27作品から選ぶおすすめエ口ゲ</a></p> <p> </p> <div class="amazlet-box" style="margin-bottom: 0px;"> <div class="amazlet-image" style="float: left; margin: 0px 12px 1px 0px;"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B01D0AF6ZK/114alme-22/ref=nosim/" name="amazletlink" target="_blank"><img style="border: none;" src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/51TSoTE-RXL._SL160_.jpg" alt="群青の空を越えて オリジナルサウンドトラック" /></a></div> <div class="amazlet-info" style="line-height: 120%; margin-bottom: 10px;"> <div class="amazlet-name" style="margin-bottom: 10px; line-height: 120%;"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B01D0AF6ZK/114alme-22/ref=nosim/" name="amazletlink" target="_blank">群青の空を越えて オリジナルサウンドトラック</a> <div class="amazlet-powered-date" style="font-size: 80%; margin-top: 5px; line-height: 120%;"> </div> </div> <div class="amazlet-detail">light <br />売り上げランキング: 27,811</div> <div class="amazlet-sub-info" style="float: left;"> <div class="amazlet-link" style="margin-top: 5px;"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B01D0AF6ZK/114alme-22/ref=nosim/" name="amazletlink" target="_blank">Amazon.co.jpで詳細を見る</a></div> </div> </div> <div class="amazlet-footer" style="clear: left;"> </div> </div> <div class="amazlet-box" style="margin-bottom: 0px;"> <div class="amazlet-image" style="float: left; margin: 0px 12px 1px 0px;"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B000UKXAT8/114alme-22/ref=nosim/" name="amazletlink" target="_blank"><img style="border: none;" src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/51S80AAWV1L.jpg" alt="群青の空を越えて windows vista対応版" /></a></div> <div class="amazlet-info" style="line-height: 120%; margin-bottom: 10px;"> <div class="amazlet-name" style="margin-bottom: 10px; line-height: 120%;"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B000UKXAT8/114alme-22/ref=nosim/" name="amazletlink" target="_blank">群青の空を越えて windows vista対応版</a> <div class="amazlet-powered-date" style="font-size: 80%; margin-top: 5px; line-height: 120%;"> </div> </div> <div class="amazlet-detail">light (2007-08-10)</div> <div class="amazlet-sub-info" style="float: left;"> <div class="amazlet-link" style="margin-top: 5px;"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B000UKXAT8/114alme-22/ref=nosim/" name="amazletlink" target="_blank">Amazon.co.jpで詳細を見る</a></div> </div> </div> <div class="amazlet-footer" style="clear: left;"> </div> </div> <h4>考察・他記事</h4> <p><iframe class="embed-card embed-blogcard" style="display: block; width: 100%; height: 190px; max-width: 500px; margin: 10px 0px;" title="こなたよりかなたまで考察――無限のように生きる―― - 猫箱ただひとつ" src="https://hatenablog-parts.com/embed?url=http%3A%2F%2Feroge-pc.hatenablog.jp%2Fentry%2Fkonatayori_kanatamade" frameborder="0" scrolling="no"></iframe></p> <p><a href="http://eroge-pc.hatenablog.jp/entry/konatayori_kanatamade">こなたよりかなたまで考察――無限のように生きる――</a></p> <p><iframe class="embed-card embed-blogcard" style="display: block; width: 100%; height: 190px; max-width: 500px; margin: 10px 0px;" title="Charlotte考察―もう僕たちに奇跡は必要ない― - 猫箱ただひとつ" src="https://hatenablog-parts.com/embed?url=http%3A%2F%2Feroge-pc.hatenablog.jp%2Fentry%2FCharlotte_Review" frameborder="0" scrolling="no"></iframe></p> <p><a href="http://eroge-pc.hatenablog.jp/entry/Charlotte_Review">Charlotte考察―もう僕たちに奇跡は必要ない― </a></p> <p> </p> <p><iframe class="embed-card embed-blogcard" style="display: block; width: 100%; height: 190px; max-width: 500px; margin: 10px 0px;" title="はつゆきさくら考察_死者が生者へと至るためには何が必要か?(26587文字) - 猫箱ただひとつ" src="https://hatenablog-parts.com/embed?url=http%3A%2F%2Feroge-pc.hatenablog.jp%2Fentry%2Fhatuyukisakura_SAGAPLANETS" frameborder="0" scrolling="no"></iframe></p> <p><a href="http://eroge-pc.hatenablog.jp/entry/hatuyukisakura_SAGAPLANETS">はつゆきさくら考察_死者が生者へと至るためには何が必要か?(26587文字</a></p> <p> </p> <p> </p> bern-kaste 『ふしぎの城のヘレン』はノンストレスな戦闘が楽しいRPGでした(フリゲ感想) hatenablog://entry/8599973812294893406 2017-09-11T22:00:00+09:00 2017-09-11T22:00:26+09:00 私的満足度:★★★★おすすめ度:★★★★ (*2016/03の下書きを今頃になって投下する人がここに) フリゲを漁ればいつでもどこでも名前が出る『ふしぎの城のヘレン』。ようやく重い腰をあげてプレイしたんですが……あ、面白いぞこれ……。 まず戦闘が楽しいです。敵と自分に「行動待ち時間」が設定されていてそのコストの差によってどちらがより早く攻撃できるか、あるいはわざと攻撃を受けて大技を繰り出すかといった戦略が必要になってくるんですね。 それも「使用するアイテム」ごとに――また技コマンドのようなもの――にも「行動待ち時間」が設定してあるので尚更戦いに深みが増しています。 これがその戦闘の様子です。ご… <p><img class="hatena-fotolife" title="f:id:bern-kaste:20160309210451j:plain" src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/b/bern-kaste/20160309/20160309210451.jpg" alt="f:id:bern-kaste:20160309210451j:plain" width="477" /></p> <p><span style="color: #000000;">私的満足度:<span style="color: #d32f2f;">★★★★</span></span><br /><span style="color: #d32f2f;"><span style="color: #000000;">おすすめ度:</span>★★★★</span></p> <p><span style="font-size: 80%;">(*2016/03の下書きを今頃になって投下する人がここに)</span></p> <p>フリゲを漁ればいつでもどこでも名前が出る『ふしぎの城のヘレン』。ようやく重い腰をあげてプレイしたんですが……<strong>あ、面白いぞこれ……</strong>。</p> <p>まず戦闘が楽しいです。敵と自分に「行動待ち時間」が設定されていてそのコストの差によってどちらがより早く攻撃できるか、あるいはわざと攻撃を受けて大技を繰り出すかといった戦略が必要になってくるんですね。</p> <p>それも「使用するアイテム」ごとに<span style="font-size: 80%;">――また技コマンドのようなもの――</span>にも「行動待ち時間」が設定してあるので尚更戦いに深みが増しています。</p> <p>これがその戦闘の様子です。ご覧あれ</p> <p> </p> <p><iframe src="https://www.youtube.com/embed/OG9MHyzmurA?feature=oembed" width="459" height="344" frameborder="0" allowfullscreen=""></iframe><cite class="hatena-citation"><a href="https://www.youtube.com/watch?time_continue=10&amp;v=OG9MHyzmurA">www.youtube.com</a></cite></p> <p>上の動画見てピンをくる人もいるかもしれませんが、本作は主人公のステータスではなく「アイテム」が強さを決める<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/RPG">RPG</a>です。</p> <p>つまり強いアイテムを持っていればいるほど戦いが楽になりますし、有利に戦局を運べる。なので使えるアイテムを探そう!と躍起にもなりますし、その探索過程・入手時の喜びが<strong>ダンジョン攻略のモチベーションを上げている</strong>のです。苦じゃないマップ探索は良い<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/RPG">RPG</a>の基本要素。</p> <p>またモンスターを倒す度にEXP(経験値)が貰えるんですが、これは主人公のLvUPに使われるのではなく、入手したアイテムの強化にEXPが使用される。</p> <p>となれば敵との<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A8%A5%F3%A5%AB%A5%A6%A5%F3%A5%C8">エンカウント</a>も「また戦闘かよ……」ではなく「勝って経験値ためるぞ!」と動機を刺激される<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B2%A1%BC%A5%E0%A5%C7%A5%B6%A5%A4%A5%F3">ゲームデザイン</a>になっています。</p> <p> 他にも本作のいいところはたくさんありますが、ここではこの2つを<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BF%E4%A4%B7">推し</a>てみました。4-5時間でクリア可能な、短編<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/RPG">RPG</a>ですので<span style="font-size: 80%;">(しかし満足度は高いのです)</span>よければこの機会にどうでしょうか。</p> <p>DL先→<a href="http://www.geocities.jp/i_to_may/">http://www.geocities.jp/i_to_may/</a></p> <p> </p> <h4>フリゲ・他記事</h4> <p><iframe class="embed-card embed-blogcard" style="display: block; width: 100%; height: 190px; max-width: 500px; margin: 10px 0px;" title="ゲームを好きな今と、それを壊した過去の自分へ「SCE_2」感想。(8997文字) - 猫箱ただひとつ" src="https://hatenablog-parts.com/embed?url=http%3A%2F%2Feroge-pc.hatenablog.jp%2Fentry%2F2015%2F04%2F27%2F090000" frameborder="0" scrolling="no"></iframe></p> <p><a href="http://eroge-pc.hatenablog.jp/entry/2015/04/27/090000">ゲームを好きな今と、それを壊した過去の自分へ「SCE_2」感想。(8997文字) </a></p> <p> </p> <p><iframe class="embed-card embed-blogcard" style="display: block; width: 100%; height: 190px; max-width: 500px; margin: 10px 0px;" title="『悪の教科書』、それは正義を暴く社会批判ノベルゲーム - 猫箱ただひとつ" src="https://hatenablog-parts.com/embed?url=http%3A%2F%2Feroge-pc.hatenablog.jp%2Fentry%2F2015%2F11%2F29%2F070000" frameborder="0" scrolling="no"></iframe></p> <p><a href="http://eroge-pc.hatenablog.jp/entry/2015/11/29/070000">『悪の教科書』、それは正義を暴く社会批判ノベルゲーム </a></p> <p><iframe class="embed-card embed-blogcard" style="display: block; width: 100%; height: 190px; max-width: 500px; margin: 10px 0px;" title="なぜ『去人たち』のレビュー・感想はこんなにも少ないのか - 猫箱ただひとつ" src="https://hatenablog-parts.com/embed?url=http%3A%2F%2Feroge-pc.hatenablog.jp%2Fentry%2FKYOJINTACHI_comment" frameborder="0" scrolling="no"></iframe></p> <p><a href="http://eroge-pc.hatenablog.jp/entry/KYOJINTACHI_comment">なぜ『去人たち』のレビュー・感想はこんなにも少ないのか </a></p> <p> </p> <p> </p> <p> </p> <p> </p> bern-kaste 物語は朝焼けの色みたいなもので、ただそこにあるだけのもの。(3347文字) hatenablog://entry/10328749687233293157 2017-09-05T22:00:00+09:00 2017-09-05T22:00:05+09:00 当たり前のことだが、物語を「見る」ことと「語る」ことは違う。 全然違う。 「見たもの」は語れないし、語ったとしても「見たものを語った」というふうに落ち着いてしまう。赤色を見たときそれを「赤色だ」と言うことは出来ても、赤色の感覚を言葉には出来ないのである。せいぜい◯◯のようだとか、△△に似ているとかそんなふうにしか語れず言葉に置き換えた途端 "見たもの" はまったく別物になってしまう事が分かるだろう。 実際の世界と、紙の上の世界は違う。 物語を見るとはクオリア(=感覚質)であって、それを感じる事はできても、(完全な)言葉として表現するのは不可能なのである。もちろんこの「見る」を「読む」に置き換え… <p><img class="hatena-fotolife" title="f:id:bern-kaste:20170419195145j:plain" src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/b/bern-kaste/20170419/20170419195145.jpg" alt="f:id:bern-kaste:20170419195145j:plain" width="355" /></p> <p><br />当たり前のことだが、物語を「<strong>見る</strong>」ことと「<strong>語る</strong>」ことは違う。</p> <p>全然違う。</p> <p>「見たもの」は語れないし、語ったとしても「見たものを語った」というふうに落ち着いてしまう。赤色を見たときそれを「赤色だ」と言うことは出来ても、<span style="color: #ff0000;"><strong>赤色</strong></span>の感覚を言葉には出来ないのである。せいぜい◯◯のようだとか、△△に似ているとかそんなふうにしか語れず言葉に置き換えた途端 "見たもの" はまったく別物になってしまう事が分かるだろう。</p> <p><span style="color: #0000cc;"><strong>実際の世界と、紙の上の世界は違う。</strong></span></p> <p>物語を見るとは<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AF%A5%AA%A5%EA%A5%A2">クオリア</a>(=感覚質)であって、それを感じる事はできても、(完全な)言葉として表現するのは不可能なのである。もちろんこの「見る」を「読む」に置き換えても同じだ。</p> <p>映像媒体だろうが、文字媒体だろうが、音楽媒体だろうが、それを"読"んだ際に生じるテクストは<span style="font-size: 80%;">――『果つることなき未来ヨリ』の言葉を借りれば――</span>「それは朝焼けの色みたいなもの、ただそこにあるだけのもの」と言えばいい<cite>だろうか。</cite></p> <p> </p> <blockquote> <p><span style="color: #00796b;"><strong>「悪いね、アタシも言葉には出来ない。朝焼けの色を説明できないのと一緒さ」</strong></span><br /><br />――アイラ/果つることなき未来ヨリ</p> </blockquote> <p> </p> <p>『CARNIVAL』の生を、『ナツユメナギサ』の多幸感を、『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AE%A5%E3%A5%F3%A5%B0%A5%B9%A5%BF">ギャングスタ</a>・リパブリカ』が到達した真善美に――一体どれほどの言葉を尽くせというのか。何千何万もの単語を連ねても "<strong>それ</strong>" に全く届かないことは誰でも分かるはずではないか。</p> <p>こんなのは至極当然のことであって、今更述べる必要なんてないのかもしれない。</p> <p>多くの人は作品と批評を区別できているし、批評を読んでても「言葉の上で表現したらそうなるよね」と理解しているし、そこを踏まえた上で「言葉の上の楽しさ」を味わっていると思う。</p> <p>・・・ほんとにそうだろうか。</p> <p>むしろ大方は<span style="color: #0000cc;"><strong>「見る=語る」図式を疑ったことすらなく、ある批評を読めばそれがその物語のことだと判断するし、言葉にできることがその物語の全てだと判断</strong></span>する事が圧倒的に多いのではないか?</p> <p>・・・叙述と物語がイコールだと錯覚してはいないか。</p> <p>よく「説明できなければ本当の意味で理解していない」なんて言われるが、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AF%A5%AA%A5%EA%A5%A2">クオリア</a>の件を持ってくれば「朝焼けの色を理解していてもそれが言葉にできない」なんて事実は腐るほどある。『理解する力』と『言語化する力』は別々なのに、それを一緒くたにされるのはなぜだ? 2つは不可分であると看做されているとしか思えない。</p> <p>こういう誤認は、私は良いとは思っていない。</p> <p>物語とは"見て""聞いて""感じる"――「<strong>ただそこにあるもの</strong>」を感覚することが大事であり、いくら流暢に話せても感覚出来ないのであれば不幸としか言いようがない。</p> <p>これは『ナナミ課題』<span style="font-size: 80%;">(=未経験の事象を信じられる力)</span>と同じくらい重要なことであり、「物語とは朝焼けの色みたいなもの」を実感として、皮膚感覚として、理解できなければ悲しい出来事だ。</p> <p> </p> <p>▼関連</p> <p><iframe class="embed-card embed-blogcard" style="display: block; width: 100%; height: 190px; max-width: 500px; margin: 10px 0px;" title="『芸術上の盲人』とは、物語を読むこと=銀行通帳の残高を眺める無感動な人間 - 猫箱ただひとつ" src="http://eroge-pc.hatenablog.jp/embed/2015/11/25/070000" frameborder="0" scrolling="no"></iframe></p> <p><a href="http://eroge-pc.hatenablog.jp/entry/2015/11/25/070000">『芸術上の盲人』とは、物語を読むこと=銀行通帳の残高を眺める無感動な人間 </a></p> <p> </p> <p><iframe class="embed-card embed-blogcard" style="display: block; width: 100%; height: 190px; max-width: 500px; margin: 10px 0px;" title="『反解釈』を読んで、作品を思想・文化に吸収せしめる批評がまったくもって要らない事がわかる - 猫箱ただひとつ" src="http://eroge-pc.hatenablog.jp/embed/2015/09/14/070000" frameborder="0" scrolling="no"></iframe></p> <p>→<a href="http://eroge-pc.hatenablog.jp/entry/2015/09/14/070000">『反解釈』を読んで、作品を思想・文化に吸収せしめる批評がまったくもって要らない事がわかる - </a></p> <p> </p> <p>こう言うと「物語は言葉にしないほうがいい」と誤解されそうである。確かに反解釈の記事ではそのような事を話したが、とはいえ言葉にしなければ他者に<strong>伝達/納得</strong>させることはできない。</p> <p>あの物語はいかに素晴らしいか、どれほど胸を打ったのか、それは適切な文章を組み上げなければうまく伝わらないのだ。</p> <p>「すごい!!!」「名作!」なんてワンフレーズで表すことも出来るが、それは主張であって根拠ではない。どこがどのようにしてすごいのか、どこがどのようにして名作なのか、ここをきっちり説明できなければ「<strong>お前がそう思うならそうなんだろ</strong>」で終わりである。</p> <p>関連→<a href="http://eroge-pc.hatenablog.jp/entry/2016/10/05/070000">『お前がそう思うんならそうなんだろ』の使いドコロ </a></p> <p>しかしそれは口で言うほど易いわけじゃないし、簡単に出来るわけじゃないだろう。</p> <p>だからこそ、心の様相を伸び伸びと言語化できる者に、己の内面から物語を拾い上げる者に私たちは憧れてしまうのかもしれない。</p> <p>その憧憬はいつしか「別段語りたいと思っていなかった者」ですら、語ろうと思わせるのかもしれない。そうして語ることは良いものとされ、けれど上手く言葉にならないからこそ語り得ないことを恥じてしまうのかもしれない。</p> <p>「無根拠への忌避」と「言語化ができる者への憧憬」が混ざりあった結果として、「見る=語る」という図式が出来上がってしまったのだろうか。</p> <p>いずれにせよ私が言いたいのは、<span style="color: #0000cc;"><strong>「見たもの」は言葉には出来ず、されど他者に伝えるためには言葉にしなければならない</strong></span>。という無理難題がここにはあるということだ。</p> <p>いっそのこと何も語ろうとせず、無根拠でいい、そう開き直れば楽だと思う。「あいつは自分の気持ちすら言葉に出来ない」と嘲笑われることをよしと出来るならば問題ないではないか。<a href="#f-f410ee1e" name="fn-f410ee1e" title="ギズモのように言語の枠組み(=OS)を取っ払って世界を直視できるのならば、それはそれでアリかもしれない。">*1</a></p> <p>それに、言葉化を求めた先には「<span style="color: #0000cc;"><strong>語るために語ろうとする</strong></span>」というのが待ち受けている。これは予想以上に強敵であり、物語を楽しめなくなる一原因でもある。</p> <p>作品を読む大多数の目的は愉悦や快楽を味わうためであるが、一部の人にとっては<span style="text-decoration: underline;">その作品をいかに言葉に置き換えるか、いかにその文物を他者に評価してもらうか</span>が肝要になる。</p> <p>関連→<a href="http://eroge-pc.hatenablog.jp/entry/2015/02/03/090000">作品批評は誰のために、そして何の為に(18205文字)</a></p> <p>となれば、物語を読みながら頭の中では常に「言語化」が行われるわけで、自ら「見る」行為を遠ざけてしまうし、楽しむもなにもなくなってしまう。ううん、違うな。より正確には楽しみ方が<strong>言語化の愉悦</strong>になってしまうのだ。</p> <p>これが「語るために語ろうとする」ということ――そうして物語を「見る」ことは次第に失われ、代わりに言語化能力が上がっていくというわけだ。</p> <p>だから私は積極的に作品をレビューすること、感想を書くこと、仲間内で語り合うことは諸手を挙げて賛成出来なかったりする。そういう弊害もあることを知ってもいいかもしれない。</p> <p>――ただし、言葉にし続けていくと「感覚する力」が養われていくのも事実である。矛盾してない?と思われるが、相反する要素が同時に成立しているとしか(今の)私に言えない。</p> <p>「ある何か」を言葉にし、あるいは言葉にするために様々なものを掻き集める過程は、いつしか「ある何か」が種子となり、自らの中で芽吹き、次第に巨大な樹木へと変貌を遂げようとすることがある。</p> <p>このとき、それが自らにあるのとないのとでは「見えなかった情景」が「見えたり」、「感覚することができなかった」ものを「感覚する」契機となりえる。</p> <p>これは言葉の性質である「具象化」することのメリットと言えるかもしれない。今までの自分には無かったもの、曖昧だったものを、固着化させることでそれが呼び水となり感受の幅が広がるのだと。</p> <p>例えば、一度「物語」という曖昧然とした単語についてじっくりと向き合ってみる。物語とはいかなるもので、一体何に役立ち、私達はなぜこれほどまでに熱中し、そして何を奪われ、何を与えるのか。それともそんなことは一切もたらさないのか・・・といったことを一つ一つ積み上げていく。</p> <p>すると、物語を軸にした作品に出会ったとき、言葉(=思索+具象化)しているのといなかったのではその作品に対する見え方は随分違ってくるはずだ。</p> <ul> <li>「言葉にすれば感覚する力は遠ざかり」</li> <li>「言葉にすれば感覚する力を養う」</li> </ul> <p>この2つは両立するのだとしたら、作品の言語化はしないほうがいいんだろうか?それともした方がいいんだろうか?</p> <p>私は「<span style="color: #00796b;"><strong>物語は朝焼けの色みたいなもので、ただそこにあるだけのもの</strong></span>」という事を了承できていればどちらでも構わないと思う。それさえ踏まえていれば、言語化への理解もあるということだし、どのようにそれを「使えばいいか/使わないか」も知っているだろう。</p> <p>もしも言葉にし続けて、作品の価値を見失ってしまったり、そういった状態に自分が陥っていると感じたのならば是非この言葉を思い出してくれればいいかなと思う。辛かったら休めばいいし、無理して励む必要はない。</p> <p>叶うならば『果つることなき未来ヨリ』のアイラ√を押さえてくれれば、ここの理解はより深まるはずだ。</p> <p> </p> <p>▼関連記事(プレイし終わったらどうぞ)</p> <p><iframe class="embed-card embed-blogcard" style="display: block; width: 100%; height: 190px; max-width: 500px; margin: 10px 0px;" title="果つることなき未来ヨリ考察―『描かない』を描いたアイラ√がただただ美しい― - 猫箱ただひとつ" src="https://hatenablog-parts.com/embed?url=http%3A%2F%2Feroge-pc.hatenablog.jp%2Fentry%2Fhatsumira" frameborder="0" scrolling="no"></iframe><cite class="hatena-citation"><a href="http://eroge-pc.hatenablog.jp/entry/hatsumira"> </a></cite><a href="http://eroge-pc.hatenablog.jp/entry/hatsumira">果つることなき未来ヨリ考察―『描かない』を描いたアイラ√がただただ美しい―</a><br /><br /> </p> <div class="amazlet-box" style="margin-bottom: 0px;"> <div class="amazlet-image" style="float: left; margin: 0px 12px 1px 0px;"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00WSIZ5N4/114alme-22/ref=nosim/" name="amazletlink" target="_blank"><img style="border: none;" src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/51vkCGD%2BzOL.jpg" alt="果つることなき未来ヨリ" /></a></div> <div class="amazlet-info" style="line-height: 120%; margin-bottom: 10px;"> <div class="amazlet-name" style="margin-bottom: 10px; line-height: 120%;"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00WSIZ5N4/114alme-22/ref=nosim/" name="amazletlink" target="_blank">果つることなき未来ヨリ</a> <div class="amazlet-powered-date" style="font-size: 80%; margin-top: 5px; line-height: 120%;"> </div> </div> <div class="amazlet-detail"><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D5%A5%ED%A5%F3%A5%C8%A5%A6%A5%A4%A5%F3%A5%B0">フロントウイング</a> (2015-11-27)<br />売り上げランキング: 991</div> <div class="amazlet-sub-info" style="float: left;"> <div class="amazlet-link" style="margin-top: 5px;"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00WSIZ5N4/114alme-22/ref=nosim/" name="amazletlink" target="_blank">Amazon.co.jpで詳細を見る</a></div> </div> </div> <div class="amazlet-footer" style="clear: left;"> </div> </div> <div class="amazlet-box" style="margin-bottom: 0px;"> <div class="amazlet-image" style="float: left; margin: 0px 12px 1px 0px;"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0027P8WBK/114alme-22/ref=nosim/" target="_blank" rel="noopener noreferrer" name="amazletlink"><img style="border: none;" src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/61JOTOY8%2B1L.jpg" alt="ナツユメナギサ" width="311" /></a></div> <div class="amazlet-info" style="line-height: 120%; margin-bottom: 10px;"> <div class="amazlet-name" style="margin-bottom: 10px; line-height: 120%;"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0027P8WBK/114alme-22/ref=nosim/" target="_blank" rel="noopener noreferrer" name="amazletlink">ナツユメナギサ</a> <div class="amazlet-powered-date" style="font-size: 80%; margin-top: 5px; line-height: 120%;"> </div> </div> <div class="amazlet-detail">SAGAPLANETS (2009-07-31)</div> <div class="amazlet-sub-info" style="float: left;"> <div class="amazlet-link" style="margin-top: 5px;"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0027P8WBK/114alme-22/ref=nosim/" target="_blank" rel="noopener noreferrer" name="amazletlink">Amazon.co.jpで詳細を見る</a></div> </div> </div> <div class="amazlet-footer" style="clear: left;"> </div> </div> <div class="amazlet-box" style="margin-bottom: 0px;"> <div class="amazlet-image" style="float: left; margin: 0px 12px 1px 0px;"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B06XVXRKP3/114alme-22/ref=nosim/" target="_blank" rel="noopener noreferrer" name="amazletlink"><img style="border: none;" src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/61I8rcvB-VL.jpg" alt="ギャングスタ・リパブリカ&amp;ギャングスタアルカディア 2in1+αおまけデータ" /></a></div> <div class="amazlet-info" style="line-height: 120%; margin-bottom: 10px;"> <div class="amazlet-name" style="margin-bottom: 10px; line-height: 120%;"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B06XVXRKP3/114alme-22/ref=nosim/" target="_blank" rel="noopener noreferrer" name="amazletlink">ギャングスタ・リパブリカ&amp;ギャングスタアルカディア 2in1+αおまけデータ</a> <div class="amazlet-powered-date" style="font-size: 80%; margin-top: 5px; line-height: 120%;"> </div> </div> <div class="amazlet-detail">ホワイトソフト (2017-04-28)</div> <div class="amazlet-sub-info" style="float: left;"> <div class="amazlet-link" style="margin-top: 5px;"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B06XVXRKP3/114alme-22/ref=nosim/" target="_blank" rel="noopener noreferrer" name="amazletlink">Amazon.co.jpで詳細を見る</a></div> </div> </div> <div class="amazlet-footer" style="clear: left;"> </div> </div> <p> </p><div class="footnote"> <p class="footnote"><a href="#fn-f410ee1e" name="f-f410ee1e" class="footnote-number">*1</a><span class="footnote-delimiter">:</span><span class="footnote-text">ギズモのように言語の枠組み(=OS)を取っ払って世界を直視できるのならば、それはそれでアリかもしれない。</span></p> </div> bern-kaste ナルキッソス 感想―死の読み味が軽い― hatenablog://entry/8599973812282687109 2017-08-25T22:00:00+09:00 2017-08-25T22:00:06+09:00 ナルキッソス 総評 やがて、わたし自身のことですら、まるで他人のように眺め、リアルとして認識できなくなった。 ――セツミ/ナルキッソス <h3> <a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%CA%A5%EB%A5%AD%A5%C3%A5%BD%A5%B9">ナルキッソス</a> 総評</h3> <p><img class="hatena-fotolife" title="f:id:bern-kaste:20170725195856j:plain" src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/b/bern-kaste/20170725/20170725195856.jpg" alt="f:id:bern-kaste:20170725195856j:plain" /></p> <p> </p> <blockquote> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>やがて、わたし自身のことですら、</strong></span><br /><span style="color: #286f2c;"><strong>まるで他人のように眺め、リアルとして認識できなくなった。</strong></span></p> <p><span style="font-size: 80%;">――セツミ/<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%CA%A5%EB%A5%AD%A5%C3%A5%BD%A5%B9">ナルキッソス</a></span></p> </blockquote> <p> </p> <p>リアルに感じられない――これは事あるごとに触れられる。あらゆる出来事に世界の手応えがなく、だから生きることに確かな実感を得られない状態。</p> <p>セツミの場合は本当はやりたいことをやりたくないと自らを欺くことで、主人公の場合は日常と非日常の転換がうまくいかずこの問題が生じ始める。</p> <p>前者は病の身では何も成し得ないと分かっている<span style="font-size: 80%;">(=決めつけている)</span>からこそ、諦めることを選んだ。願いを捨て、欲望に封をし、瞳を閉じた世界で「これでいいんだ」と自分を慰め続ける。けれどそんなのは<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BC%AB%B8%CA%B5%BD%E2%D6">自己欺瞞</a>に過ぎない。けれどそこから抜け出し傷つくことさえもう彼女には出来なかった。</p> <p>後者は日常<span style="font-size: 80%;">(大学生活)</span>から非日常<span style="font-size: 80%;">(7Fの住人)</span>の移行による転換がうまく行えず、日常感覚のまま非日常世界に身を委ねてしまったのが彼である。彼にとって身近なものになった「死」は、本来リアルに感じられるはずだが、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A1%D6%C6%FC%BE%EF%A1%D7">「日常」</a>の時分と同じく曖昧なまま取り扱われる。</p> <p> </p> <p><strong>・・・現実を仮想が押さえ込み、</strong></p> <p><strong>・・・日常と非日常が溶け合う</strong></p> <p> </p> <p>『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%CA%A5%EB%A5%AD%A5%C3%A5%BD%A5%B9">ナルキッソス</a>』が死を扱いながらも重くないのは、この為だろう。「あなたは死にます」と迂遠に宣告を受けたにも関わらず、彼彼女にとってそれは恐怖すべき、忌避すべきものになっていない。その世界認識が作品全体に色濃く出ており、普通に生きて、普通に暮らしてきた主人公がその時代に感じていたであろう胡乱な死と同じように――<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%CA%A5%EB%A5%AD%A5%C3%A5%BD%A5%B9">ナルキッソス</a>もまたその軽薄さで死を描くのである。</p> <p>だから本作は死生観を題材にしながらも読み味が「軽い」。全然悲観的ではないし鬱屈とした雰囲気すら出ない。生と死についてどこかおざなりでさえあるものだ。<a href="#f-568ec172" name="fn-568ec172" title="とはいえそこが悪いと言いたいわけじゃないし、このあっさりさはそれはそれでユニークだろう。">*1</a></p> <p>“日常的な死”……とでも言うべきものがあるならば、『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%CA%A5%EB%A5%AD%A5%C3%A5%BD%A5%B9">ナルキッソス</a>』はそういう作品だろう。</p> <p>私的満足度:★★★(3.6)</p> <p> </p> <p> </p> <h3>Narcissus…<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/narcissu">narcissu</a>…</h3> <p> </p> <p>一時間ほどで読了。</p> <p>家と病院の選択肢しか与えられないものの、最後くらいは我がままをいって望む場所で死んだセツミ。その結果と過程に「切実」なる救いを(彼らが)求めなかったのは興味深い点だと思う。</p> <p>エコーはナルシスに「先に」愛して欲しかった。しかしそれが叶わないとしれば呪い、やがては消えてしまう。これをセツミに当てはめるならば、彼女も愛して欲しかったのでは?誰に。世界に。</p> <p>――けれど世界は愛してくれなかった。なら消えるしかない。</p> <p>ただ彼女はエコーのように呪いはしなかった。祈りもしなかったけど。きっとそれはなにもかも諦めていたからだろう。死にも生にも縋り付くのをやめてしまった彼女の物語。ただゆいつ、求めたのが、最後の情景なのだとすればそれはセツミにとって慰めになり得たのだろうか。</p> <p>・・・・・・</p> <p>・・・</p> <p>諦めた人間の世界観というのは、本当に、時間や空間への“手応え”がまるでないことが解る。自殺”という仄暗い行為さえ霧散させてしまう程に、どこか空虚だ。</p> <p>(了)</p> <p> </p> <div class="amazlet-box" style="margin-bottom: 0px;"> <div class="amazlet-image" style="float: left; margin: 0px 12px 1px 0px;"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0039RHMES/114alme-22/ref=nosim/" target="_blank" name="amazletlink"><img style="border: none;" src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/51ObalhCopL._SL160_.jpg" alt="ナルキッソス ~もしも明日があるなら~ Portable DXパック(オフィシャルブック&amp;「セツミ先生」の聖地巡礼マップ同梱)" /></a></div> <div class="amazlet-info" style="line-height: 120%; margin-bottom: 10px;"> <div class="amazlet-name" style="margin-bottom: 10px; line-height: 120%;"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0039RHMES/114alme-22/ref=nosim/" target="_blank" name="amazletlink">ナルキッソス ~もしも明日があるなら~ Portable DXパック(オフィシャルブック&amp;「セツミ先生」の聖地巡礼マップ同梱)</a> <div class="amazlet-powered-date" style="font-size: 80%; margin-top: 5px; line-height: 120%;"> </div> </div> <div class="amazlet-detail"><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B3%D1%C0%EE%BD%F1%C5%B9">角川書店</a> (2010-06-24)<br />売り上げランキング: 21,684</div> <div class="amazlet-sub-info" style="float: left;"> <div class="amazlet-link" style="margin-top: 5px;"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0039RHMES/114alme-22/ref=nosim/" target="_blank" name="amazletlink">Amazon.co.jpで詳細を見る</a></div> </div> </div> <div class="amazlet-footer" style="clear: left;"> </div> </div> <div class="amazlet-box" style="margin-bottom: 0px;"> <div class="amazlet-image" style="float: left; margin: 0px 12px 1px 0px;"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4840123659/114alme-22/ref=nosim/" target="_blank" name="amazletlink"><img style="border: none;" src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/51PxbGQx%2BtL.jpg" alt="ナルキッソス (MF文庫 J か 5-1)" /></a></div> <div class="amazlet-info" style="line-height: 120%; margin-bottom: 10px;"> <div class="amazlet-name" style="margin-bottom: 10px; line-height: 120%;"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4840123659/114alme-22/ref=nosim/" target="_blank" name="amazletlink">ナルキッソス (MF文庫 J か 5-1)</a> <div class="amazlet-powered-date" style="font-size: 80%; margin-top: 5px; line-height: 120%;"> </div> </div> <div class="amazlet-detail"><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%CA%D2%B2%AC%A4%C8%A4%E2">片岡とも</a> <br /><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%E1%A5%C7%A5%A3%A5%A2%A5%D5%A5%A1%A5%AF%A5%C8%A5%EA%A1%BC">メディアファクトリー</a> <br />売り上げランキング: 398,461</div> <div class="amazlet-sub-info" style="float: left;"> <div class="amazlet-link" style="margin-top: 5px;"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4840123659/114alme-22/ref=nosim/" target="_blank" name="amazletlink">Amazon.co.jpで詳細を見る</a></div> </div> </div> <div class="amazlet-footer" style="clear: left;"> </div> </div> <p>たしか小説版だとこの後エピローグがあって、病院に戻った主人公が当時の様子を(看護師さんとだっけ?と)すこし振り返る場面があったはず。</p> <p>Narcissus1&amp;2は無料でプレイできるので・・・といっても有名作だしこの記事読んでいる人は既にプレイしていると思うけど、一応ね、まだやってない人いたらやってみてはいかが。</p> <p>DL→<a href="http://stage-nana.sakura.ne.jp/down.htm">http://stage-nana.sakura.ne.jp/down.htm</a></p> <h4>ギャルゲー他感想</h4> <p><iframe class="embed-card embed-blogcard" style="display: block; width: 100%; height: 190px; max-width: 500px; margin: 10px 0px;" title="こなたよりかなたまで考察――無限のように生きる―― - 猫箱ただひとつ" src="https://hatenablog-parts.com/embed?url=http%3A%2F%2Feroge-pc.hatenablog.jp%2Fentry%2Fkonatayori_kanatamade" frameborder="0" scrolling="no"></iframe></p> <p><a href="http://eroge-pc.hatenablog.jp/entry/konatayori_kanatamade">こなたよりかなたまで考察――無限のように生きる――</a></p> <p> </p> <p><iframe class="embed-card embed-blogcard" style="display: block; width: 100%; height: 190px; max-width: 500px; margin: 10px 0px;" title="『ランス03』レビュー 正直おすすめできない作業作業RPGだった。(9417文字) - 猫箱ただひとつ" src="https://hatenablog-parts.com/embed?url=http%3A%2F%2Feroge-pc.hatenablog.jp%2Fentry%2France03-review" frameborder="0" scrolling="no"></iframe></p> <p><a href="http://eroge-pc.hatenablog.jp/entry/rance03-review">『ランス03』レビュー 正直おすすめできない作業作業RPGだった。(9417文字) </a></p> <p><iframe class="embed-card embed-blogcard" style="display: block; width: 100%; height: 190px; max-width: 500px; margin: 10px 0px;" title="『Scarlett』総括―非日常に憧憬し、日常へ揺り戻される者達― - 猫箱ただひとつ" src="https://hatenablog-parts.com/embed?url=http%3A%2F%2Feroge-pc.hatenablog.jp%2Fentry%2FScarlett_Review" frameborder="0" scrolling="no"></iframe></p> <p><a href="http://eroge-pc.hatenablog.jp/entry/Scarlett_Review">『Scarlett』総括―非日常に憧憬し、日常へ揺り戻される者達― -</a></p> <p><iframe class="embed-card embed-blogcard" style="display: block; width: 100%; height: 190px; max-width: 500px; margin: 10px 0px;" title="世界は私達を愛してくれないし、私達は世界を愛すわけじゃない。(明日の君と逢うために~ざくざくアクターズ感想②) - 猫箱ただひとつ" src="https://hatenablog-parts.com/embed?url=http%3A%2F%2Feroge-pc.hatenablog.jp%2Fentry%2Fasukimi_zakuaku" frameborder="0" scrolling="no"></iframe></p> <p><a href="http://eroge-pc.hatenablog.jp/entry/asukimi_zakuaku">世界は私達を愛してくれないし、私達は世界を愛すわけじゃない。(明日の君と逢うために~ざくざくアクターズ感想②) -</a></p><div class="footnote"> <p class="footnote"><a href="#fn-568ec172" name="f-568ec172" class="footnote-number">*1</a><span class="footnote-delimiter">:</span><span class="footnote-text">とはいえそこが悪いと言いたいわけじゃないし、このあっさりさはそれはそれでユニークだろう。</span></p> </div> bern-kaste 何故バクマンからは創作への苦しみが伝わって来ないのだろう?(全巻読了感想) hatenablog://entry/8599973812282478710 2017-08-21T22:00:00+09:00 2017-08-21T22:00:13+09:00 週刊少年ジャンブで連載するには?人気を上げるには?ライバルに勝つには?――そんな漫画家の試行錯誤を描くのが『バクマン』であり、いわゆるメタ漫画・メタ週刊少年ジャンプ(以下WJ)である。 「面白い漫画は連載し、つまらない漫画は打ち切る」という強固なルールがWJには存在するため、漫画家は可能な限りおもしろい漫画を制作しようと頑張る。 <p><img class="hatena-fotolife" title="f:id:bern-kaste:20170726003809j:plain" src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/b/bern-kaste/20170726/20170726003809.jpg" alt="f:id:bern-kaste:20170726003809j:plain" width="271" /></p> <p>週刊少年ジャンブで連載するには?人気を上げるには?ライバルに勝つには?――そんな漫画家の試行錯誤を描くのが『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D0%A5%AF%A5%DE%A5%F3">バクマン</a>』であり、いわゆるメタ漫画・メタ<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BD%B5%B4%A9%BE%AF%C7%AF%A5%B8%A5%E3%A5%F3%A5%D7">週刊少年ジャンプ</a><span style="font-size: 80%;">(以下WJ)</span>である。</p> <p> 「<strong>面白い漫画は連載し、つまらない漫画は打ち切る</strong>」という強固なルールがWJには存在するため、漫画家は可能な限りおもしろい漫画を制作しようと頑張る。</p> <p>しかし「おもしろい」とは何か? どうすれば「おもしろい」となるのか。作品の人気は「アンケートシステム」に委ねられており、つまりWJを愛読する読者によって打ち切りかはたまた看板作品かに転がりゆく。</p> <p>なので漫画家は「世間」ではなく「<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BD%B5%B4%A9%BE%AF%C7%AF%A5%B8%A5%E3%A5%F3%A5%D7">週刊少年ジャンプ</a>の読者」に受け入れる為の努力をするし、読者の平均年齢を考慮したお話を作るだとか、作風が被る読み切りとぶつかればその回はとびきりの話を持ってくる<span style="font-size: 80%;">(=票数を奪う作戦)</span>といった創作譚が『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D0%A5%AF%A5%DE%A5%F3">バクマン</a>』は多い。</p> <p>とはいえ・・・WJで人気を得られればアニメ化やドラマCDのお話も持ち込まれるので結果的には――劇中内で――世間に受け入れられているのも事実だ。そこにはWJ連載ならではの苦労があるし、だからといって普遍性に欠けた作品づくりというわけでもないだろう。</p> <p>――けれども『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D0%A5%AF%A5%DE%A5%F3">バクマン</a>』からは<span style="color: #000000;"><strong>創作への苦しみ</strong></span>が伝わってこない。</p> <p>本作を進行する“亜城木夢叶”なる漫画家は、自らが原因で連載作品を打ち切ってしまったり、担当編集の好みによって得意ジャンルではないギャグ作品をやらされたりと、様々な苦難を乗り越えてラストには最高の作品を執筆しきる。</p> <p>そこには作ることの“苦痛”がスポイルされてるわけではない。むしろ明確に描いていると言ってもいいだろう。</p> <p>しかし、描き方が“<strong>軽い</strong>”。</p> <p>例えば『TRAP』連載中の不幸な入院は真城の体調管理の甘さが原因で長期間休載による人気の低迷→打ち切りは彼らにとって苦い経験だったはずだ。しかしそれは<span style="color: #0000cc;"><strong>彼らの力のなさ</strong></span>で生じたものではない。</p> <p>『タント』も担当編集に流されて本来の“亜城木夢叶”のポテンシャルが出せなかっただけであり、『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/PCP">PCP</a>』もマンガ<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%CC%CF%CA%EF%C8%C8">模倣犯</a>によって高木は数話ほどストーリーの品質が保てなくなるというだけで、後はけろりと本調子になる。</p> <p>どれもこれも突発的な外部圧力によって挫けるもので、<strong>“亜城木夢叶”が全てを出し切った上での挫折・敗北</strong>が<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D0%A5%AF%A5%DE%A5%F3">バクマン</a>には存在しないのである。</p> <p>どんなに頑張ってもエイジに勝てない、アンケートで一位になれない。あらゆる努力は水疱へと帰し、あらゆる試行錯誤は自分たちの才能のなさをつまびらかにする・・・そんな絶望的体験がないわけだ。あるのは「俺たちは全力を出し切れるのなら成功する」という、どこか上っ面で、深みのない、創作譚だけが取り残されてしまう。</p> <p>となれば<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D0%A5%AF%A5%DE%A5%F3">バクマン</a>は<span style="text-decoration: underline;">WJで連載する苦しみ</span>を描きはするものの、そこにたんまりとディティールを与えるものの、<span style="text-decoration: underline;">創作へ</span>の苦痛を描くことは出来なかったと言っていい。</p> <p>もちろんそういう漫画ではない、という反論もあるし、私もそう思う。</p> <p>『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D0%A5%AF%A5%DE%A5%F3">バクマン</a>』はそういう漫画ではなかったのだ。</p> <p> </p> <div class="amazlet-box" style="margin-bottom: 0px;"> <div class="amazlet-image" style="float: left; margin: 0px 12px 1px 0px;"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B008B39V44/114alme-22/ref=nosim/" target="_blank" name="amazletlink"><img style="border: none;" src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/51Aie2cf9FL.jpg" alt="バクマン。 コミック 全20巻完結セット (ジャンプコミックス)" width="400" /></a></div> <div class="amazlet-info" style="line-height: 120%; margin-bottom: 10px;"> <div class="amazlet-name" style="margin-bottom: 10px; line-height: 120%;"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B008B39V44/114alme-22/ref=nosim/" target="_blank" name="amazletlink">バクマン。 コミック 全20巻完結セット (ジャンプコミックス)</a> <div class="amazlet-powered-date" style="font-size: 80%; margin-top: 5px; line-height: 120%;"> </div> </div> <div class="amazlet-detail">小畑 健 <br /><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BD%B8%B1%D1%BC%D2">集英社</a> <br />売り上げランキング: 8,962</div> <div class="amazlet-sub-info" style="float: left;"> <div class="amazlet-link" style="margin-top: 5px;"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B008B39V44/114alme-22/ref=nosim/" target="_blank" name="amazletlink">Amazon.co.jpで詳細を見る</a></div> </div> </div> <div class="amazlet-footer" style="clear: left;"> </div> </div> <p>関連しなさそうな記事</p> <p><iframe class="embed-card embed-blogcard" style="display: block; width: 100%; height: 190px; max-width: 500px; margin: 10px 0px;" title="「年を取れば涙もろくなる」とは一体どういうことなのか。 - 猫箱ただひとつ" src="https://hatenablog-parts.com/embed?url=http%3A%2F%2Feroge-pc.hatenablog.jp%2Fentry%2F2017%2F01%2F23%2F070000" frameborder="0" scrolling="no"></iframe><cite class="hatena-citation"><a href="http://eroge-pc.hatenablog.jp/entry/2017/01/23/070000">eroge-pc.hatenablog.jp</a></cite></p> <p><iframe class="embed-card embed-blogcard" style="display: block; width: 100%; height: 190px; max-width: 500px; margin: 10px 0px;" title="物語は、当事者性を奪う - 猫箱ただひとつ" src="https://hatenablog-parts.com/embed?url=http%3A%2F%2Feroge-pc.hatenablog.jp%2Fentry%2F2017%2F07%2F17%2F220000" frameborder="0" scrolling="no"></iframe><cite class="hatena-citation"><a href="http://eroge-pc.hatenablog.jp/entry/2017/07/17/220000">eroge-pc.hatenablog.jp</a></cite></p> <p><iframe class="embed-card embed-blogcard" style="display: block; width: 100%; height: 190px; max-width: 500px; margin: 10px 0px;" title="萌え、萌え?①(恋カケ~げんしけん) - 猫箱ただひとつ" src="https://hatenablog-parts.com/embed?url=http%3A%2F%2Feroge-pc.hatenablog.jp%2Fentry%2F2017%2F07%2F24%2F220000" frameborder="0" scrolling="no"></iframe><cite class="hatena-citation"><a href="http://eroge-pc.hatenablog.jp/entry/2017/07/24/220000">eroge-pc.hatenablog.jp</a></cite></p> <p> </p> <p> (という確認行為の記事でした)</p> bern-kaste 【感想】ピアニッシモ 操リ人形ノ輪舞  hatenablog://entry/8599973812281510285 2017-08-11T22:00:00+09:00 2017-08-11T22:00:29+09:00 殺人犯として追われる主人公が真相を暴くミステリー作品。でありながら弱々しいタッチで『夢』を描こうとしたのがPP -ピアニッシモ- 操リ人形ノ輪舞である。 <p> <img class="hatena-fotolife" title="f:id:bern-kaste:20170721183130j:plain" src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/b/bern-kaste/20170721/20170721183130.jpg" alt="f:id:bern-kaste:20170721183130j:plain" width="244" /></p> <p>殺人犯として追われる主人公が真相を暴くミステリー作品。でありながら弱々しいタッチで『夢』を描こうとしたのがPP -<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D4%A5%A2%A5%CB%A5%C3%A5%B7%A5%E2">ピアニッシモ</a>- 操リ人形ノ輪舞である。</p> <p> </p> <h3>【総評】<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D4%A5%A2%A5%CB%A5%C3%A5%B7%A5%E2">ピアニッシモ</a> 操リ人形ノ輪舞(<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Innocent%20Grey">Innocent Grey</a>)</h3> <p> </p> <p>人を殺した記憶がないにも関わらず指名手配され、逃げ回る日々のなかで恋人を得る奏介。しかし朝起きたら彼女は動かなくなっていた。誰が綾音を殺した?俺か? 俺だ・・・部屋は密室であり、奏介が犯人だと考えると理解はカンタンに現実へと結びつく。</p> <p>――しかし奏介は何のために彼女を殺したのか? <a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DB%A5%EF%A5%A4%A5%C0%A5%CB%A5%C3%A5%C8">ホワイダニット</a>を満たすことが出来ないため、一見明瞭だったフーダニット、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%CF%A5%A6%A5%C0%A5%CB%A5%C3%A5%C8">ハウダニット</a>は揺らいでいく。けれどそこさえ目を瞑れば奏介を犯人だと思える。</p> <p> </p> <blockquote> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>美<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B2%DA%B2%C6">華夏</a>「奏介が殺すはずないじゃない!」</strong></span><br /><br /></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>奏介「だけど俺は――」</strong></span><br /><br /></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>美<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B2%DA%B2%C6">華夏</a>「私はっ……認めないからっ……誰がなんと言おうと、奏介が綾音さんを殺すはずない……」</strong></span><br /><br /></p> <p>――PP -<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D4%A5%A2%A5%CB%A5%C3%A5%B7%A5%E2">ピアニッシモ</a>- 操リ人形ノ輪舞</p> </blockquote> <p> </p> <p>奏介も、そして彼を信じる者もこの<strong>不確定な現実</strong>に頭を悩ませつつ、どのように考えれば納得のいく答えになるか検討していくのはまさにミステリー作品であり、けれど情報が出揃った宣言がないまま(ぱっとしない)答えを言い渡されるので爽快さはない。</p> <p>本作は「不確定な現実に悩む」ことに意義を見出すような物語なのでそれでいいのだろう。選択肢の「(俺は)殺した」「殺してない」はそこと連動し、自分を信じられなければ信じられなかった世界が確定し、信じれば信じた世界が確定する。</p> <p>そうして御巫久遠に踊らされていた事実へ至るのである。</p> <p> </p> <blockquote> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>「言葉通りの意味です。私が奏介をこのような境遇に追いやりました」</strong></span></p> <p><span style="font-size: 80%;">――御巫久遠/PP -<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D4%A5%A2%A5%CB%A5%C3%A5%B7%A5%E2">ピアニッシモ</a>- 操リ人形ノ輪舞</span></p> </blockquote> <p> </p> <p>これで終わりだったならば品のいいジャズが奏でるミステリー(?)作品であっただろう。だが「綾音√」が入り込むことで、その印象はすこし変化する。</p> <p>当該√は「どうあっても」死ぬ運命にある綾音が「なぜか」生存するお話だ。</p> <p>奏介を独占したい相馬葵は、彼の周りにいる女性は邪魔で邪魔で仕方がない。だからこそ彼女の名義の部屋に知らない女を連れ込まれれば、殺意へと転化し、結果綾音はどの√であっても死ぬ。</p> <p>しかしなぜか今回は </p> <blockquote> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>“余計な波風を立てる訳にはいなかったから――我慢したんだよ” </strong></span><br /><br /></p> <p>――相馬葵/<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D4%A5%A2%A5%CB%A5%C3%A5%B7%A5%E2">ピアニッシモ</a> 操リ人形ノ輪舞(<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Innocent%20Grey">Innocent Grey</a>)</p> </blockquote> <p> </p> <p>とのことで、葵は綾音を害しはしないし、また逢禅寺清正が奏介達を殺せる状況でありながら瞬く間に自殺するのは本当に、意味不明だろう。</p> <p> </p> <blockquote> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>何故死んだのか――</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>奴ほどの膂力なら、ここに居た者全てを切り伏せる事も容易かった筈だ。</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>だが、彼は、敢えてそうせず、自らの命を絶った。</strong></span><br /><br /></p> <p><span style="font-size: 80%;">――奏介/PP -<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D4%A5%A2%A5%CB%A5%C3%A5%B7%A5%E2">ピアニッシモ</a>- 操リ人形ノ輪舞 綾音√<br /></span></p> </blockquote> <p> <br />誇りか、あるいは操られていたのかと奏介は理由を考えるものの納得いく答えは出ない。</p> <p>それもそのはず、なんてたってこれは「夢」なのだから。都合のいい展開が幅を利かせるし、淡く、まどろむような白昼夢を見せてくれる。幸せなひとときを胸いっぱいに吸い込んで、あとはそれを甘受すればいい。</p> <p> </p> <blockquote> <p> <span style="color: #286f2c;"><strong>――例えこれが夢であったとしても、この世界でわたしは生きている</strong></span></p> <p><span style="font-size: 80%;">――綾音(綾音√)</span></p> </blockquote> <p> </p> <p>操り人形という主旋律に、聞き取れるかどうかぎりぎりの“夢”という副旋律で奏でようとしたのが本作なのだろう。それはあまりにも弱々しいタッチの為、調和が取れず、何をしたかったのかよく分からないメロディとなってしまった。というのが『PP』に対する評価だ。</p> <p>私的満足度:★★★(3.7)<br />疑似客観視:★★★(3.7)</p> <p> </p> <p> </p> <p>以下、雑感。</p> <p> </p> <h3>演出面いいすなあ</h3> <p><br />本作は戦闘シーンの演出がよく「いくぞ」「――っ」という音声が<strong>テキストなし</strong>で<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%CE%AE%A4%EC%A4%EB">流れる</a>。わざわざテキスト表示して音声流すのってちょっとテンポ悪くなるので、そこを省略するのはいいなと思う。</p> <p>臨場感高まるので。</p> <p> </p> <h3>しっくりこない所</h3> <p><br />・そういえば綾音が奏介のピアノをはじめて聞いた時「悩み事」が解決されたと言っていたが、結局それはなんだったんだろう? またどうしてあの喫茶店に、未成年な綾音がいったのか? そして入店できたのか? 謎だ。</p> <p> </p> <p>・あとなぜ奏介は<strong>マスターに殺されなくてはならない</strong>のだろう? 彼を組織側に囲いたかった理由は分かるけれど、それ以外マスターが彼に執着する理由はないし、もっと言えば殺す動機こそない。</p> <p>けれど序盤BADENDのセイホウカイアジト抜け殻に行ったとき奏介を殺し、またわざわざ家まで出向き妹とセッ久時に殺すってマスターの動機・性格からして違和感しか覚えない。</p> <p>――あのね、奏介が妹といちゃこらしてるからってそれがマスターとなんの関係があるの? </p> <p>彼はあのとき「亡き友を忘れて肉欲に溺れたか」と言ったのでそれが殺害動機ってこと? むかつくから殺したってこと? </p> <p>あるいは久遠に殺せとでも命令されたのだろうか? だとしてもそこには正当な理由がなければマスターも動かないはず。久遠が奏介を殺す理由か・・・</p> <p>当該BADENDは用済みで口をふさぐためとか?・・・でも妹ENDにおける奏介ってもう久遠にとってもどうでもいい筈なので、それ以上接触しようとは思わないのだけどこれも口封じ的な?</p> <p>久遠って対象者に価値を見いだせなくなったら自分にとって害にならない限り「放置」するような人だと思うんだけど、違うのかな。</p> <p>それとも、なにか見落としているのか。</p> <p>ちょっとここらへんしっくりこない。</p> <p> </p> <h3>conductor</h3> <p>END時、久遠は「奏介は赦してくれるでしょうか?」と投げかけている事から、許して欲しい心情が伺える。研究対象でしかなかった彼になにかしら思うことがあるような感じでさえある。</p> <p>あの自分以外興味なさげでどうでもよさそうにしている久遠が、「赦して欲しい」のだとしたら意外であり・・・けれど人ってそういうものなのかもしれない。意識している人間には自分をよく思ってもらいたい、そんな気持ちがなければ「赦して欲しい」といった気持ちも出にくいのではないか。</p> <p> </p> <p> </p> <h3>BGMよい</h3> <p>BGMが全体的によく、ピアノの旋律で彩られる本作はプレイしていて心地よい。璃宝の歌もプロレベルというか、実際彼女はプロでしたねとても聴き応えがありました。<br /><br /><br /></p> <p> </p> <h3>久遠は天才のように描かれるが</h3> <p>『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/pianissimo">pianissimo</a>』は御巫久遠を天才として描こうとする。常人が理解できない思考回路の持ち主で、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BF%CD%B4%D6%C0%AD">人間性</a>が欠けた存在として。</p> <p>けれど彼女の思考/性格って別に突飛でもないし、苦なく追いつけるので、天才と見ることはやや難しかった。どちらかというとちょっと風変わりな女の子くらいかな。もちろん物語がそう描こうとするのならば合わせるが、一度俯瞰高度を上げるとそんな印象かなと。</p> <p> </p> <p> </p> <h3>感想</h3> <p>総評で言った点と不可解な謎を除けば、全体的に悪くない読後感だし、ほどよく満足できたなと思う。ただ明確な面白みに欠けるので人にはすすめづらいのが難点か。</p> <p> </p> <p> </p> <h3>メモ言葉</h3> <blockquote> <p>「……人の気持ちなんて特にわからない」</p> <p>「他人を理解できる人間はいません」</p> <p>「そうかもしれないけど……」</p> <p>「理解できてしまえば――とても、つまらなくなります」<br /><br /></p> <p>――久遠、綾音</p> </blockquote> <p> </p> <blockquote> <p>綾音「事実は小説より奇なりともいうよ?」</p> <p>久遠「それは、世界に筋書きがないからです」</p> <p>――<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D4%A5%A2%A5%CB%A5%C3%A5%B7%A5%E2">ピアニッシモ</a></p> </blockquote> <p> </p> <blockquote> <p>あの時、俺は綾音を――</p> <p>・殺した</p> <p>・殺してない</p> <p> </p> <p>――<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D4%A5%A2%A5%CB%A5%C3%A5%B7%A5%E2">ピアニッシモ</a></p> </blockquote> <p> </p> <p> </p> <blockquote> <p>彼女に踊らされているような気もするが、それでも俺は彼女に依存して生きていくしかないのかもしれない。</p> <p> </p> <p>――奏介/久遠√終盤</p> </blockquote> <p> (彼女=久遠)</p> <blockquote> <p>久遠「……貴方の調べは哀しく、弱々しい――今の私も正にそんな気分です」</p> <p>奏介「……済まねえな」</p> <p>久遠「謝られる事ではありません。弱い事は決して罪ではありませんから」</p> <p>久遠「極めて弱い音&lt;<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D4%A5%A2%A5%CB%A5%C3%A5%B7%A5%E2">ピアニッシモ</a>&gt;の調べは――優しさの表れでもありますから」</p> <p> </p> <p>――久遠√終盤</p> </blockquote> <p> </p> <blockquote> <p>海の向こう、東京の街の方を仰ぎ見る。</p> <p>彼に伝えていない事がある。</p> <p>結局言えなかった、最後の真実。</p> <p>「全ての真実を明かしても、彼は私の事を赦してくれるでしょうか――」</p> <p>貴方の大切な人を死に至らしめた私を。</p> <p> </p> <p>貴方は赦してくれますか――?</p> <p> </p> <p>願わくば、あの人が居る世界の夢を、貴方が観られますように――</p> <p> </p> <p>――久遠/<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D4%A5%A2%A5%CB%A5%C3%A5%B7%A5%E2">ピアニッシモ</a> CONDUCTOR</p> </blockquote> <p> </p> <blockquote> <p>「――本来有り得ない未来です」</p> <p>彼女は小声で漏らした。</p> <p> </p> <p>――発言者明記されず/綾音√/<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D4%A5%A2%A5%CB%A5%C3%A5%B7%A5%E2">ピアニッシモ</a></p> </blockquote> <p> </p> <p> (了)</p> <p> </p> <div class="amazlet-box" style="margin-bottom: 0px;"> <div class="amazlet-image" style="float: left; margin: 0px 12px 1px 0px;"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B000GSOVVK/114alme-22/ref=nosim/" target="_blank" name="amazletlink"><img src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/41A1BHGVWNL._SL160_.jpg" alt="PP -ピアニッシモ- 操リ人形ノ輪舞" /></a></div> <div class="amazlet-info" style="line-height: 120%; margin-bottom: 10px;"> <div class="amazlet-name" style="margin-bottom: 10px; line-height: 120%;"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B000GSOVVK/114alme-22/ref=nosim/" target="_blank" name="amazletlink">PP -ピアニッシモ- 操リ人形ノ輪舞</a> <div class="amazlet-powered-date" style="font-size: 80%; margin-top: 5px; line-height: 120%;"> </div> </div> <div class="amazlet-detail"><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Innocent%20Grey">Innocent Grey</a> (<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/2006-09-29">2006-09-29</a>)</div> <div class="amazlet-sub-info" style="float: left;"> <div class="amazlet-link" style="margin-top: 5px;"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B000GSOVVK/114alme-22/ref=nosim/" target="_blank" name="amazletlink">Amazon.co.jpで詳細を見る</a></div> </div> </div> <div class="amazlet-footer" style="clear: left;"> </div> </div> <table style="border-collapse: separate; border-spacing: 5px; border: none 0;" border="0" cellpadding="5"> <tbody> <tr> <td style="vertical-align: top; text-align: left;" align="left" valign="top"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00CSJBZFK/114alme-22/ref=nosim/" target="_blank"><img src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/519Rsb2A0XL.jpg" alt="Innocent Grey premium box「PARANOIA(パラノイア)」 通常版" /></a></td> <td style="vertical-align: top; text-align: left;" align="left" valign="top"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00CSJBZFK/114alme-22/ref=nosim/" target="_blank">Innocent Grey <br />premium box<br />「PARANOIA(パラノイア)」<br /> 通常版</a><br /><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Windows%20XP">Windows XP</a><br /><br /><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Innocent%20Grey">Innocent Grey</a><br /><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00CSJBZFK/114alme-22/ref=nosim/" target="_blank">Amazonで詳しく見る</a></td> </tr> </tbody> </table> <table style="border-collapse: separate; border-spacing: 5px; border: none 0;" border="0" cellpadding="5"> <tbody> <tr> <td style="vertical-align: top; text-align: left;" align="left" valign="top"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0046ZSX7C/114alme-22/ref=nosim/" target="_blank"><img src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/51C8G1A6N2L._SL160_.jpg" alt="Innocent Grey Haruka Shimotsuki Collection「トロイメライ-Traumerei-」" /></a></td> <td style="vertical-align: top; text-align: left;" align="left" valign="top"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0046ZSX7C/114alme-22/ref=nosim/" target="_blank">Innocent Grey<br /> Haruka Shimotsuki Collection<br />「トロイメライ-Traumerei-」</a><br />No Operating System<br /><br /><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Innocent%20Grey">Innocent Grey</a><br /><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0046ZSX7C/114alme-22/ref=nosim/" target="_blank">Amazonで詳しく見る</a></td> </tr> </tbody> </table> <p><br /><br /></p> <h4>ギャルゲーレビュー・感想他記事</h4> <p><iframe class="embed-card embed-blogcard" style="display: block; width: 100%; height: 190px; max-width: 500px; margin: 10px 0px;" title="こなたよりかなたまで考察――無限のように生きる―― - 猫箱ただひとつ" src="https://hatenablog-parts.com/embed?url=http%3A%2F%2Feroge-pc.hatenablog.jp%2Fentry%2Fkonatayori_kanatamade" frameborder="0" scrolling="no"></iframe></p> <p><a 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href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C7%A7%C3%CE%BE%C9">認知症</a>のような脳機能障害等……によって人格が変わってしまった者をそれでも「その人」だと見做せるだろうか? </p> <p>十年前からこれについて考えていたけど、私は<strong>無理だ</strong>という結論を下していた。</p> <p>先程まではおとなしかったのに突然テンション爆上げでコミュニケーションを取ってきたり、ス<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%C8%A1%BC">トー</a>カー行為を平然と行うも批判精神が欠落しているので悪い事と思えなくなったり、夜中に人の都合おかまいなしで電話を何度もかけてくる。平気で嘘をつくようになる。記憶が混濁している為会話が成立しないというのは……いくらその人が「以前」は良い人だったとしても「今」はそうではないのだ。</p> <p>その原因が例え「病」だとしてもそんなのは周囲には、私には、全然関係ない。本当に関係ないのだ。それが「ストレスのせい」だろうが「ピンク<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%E6%A5%CB%A5%B3%A1%BC%A5%F3">ユニコーン</a>のお告げ」だろうがそいつが今現在クソ野郎なのは変わらないのだから。</p> <p>画面の向こう側にいる分にはいいかもしれない。</p> <p>いくらその人が非道い事をやろうとも傍から見る分には同情の余地があり、可哀想で、お情けをかけたくなるかもしれない。少しくらいの異常は目を瞑ってやってもいいだろう。なにせ私に害はないからな。</p> <p>しかしそれが常時、あるいはある頻度で<strong>自分の身</strong>に降りかかるならばそんな事は言っていられなくなる。</p> <p>自分と大幅に違う倫理観や常識を持つものを人は「同じもの」とは見せず、そして耐えきれなくなればこいつは狂っていると認識するしかなくなるし、自分の側から遠ざけようとするものだ。そう思うことを「間違っている」と言うのは容易いが言葉だけの正しさならば確かにそれは正しい。"ああ、これぞ現実の不条理ってやつかな。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B7%A5%E5%A1%BC%A5%EB%A5%EC">シュールレ</a>アリズム。教えてください<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AB%A5%D5%A5%AB">カフカ</a>先生"</p> <p>映画『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C0%A4%B3%A6%A4%CB%A4%D2%A4%C8%A4%C4%A4%CE%A5%D7%A5%EC%A5%A4%A5%D6%A5%C3%A5%AF">世界にひとつのプレイブック</a>』は精神病を患った男女がトラブルを起こしつつも周囲に助けてもらうお話であり、人は何かしら狂っているものだよと締めくくる。</p> <p><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%ED%AF%DD%B5%C9%C2">躁鬱病</a>だと診断されたバット、性依存症である<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%C6%A5%A3%A5%D5%A5%A1%A5%CB%A1%BC">ティファニー</a>。確かに彼らはその病名通りちぐはぐであり、現社会からすれば“狂って”いる。</p> <p>だがバットの<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C9%E3%BF%C6">父親</a>はオカルティックな方法を用いればアメフトに勝てると信じ、隣人は仕事も家庭もありながら仕事と家庭に圧迫されて死に体だ。</p> <p>“健常”たる彼らも診断されないだけで、どこか歪で、壊れているのだと本作は指し示す。ひいては『人生はいろんな方法で人を傷つける うまく言えないが 誰だってクレージーな部分はあるだろ?』と最後の最後でバットは言い放つのだろう。</p> <p>しかしそんなのは<strong>当たり前</strong>だ。</p> <p>本来倫理も正義も善悪もこの世には存在しない。それを定めてきたのは人類であるし、もっといえば「その社会」なのである。社会がこれが善だと言えば、それは善になる。悪だと定義すれば悪になる。</p> <p>だから<span style="text-decoration: underline;">己が所属する社会</span>から見て、狂っていると判断されるならばそれは狂っている事になる。</p> <p>そこを取り払ってしまえば、そりゃ、皆狂ってるよ。どこかおかしいさ。正しいだけの四角四面の人間なんているわけねーだろ。程度問題なんだよ。その程度問題を極端にすり替えて「誰だってクレイジーな部分はあるだろ?」なんて言ってみた所でバットらがあの中で最も<span style="font-size: 80%;">(所属社会の中で)</span>“狂って”いるし、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C9%E3%BF%C6">父親</a>も隣人もそこから見れば全然“狂って”はいない。</p> <p>社会が違えば、バットらが正常で、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C9%E3%BF%C6">父親</a>らが異常と見做すかもしれない。それはそれで(その社会から見て) 正しい。</p> <p>そしてそんな異常だと定義されたバットらを支える家族を尊敬するし、私だったら例え家族だろうと厭になってしまうだろう。</p> <p>この映画はそんな変わり果てた人間を家族から、隣人から、第三者から眺められるようになっているし、逆にもしも自分がこの状態になったら?という想像を働かせるものになっている。</p> <p>それはある意味で恐怖だよね。こうはなりたくないと思わせてくれるもの。エンドロールが流れれば自分はそうではないという現状に安心感を覚え、ほっと、一息つくわけだ。</p> <p> </p> <p>……と、だいぶ意地悪な見方をしてきたが『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C0%A4%B3%A6%A4%CB%A4%D2%A4%C8%A4%C4%A4%CE%A5%D7%A5%EC%A5%A4%A5%D6%A5%C3%A5%AF">世界にひとつのプレイブック</a>』は私は好きな物語であるし、読後感もよい。まるでこの世界は苦しい事があっても最後には幸せになれるよと提示してくれるからだろうか。</p> <p>でもそれはどこか御伽噺の風体であり、ラストで「――という夢を見ていたんだ」となっていても全然驚かなかっただろう。</p> <p>(了)</p> <div class="amazlet-box" style="margin-bottom: 0px;"> <div class="amazlet-image" style="float: left; margin: 0px 12px 1px 0px;"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00CU3DC64/114alme-22/ref=nosim/" target="_blank" name="amazletlink"><img style="border: none;" src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/5142sv8v8IL.jpg" alt="世界にひとつのプレイブック Blu-rayコレクターズ・エディション" /></a></div> <div class="amazlet-info" style="line-height: 120%; margin-bottom: 10px;"> <div class="amazlet-name" style="margin-bottom: 10px; line-height: 120%;"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00CU3DC64/114alme-22/ref=nosim/" target="_blank" name="amazletlink">世界にひとつのプレイブック Blu-rayコレクターズ・エディション</a> <div class="amazlet-powered-date" style="font-size: 80%; margin-top: 5px; line-height: 120%;"> </div> </div> <div class="amazlet-detail"><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C5%EC%CA%F5">東宝</a> (2013-08-23)<br />売り上げランキング: 6,489</div> <div class="amazlet-sub-info" style="float: left;"> <div class="amazlet-link" style="margin-top: 5px;"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00CU3DC64/114alme-22/ref=nosim/" target="_blank" name="amazletlink">Amazon.co.jpで詳細を見る</a></div> </div> </div> <div class="amazlet-footer" style="clear: left;"> </div> </div> <div class="amazlet-box" style="margin-bottom: 0px;"> <div class="amazlet-image" style="float: left; margin: 0px 12px 1px 0px;"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0141VYLXK/114alme-22/ref=nosim/" target="_blank" name="amazletlink"><img style="border: none;" src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/61QYYpj9EgL.jpg" alt="『百花繚乱エリクシル』リニューアルパッケージ" width="270" /></a></div> <div class="amazlet-info" style="line-height: 120%; margin-bottom: 10px;"> <div class="amazlet-name" style="margin-bottom: 10px; line-height: 120%;"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0141VYLXK/114alme-22/ref=nosim/" target="_blank" name="amazletlink">『百花繚乱エリクシル』リニューアルパッケージ</a> <div class="amazlet-powered-date" style="font-size: 80%; margin-top: 5px; line-height: 120%;"> </div> </div> <div class="amazlet-detail"><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/AXL">AXL</a>(アクセル) (2015-09-11)</div> <div class="amazlet-sub-info" style="float: left;"> <div class="amazlet-link" style="margin-top: 5px;"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0141VYLXK/114alme-22/ref=nosim/" target="_blank" name="amazletlink">Amazon.co.jpで詳細を見る</a></div> </div> </div> <div class="amazlet-footer" style="clear: left;"> </div> </div> <p> 他記事</p> <p><iframe class="embed-card embed-blogcard" style="display: block; width: 100%; height: 190px; max-width: 500px; margin: 10px 0px;" title="思考速度とタイピング、フレームと発見、作家論とqwerty配列 - 猫箱ただひとつ" src="https://hatenablog-parts.com/embed?url=http%3A%2F%2Feroge-pc.hatenablog.jp%2Fentry%2F2017%2F07%2F10%2F220000" frameborder="0" scrolling="no"></iframe><cite class="hatena-citation"><a href="http://eroge-pc.hatenablog.jp/entry/2017/07/10/220000">eroge-pc.hatenablog.jp</a></cite></p> <p><iframe class="embed-card embed-blogcard" style="display: block; width: 100%; height: 190px; max-width: 500px; margin: 10px 0px;" title="ライトでポップな推理ゲーム、ダンガンロンパは面白かった。…のかな?(感想) - 猫箱ただひとつ" src="https://hatenablog-parts.com/embed?url=http%3A%2F%2Feroge-pc.hatenablog.jp%2Fentry%2F2017%2F07%2F14%2F220000" frameborder="0" scrolling="no"></iframe><cite class="hatena-citation"><a href="http://eroge-pc.hatenablog.jp/entry/2017/07/14/220000">eroge-pc.hatenablog.jp</a></cite></p> <p><iframe class="embed-card embed-blogcard" style="display: block; width: 100%; height: 190px; max-width: 500px; margin: 10px 0px;" title="海街diary、シン・ゴジラ最近見た映画のちょっとした感想を。 - 猫箱ただひとつ" src="https://hatenablog-parts.com/embed?url=http%3A%2F%2Feroge-pc.hatenablog.jp%2Fentry%2F2017%2F07%2F19%2F220000" frameborder="0" scrolling="no"></iframe><cite class="hatena-citation"><a href="http://eroge-pc.hatenablog.jp/entry/2017/07/19/220000">eroge-pc.hatenablog.jp</a></cite></p> <p> </p> bern-kaste カルタグラ 感想 hatenablog://entry/10328749687252557026 2017-07-28T22:00:00+09:00 2017-07-28T22:00:19+09:00 *ネタバレ注意 ――それは、妄執と狂気に至る愛。 <p>*ネタバレ注意</p> <p><img class="hatena-fotolife" title="f:id:bern-kaste:20170712000307j:plain" src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/b/bern-kaste/20170712/20170712000307.jpg" alt="f:id:bern-kaste:20170712000307j:plain" width="440" /></p> <p>――それは、妄執と狂気に至る愛。</p> <p>と劇中で言われるように、上月由良の狂いによって秋五のまわりは死体が積み上がり、やがてはその隣に居座ろうとするまでのお話。</p> <p>子宮を喰らう、装飾死体―――それらの惨殺をきっちり描くのでインモラルな雰囲気が絶えず付きまとい、まるで<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B0%A5%CE%A1%BC%A5%B7%A5%B9">グノーシス</a>的価値観がセカイを覆うような・・・直視するのが痛かった作品だ。<a href="#f-bd0c3ef4" name="fn-bd0c3ef4" title="ただ数年前に比べるとこの手の作品になれたのかそこまでキツイというわけでもなかったのは意外だった。">*1</a></p> <p>しかし上月和菜の存在によって息苦しい程というわけではなくなっているのが面白い。「やかましい女」と秋五が評するように、確かにうるさいし、時にうっとうしいのだが、慣れてくると彼女の「朗らかさ」が癒やしになってくるものだ。</p> <p>凍てついた世界観だからこそ、この呑気さは貴重であり、可愛く見えてくるのだろう。心のうちに濁ったものが無いというのはそれだけで魅力的であり、体の奥が悴んでいるのならば尚更に。</p> <p>それは初音や楼子も同じで、彼女らの無垢さに度々救われていたなと思う。特に綾崎楼子は、秋五と思い出があるから愛着を覚えてしまうのだがどの√でも怪奇死体に成り果てるという……アアア!!</p> <p><span style="font-size: 80%;">(そういえば彼女との過去は一切ディティールを与えられない所は面白い。“与えない”とその空白を私たちは埋めようとするのが+に働いている例かもしれない)</span></p> <p>とはいえ、対極に位置する祠草時子さんも好きだったりする。あの病んだ感じがたまらず、ヤク中ってのもグッド。心と身体どちらもボロボロというのが良いんですよね。守ってあげたくなるので。(そして結局は……)</p> <p> </p> <blockquote> <p><img class="hatena-fotolife" title="f:id:bern-kaste:20170712201253j:plain" src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/b/bern-kaste/20170712/20170712201253.jpg" alt="f:id:bern-kaste:20170712201253j:plain" /></p> <p>――祠草時子/<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AB%A5%EB%A5%BF%A5%B0%A5%E9">カルタグラ</a></p> </blockquote> <p> </p> <p><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AB%A5%EB%A5%BF%A5%B0%A5%E9">カルタグラ</a>はCGを段階的に表示して、漫画のような時間感覚を表現し、かつ、それがシーンとちゃんと合致しているのが好印象であった。</p> <p>全体的に演出面はしっかりしているし、間延びせず、きっちりと物語を纏め上げたのも良かったなと思う。人におすすめもできるサイコサスペンスだろうか。</p> <p>私的満足度は★★★(3.9)で、疑似客観視は★★★★(4.0)は十分見込めるはず。</p> <p> </p> <div class="amazlet-box" style="margin-bottom: 0px;"> <div class="amazlet-image" style="float: left; margin: 0px 12px 1px 0px;"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B000A8SZO0/114alme-22/ref=nosim/" target="_blank" name="amazletlink"><img style="border: none;" src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/61KbWnOhLYL.jpg" alt="カルタグラ ~ ツキ狂イノ病 ~" /></a></div> <div class="amazlet-info" style="line-height: 120%; margin-bottom: 10px;"> <div class="amazlet-name" style="margin-bottom: 10px; line-height: 120%;"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B000A8SZO0/114alme-22/ref=nosim/" target="_blank" name="amazletlink">カルタグラ ~ ツキ狂イノ病 ~</a> <div class="amazlet-powered-date" style="font-size: 80%; margin-top: 5px; line-height: 120%;"> </div> </div> <div class="amazlet-detail"><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Innocent%20Grey">Innocent Grey</a></div> <div class="amazlet-sub-info" style="float: left;"> <div class="amazlet-link" style="margin-top: 5px;"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B000A8SZO0/114alme-22/ref=nosim/" target="_blank" name="amazletlink">Amazon.co.jpで詳細を見る</a></div> </div> </div> <div class="amazlet-footer" style="clear: left;"> </div> </div> <div class="amazlet-box" style="margin-bottom: 0px;"> <div class="amazlet-image" style="float: left; margin: 0px 12px 1px 0px;"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00CSJBZFK/114alme-22/ref=nosim/" target="_blank" name="amazletlink"><img style="border: none;" src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/519Rsb2A0XL._SL160_.jpg" alt="Innocent Grey premium box「PARANOIA(パラノイア)」 通常版" /></a></div> <div class="amazlet-info" style="line-height: 120%; margin-bottom: 10px;"> <div class="amazlet-name" style="margin-bottom: 10px; line-height: 120%;"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00CSJBZFK/114alme-22/ref=nosim/" target="_blank" name="amazletlink">Innocent Grey premium box「PARANOIA(パラノイア)」 通常版</a> <div class="amazlet-powered-date" style="font-size: 80%; margin-top: 5px; line-height: 120%;"> </div> </div> <div class="amazlet-detail"><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Innocent%20Grey">Innocent Grey</a> (2013-06-14)</div> <div class="amazlet-sub-info" style="float: left;"> <div class="amazlet-link" style="margin-top: 5px;"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00CSJBZFK/114alme-22/ref=nosim/" target="_blank" name="amazletlink">Amazon.co.jpで詳細を見る</a></div> </div> </div> <div class="amazlet-footer" style="clear: left;"> </div> </div> <div class="amazlet-box" style="margin-bottom: 0px;"> <div class="amazlet-image" style="float: left; margin: 0px 12px 1px 0px;"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0111E6AN4/114alme-22/ref=nosim/" target="_blank" name="amazletlink"><img style="border: none;" src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/41mX39xrOzL.jpg" alt="杉菜水姫(スギナミキ)作品第二集『花葬』【書籍】" /></a></div> <div class="amazlet-info" style="line-height: 120%; margin-bottom: 10px;"> <div class="amazlet-name" style="margin-bottom: 10px; line-height: 120%;"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0111E6AN4/114alme-22/ref=nosim/" target="_blank" name="amazletlink">杉菜水姫(スギナミキ)作品第二集『花葬』【書籍】</a> <div class="amazlet-powered-date" style="font-size: 80%; margin-top: 5px; line-height: 120%;"> </div> </div> <div class="amazlet-detail">InnocentGrey (2015-11-27)<br />売り上げランキング: 1,219</div> <div class="amazlet-sub-info" style="float: left;"> <div class="amazlet-link" style="margin-top: 5px;"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0111E6AN4/114alme-22/ref=nosim/" target="_blank" name="amazletlink">Amazon.co.jpで詳細を見る</a></div> </div> </div> <div class="amazlet-footer" style="clear: left;"> </div> </div> <p>お兄ちゃん劇love七七ちゃん? たこ焼きのおじさん?<cite> 彼らのこと</cite>もなにか話したいと思っていたんだけど特に語りたいことはなかったのですはい。</p> <h4>ギャルゲー関連記事</h4> <p><iframe class="embed-card embed-blogcard" style="display: block; width: 100%; height: 190px; max-width: 500px; margin: 10px 0px;" title="はつゆきさくら考察_死者が生者へと至るためには何が必要か?(26587文字) - 猫箱ただひとつ" src="https://hatenablog-parts.com/embed?url=http%3A%2F%2Feroge-pc.hatenablog.jp%2Fentry%2Fhatuyukisakura_SAGAPLANETS" frameborder="0" scrolling="no"></iframe><cite class="hatena-citation"></cite><a href="http://eroge-pc.hatenablog.jp/entry/hatuyukisakura_SAGAPLANETS">はつゆきさくら考察_死者が生者へと至るためには何が必要か?(26587文字)</a></p> <p><iframe class="embed-card embed-blogcard" style="display: block; width: 100%; height: 190px; max-width: 500px; margin: 10px 0px;" title="「いろとりどりのセカイ」 総括_君は決して一人じゃない (6414文字) - 猫箱ただひとつ" src="https://hatenablog-parts.com/embed?url=http%3A%2F%2Feroge-pc.hatenablog.jp%2Fentry%2F2013%2F11%2F01%2F025629" frameborder="0" scrolling="no"></iframe></p> <p><a href="http://eroge-pc.hatenablog.jp/entry/2013/11/01/025629">「いろとりどりのセカイ」 総括_君は決して一人じゃない (6414文字) -</a></p><div class="footnote"> <p class="footnote"><a href="#fn-bd0c3ef4" name="f-bd0c3ef4" class="footnote-number">*1</a><span class="footnote-delimiter">:</span><span class="footnote-text">ただ数年前に比べるとこの手の作品になれたのかそこまでキツイというわけでもなかったのは意外だった。</span></p> </div> bern-kaste 萌え、萌え?①(恋カケ~げんしけん) hatenablog://entry/8599973812278208138 2017-07-24T22:00:00+09:00 2017-07-24T22:00:54+09:00 (1)内面類推と萌えの関係性 「萌え」とは明確な定義が決まっておらず、発言者によってゆらぎがある言葉だ。私自身は深い感情に出会った時に、それも可愛いの最上級として使っている。 今回はそんな萌えの発動条件・因子はどこにあるのか?と興味をもったのが本記事を書くきっかけになっており、考え途中だが、結論としては「キャラクターの内面を想像しえる」ことが一つのポイントかなと。 例えば『げんしけん』18巻アンジェラにめろってる斑目・・・を見てるスーと波戸がとっても不満げで、むー!、ってなる表情が大変に萌えである。 <h3>(1)内面類推と萌えの関係性</h3> <p><img class="hatena-fotolife" title="f:id:bern-kaste:20170718231147j:plain" src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/b/bern-kaste/20170718/20170718231147.jpg" alt="f:id:bern-kaste:20170718231147j:plain" width="272" /></p> <p>「萌え」とは明確な定義が決まっておらず、発言者によってゆらぎがある言葉だ。私自身は<span style="text-decoration: underline;">深い感情</span>に出会った時に、それも<span style="color: #0000cc;"><strong>可愛いの最上級</strong></span>として使っている。</p> <p>今回はそんな萌えの発動条件・因子はどこにあるのか?と興味をもったのが本記事を書くきっかけになっており、考え途中だが、結論としては「<strong>キャラクターの内面を想像しえる</strong>」ことが一つのポイントかなと。</p> <p>例えば『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A4%B2%A4%F3%A4%B7%A4%B1%A4%F3">げんしけん</a>』18巻アンジェラにめろってる<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C8%C3%CC%DC">斑目</a>・・・を見てるスーと波戸がとっても不満げで、むー!、ってなる表情が大変に萌えである。</p> <p>例えば『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A2%A5%AA%A5%CF%A5%E9%A5%A4%A5%C9">アオハライド</a>』1話における田中洸が双葉を夏祭りに誘うシーン、彼は顔を真っ赤にさせながら、腕で口元を隠そうとする、ここが実に萌えである。</p> <p>例えば、『いつか、届く、あの空に』の桜守姫此芽さんによる策くんloveモノローグ。彼女の心中を知るとき全プレイヤーは萌え死する。</p> <p>例えば『本好きの図書館』で家族同然だと言うマインに、表情を見せないようにするフェルディナンド様。まさか自分を恨んでいるであろう少女に、わわ私が家族同然だと?馬鹿な!!っと混乱している(であろう)様子が大変よろしい。<span style="text-decoration: line-through; font-size: 80%;">大変よろしい!</span></p> <p>例えば、『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%CE%F8%A1%DF%A5%B7%A5%F3%A5%A2%A5%A4%C8%E0%BD%F7">恋×シンアイ彼女</a>』ではじめてスタバ注文する(幼少時の)國見洸太郎。</p> <p> </p> <blockquote> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>洸太郎「これ、ください」</strong></span><br /><br /><span style="color: #286f2c;"><strong>店員「サイズはどうされますか」</strong></span><br /><br /><span style="color: #286f2c;"><strong>洸太郎「さ、サイズ???」</strong></span><br /><br /><span style="color: #286f2c;"><strong>洸太郎「あの、普通ので」</strong></span><br /><br /><span style="color: #286f2c;"><strong>店員「レギュラーですね」</strong></span><br /><br /><span style="color: #286f2c;"><strong>洸太郎「は。はい。満タンでっ」</strong></span><br /><br /><span style="color: #286f2c;"><strong>店員「くすくす」</strong></span></p> <p><br /><span style="color: #286f2c;"><strong>洸太郎「~~~」</strong></span></p> <p><br />――共通√・幼少期(<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%CE%F8%A1%DF%A5%B7%A5%F3%A5%A2%A5%A4%C8%E0%BD%F7">恋×シンアイ彼女</a>)</p> </blockquote> <p><span style="text-decoration: line-through; font-size: 80%;">ここ可愛すぎてほんとやばい……。</span></p> <p>あるいは千年級のアイドル級の人物が今回のターゲットだと分かった時の洸太郎の反応。</p> <p> </p> <blockquote> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>洸太郎「ええ!?」</strong></span><br /><br /><span style="color: #286f2c;"><strong>洸太郎「つまり……森田くんに告白するってのは、橋本かんにゃに告白するってことか?」</strong></span><br /><br /><span style="color: #286f2c;"><strong><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BA%CC%B2%BB">彩音</a>「ま、まぁ、たとえると、そういうことね」</strong></span><br /><br /><span style="color: #286f2c;"><strong>洸太郎「あわわわわわ」</strong></span><br /><br /><span style="color: #286f2c;"><strong>洸太郎「これはすごいことだぞ。お前、どうするんだ。千年に一度のことだぞ、これは」</strong></span><br /><br /></p> <p><img class="hatena-fotolife" title="f:id:bern-kaste:20170710194343j:plain" src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/b/bern-kaste/20170710/20170710194343.jpg" alt="f:id:bern-kaste:20170710194343j:plain" /></p> <p> ――星奏√(<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%CE%F8%A1%DF%A5%B7%A5%F3%A5%A2%A5%A4%C8%E0%BD%F7">恋×シンアイ彼女</a>)</p> </blockquote> <p> </p> <p>普段芸能ネタに興味なさそうなのに橋本かんにゃは知っていること、そしていつも落ち着いている彼が何故かこの時に限って(!)動揺しまくっているのが可愛すぎだと思います。</p> <p> </p> <div class="amazlet-footer" style="clear: left;"> </div> <div class="amazlet-box" style="margin-bottom: 0px;"> <div class="amazlet-image" style="float: left; margin: 0px 12px 1px 0px;"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00X9FKBW0/114alme-22/ref=nosim/" target="_blank" name="amazletlink"><img style="border: none;" src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/61c1iRGTdEL.jpg" alt="恋×シンアイ彼女 初回版" width="367" /></a></div> <div class="amazlet-info" style="line-height: 120%; margin-bottom: 10px;"> <div class="amazlet-name" style="margin-bottom: 10px; line-height: 120%;"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00X9FKBW0/114alme-22/ref=nosim/" target="_blank" name="amazletlink">恋×シンアイ彼女 初回版</a> <div class="amazlet-powered-date" style="font-size: 80%; margin-top: 5px; line-height: 120%;"> </div> </div> <div class="amazlet-detail">Us:track (2015-10-30)</div> <div class="amazlet-sub-info" style="float: left;"> <div class="amazlet-link" style="margin-top: 5px;"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00X9FKBW0/114alme-22/ref=nosim/" target="_blank" name="amazletlink">Amazon.co.jpで詳細を見る</a></div> </div> </div> <div class="amazlet-footer" style="clear: left;"> </div> </div> <p>――とまあ、こういうケースにて私は「萌え」を感じるのね。あーもう!あーもうっ!って足ばたばたしちゃうし、物理的に出来ない時は仮想した足をばたつかせる。「満タンでっ」はもち高速アシバタ。</p> <p>これは「キャラクターの内面が想像可能」な時に起こっていると見ていて、対象の表情・発言からどんなことを感じているのか、想っているのか――同時に言動と周囲の温度差――によってもたらされる人物の心情を類推する時に萌えは生まれるのだと考える。</p> <p>逆に「キャラクターの内面が可視化」される場合、この手の感情は起こりにくくなる。要はモノローグが多い作品で、事細かに心情をさらけ出してしまえばプレイヤーの「想像」というファクターは鳴りを潜めざるを得ないからだ。</p> <p>けれどこのモノローグが何らかの理由で「想像可能」になっていれば、この限りではない。</p> <p>『いつ空』の此芽独白は、「なぜ“桜守姫此芽”がそんなことを言うのか?」という状況を構築するが故にこれを満たしているのである。だからプレイヤーはモノローグでありながら「疑問」の名の元にヒロインの胸中を類<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BF%E4%A4%B7">推し</a>、結果萌えちゃう。</p> <p> </p> <div class="amazlet-box" style="margin-bottom: 0px;"> <div class="amazlet-image" style="float: left; margin: 0px 12px 1px 0px;"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B000K7UNLO/114alme-22/ref=nosim/" target="_blank" name="amazletlink"><img style="border: none;" src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/51SXLKbGjaL.jpg" alt="いつか、届く、あの空に。初回版" width="275" /></a></div> <div class="amazlet-info" style="line-height: 120%; margin-bottom: 10px;"> <div class="amazlet-name" style="margin-bottom: 10px; line-height: 120%;"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B000K7UNLO/114alme-22/ref=nosim/" target="_blank" name="amazletlink">いつか、届く、あの空に。初回版</a> <div class="amazlet-powered-date" style="font-size: 80%; margin-top: 5px; line-height: 120%;"> </div> </div> <div class="amazlet-detail"><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Lump%20of%20Sugar">Lump of Sugar</a> (2007-01-26)</div> <div class="amazlet-sub-info" style="float: left;"> <div class="amazlet-link" style="margin-top: 5px;"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B000K7UNLO/114alme-22/ref=nosim/" target="_blank" name="amazletlink">Amazon.co.jpで詳細を見る</a></div> </div> </div> <div class="amazlet-footer" style="clear: left;"> </div> </div> <p>これ「言葉数が少ないキャラ」が可愛いのも同じ理屈だと思う。</p> <p><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/kanon">kanon</a>の舞とか、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Angel%20Beats%21">Angel Beats!</a>の天使ちゃん、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%E3%D2%CD%E3%A4%CE%A5%E6%A1%BC%A5%B9%A5%C6%A5%A3%A5%A2">穢翼のユースティア</a>のアイリス、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AE%A5%E3%A5%F3%A5%B0%A5%B9%A5%BF">ギャングスタ</a>・リパブリカの凛堂禊、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%CB%CD%A4%CF%CD%A7%C3%A3%A4%AC%BE%AF%A4%CA%A4%A4">僕は友達が少ない</a>の小鳩……etc</p> <p>彼女たちはあんまり喋らないので、会話だけではどんな感情を有しているのか分かり難いのね。なので表情とか、行動を伺う必要性がではじめ、結果内面類推する頻度が然普通のキャラクターより多くなる。</p> <p>ぷすーっとしてたら「この言い方は不味かったか?」とか、その後の行動で「ああ、お腹へってただけか」とかそういうね。</p> <p>リースが可愛いのもそこらへん大きいと思ってる。</p> <p> </p> <blockquote> <p><img class="hatena-fotolife" title="f:id:bern-kaste:20170718233948j:plain" src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/b/bern-kaste/20170718/20170718233948.jpg" alt="f:id:bern-kaste:20170718233948j:plain" /></p> <p>――リース/<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%CC%EB%CC%C0%A4%B1%C1%B0%A4%E8%A4%EA%CE%DC%CD%FE%BF%A7%A4%CA">夜明け前より瑠璃色な</a>/<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AA%A1%BC%A5%AC%A5%B9%A5%C8">オーガスト</a></p> </blockquote> <p><span style="font-size: 80%;">ぷすー。</span></p> <p> </p> <p> </p> <h3>(2)萌えは情動あってこそのもの</h3> <p> </p> <p>これは<span style="color: #0000cc;"><strong>キャラクターに情動の揺れがある</strong></span>いう前提に立ったものだ。逆にいえば情動の揺れがなければ(内面類推による)萌えも起こらなくなる。</p> <p>男の子がひたすら散歩するシーンがあったとしよう。そこにはなんの出会いも、事件も起きない。なので彼が驚いたり、感心することもないし、心に波風立てないままひたすらに歩き続けるのである。</p> <p>足を動かし、背景がゆるやかに変遷していくだけのシーン。</p> <p>そんなシーンで萌えることは無い。のだとすれば、キャラクターの「情動の揺れ」こそが萌えにおける重要な視点であると言える。</p> <p>同様にキャラクターの性質上「<strong>情動が起こり得ない</strong>」場合も上記のケースに当てはまる筈だ。</p> <p>例えば<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/DTB">DTB</a>の黒<ヘイ>、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BA%C7%B2%CC%A4%C6%A4%CE%A5%A4%A5%DE">最果てのイマ</a>の灰野、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A4%B1%A4%E2%A4%CE%A5%D5%A5%EC%A5%F3%A5%BA">けものフレンズ</a>のセルリアン、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Ruina">Ruina</a>の空の巨人、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Angel%20Beats%21">Angel Beats!</a>の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/NPC">NPC</a>……etc</p> <p> </p> <div class="amazlet-box" style="margin-bottom: 0px;"> <div class="amazlet-image" style="float: left; margin: 0px 12px 1px 0px;"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00XTPOT2I/114alme-22/ref=nosim/" target="_blank" name="amazletlink"><img style="border: none;" src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/515vJz0wbEL._SL160_.jpg" alt="最果てのイマ -COMPLETE-【同梱特典:1.『最果てのイマ コンプリートブックレット』オールカラー64P 2.『最果てのイマ』オリジナルサウンドトラック付き】" /></a></div> <div class="amazlet-info" style="line-height: 120%; margin-bottom: 10px;"> <div class="amazlet-name" style="margin-bottom: 10px; line-height: 120%;"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00XTPOT2I/114alme-22/ref=nosim/" target="_blank" name="amazletlink">最果てのイマ -COMPLETE-【同梱特典:1.『最果てのイマ コンプリートブックレット』オールカラー64P 2.『最果てのイマ』オリジナルサウンドトラック付き】</a> <div class="amazlet-powered-date" style="font-size: 80%; margin-top: 5px; line-height: 120%;"> </div> </div> <div class="amazlet-detail"><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B6%A5%A6%A5%B9">ザウス</a>(純米) (2015-07-31)</div> <div class="amazlet-sub-info" style="float: left;"> <div class="amazlet-link" style="margin-top: 5px;"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00XTPOT2I/114alme-22/ref=nosim/" target="_blank" name="amazletlink">Amazon.co.jpで詳細を見る</a></div> </div> </div> <div class="amazlet-footer" style="clear: left;"> </div> </div> <p>彼らは感情が希薄、あるいは完全に欠落しているので――その心的機構を精度高くエミュレートするほど――プレイヤー側も情動が沸き起こらない心情を味わうのである。</p> <p>結果、内面を類<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BF%E4%A4%B7">推し</a>てもそこに感情は無いため、萌えが生まれない。</p> <p>これが分かりやすいのが『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/DARKER%20THAN%20BLACK%20-%CE%AE%C0%B1%A4%CE%C1%D0%BB%D2-">DARKER THAN BLACK -流星の双子-</a>』。主人公である蘇芳(すおう)は感情の起伏が激しい女の子で、ころころ変わる表情は見ていてとても可愛らしい。</p> <p>1話~3話は特にそうで、彼女の怒り、悲しみ、喜びはダイレクトに視聴者に伝わるし、視聴者も彼女に換気され同種の情動を励起させていく。</p> <p>けれど3話終盤で彼女は<契約者>になってしまうので<span style="font-size: 80%;">――この世界では契約者になったものは感情が消えるとされる――</span>蘇芳(すおう)の可愛さは陰りを見せ始め、今まで彼女に萌えていた人もここを境にその頻度ががくんと下がったのではないだろうか。</p> <p>単一キャラクターの極端な「情動」の変化は、この物語とても分かりやすいので興味あったら見てはいかが?</p> <p> </p> <table style="border-collapse: separate; border-spacing: 5px; border: none 0;" border="0" cellpadding="5"> <tbody> <tr> <td style="vertical-align: top; text-align: left;" align="left" valign="top"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00GDFHIGA/114alme-22/ref=nosim/" target="_blank"><img src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/415Rue91u3L.jpg" alt="DARKER THAN BLACK -流星の双子-Blu-ray BOX(完全生産限定版)" /></a></td> <td style="vertical-align: top; text-align: left;" align="left" valign="top"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00GDFHIGA/114alme-22/ref=nosim/" target="_blank">DARKER THAN BLACK -流星の双子-Blu-ray BOX(完全生産限定版)</a><br /><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%CC%DA%C6%E2%BD%A8%BF%AE">木内秀信</a>,<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B2%D6%DF%B7%B9%E1%BA%DA">花澤香菜</a>,<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B2%AC%C2%BC%C5%B7%BA%D8">岡村天斎</a><br /><br /><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A2%A5%CB%A5%D7%A5%EC%A5%C3%A5%AF%A5%B9">アニプレックス</a><br />売り上げランキング : 20025<br /><br /><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00GDFHIGA/114alme-22/ref=nosim/" target="_blank">Amazonで詳しく見る</a></td> </tr> </tbody> </table> <p> </p> <p> </p> <h3> (3)外形による萌え</h3> <p> </p> <p>――内面類推。</p> <p>これは<span style="color: #0000cc;"><strong>作品のコンテキストに絡まってくる</strong></span>ものなため、一部分切り取って見ても、よく分からないに違いない。</p> <p>どうだろう? 先程私が例に上げた『恋カケ』のワンシーンを見て「ぐはっ」となった方はいただろうか。多分少ないと思う。</p> <p>それは國見洸太郎という人物、それまでの流れを踏まえないといけないから。キャラの内面を類推するには、類推するだけの情報がないと、<span style="text-decoration: underline;">類推まで漕ぎ着けられない</span>のである。</p> <p>故にそこだけ見せられても萌えることは難しい。</p> <p> </p> <p>ただ萌えは「内面類推」だけではなく、「<strong>外形</strong>」によってもたらされる事もある。</p> <p>先程挙げた『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A4%B1%A4%E8%A4%EA%A4%CA">けよりな</a>』のリースの1カットだけで、「////」って人もいたんじゃないかと思う。そのカットに至るまでの流れが分からなくても、一定水準見た目がよければ、萌えることも可能かもしれない。</p> <p>以下の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%CD%FC%B2%D6">梨花</a>ちゃま絵(<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A4%D2%A4%B0%A4%E9%A4%B7%A4%CE%A4%CA%A4%AF%BA%A2%A4%CB">ひぐらしのなく頃に</a>)も大変かわいらしいと思います。</p> <p> </p> <blockquote class="twitter-tweet" data-lang="ja"> <p dir="ltr" lang="ko">더워~~~ <a href="https://t.co/fr71eUJmTa">pic.twitter.com/fr71eUJmTa</a></p> — 양38 (@38nyann) <a href="https://twitter.com/38nyann/status/887720956763947008">2017年7月19日</a></blockquote> <p> </p> <p>内面を想像し得るからこそ・・・けれど・・・その外形的な可愛さからも「萌え」ることもあるんではなかろうか。</p> <p> </p> <div class="amazlet-box" style="margin-bottom: 0px;"> <div class="amazlet-image" style="float: left; margin: 0px 12px 1px 0px;"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B001LNNQ7Y/114alme-22/ref=nosim/" target="_blank" name="amazletlink"><img style="border: none;" src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/613cvQjtS8L.jpg" alt="夜明け前より瑠璃色な -Moonlight Cradle- 初回版プレミアムエディション" /></a></div> <div class="amazlet-info" style="line-height: 120%; margin-bottom: 10px;"> <div class="amazlet-name" style="margin-bottom: 10px; line-height: 120%;"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B001LNNQ7Y/114alme-22/ref=nosim/" target="_blank" name="amazletlink">夜明け前より瑠璃色な -Moonlight Cradle- 初回版プレミアムエディション</a> <div class="amazlet-powered-date" style="font-size: 80%; margin-top: 5px; line-height: 120%;"> </div> </div> <div class="amazlet-detail"><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AA%A1%BC%A5%AC%A5%B9%A5%C8">オーガスト</a> (2009-02-27)</div> <div class="amazlet-sub-info" style="float: left;"> <div class="amazlet-link" style="margin-top: 5px;"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B001LNNQ7Y/114alme-22/ref=nosim/" target="_blank" name="amazletlink">Amazon.co.jpで詳細を見る</a></div> </div> </div> <div class="amazlet-footer" style="clear: left;"> </div> </div> <p> </p> <p>ただ私は「外形」だけでは萌え足り得ないと思っていて、「内面類推」と合わさってこそだとは思う。</p> <p>外形は土台・因子にはなり得るけど、単体だけでは<span style="text-decoration: underline;">なかなか</span>"発芽"までは至らない。そう考えるのは私自身そういう経験があまり無いからである。</p> <p>「絵」だけを見て、「声」だけを聞いて、萌えたことが少ない。<span style="font-size: 80%;">(ないわけじゃないけど少ない。むしろ泣いたりすることのほうが多いかも)</span></p> <p>でも内面類推はこれだけで「~~~っ」となること多いので<span style="font-size: 80%;">――この記事における――</span>萌えの重要なポイントだと考えるわけだ。</p> <p>まとめるとこの3つが大切になってくる。</p> <ul> <li><span style="color: #0000cc;"><strong>内面類推</strong></span></li> <li><span style="color: #0000cc;"><strong>キャラクターの情動の揺れ</strong></span></li> <li><span style="color: #0000cc;"><strong>外形</strong></span></li> </ul> <p>ちなみに<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Twitter">Twitter</a>で定期的に流れてくる「萌えとは性欲だったのだ」なる意見はよく分からない人で、性欲と萌えは違うよね……え…一緒くたにしている人いるんだ? と思ったことがある。</p> <p>この言葉って<span style="font-size: 80%;">――冒頭で言ったように――</span>なんでも包括出来ちゃうので、自分はこういう意味で使ってるよと明示していると、後々、人との認識ズレを事前に回避できていいのかもしれない。</p> <p>そういう意味でこの記事は後々役立つ、かも。</p> <p>てことで今回はこの辺で、あ待って。そういえばシチュエーション萌えって外形なんかね? それとも内面を想像してるからの萌えなんかね?</p> <p>どっち。</p> <p> </p> <h4>関連しない記事</h4> <p><iframe class="embed-card embed-blogcard" style="display: block; width: 100%; height: 190px; max-width: 500px; margin: 10px 0px;" title="『いつ空』すごいぃぃいいいいッ!!!!いやっほうううう!! - 猫箱ただひとつ" src="https://hatenablog-parts.com/embed?url=http%3A%2F%2Feroge-pc.hatenablog.jp%2Fentry%2F2017%2F05%2F08%2F220000" frameborder="0" scrolling="no"></iframe></p> <p><a href="http://eroge-pc.hatenablog.jp/entry/2017/05/08/220000">『いつ空』すごいぃぃいいいいッ!!!!いやっほうううう!!</a></p> <p><iframe class="embed-card embed-blogcard" style="display: block; width: 100%; height: 190px; max-width: 500px; margin: 10px 0px;" title="【感想】本好きの下克上が完結したので慌てて読了!フェルディナンド様に抱かれて萌え転げろ?【神に祈りを】 - 猫箱ただひとつ" src="https://hatenablog-parts.com/embed?url=http%3A%2F%2Feroge-pc.hatenablog.jp%2Fentry%2F2017%2F05%2F19%2F220000" 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(アフタヌーンKC)" /></a></div> <div class="amazlet-info" style="line-height: 120%; margin-bottom: 10px;"> <div class="amazlet-name" style="margin-bottom: 10px; line-height: 120%;"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B01LTI9RZA/114alme-22/ref=nosim/" target="_blank" name="amazletlink">げんしけん コミック 1-21巻セット (アフタヌーンKC)</a> <div class="amazlet-powered-date" style="font-size: 80%; margin-top: 5px; line-height: 120%;"> </div> </div> <div class="amazlet-detail">木尾 士目 <br /><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B9%D6%C3%CC%BC%D2">講談社</a> <br />売り上げランキング: 98,696</div> <div class="amazlet-sub-info" style="float: left;"> <div class="amazlet-link" style="margin-top: 5px;"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B01LTI9RZA/114alme-22/ref=nosim/" target="_blank" name="amazletlink">Amazon.co.jpで詳細を見る</a></div> </div> </div> <div class="amazlet-footer" style="clear: left;"> </div> </div> bern-kaste 【ゆきうた】起こらないから奇跡って、え、起こるんですか【感想・レビュー】 hatenablog://entry/8599973812273476259 2017-07-21T22:00:00+09:00 2017-07-21T22:00:09+09:00 ――もみの木に願えば願いは叶う しかしそれはやっぱりただの御伽噺で、飼っていたうさぎは生き返らなかったし、奇跡は起きなかったのだと、主人公は語る。 <p><img class="hatena-fotolife" title="f:id:bern-kaste:20170624160021j:plain" src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/b/bern-kaste/20170624/20170624160021.jpg" alt="f:id:bern-kaste:20170624160021j:plain" width="258" /></p> <p> ――もみの木に願えば願いは叶う</p> <p>しかしそれはやっぱりただの御伽噺で、飼っていたうさぎは生き返らなかったし、奇跡は起きなかったのだと、主人公は語る。</p> <h3><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A4%E6%A4%AD%A4%A6%A4%BF">ゆきうた</a>総評</h3> <p> </p> <p>しかし人の手ではどうにも成らないことが起これば、彼は<span style="font-size: 80%;">(あるいは他の人も)</span>そんな古ぼけた樹に祈らずにはいられないし、【<strong>心の底から願えば奇跡は起きる</strong>】という結末を与えるのが本作の特色でもある。</p> <p>おもしろいのは、劇中内で【祈った人間が大切にしている何かと引き換えに奇跡は成る】と語られるのだが、菜乃・摩尋ルートの2つめだけはそのルールは無視され、奇跡は起こるものの支払う代償は無かったことだ。</p> <p><span style="font-size: 80%;">(あるいは可視化されていない)</span></p> <p>これらのENDは誰もが幸せな終わりと言ってもよく、その代わり「代償がない奇跡」について考えさせられたりもする。つまりここで描かれる『奇跡』とは人生の欠損をすべて元通りにしてくれる願望機であり、祈るだけであらゆるものは修復される。ノーリスク・ハイリターンってなわけ。</p> <p>――でも……それってどうなんだろう? </p> <p>支払うものがないっていうだけで<span style="text-decoration: underline;">得たものも無価値なような気がしてくる</span>し、その結末はかけがえの無い大切なものという感覚からは程遠くなってしまう。</p> <p>例えば摩尋生存ENDは、摩尋別離ENDより美しくないし、近所のスーパーで買うお刺身のように安っぽい。正直言ってチープだ。これは無リスクで得た結末だったからこそ、そのように感じてしまうのかもしれない。</p> <p>同様に奇跡が無リスクで叶うのならば、困った事があればほいほいと頼ってしまいかねない。そうなればその人――秋臣――は自身の足で立って生きるようになるのだろうか?……もみの木に寄りかかりっぱなしになるのではないか?……奇跡は人が発達していく為にむしろ邪魔なものではないか。そういことを考えざるを得なくなっていく。</p> <p>もちろん神に願わなければならない状況を否定するわけじゃない、が、何の代償もなく願いが叶うというのは、どうにも座りが悪いのである。</p> <p>とはいえ人の世がそういう "イージーモード" であるならば、それはそれでいいんだろうなと心の底から思うよ。まあ、そうしたらこの世に物語が生まれる理由は半分ほどなくなるだろうけど。</p> <p>逆にその他のENDはきっちり「秋臣にとって大切なもの」を奪っていくので、心がさめざめとするものの心地よかったりもする。得たものと失ったものが公平なのは気持ちいいし、例えそれが後味の悪いENDだったとしてもちゃんと「生きてる」って想える。</p> <p>(ああ……そうか。もしかしたら失う事こそが生への実感を促すという仮説もありえるのか)</p> <p>特に、雪那√は狂おしいほどに好きだ。</p> <p> 秋臣は<span style="font-size: 80%;">(紆余曲折あって)</span>「俺の記憶を雪那から消してくれ」と願い、その通りに彼女の記憶は失われていく。実際奇跡が起これば、その現実は辛くて「忘れてしまったのならまたここから始めればいいじゃないか」と最後に――もう何も思い出せない恋人に向かって――呟くのが堪らない。(=√1つ目)</p> <p>それは秋臣の願いが最初と後では否定される関係となっているのが、ぐっとくるからだ。ひいては奇跡ってなんだろうね?必要なものなのかな? と自問するような雰囲気が(うっすらと)でてるのも趣があったりね。</p> <p>また秋臣は起こった奇跡を諾々と受け入れるところも好きだ。確かに、奇跡が成った世界は耐え難いものだけど、その失われるものに対し「<span style="color: #0000cc;"><strong>そうだよな。おれ願ったもんな</strong></span>」と彼は肯定的なのである。</p> <p>ただただ目の前にある現実を許容し、では俺はどうすればいいか、そんな姿勢と言えばいいか。</p> <p>雪那が幼児化し、子供も生まれる世界で、彼がその世界を受け入れて微笑む姿は……なんか……もうねいいなあ……ってなる。</p> <p>彼の<span style="color: #000000;">世界の肯定感</span>が好きなんだな。きっと私は。</p> <p> </p> <blockquote> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>我が子よ、生まれてきて、おめでとう。</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>これから始まる君の人生が、とても楽しい物であるように、頑張って生きてくれ。</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>ふと立ち止まって、ふと振り返った時</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>「あー、生まれてきて良かったぜ」、それは大成功だと言える。</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>そして俺達は、キミがそう思えるように、惜しみない努力をしようじゃないか。</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>ちょっとキザっぽいけど、なんか、そんな感じだよ。<br /><br /></strong></span></p> <p>――秋臣/雪那√2/<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A4%E6%A4%AD%A4%A6%A4%BF">ゆきうた</a></p> </blockquote> <p> </p> <p>客観的にみればこのENDはとても辛い。</p> <p>想い人は自分のことを忘れ、症状がすすみ幼児化する。赤ちゃんも生まれる。この二つは秋臣の責任であるものの、まだ学生である彼がこれらを一手に引き受けるのは大変な事だろう。</p> <p>しかし悲壮さは感じられない。むしろこういう人生もありだよと言うような、この、「悲」と「喜」が溶け合ったラストシーンが奇妙で、歪で、素晴らしいのである。</p> <p> </p> <blockquote> <p><img class="hatena-fotolife" title="f:id:bern-kaste:20170720135152j:plain" src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/b/bern-kaste/20170720/20170720135152.jpg" alt="f:id:bern-kaste:20170720135152j:plain" /></p> <p>――<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A4%E6%A4%AD%A4%A6%A4%BF">ゆきうた</a>/雪那√2</p> </blockquote> <p> </p> <p><span style="color: #0000cc;"><strong><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A4%E6%A4%AD%A4%A6%A4%BF">ゆきうた</a>は「奇跡を願う意志」と「願った責任」を描く作品</strong></span>であり、雪那√はこの両方を端的に示した物語だったなと思う。</p> <p> </p> <p>それは摩尋、菜乃√1も同様で、奇跡が起きる世界で奇跡は起きて、代償はきっちり支払うよと結構蛋白な感じ。</p> <p>ただ弘美・由紀√ではその後の対応が変わってきて、「なぜ奇跡は起きてしまったんだ!」とか「一番大切なものを失うならどうして奇跡なんてものがある?」といった奇跡追求に重きを置いている。</p> <p>このため雪那、菜乃、摩尋の3つの√と、弘美、由紀の2つの√では奇跡に対する<strong>重み付け</strong>が極端になっており、作品「全体」でなにかを描くのではなく、「二つのグールプ」それぞれ単独で成り立っている印象が本作は強い。</p> <p>ここは、ややまとまりが悪いと言ってもいいと思う。</p> <p>個人的には、奇跡は起こった。そうだね。くらいの距離感を描く『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A4%E6%A4%AD%A4%A6%A4%BF">ゆきうた</a>』が好きなので、全ルートこのテイストだったら満足度は星4は固かったかもしれない。</p> <p>もちろんこの「奇跡の在りかを√毎に極端に問う」テイストも悪くはないけど、先述したようにその2つのグループが(うまく)接続していないので総合的に見るとちぐはぐな感じを覚えてしまうのである。<span style="font-size: 80%;">(それでも、それはそれで悪くはないのだけどね)</span></p> <p>全体的な満足度は★★★(3.9)で、雪那√は<span style="color: #d32f2f;"><strong>★★★★</strong></span>(4.0)。</p> <p>以下雑感。</p> <p> </p> <p> </p> <h3>過去のディティール</h3> <p><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A4%E6%A4%AD%A4%A6%A4%BF">ゆきうた</a>はどうも過去のディティールを与えないというか、表現しないまま「彼と彼女は関わりがあった」という描き方が多い。</p> <p>雪那しかり。菜乃ちゃんしかり。あんまり過去エピソードを挟まないで、もうすでに「そういうことだ」という結論をぽんと置かれる感じだ。</p> <p>下手すると文句が出そうな所だが、これ物語の描き方がいいのか、全く気にならない。</p> <p> </p> <p> </p> <h3>奇跡のディティール</h3> <p>奇跡については「昔々の恋人がね・・・」とディティールを与える。なんというかファンタジーの要素を「論理的な説明」を加え始めるとどんどん科学的になってSF染みたことになるのだなあと理解した。</p> <p>本作はそこまでいってはいないけど、モミの木伝説にあのようにディティールを与えるかは賛否両論な気がする。単純に弘美さんの√が(私には)魅力的じゃなかったからそう思ってしまっただけかもしれないが。</p> <p> </p> <p> </p> <h3>秋臣がお兄ちゃんしてる所、好き</h3> <p> </p> <p> こんなお兄ちゃん、中々いないからね……。菜乃ちゃん本当幸せものだよこのやろー!</p> <p> </p> <blockquote> <p>菜乃「…お兄ちゃんって、いっつもわたしにチャンネル譲ってくれるよね…。このこと友達に言うと、みんな変だっていうよ?」</p> <p><br />――<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A4%E6%A4%AD%A4%A6%A4%BF">ゆきうた</a></p> </blockquote> <p> </p> <blockquote> <p>千歳「ん? なにこれ? 預金通帳…?」<br /><br />秋臣「菜乃の名義で、少しずつ貯金していたんだ…アイツが結婚したりするときのためにさ」<br /><br />千歳「いいの?」<br /><br />秋臣「うん…少ないけど…何かに使ってよ」<br /><br />――<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A4%E6%A4%AD%A4%A6%A4%BF">ゆきうた</a></p> </blockquote> <p> </p> <p>BADENDまで秋臣お兄ちゃんしてて、なんか泣けてしまう。いつも妹の幸せを願ってるとか……いい兄だなあ……と。</p> <p> </p> <blockquote> <p>菜乃「‥もしかしてわたし‥ウザい‥?」</p> <p> </p> <p>――<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A4%E6%A4%AD%A4%A6%A4%BF">ゆきうた</a>/菜乃√</p> </blockquote> <p> </p> <blockquote> <p>菜乃「知らない人だけど‥わたし、結構お兄ちゃんに我がまま言うし‥いっつもベタベタつきまとううし‥もしかして‥ウザいのかなって‥そう思って‥」</p> <p> </p> <p>――<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A4%E6%A4%AD%A4%A6%A4%BF">ゆきうた</a>/菜乃√</p> </blockquote> <p> </p> <blockquote> <p>秋臣「よし! じゃあ、茶でも飲みに行くぞ!」<br /><br /></p> <p>菜乃「う、うん! 行くっ!」<br /><br /></p> <p>秋臣「うむ、ではアホっ子の貴様の為に、俺様から手を繋いでやろう」<br /><br /></p> <p>菜乃「いいの!?」</p> <p> </p> <p>――<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A4%E6%A4%AD%A4%A6%A4%BF">ゆきうた</a>/菜乃√</p> </blockquote> <p>自分がうざい可能性に思い当たり落ち込む妹に、普段しない「手をつなぐ」(=こうすれば菜乃喜ぶ)ことを提案する秋臣最高です。菜乃の喜びが伝わってくる……。</p> <p> </p> <blockquote> <p>菜乃「そんで、その子のお母さんに、ビリビリになった教科書を突きつけて」</p> <p>菜乃「「こんなことを平気でする子は恐いから、俺の妹に近づけないでくれ」ってゆったんだって」</p> <p>菜乃「イジメについては文句は言わない、苛められる菜乃にも問題はある‥</p> <p>菜乃「だけど、こんな真似を平気でする子が、妹と同じクラスにいるって思っただけでゾッとするって‥」</p> <p>菜乃「わたし、もう‥ビックリしちゃって‥ただボーっとしてたら、お兄ちゃんに急にほぺた思いっきりウギューって引っぱられて‥」</p> <p>菜乃「オマエは本当に大馬鹿だな、自分が苛められていることに、半年も気がつかなかったのか? って‥」</p> <p>菜乃「俺、バカだから、オマエが言ってくれなきゃ、気付かねぇだろ‥って‥」</p> <p>菜乃「ニコニコ笑いながらそんなんゆわれて‥わたし‥気がついたらボロボロ涙が出て‥止まらなくって‥」</p> <p> </p> <p>――<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A4%E6%A4%AD%A4%A6%A4%BF">ゆきうた</a></p> </blockquote> <p> うるうる。</p> <p> </p> <p> </p> <blockquote> <p>菜乃「もちっとオッパイ育てて出直して来い」</p> <p>菜乃「うー‥オッパイはダメかも知んないけど、下はちゃんと女の子だもん、肉付き良いもんプニプニだもん」</p> <p>秋臣「ただのデブだ」</p> <p>菜乃「デブ違うもん! プニ系だもん!」<br /><br /></p> <p>――<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A4%E6%A4%AD%A4%A6%A4%BF">ゆきうた</a></p> </blockquote> <p> 笑ってしまったw</p> <p> </p> <p> </p> <h3>BADENDの直結</h3> <p> </p> <p>ちょっと選択肢を誤ると、一瞬でBADに直行してしまう。</p> <p>雪那は転校し、摩尋は姿を見せなくなり、菜乃は元母のところに。弘美も転属。たった一日を境に秋臣と縁があった人々は離れていくのは――これ全くどういう因果関係があるのか分からないのだけど、――<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BD%F4%B9%D4%CC%B5%BE%EF">諸行無常</a>な感じがでてお好み。</p> <p> </p> <blockquote> <p>何かが、間違っている…?</p> <p><br />いや…何を間違えたんだ…?</p> <p><br />こんなはずじゃなかった。</p> <p><br />今更、そう思ったところで、俺には何も出来ない</p> <p><br />結局俺は、一人で生きているつもりで、それでも一人では生きて行けない…。</p> <p><br />自分で思っているより、ずっと甘えた生き方をしていたのかもしれない。</p> <p><br />自分のことで手一杯の俺が、他人に何かをしてあげることなんて無理だったと言うことか。</p> <p> </p> <p>――秋臣/<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A4%E6%A4%AD%A4%A6%A4%BF">ゆきうた</a>BADEND</p> </blockquote> <p> </p> <p> </p> <p> </p> <h3>菜乃ちゃんは家にいちゃだめ!</h3> <p> </p> <p>菜乃以外の√にいくと、すぐさま彼女は<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C0%EF%CE%CF%B3%B0%C4%CC%B9%F0">戦力外通告</a>され退場してしまう。</p> <blockquote> <p>菜乃「そいじゃお兄ちゃん、私、今日から学校休んじゃうけど、お兄ちゃんはちゃんと学校行くんだよ?」</p> <p> </p> <p>――<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A4%E6%A4%AD%A4%A6%A4%BF">ゆきうた</a> </p> </blockquote> <p> ジーズ……。</p> <p> 基本的に<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A4%E6%A4%AD%A4%A6%A4%BF">ゆきうた</a>はヒロイン同士の絡み、ほんと少ないのよね……。</p> <p> </p> <p> </p> <h3>一対一の世界</h3> <p>『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A4%E6%A4%AD%A4%A6%A4%BF">ゆきうた</a>』は各キャラクターの絡みがほとんど無い。</p> <p>90%、九割九分、<strong>秋臣-ヒロインの一対一の世界観</strong>で進んでいくこのあまりの箱庭感は、まるで主観が全てを成り立たせるような錯覚さえ呼び起こす。</p> <p>ここまでの閉鎖感を出す作品って、中々無い気がする。</p> <p> </p> <p> </p> <h3>摩尋のファッション</h3> <p> </p> <blockquote> <p><img class="hatena-fotolife" title="f:id:bern-kaste:20170720182142j:plain" src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/b/bern-kaste/20170720/20170720182142.jpg" alt="f:id:bern-kaste:20170720182142j:plain" /></p> <p>――<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A4%E6%A4%AD%A4%A6%A4%BF">ゆきうた</a></p> </blockquote> <p> 多くは言いませんがこの服装はないという判断が私の脳内で満場一致だそうです。以上、現場からお伝えしました。</p> <p> </p> <p> </p> <h3>このポーズは好き</h3> <blockquote> <p> <img class="hatena-fotolife" title="f:id:bern-kaste:20170720182208j:plain" src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/b/bern-kaste/20170720/20170720182208.jpg" alt="f:id:bern-kaste:20170720182208j:plain" /></p> <p>――<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A4%E6%A4%AD%A4%A6%A4%BF">ゆきうた</a></p> </blockquote> <p> </p> <p>このバカっぽい、ほのぼのとしたポーズ好き。見てるとついつい微笑んでしまう。特に淳一と並んで行うときはよいいですよね。</p> <p> </p> <p> </p> <h3>ちょっとした登場人物にも立ち絵がある<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A4%E6%A4%AD%A4%A6%A4%BF">ゆきうた</a></h3> <p> </p> <p>メタっぽい話題だけど、本作はあまり出番がない人たちにもしっかり立ち絵があるのは「おお」と思ってしまった。</p> <p>不良三人組、由紀のお父さん、病院の先生、ヤクザ……などなど。</p> <p> </p> <blockquote> <p><img class="hatena-fotolife" title="f:id:bern-kaste:20170720182354j:plain" src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/b/bern-kaste/20170720/20170720182354.jpg" alt="f:id:bern-kaste:20170720182354j:plain" /></p> <p><img class="hatena-fotolife" title="f:id:bern-kaste:20170720182358j:plain" src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/b/bern-kaste/20170720/20170720182358.jpg" alt="f:id:bern-kaste:20170720182358j:plain" /></p> <p>――<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A4%E6%A4%AD%A4%A6%A4%BF">ゆきうた</a></p> </blockquote> <p> </p> <p>私は必ずしも「立ち絵があるほうがいい」わけじゃないと思っていて、ないほうが良い時もあるんだよね派。</p> <p>つまり大事なのは表現方法であって、表現要素ではない。同じ要素を同じ風に見せられても飽きちゃう。同じ要素を違ったふうに見せられれば飽きない。新鮮さを感じることだってある。</p> <p>重要なのは『異化』なのね。だから「立ち絵があるキャラ」と「立ち絵がないキャラ」の差が大事で、ともすれば立ち絵がない方がキャラクターとして存在感が出るときもある。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Rewrite">Rewrite</a>の新聞部の井上さんとかまさに。</p> <p>なので立ち絵があるからってイコールで良い、とはならない。のだけど、ここまで登場回数が少ないキャラクターにも立ち絵を与えるのは、あんまり見かけない気がした。</p> <p> </p> <p> </p> <h3>菜乃ちゃんの出番</h3> <p> </p> <p> ちゅーか、菜乃ちゃんめっちゃ出番多いよね。一日の終わりには彼女のショートス<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%C8%A1%BC">トー</a>リー(コント?)が挟まるので、どのヒロインよりも接している時間が多い。必然。「一緒にいる」感覚が強くなっていく。素敵。</p> <p>でも一番好きなのは雪那で(ここまでふっておいてそれですか)</p> <p>いやあのね;頭の中でサイコロ蹴ってるんですの発言が強烈すぎて、惹かれてしまうしかないんですよ。この奇天烈さ。</p> <p> </p> <blockquote> <p><img class="hatena-fotolife" title="f:id:bern-kaste:20170720133410j:plain" src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/b/bern-kaste/20170720/20170720133410.jpg" alt="f:id:bern-kaste:20170720133410j:plain" /></p> <p>――<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A4%E6%A4%AD%A4%A6%A4%BF">ゆきうた</a></p> </blockquote> <p> </p> <blockquote> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>雪那「そのうち頭の中で想像したサイコロを振って歩くようになったんです。頭の中で乱数を発生させている訳ですね」</strong></span></p> <p> ――<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A4%E6%A4%AD%A4%A6%A4%BF">ゆきうた</a></p> </blockquote> <p> </p> <p>ここでノックアウトされてしまった私がいる。これ反則。なに頭の中でサイコロ振り続けるって、あまりの意味不明さに萌えてしまった。これも一種のギャップ萌えなのかな。</p> <p> </p> <p> </p> <p> </p> <h3>心に残った言葉</h3> <p> </p> <blockquote> <p>秋臣「じゃあ。「現在」が「思い出」に勝てる確立は?」<br /><br /></p> <p>雪那「ほぼゼロ」<br /><br /></p> <p>秋臣「うっわぁ‥‥」<br /><br /></p> <p>雪那「だって、そうじゃありませんか? 現実は見ているうちに、色あせていくものです」<br /><br /></p> <p>雪那「それに引きかえ、想い出はどんどん美しくなる。勝てる道理がありません」<br /><br /></p> <p>――<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A4%E6%A4%AD%A4%A6%A4%BF">ゆきうた</a>/弘美√</p> </blockquote> <p> </p> <blockquote> <p>秋臣「一瞬前まで真面目にルールを守っていた連中が、一人の反逆者を目にした瞬間に「じゃあ俺も」って、それが気に入らない」<br /><br />秋臣「ルールを守る気がないなら、最初から無視すればいい。一人の時は臆病なくせに、皆がやってるなら俺も、とか…その発想がムカつく」</p> <p><br />――摩尋と食堂/<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A4%E6%A4%AD%A4%A6%A4%BF">ゆきうた</a></p> </blockquote> <p> </p> <blockquote> <p>雪那「はい、今回お手紙をくれた方の中で…10年経って、それでも私を好きだと言ってくれる人が居たら、そのお気持ちを本物と認めて差し上げます」</p> <p><br />秋臣「気の長い話だな」</p> <p><br />雪那「…結構、あっという間ですよ? たかが10年…そっと息をひそめている一瞬です…」</p> <p><br />雪那「明日は会えるかもしれないって、毎日信じれていれば、それほどつらくもないですよ?」</p> <p><br />――<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A4%E6%A4%AD%A4%A6%A4%BF">ゆきうた</a></p> </blockquote> <p> </p> <blockquote> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>雪那「私を、愛していますか…?」</strong></span><br /><br /><span style="color: #286f2c;"><strong>秋臣「うん」</strong></span><br /><br /><span style="color: #286f2c;"><strong>雪那「ちゃんと、言葉にしてください」</strong></span><br /><br /><span style="color: #286f2c;"><strong>秋臣「愛してる」</strong></span><br /><br /><span style="color: #286f2c;"><strong>雪那「だったら、何を躊躇うというのです…?」</strong></span><br /><br /><span style="color: #286f2c;"><strong>秋臣「おれに、このまま一生、オマエを愛して行けと?」</strong></span><br /><br /><span style="color: #286f2c;"><strong>雪那「嫌なのですか?」</strong></span></p> <p><br />――<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A4%E6%A4%AD%A4%A6%A4%BF">ゆきうた</a>/雪那√</p> </blockquote> <p>  こういうことを言えちゃうから秋臣のこと好き。雪那のことは好きだけど「そこまで」は言えない。言いたくない。熱いようで醒めてる感じがね。うんうん。</p> <p> </p> <p> </p> <div class="amazlet-box" style="margin-bottom: 0px;"> <div class="amazlet-image" style="float: left; margin: 0px 12px 1px 0px;"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B001GAQ9IU/114alme-22/ref=nosim/" target="_blank" name="amazletlink"><img style="border: none;" src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/51ik-gWkGXL.jpg" alt="ゆきうた Vista対応版" /></a></div> <div class="amazlet-info" style="line-height: 120%; margin-bottom: 10px;"> <div class="amazlet-name" style="margin-bottom: 10px; line-height: 120%;"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B001GAQ9IU/114alme-22/ref=nosim/" target="_blank" name="amazletlink">ゆきうた Vista対応版</a> <div class="amazlet-powered-date" style="font-size: 80%; margin-top: 5px; line-height: 120%;"> </div> </div> <div class="amazlet-detail"><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D5%A5%ED%A5%F3%A5%C8%A5%A6%A5%A4%A5%F3%A5%B0">フロントウイング</a> (2008-10-24)</div> <div class="amazlet-sub-info" style="float: left;"> <div class="amazlet-link" style="margin-top: 5px;"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B001GAQ9IU/114alme-22/ref=nosim/" target="_blank" name="amazletlink">Amazon.co.jpで詳細を見る</a></div> </div> </div> <div class="amazlet-footer" style="clear: left;"> </div> </div> <p> </p> bern-kaste 物語は、当事者性を奪う hatenablog://entry/8599973812276194558 2017-07-17T22:00:00+09:00 2017-07-17T22:00:36+09:00 ま、そこが良いところでもあるんだけど、欠点でもある。 <p><img class="hatena-fotolife" title="f:id:bern-kaste:20170717233823j:plain" src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/b/bern-kaste/20170717/20170717233823.jpg" alt="f:id:bern-kaste:20170717233823j:plain" width="288" /></p> <p>ま、そこが良いところでもあるんだけど、欠点でもある。</p> <h3>多視点+情動</h3> <p> </p> <p>自分が知覚できないキャラの気持ちがあったとしよう。</p> <p>しかし別作品、別キャラクターの心的機構を持ってきて――仮想し――"その" 感情に近づける事はよくあるし、それでも近似値に達さないならば抽出・変質して当該対象にデザインすることもある。</p> <p>これは他者感情だが、自己感情において行う場合もあり、またこの順番は明確なものではなく状況において変化し、最初は自己感情をデザインするもののいやいやこれじゃないなとなり、別の心的機構を仮想するといった事もざらだ。</p> <p><span style="font-size: 80%;">※『仮想』とは自己内部である心的機構を走らせると(ここでは)指す。これは“人物”のみならず“作品”の心的機構も含まれ、エミュレートとも私は呼んでいる。</span></p> <p>長年物語を読んでいる人はこれを自然に出来ると踏んでいて、当たり前すぎてわざわざ説明する必要はないと思うが一応ね。ここから本題に入っていくのでちょっと我慢して欲しい。</p> <p>これは所謂、感情移入ではない。あれは<span style="text-decoration: underline;">自分が経験したことがある</span>範囲内を拠り所にするが、多視点による仮想は(それを含めて)<span style="text-decoration: underline;">自分が経験したことがない感情</span>も自己内部で走らせ(ようとす)るものだからだ。</p> <p> </p> <p>▼関連</p> <p><iframe class="embed-card embed-blogcard" style="display: block; width: 100%; height: 190px; max-width: 500px; margin: 10px 0px;" title="物語における『視点取得限界』を考える(24463文字) - 猫箱ただひとつ" src="https://hatenablog-parts.com/embed?url=http%3A%2F%2Feroge-pc.hatenablog.jp%2Fentry%2F2016%2F08%2F19%2F070000" frameborder="0" scrolling="no"></iframe><cite class="hatena-citation"><a href="http://eroge-pc.hatenablog.jp/entry/2016/08/19/070000">eroge-pc.hatenablog.jp</a></cite></p> <p><iframe class="embed-card embed-blogcard" style="display: block; width: 100%; height: 190px; max-width: 500px; margin: 10px 0px;" title="物語は人生をエミュレートし多視点を獲得させる力を持っている - 猫箱ただひとつ" src="https://hatenablog-parts.com/embed?url=http%3A%2F%2Feroge-pc.hatenablog.jp%2Fentry%2F2014%2F11%2F26%2F120000" frameborder="0" scrolling="no"></iframe><cite class="hatena-citation"><a href="http://eroge-pc.hatenablog.jp/entry/2014/11/26/120000">eroge-pc.hatenablog.jp</a></cite></p> <p> もちろんそこには「それは本当にそのキャラクターの感情なのか?」という疑問はある。でもそんなことは感情移入だって同じことだし、証明は不可能。自分自身がその気持ちを手元に置けている、皮膚感覚として"<strong>それ</strong>"だと思えるならどうだっていい。と<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%CD%F0%CB%BD">乱暴</a>だがここでは捨て置く。</p> <p>この影響としてキャラクターの理解が進んだり、その物語をリアルに感じられたりするわけだ。とても身近なものになりすぎて事ある毎にそのお話を、その気持ちを、思い出してしまうなんてこともある。</p> <p>だが、これは自分であることを希薄にしていく。</p> <p>他者の気持ちを想像し、創造しえるっつーのは絶対的にそこに「自分」はいないからだ。河野初雪の視点で世界を眺めることは本来の私の世界認識は隅に追いやられ、姫野星奏が人生をかけた気持ちを理解する時そこに私の気持ちはない。</p> <p>――もしそこに私がいるとしても、それはその情景/情動を走らせている機構としての『私』だ。ならばその瞬間、<strong>私の当事者性は物語に奪われた</strong>と言っていい。</p> <p>その世界に同化して、その登場人物になり変わるようなスタイルは<span style="font-size: 80%;">――感情移入/自己投影よりも――</span>この傾向が顕著である。物語を読んでいる間は特にそうで、時折「あーこれは"私"の情動じゃないな。ルーツは、“ジャバウォック”のか」とそう感じることさえある。自然になりすぎて昔はエミュレートする情動だったものが今では自分自身の情動となっていることもある。</p> <p>私は虐待されたことも親に恨まれた事も殺されそうになった事も存在を否定されたこともない概ね幸せな生活を送らせて頂いたと自負しているにも関わらず、『CARNIVAL』の彼彼女らの心情を手元に置けているわけだ。</p> <p>その弊害は、<span style="color: #0000cc;"><strong>本来私と関わりなかったものが自分事のように思えてしまう事</strong></span>だろう。</p> <p>誰かの為に怒る。誰かの為に涙する。誰かの問題を自分の問題として引き受け、誰かの責任を自分の責任として背負う。それは(現社会が認知する)人間らしい行動であり忌避されるものではないのかもしれない。</p> <p>だが、簡単に他者とコネクトするのは―――なんというか怖いことだよね。自己と他者の境界線が取り払われ、一時でも、私が私という感覚が薄くなるから。</p> <p>まるで……</p> <p> </p> <blockquote> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>私は物語を読む。</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>ううん。物語が私を読むんだ。</strong></span><br /><br /></p> <p>――南乃ありす/『魔女こいにっき』</p> </blockquote> <p> </p> <p>そう物語に読まれているようでさえある。</p> <p> </p> <blockquote> <p><strong>だめなんだよお母さん。全然だめなんだよ。そうやって誰かれ構わず他人の死に罪悪感なんてもっちゃ、いけないんだよ。だってミァハとお母さんには何の接点もなかったじゃない</strong></p> <p><strong>みんながみんな互いを大事にし合って、殆ど知らなかった他人の死すらも何で自分には止められなかったのかって、理不尽にも思わせる</strong></p> <p><strong>そんな世界がまっぴらだったんだよ</strong><br /><br /></p> <p>――霧慧トァン(映画ハーモニー)</p> </blockquote> <p> </p> <p>あるいは<harmony>トァンの懸念を思い出してしまうものだ。</p> <p>もちろん他者の気持ちを慮れないのはドコゾの精神病質者にかわりないし、出来ないより出来たほうがいいに決まっている。けれどそういった懸念が<span style="font-size: 80%;">――物語は多かれ少なかれ当事者性を奪う――</span>のも確かだと思う。</p> <p>そういえば</p> <p> </p> <blockquote> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>施設の先生が、あまりに俺から離れない"りせ"を見かねて俺と"りせ"を一緒に寝させないようにした。</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>そして、俺の代わりに抱きまくらをあたがったんだ。</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>「このままではこの子たちの自我の形成に害が出ます」……と言っていたらしい。</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>余計なお世話だ。</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>そもそも、自我って何なんだ?</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>大人はなぜ、俺と"りせ"の自我を2つに分けようとするんだろう?</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>俺たちは1つでもぜんぜんかまわないのに……。</strong></span></p> <p> </p> <p>――はるか/さくら<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B7%A5%F3%A5%AF%A5%ED%A5%CB%A5%B7%A5%C6%A5%A3">シンクロニシティ</a></p> </blockquote> <p> </p> <p>『さくら<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B7%A5%F3%A5%AF%A5%ED%A5%CB%A5%B7%A5%C6%A5%A3">シンクロニシティ</a>』の「りせ」と「はるか」は自我を共有しあっていて『個』という意識がないんだよね。自己が希薄な状態で、そもそも生まれた時から当事者性が無い。</p> <p>なにそれ面白そう……って思い早2年。いまだ製品版買えずじまいなのでそろそろなんとかした所。<span style="font-size: 80%;">ゲーム買いっぱなしってのが最近多くてですね……というかWHITESOFT死んじゃだめだぜ……。</span></p> <p> </p> <div class="amazlet-box" style="margin-bottom: 0px;"> <div class="amazlet-image" style="float: left; margin: 0px 12px 1px 0px;"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00T9XBVZW/114alme-22/ref=nosim/" target="_blank" name="amazletlink"><img style="border: none;" src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/41YE-BV6lKL.jpg" alt="さくらシンクロニシティ 【特典 オリジナルドラマCD付】" /></a></div> <div class="amazlet-info" style="line-height: 120%; margin-bottom: 10px;"> <div class="amazlet-name" style="margin-bottom: 10px; line-height: 120%;"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00T9XBVZW/114alme-22/ref=nosim/" target="_blank" name="amazletlink">さくらシンクロニシティ 【特典 オリジナルドラマCD付】</a> <div class="amazlet-powered-date" style="font-size: 80%; margin-top: 5px; line-height: 120%;"> </div> </div> <div class="amazlet-detail">ホワイトソフト <br />売り上げランキング: 32,236</div> <div class="amazlet-sub-info" style="float: left;"> <div class="amazlet-link" style="margin-top: 5px;"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00T9XBVZW/114alme-22/ref=nosim/" target="_blank" name="amazletlink">Amazon.co.jpで詳細を見る</a></div> </div> </div> <div class="amazlet-footer" style="clear: left;"> </div> </div> <div class="amazlet-box" style="margin-bottom: 0px;"> <div class="amazlet-image" style="float: left; margin: 0px 12px 1px 0px;"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B019SPBCOK/114alme-22/ref=nosim/" target="_blank" name="amazletlink"><img style="border: none;" src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/41DwiDfvrFL.jpg" alt="ハーモニー(完全生産限定版) [Blu-ray]" width="335" /></a></div> <div class="amazlet-info" style="line-height: 120%; margin-bottom: 10px;"> <div class="amazlet-name" style="margin-bottom: 10px; line-height: 120%;"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B019SPBCOK/114alme-22/ref=nosim/" target="_blank" name="amazletlink">ハーモニー(完全生産限定版) [Blu-ray]</a> <div class="amazlet-powered-date" style="font-size: 80%; margin-top: 5px; line-height: 120%;"> </div> </div> <div class="amazlet-detail"><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A2%A5%CB%A5%D7%A5%EC%A5%C3%A5%AF%A5%B9">アニプレックス</a> (2016-03-09)<br />売り上げランキング: 8,588</div> <div class="amazlet-sub-info" style="float: left;"> <div class="amazlet-link" style="margin-top: 5px;"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B019SPBCOK/114alme-22/ref=nosim/" target="_blank" name="amazletlink">Amazon.co.jpで詳細を見る</a></div> </div> </div> <div class="amazlet-footer" style="clear: left;"> </div> </div> <div class="amazlet-box" style="margin-bottom: 0px;"> <div class="amazlet-image" style="float: left; margin: 0px 12px 1px 0px;"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00H7NZG8Y/114alme-22/ref=nosim/" target="_blank" name="amazletlink"><img style="border: none;" src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/61wqVHWeWRL.jpg" alt="魔女こいにっき 初回版" /></a></div> <div class="amazlet-info" style="line-height: 120%; margin-bottom: 10px;"> <div class="amazlet-name" style="margin-bottom: 10px; line-height: 120%;"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00H7NZG8Y/114alme-22/ref=nosim/" target="_blank" name="amazletlink">魔女こいにっき 初回版</a> <div class="amazlet-powered-date" style="font-size: 80%; margin-top: 5px; line-height: 120%;"> </div> </div> <div class="amazlet-detail">Qoobrand (2014-05-30)</div> <div class="amazlet-sub-info" style="float: left;"> <div class="amazlet-link" style="margin-top: 5px;"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00H7NZG8Y/114alme-22/ref=nosim/" target="_blank" name="amazletlink">Amazon.co.jpで詳細を見る</a></div> </div> </div> <div class="amazlet-footer" style="clear: left;"> </div> </div> <h4> 関連記事</h4> <p><iframe class="embed-card embed-blogcard" style="display: block; width: 100%; height: 190px; max-width: 500px; margin: 10px 0px;" title="この世界に同一の自分がいたとしたら。「さくらシンクロニシティ」体験版感想(4530文字) - 猫箱ただひとつ" src="https://hatenablog-parts.com/embed?url=http%3A%2F%2Feroge-pc.hatenablog.jp%2Fentry%2F2015%2F02%2F20%2F090000" frameborder="0" scrolling="no"></iframe><cite class="hatena-citation"><a href="http://eroge-pc.hatenablog.jp/entry/2015/02/20/090000">eroge-pc.hatenablog.jp</a></cite></p> <p><iframe class="embed-card embed-blogcard" style="display: block; width: 100%; height: 190px; max-width: 500px; margin: 10px 0px;" title="結城友奈の視点とCARNIVALの視点が交錯する時、「美しい物語」を語ることの意義が見えてくる - 猫箱ただひとつ" src="https://hatenablog-parts.com/embed?url=http%3A%2F%2Feroge-pc.hatenablog.jp%2Fentry%2Fyuukiyuuna_narrative" frameborder="0" scrolling="no"></iframe><cite class="hatena-citation"></cite></p> <p><a href="http://eroge-pc.hatenablog.jp/entry/yuukiyuuna_narrative">結城友奈の視点とCARNIVALの視点が交錯する時、「美しい物語」を語ることの意義が見えてくる -</a></p> <p><cite class="hatena-citation"> </cite></p> <p><iframe class="embed-card embed-blogcard" style="display: block; width: 100%; height: 190px; max-width: 500px; margin: 10px 0px;" title="〈harmony/〉御冷ミァハの外形と再読了メモ - 猫箱ただひとつ" src="https://hatenablog-parts.com/embed?url=http%3A%2F%2Feroge-pc.hatenablog.jp%2Fentry%2F2016%2F07%2F30%2F070000" frameborder="0" scrolling="no"></iframe><cite class="hatena-citation"><a href="http://eroge-pc.hatenablog.jp/entry/2016/07/30/070000">eroge-pc.hatenablog.jp</a></cite></p> <p> </p> bern-kaste ライトでポップな推理ゲーム、ダンガンロンパは面白かった。…のかな?(感想) hatenablog://entry/10328749687255106788 2017-07-14T22:00:00+09:00 2017-07-14T22:00:29+09:00 全クリではないですけど、とりあえずクリアしましたので感想を箇条書きで書いていきます。 *ネタバレ注意。 <p><img class="hatena-fotolife" title="f:id:bern-kaste:20170628203413j:plain" src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/b/bern-kaste/20170628/20170628203413.jpg" alt="f:id:bern-kaste:20170628203413j:plain" /></p> <p>全クリではないですけど、とりあえずクリアしましたので感想を箇条書きで書いていきます。</p> <p><span style="color: #d32f2f;"><strong>*ネタバレ注意。</strong></span></p> <p> </p> <p> </p> <h3> 部分VOICE</h3> <p> 本作はフルボイスにするのではなく、音声を――「ふふ」「ピロピロリーン」「黙れ」等の――一部分にすることでVOICEに阻まれること無くテキストを読むことが可能になっている。</p> <p>ボイスがSE的に扱われるので、<span style="color: #0000cc;"><strong>ボイス独特の雰囲気を出しながらも読みを簡便に出来る</strong><span style="color: #000000;">のは</span></span>興味深かった。</p> <p>『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%C0%A5%F3%A5%AC%A5%F3%A5%ED%A5%F3%A5%D1">ダンガンロンパ</a>』は地の文は少なめ&amp;台詞が多用されているので、その効果を多く期待でき、また普段「全然文章を読まない層」にも苦痛なく読むことを促せるのではないだろうか。</p> <p>ただその分テキスト描写がインスタントというか、ありきたりというか、上澄みのように深みがないと感じられることも多かった。</p> <p>ただこれはノベル主体の作品ではないので別にいいのかもしれない。(ちなみに設定で文章速度をかえられないのは、ちょっと驚く。テキストが物語を進行しているのにここを弄れないのねーと)</p> <p> </p> <p> </p> <h3> 書割り的な世界観</h3> <p>本作は「書割り」的演出で物語を彩る。</p> <p>舞台背景である木々や、テーブルが、パタパタと展開していくのは見ていて楽しい。</p> <p>……が、食堂に入れば、部屋に戻れば、毎回同じ演出が繰り返される(=省略されないので)あっという間に<strong>その未知の驚きはなくなり</strong>、逆に書割り的演出を見せられている時間が長いことにストレスを感じもした。</p> <p>ああ、やはり異化は大切なんだなと……、</p> <p>もしくは「グラフィックとタイミング」こそが肝要でグラフィックがいかに目新しいかではなく、それを的確に挟めることが肝要なのだと。</p> <p> </p> <p> </p> <h3>フラッシュ演出がややつらい</h3> <p>驚き、怒り、怯え――といったキャラクターの高ぶりを「白画面を点滅させて」本作は表現する。</p> <p>これ明るい部屋のなかだと気に入らないのだけど、私は大体明かりを消してプレイするので、暗い環境下だとこのフラッシュ(=白画面点滅)が辛かった思い出である。一度気になると「なんでこんなにも多用しているんだろう?」と不思議なくらい<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%C0%A5%F3%A5%AC%A5%F3%A5%ED%A5%F3%A5%D1">ダンガンロンパ</a>は暇さえあればフラッシュ、フラッシュである。</p> <p>客観的に見れば別にそこが悪いってわけではないのだけど、個人的にはむーんっていう感想。</p> <p> </p> <p> </p> <h3>ミステリー難度が初心者向けであり、流れを追っていけば犯人の目星は嫌でもつくようになる。</h3> <p>私自身ミステリーに造詣が深いと言われればそうではなく、初心者の部類である。ミステリー小説(≒ノベル)って全部合わせても20は読んでいないはず。</p> <p>なので本作の「流れに沿っていけば」自ずと犯人がわかるのは、ありがたいと言えば有り難かった。</p> <p>……のだが、舞園さんの「実は彼女が加害者」や、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BB%B3%C5%C4%B0%EC">山田一</a>二三の「死体移動」、大神さくらの「完全密室」はそんな難しくなく解けてしまったので拍子抜けしてしまった感じもある。</p> <p>(死体は探偵役が直に確かめるまでは確定されない、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%CE%A5%C3%A5%AF%A5%B9%A4%CE%BD%BD%B2%FC">ノックスの十戒</a>に則るならば完全密室はその通り"完全密室"として考える必要がでる……とかまあそんなふうに考えていくと解けやすい謎だったかなと)</p> <p>また<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%E2%A5%CE%A5%AF%A5%DE">モノクマ</a>の目的も全バレするまえに「デスマッチを見世物」「外の世界から学生は隔離されている(=安全)」「身に覚えない写真は全員記憶を奪われている」と考えていたので、終盤に明かされても衝撃がなくて「うーん、そうだよねえ……」と平常心で流してしまった。</p> <p>ス<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%C8%A1%BC">トー</a>リー、事件2つの「謎」は分かり易すい部類なので、もっとミステリー小説読んでいる人は本作辛いのではないか? と思ったものでさえある。<a href="#f-67a618f9" name="fn-67a618f9" title="ちなみにラスボスは「苗木誠」だと睨んでいたのだけど、そこは外れてほっとした自分がいたり。">*1</a></p> <p>ミステリー作品ってあれだ。<span style="color: #0000cc;"><strong>予測展開に魅力を見出す</strong></span>類のジャンルなんだなと痛感した。</p> <p> ▼</p> <p><iframe class="embed-card embed-blogcard" style="display: block; width: 100%; height: 190px; max-width: 500px; margin: 10px 0px;" title="アニメブログ&まとめサイトが過剰にやる考察ってただの「今後の展開予測」だよね?…… - 猫箱ただひとつ" src="https://hatenablog-parts.com/embed?url=http%3A%2F%2Feroge-pc.hatenablog.jp%2Fentry%2F2015%2F11%2F22%2F070000" frameborder="0" scrolling="no"></iframe><cite class="hatena-citation"><a href="http://eroge-pc.hatenablog.jp/entry/2015/11/22/070000">eroge-pc.hatenablog.jp</a></cite></p> <p>予測と推理は別物だけど方向性は違わない。推理が通れば「当てた自分」に酔うことはできるけど、なんというかただそれだけのような気もする。</p> <p>むしろ「絶対的に分からない」ほうが私は好きかも。</p> <p>いくら考えても答えにたどり着けない、ピースは揃っているのに、何かが足りない、答えを開示されれば「あー……そっか……そうだったんだ」と敗北感を味わう方が好き。もしかしたらアンフェアでも全然問題ないのか。(それは過去のプレイ歴からも証明されていますよ(にっこり))</p> <p>もちろんそれは「個々人の推測力」の多寡によって、当該問題の難易度はトウゼン違ってくるわけなのだけど、他の人はこのゲーム難易度どの程度に感じていたのか気になる所。</p> <p> </p> <p> </p> <h3>「超高校級」とはいったい?</h3> <p>結局「超高校級」が生きた場面は<strong>舞園さんの事件だけ</strong>で、あとは彼らの才人たる力は強調されなかった。「超高校級」というのは<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%C0%A5%F3%A5%AC%A5%F3%A5%ED%A5%F3%A5%D1">ダンガンロンパ</a>に寄与していたのだろうか?……単なる記号で、飾りのようにしか思えてならない。</p> <p>例えば、十神さんは頭のキレた人物だと自ら醸すけど、実際は「なぜ俺にわからないことがお前には分かるんだ(驚愕)」というくらいにキレ者ではない。この程度で理解に至らない十神家とは一体…。<br /><br /></p> <blockquote> <p><img class="hatena-fotolife" title="f:id:bern-kaste:20170628221241j:plain" src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/b/bern-kaste/20170628/20170628221241.jpg" alt="f:id:bern-kaste:20170628221241j:plain" /></p> <p><img class="hatena-fotolife" title="f:id:bern-kaste:20170628221248j:plain" src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/b/bern-kaste/20170628/20170628221248.jpg" alt="f:id:bern-kaste:20170628221248j:plain" /></p> <p>――<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%C0%A5%F3%A5%AC%A5%F3%A5%ED%A5%F3%A5%D1">ダンガンロンパ</a>1</p> </blockquote> <p> 十神家とはいったい……。</p> <p> </p> <p> </p> <h3>推理が半リアルタイムで行われるのは、とても面白い</h3> <p>いろいろと不満を言っていたきたけど、</p> <p><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%C0%A5%F3%A5%AC%A5%F3%A5%ED%A5%F3%A5%D1">ダンガンロンパ</a>の真骨頂は「<span style="color: #0000cc;"><strong>スピード感ある推理アクション</strong></span>」を実現している事なので、物語、推理、キャラが多少ぬるくても問題ではない。 むしろこれを味わえただけでもプレイする価値はあったと思う。</p> <p>捜査パートで手にした情報を元に、勘違い/虚偽を行っている人の発言を覆していく。ここでは直前セーブ&amp;ロードは出来ないので、数撃ちゃ当たる戦法で切り抜けようとするとライフが0になってリスタート。</p> <p>つまりシステム的にちゃんと「考え」ないと進めないようになっているし、考えないまま突き進むと遅々として進まないことにストレスが溜まり始めるのだ。</p> <p>また答えはわかっていても、投げつける「証拠」と当てつける「発言」が噛み合っていなければ弾かれてしまうので、その意味でも推理力が試される作品である。</p> <p>それも「リアルタイムに近い状態」で考えることを強いてくるのが最大ポイント。</p> <p> </p> <blockquote> <p><img class="hatena-fotolife" title="f:id:bern-kaste:20170702000625j:plain" src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/b/bern-kaste/20170702/20170702000625.jpg" alt="f:id:bern-kaste:20170702000625j:plain" /></p> <p>――公式HP:<a href="http://www.danganronpa.com/1/">ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生</a></p> </blockquote> <p> </p> <p>議論において、自分の主張には本来根拠が求められる。</p> <p>のだが全く示さず言いたいことだけ言って相手(=苗木真)の反論を待ち望んだり、そしてそこを知らない彼が安易に引き受けてしまい立証責任ばかり負わされる嵌めになるのが、本作が議論というものを皮肉っていて面白い。</p> <p>また根拠を示せないので議論をめちゃくちゃにしようと画策する――マシンガン<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%C8%A1%BC%A5%AF">トーク</a>バトル――がシステムとして搭載されているのも痺れてしまった。そそ。まっとうな話し合いなんて幻想で、前提を共有していない**のせいでそれは大抵壊れてしまうよねとしみじみ。</p> <p>(関連)</p> <ul> <li><a href="http://eroge-pc.hatenablog.jp/entry/2016/10/23/070000">相手が『無敵くん』かどうか判別するための2つの基準 </a></li> <li><a href="http://eroge-pc.hatenablog.jp/entry/2016/10/05/070000">『お前がそう思うんならそうなんだろ』の使いドコロ </a></li> </ul> <p> </p> <p>あとクライマックス推理しかり、おしおきMOVIEしかり、ここらへんめっちゃ凝っていて楽しくプレイ&amp;視聴できましたし、漫画形式も入ってくるの?と驚きっぱなしだった。</p> <p>(ただ3回目くらいになると慣れてしまったなあと)</p> <p> </p> <p> </p> <h3>死体はイイもの</h3> <p> 一般的に「死体」というものは忌避されるもので、受け入れがたいものである。親しい者であれば尚更に、積極的に触れたいとは思わないだろう。</p> <p> </p> <blockquote> <p><img class="hatena-fotolife" title="f:id:bern-kaste:20170628212046j:plain" src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/b/bern-kaste/20170628/20170628212046.jpg" alt="f:id:bern-kaste:20170628212046j:plain" /></p> <p>――<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%C0%A5%F3%A5%AC%A5%F3%A5%ED%A5%F3%A5%D1">ダンガンロンパ</a>1</p> </blockquote> <p><span style="font-size: 80%;">血色がクリムゾンではなくショッキングピンクというのが良すぎると思いません?センスを感じる</span></p> <p>しかし舞園さんの死体はとても綺麗で、美しいとすら思ってしまった。今まで死体に興奮を覚える人や、価値を見出す人の感覚が分からなかったけど――うっすら――と私にもそれが感覚できるようになってきたのかもしれない。</p> <p>捜査パートではそんな躯を微に入り細に入り検分するのだけど、【生命活動が停止している肉体】に触れるというのは言い知れぬ体験で……なんだろ……すごい……いいなって。(コワイヨー)</p> <p>冷え切った前腕を持ち上げて、その重さを確かめる。死んでもなお彼女の頬は陶器のように白くて触れればぱりんと壊れそうであったし、血は液体であることを忘れたのかタイルにかぴかぴに固まっていた。触れる。ざらっとした感触。そういった一つ一つを手探りで確かめることに何か「意味」があるようなことにさえ思える。</p> <p>このまま適切な処置をしなければ舞園さやかは腐っていくだろう。鼻が曲がるような腐臭を漂わせ、身体の表面にびっしりと蛆が這い回ることになる。けれど今はまだそうではないし、そんな<strong>泡沫の時間に居る</strong>というのが<span style="font-size: 80%;">――それを検分することで理解に達するのが―</span>―グッとくるのである。(オマエハナニヲイッテ以下略)</p> <p> </p> <p> </p> <h3> おわり</h3> <p>以前からリアル・ネット問わず「やってみて」と勧められてきた本作ですが、ようやくクリアしました。</p> <p>当時リアルでやたら「それは違うよ!」というツッコミ(合いの手?)を食らっていた時期があったんですけど、会話の流れ的に合っていない台詞でいつも「はい?」って感じで私は流してたと。今思えばダンロンネタだったのねと得心しましたよ。</p> <p>あのね、元ネタ知らない人間にそれ振り続けるの自己愛の一種だかんね!ね!!(密やかに抗議)</p> <p><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/IOS">IOS</a>アプリ出た頃に体験版をさわってみたんですが、操作性が<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/iPhone">iPhone</a>だと辛い。かといって今更<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/PSP">PSP</a>買うのも嫌だったので流れに流れて今年、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%C0%A5%F3%A5%AC%A5%F3%A5%ED%A5%F3%A5%D1">ダンガンロンパ</a>がSteamで日本語対応になったので購入と相成ります。</p> <p>Steam版では最初から「観察眼」「ランニング」スキルがデフォルトみたいで、むしろ無印版はこの2つを劇中で入手しなくてならないのは面倒くさかっただろうなあ……と。</p> <p>なので、今からプレイするならSteam版がいいのかもしれませんね。PCでゲームやる人は導入敷居低いですし、操作はマウスキーボードでも問題なし。お好みで<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B2%A1%BC%A5%E0%A5%D1%A5%C3%A5%C9">ゲームパッド</a>に『Joy to Key』で機能を割り当ててもいいと思います。</p> <p>  ◆</p> <p>どうやらガチャガチャコンプすると追加シナリオ見れるみたいなんで、そこまではやりたい所。……なんだけどダンロンにもうこれ以上時間や気力は捧げられないかなあ……と。これから二週目するのは辛いわけさ。</p> <p>「推理アクションシステム」は好きなんですけど、やはり「キャラ」「ス<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%C8%A1%BC">トー</a>リー」「推理難度」が私にはぬるかったのが全体の満足度を下げた要因かなと思います。</p> <p>満足度でいえば★★★(3.6)くらい。</p> <p>そして1&amp;2セット版を買ってしまったので、ゆっくり、いつの日か2も遊んでいきたいところです。(1より面白いといいんですが)</p> <p> </p> <h4>関連しそうな記事</h4> <p><iframe class="embed-card embed-blogcard" style="display: block; width: 100%; height: 190px; max-width: 500px; margin: 10px 0px;" title="『BALDR SKY Dive1』は過去と現代・ADVとACT2つのスイッチングで退屈をはぎとる!(作品紹介) - 猫箱ただひとつ" src="https://hatenablog-parts.com/embed?url=http%3A%2F%2Feroge-pc.hatenablog.jp%2Fentry%2FBALDRSKY_Dive1_review" frameborder="0" scrolling="no"></iframe></p> <p><a href="http://eroge-pc.hatenablog.jp/entry/BALDRSKY_Dive1_review">『BALDR SKY Dive1』は過去と現代・ADVとACT2つのスイッチングで退屈をはぎとる!(作品紹介)</a></p> <p><iframe class="embed-card embed-blogcard" style="display: block; width: 100%; height: 190px; max-width: 500px; margin: 10px 0px;" title="つよきす 三学期レビュー 無印版を全てなかったことにして新たに作り直された本作は「つよきすとは何か?」を考えさせてくれる - 猫箱ただひとつ" src="https://hatenablog-parts.com/embed?url=http%3A%2F%2Feroge-pc.hatenablog.jp%2Fentry%2Ftuyokiss3_review" frameborder="0" scrolling="no"></iframe></p> <p><a href="http://eroge-pc.hatenablog.jp/entry/tuyokiss3_review">つよきす 三学期レビュー 無印版を全てなかったことにして新たに作り直された本作は「つよきすとは何か?」を考えさせてくれる </a></p> <p> </p> <p> </p> <div class="amazlet-box" style="margin-bottom: 0px;"> <div class="amazlet-image" style="float: left; margin: 0px 12px 1px 0px;"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B06X9H4HNF/114alme-22/ref=nosim/" target="_blank" name="amazletlink"><img style="border: none;" src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/612F1bigQxL.jpg" alt="【PS4】ダンガンロンパ1・2 Reload" /></a></div> <div class="amazlet-info" style="line-height: 120%; margin-bottom: 10px;"> <div class="amazlet-name" style="margin-bottom: 10px; line-height: 120%;"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B06X9H4HNF/114alme-22/ref=nosim/" target="_blank" name="amazletlink">【PS4】ダンガンロンパ1・2 Reload</a> <div class="amazlet-powered-date" style="font-size: 80%; margin-top: 5px; line-height: 120%;"> </div> </div> <div class="amazlet-detail"><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B9%A5%D1%A5%A4%A5%AF%A1%A6%A5%C1%A5%E5%A5%F3%A5%BD%A5%D5%A5%C8">スパイク・チュンソフト</a> (2017-05-18)<br />売り上げランキング: 204</div> <div class="amazlet-sub-info" style="float: left;"> <div class="amazlet-link" style="margin-top: 5px;"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B06X9H4HNF/114alme-22/ref=nosim/" target="_blank" name="amazletlink">Amazon.co.jpで詳細を見る</a></div> </div> </div> <div class="amazlet-footer" style="clear: left;"> </div> </div> <p> </p> <p><iframe src="http://store.steampowered.com/widget/413410/" width="646" height="190" frameborder="0"></iframe></p><div class="footnote"> <p class="footnote"><a href="#fn-67a618f9" name="f-67a618f9" class="footnote-number">*1</a><span class="footnote-delimiter">:</span><span class="footnote-text">ちなみにラスボスは「苗木誠」だと睨んでいたのだけど、そこは外れてほっとした自分がいたり。</span></p> </div> bern-kaste 思考速度とタイピング、フレームと発見、作家論とqwerty配列 hatenablog://entry/8599973812275367437 2017-07-10T22:00:00+09:00 2017-07-10T22:00:13+09:00 もしもまだ筆で文字をつくるのが一般的で、それ以外の(まともな)選択肢がなかったならば、私はこんなにも文章をしたためることはしなかっただろう。 日記も手紙も書くことさえ億劫となり、趣味――つまり楽しむものとして捉えていたかは怪しいと思う。 <p><img class="hatena-fotolife" title="f:id:bern-kaste:20170701162752j:plain" src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/b/bern-kaste/20170701/20170701162752.jpg" alt="f:id:bern-kaste:20170701162752j:plain" width="145" /></p> <p>もしもまだ<strong>筆</strong>で文字をつくるのが一般的で、それ以外の(まともな)選択肢がなかったならば、私はこんなにも文章をしたためることはしなかっただろう。</p> <p>日記も手紙も書くことさえ億劫となり、趣味――つまり楽しむものとして捉えていたかは怪しいと思う。</p> <p>なぜなら筆は文字をつくるのが<strong>遅い</strong>。圧倒的に。これは明らかな事実として思考の速度に追いつくことは難しいし、「思いついたことが文字となる」に達するには専門的な訓練が必要になると思われ大衆的な手法としては確立しえないだろう。</p> <p>速記・要約速記を会得しても、あれは創作文章には適さずコピータイピングに絞った手法なため、文章をしたためるといった目的からは逸れてしまう。</p> <p>この意味で「PC-キーボード」なる入力機構は、簡便で、誰でも習得ができ、かつ手書きに比べ恐ろしいほどの速度で文字入力ができる優れたものだ。</p> <p><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Dvorak">Dvorak</a>配列、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/qwerty%C7%DB%CE%F3">qwerty配列</a>、月配列―――これらの配列による差異など筆とキーボードの比較の前では霞んでしまう。</p> <p><span style="font-size: 80%;">(重要ではない、というわけでもないが)</span></p> <p> </p> <h3>文字を手繰ることで得られるもの</h3> <p>日記を書く、blogを書く、小説を書く……なんでもいいが「創作文章」と括れるものを書き綴っているものは「発見」に遭遇することが多い。</p> <p>本来想定し得なかった何かであり、思考の先であり、見つけることの喜びがそこにはある。それはただ頭の中で思考を泡のようにぼこぼこと発生しているだけでは得られなかった<span style="text-decoration: underline;">気づき</span>でもあるのだ。<a href="#f-3d4e02d5" name="fn-3d4e02d5" title="……例えば物語だと、ADV『こなかな』で私は当初、九重二十重はダンスシーンで彼女は取り巻くものを受け入れられたと考えていた。だがそうなると「では何故彼 方と九重は一緒にいられないのだ?」という疑問が沸き起こり、それを解消する見方として――ああでもないこうでもないと文字を唸らせながら――「そうか、 これは受け入れないままのお話なのか」と結論付けた。(こなたよりかなたまで考察――無限のように生きる―― )すると彼女の物語は、本作の中でとびきりに特別で、尖っていたものだったと気付く。このときの「発見」はアルキメデスの口をついたように――それは傍から見ればとても小さなものであろうが――EUREKA!と叫びたくなる瞬間でもあったのだ">*1</a></p> <p>もちろん「思考」においても同様の発見に出会うことはあろうが、それは「文字」とは経路が違うものだと考えている。</p> <p>つまり<span style="color: #0000cc;"><strong>文字は論理のため一貫性(=順序)にのっとって考える強制力が働くのにたいし、思考はカオスなためランダムで考える性質を有している</strong></span>。</p> <p>「文字」においては論理的な経路である発見に行き着くことがとても多く、「思考」はランダム性により論理(=順序)を飛び越え一足早く答えに辿り着くことも<span style="font-size: 80%;">――時に――</span>あるのだ。しかし行き当たりばったりな特徴を持つ。</p> <p>頭のなかで泡をぼこぼことかき鳴らし、偶然にも何かを見つけたらラッキーってのが思考であるし、地道に時間をかけてもいいのであれば「文字」を手繰るほうがコンスタントな発見/気づきを得られる。</p> <p>また「思考で得た解」は、<span style="text-decoration: underline;">そこに至るまでの過程を説明できない</span>ので他者との共有は不可能になる。答えはわかるが証明出来ないし、それがいっとう真理に近くても無価値だと判断される悲しさがある。</p> <p>「なぜお前にそんなことが分かる?」</p> <p>「あーそれはだな、死んだ姉さんが幻覚の中で『あれ』だって教えてくれたんだ。それもロリーな姿で白ワンピ着てるんだぜ? 笑えるだろ?エ口ゲかっつ(以下略)」</p> <p> </p> <div class="amazlet-box" style="margin-bottom: 0px;"> <div class="amazlet-image" style="float: left; margin: 0px 12px 1px 0px;"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B01GV9IEII/114alme-22/ref=nosim/" target="_blank" name="amazletlink"><img style="border: none;" src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/61DHEvct3XL._SL160_.jpg" alt="レミニセンス -Collectors Edition-【予約特典:完全限定生産・トモセシュンサク先生描き下ろしB2タペストリー付き】" /></a></div> <div class="amazlet-info" style="line-height: 120%; margin-bottom: 10px;"> <div class="amazlet-name" style="margin-bottom: 10px; line-height: 120%;"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B01GV9IEII/114alme-22/ref=nosim/" target="_blank" name="amazletlink">レミニセンス -Collectors Edition-【予約特典:完全限定生産・トモセシュンサク先生描き下ろしB2タペストリー付き】</a> <div class="amazlet-powered-date" style="font-size: 80%; margin-top: 5px; line-height: 120%;"> </div> </div> <div class="amazlet-detail">てぃ~ぐる (2016-10-28)</div> <div class="amazlet-sub-info" style="float: left;"> <div class="amazlet-link" style="margin-top: 5px;"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B01GV9IEII/114alme-22/ref=nosim/" target="_blank" name="amazletlink">Amazon.co.jpで詳細を見る</a></div> </div> </div> <div class="amazlet-footer" style="clear: left;"> </div> </div> <p>なので後追いで論理をこしらえる必要性が「思考の発見」にはある。ちなみに、天才と呼ばれる人間は大抵これだとも思っている。</p> <p> </p> <p>また論理というのは魔法の言葉ではなく、単なる「順番」でしかない。なので順番に依存する限り手に入らない気づきもある。この意味で「文字」と「思考」は互いの苦手領域を補完しあう関係といえる。</p> <p>ということで、ああでもないこうでもないと、脳内で浮かび上がったものを固着化させ、固着したものを目で見て、それを脳でまた考えていく。</p> <ul> <li>思考→文字化→その文字を見る→思考→<span style="font-size: 80%;">(以下ループ)</span></li> </ul> <p>といった流れがそういった発見には肝要であろう。</p> <p>先では配列の差異など筆とキーボードに比べれば微々たるものだとは言ったが、速く思考を書き出せるのならばやはり適したものがいいとも思う。回転率が上がるからだ。</p> <p>――例え、思考速度が<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DC%A5%C8%A5%EB%A5%CD%A5%C3%A5%AF">ボトルネック</a>になろうとも。</p> <p> </p> <p> </p> <h3>フレームと思考速度</h3> <p>頭のいい人を、「思考が早い」と定義する。</p> <p>ある問題にたいし、適切で、妥当性のある解答を常人よりも素早く出せる人を私は頭のいい人だと思うし、ひいては思考が早いという因果があると考える。</p> <p>では思考が早いとはいかなるものか?</p> <p>それはフレームを用いて答えまでを簡略化すること。型、パターン、スキーム……呼び方はなんだっていい。とにかくある種の「枠組み」を駆使することで、<strong>いちいち考える時間</strong>を省いているのである。</p> <p>逆に言えば、フレームを用いた思考は<strong>考えていない</strong>。これを使った思考は頑張れば一日中だって出来るが、考えることはどんなに頑張っても数時間、人によっては1時間で音を上げてしまうものだ。</p> <p>それくらいに考えるとは難しく、コストが高い行為なのである。</p> <p> ▼</p> <p><iframe class="embed-card embed-blogcard" style="display: block; width: 100%; height: 190px; max-width: 500px; margin: 10px 0px;" title="作品を考察することは「☓☓のオマージュだ!」と言うことではないというお話。(1570文字) - 猫箱ただひとつ" src="https://hatenablog-parts.com/embed?url=http%3A%2F%2Feroge-pc.hatenablog.jp%2Fentry%2F2014%2F01%2F12%2F094628" frameborder="0" scrolling="no"></iframe></p> <p><a href="http://eroge-pc.hatenablog.jp/entry/2014/01/12/094628">作品を考察することは「☓☓のオマージュだ!」と言うことではないというお話。</a></p> <p> </p> <p><iframe class="embed-card embed-blogcard" style="display: block; width: 100%; height: 190px; max-width: 500px; margin: 10px 0px;" title="作品を語るときに何故あなたは「外在的文脈」を使うんですか?(6154文字) - 猫箱ただひとつ" src="https://hatenablog-parts.com/embed?url=http%3A%2F%2Feroge-pc.hatenablog.jp%2Fentry%2F2014%2F11%2F22%2F120000_1" frameborder="0" scrolling="no"></iframe></p> <p><a href="http://eroge-pc.hatenablog.jp/entry/2014/11/22/120000_1">作品を語るときに何故あなたは「外在的文脈」を使うんですか?</a></p> <p> </p> <p>言い方を変えればフレームを取っ払うことこそが、考えるであり、考えた結果としてフレームが出来上がる。</p> <p>創造性のある人というのは、常人では思いつかないことを思いつき、それが市場において価値あるものを見出すと定義しよう。</p> <p>このときフレームを用いているだけでは、創造性ある発見など出来ない筈なのだ。それは簡略された√であり、既に見出した答えへと移動させるレール。そこにいくら「問い」を乗っけようとも決められた「解」しか導けない。</p> <p>ではなく、そこから外れたものこそ、当人が今まで発見できなかったものがあるのだし、ひいては未だ誰も見いだせなかった気づきが眠っているものである。</p> <p>(この意味である哲学者が「対話」を重視し続けたのも分かる気はする。他者による問いかけというのはどうしようもなく頭で考えなければいけなくなるからだ)</p> <p>もちろん数多のフレームを駆使し、未開拓な領域まで思考を "かっとばし" そこから考え始める―――そんな「考えるための事前準備」を行うこともフレームは可能な為、必ずしもこのフェーズにおいて要らない子ではない。</p> <p>ただしフレームとは既に歩んだ道程を短縮させるためのツールということを忘れてはいけないはずだ。</p> <p>余談だがこれを知ってから知らずか、似たり寄ったりの答えを導き出すのが作家論という手法でもある。</p> <p> ▼</p> <p><iframe class="embed-card embed-blogcard" style="display: block; width: 100%; height: 190px; max-width: 500px; margin: 10px 0px;" title="いつまで作家論なんてやってるの? - 猫箱ただひとつ" src="https://hatenablog-parts.com/embed?url=http%3A%2F%2Feroge-pc.hatenablog.jp%2Fentry%2F2015%2F09%2F12%2F070000" frameborder="0" scrolling="no"></iframe></p> <p><a href="http://eroge-pc.hatenablog.jp/entry/2015/09/12/070000">いつまで作家論なんてやってるの?</a></p> <p> </p> <p>同様に、似たり寄ったりの話ばかりする人、毎度同じことしか言えない人は「一部のフレーム」を使い回しているのかもしれない。(フレームの絶対数が少ないとも言えそうだ)</p> <p>そしてなにかを考え続けることで、その過程、その結果がひとまとめの「フレーム」となり後の当人の思考を手助けするものになる。そういう循環が頭の中で起きるのだと私は考えている。</p> <p>つまり「フレーム」と「考える」ことは一対の関係であり、思考速度を上げたいならば考えることを増やし(結果として)フレームを大量生産させればいいのではないだろうか。</p> <p>私の感覚だと、知識とフレームは通ずるものもあり、フレームになりえるけど、考え続けた結果として生まれたフレームよりは品質が悪いような気がする。こうなんというか、うまく、自分のモノ<span style="font-size: 80%;">(=手足)</span>になっていないみたいな。</p> <p>また「経験」は品質のよいフレームだとも思っている。自分の手で目で耳で "実感" したものも考えるで上で有用な要素になりえ、ある程度の普遍性<a href="#f-d4c021af" name="fn-d4c021af" title="*人間に共通しているのは「時間」と「空間」なので、これに則った経験は普遍性があるものの、それ以外は議論の余地がありそうだ。">*2</a>も確保できる。が、知識に比べれば絶対数を上げにくい。</p> <p>  考える</p> <p>  /   \</p> <p>知識 ― 経験</p> <p>どれか一つではなく、この3つを回すことができればいい感じに思考は鋭くなっていくのではないだろうか。</p> <p>ユニークで、良質な意見をコンスタントに出す人って大抵この3つの練度が高いと(傍目から見て)分かることが多い。</p> <p> </p> <h3>と</h3> <p>考えると、私は、私のなかの感覚に納得できそうだ。他人にも適用できるかはわからないが、納得できる所もあると思う。</p> <p>念のため強調。</p> <ul> <li>思考=一貫性がなく、ランダム性を有し、制御しにくいためあっちいったちこっちいったりする。ループはざら。ただ時に論理では至らない<span style="font-size: 80%;">(あるいは時間が掛かりすぎる)</span>発見に行き着くこともある。</li> <li>考える=問いに対する答えを過程から結論まできっちり(自分の中で)言葉にするための試行錯誤であり、未知を探すための行為。なのでフレーム使用はその本意から外れてしまう。</li> </ul> <p><span style="font-size: 80%;">私の、考える、をイメージ化するとする。それは<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Rewrite">Rewrite</a>における『大樹の枝葉』であり、A枝ではある程度進めばそこからもう先がなくなる、B枝ではAよりは進めるがのちに途切れてしまう。C,D,E……と続けていきN枝ではより長く、途切れることなく伸ばすことができれば、その枝は有用の可能性がある。発見に値する何か。みたいな。といえば分かりやすいかな? <a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D5%A5%ED%A1%BC%A5%C1%A5%E3%A1%BC%A5%C8">フローチャート</a>として「考える」を考えている節。</span></p> <p> </p> <p> </p> <h3><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/qwerty%C7%DB%CE%F3">qwerty配列</a>の(コンスタントな)タイピング速度</h3> <p> </p> <p>ちなみに私の現在の速度は</p> <ol> <li><span style="color: #00796b;"><strong><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/e-typing">e-typing</a>での長文1分    :213文字/1分</strong></span></li> <li><span style="color: #00796b;"><strong><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/e-typing">e-typing</a>での長文10分    :1765文字/10分</strong></span></li> <li><span style="color: #00796b;"><strong>起きた事実だけを書き連ねる :1080文字/10分</strong></span></li> <li><span style="color: #00796b;"><strong>小説の一幕を整形しながら写す:940文字/10分</strong></span></li> <li><span style="color: #00796b;"><strong>思考を書き出す       :821文字/10分</strong></span></li> <li><span style="color: #00796b;"><strong>作品対談における一問一答  :555文字/10分</strong></span></li> </ol> <p><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/qwerty%C7%DB%CE%F3">qwerty配列</a>だとこんな感じ。</p> <p> </p> <p>ケース1は<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/e-typing">e-typing</a>での長文スコア。変換動作はないものの漢字込みの文字数。</p> <p>ケース2は<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/e-typing">e-typing</a>で出た長文テキストをメモ帳でひたすら10分間書き写したもの。変換動作ありで漢字込みの文字数。(以下全部これを満たす)</p> <p>ケース3は一日に起きた事実を書くだけのもので、考える要素が希薄なタイピングとして挙げた。<span style="font-size: 80%;">(ないわけではないが薄い)</span></p> <p>ケース4は某小説の一幕を、段落、改行、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C6%B1%B2%BB%B0%DB%B5%C1%B8%EC">同音異義語</a>の漢字変換の有無すべてを勘案しながら写すもの。また100文字に一度コピーする文章を切り替えるロスがあり、何度も練習したものではなくはじめて書き写したものを対象。<span style="font-size: 80%;">(=創作文章のコピータイピング)</span></p> <p>ケース5はある事柄に対して、脳内で浮かび上がった思考を文字化した速度。これは考える要素がそこそこあり、散文的でまとまりのない文章群ではあるものの、後に整形して人が読めるものにする。</p> <p>ケース6は作品対談<a href="#f-69fa9184" name="fn-69fa9184" title="魔女こいにっきの時のもの">*3</a>を行ったときのもので、相手と自分、お互いに質問と解答を繰り返す形式での速度。他より遅いのは、質問に対する答えを導き出すまでの時間と、他者にも分かるように文章を組み立てなければいけない2つによって落ちていると思われる。考える要素が強いケースとして挙げた。</p> <p> </p> <p>高効率な配列に変えると「打鍵」の速度は三割あがると睨んでいて、けれど「思考」がやはりネックになってくるのでそこが変わらないのであれば、配列変えによる速度改善は全体の1割上がれば良いほうなのかな?</p> <p>いま自作配列をいじっているんですが、ものに出来たら<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/qwerty">qwerty</a>と比較したいですね。というより思考の速度を上げたいですね……頑張ろ。</p> <h4> </h4> <h4>関連しそうな記事</h4> <p><iframe class="embed-card embed-blogcard" style="display: block; width: 100%; height: 190px; max-width: 500px; margin: 10px 0px;" title="せっかくなのでアニメ『Charlotte』の作品対談をまとめちゃいます(19013文字) - 猫箱ただひとつ" src="https://hatenablog-parts.com/embed?url=http%3A%2F%2Feroge-pc.hatenablog.jp%2Fentry%2FCharlotte_Talk" frameborder="0" scrolling="no"></iframe></p> <p><a href="http://eroge-pc.hatenablog.jp/entry/Charlotte_Talk">せっかくなのでアニメ『Charlotte』の作品対談をまとめちゃいます(19013文字</a></p> <p> </p> <p><iframe class="embed-card embed-blogcard" style="display: block; width: 100%; height: 190px; max-width: 500px; margin: 10px 0px;" title="いくら速度があがってもローマ字打ちは思考に直結しないような…、だが打鍵ストレスに偏りがないのは良いところ(ただし三本打法) - 猫箱ただひとつ" src="https://hatenablog-parts.com/embed?url=http%3A%2F%2Feroge-pc.hatenablog.jp%2Fentry%2F2017%2F06%2F11%2F220000" frameborder="0" scrolling="no"></iframe></p> <p><a href="http://eroge-pc.hatenablog.jp/entry/2017/06/11/220000">いくら速度があがってもローマ字打ちは思考に直結しないような…、だが打鍵ストレスに偏りがないのは良いところ(ただし三本打法)</a></p> <p> </p> <div class="amazlet-box" style="margin-bottom: 0px;"> <div class="amazlet-image" style="float: left; margin: 0px 12px 1px 0px;"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B009NQBOXO/114alme-22/ref=nosim/" target="_blank" name="amazletlink"><img style="border: none;" src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/513FaNz-DiL.jpg" alt="BEST BUY F&amp;C こなたよりかなたまで" /></a></div> <div class="amazlet-info" style="line-height: 120%; margin-bottom: 10px;"> <div class="amazlet-name" style="margin-bottom: 10px; line-height: 120%;"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B009NQBOXO/114alme-22/ref=nosim/" target="_blank" name="amazletlink">BEST BUY F&amp;C こなたよりかなたまで</a> <div class="amazlet-powered-date" style="font-size: 80%; margin-top: 5px; line-height: 120%;"> </div> </div> <div class="amazlet-detail"><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/F%26amp%3BC">F&amp;C</a> (2012-09-28)</div> <div class="amazlet-sub-info" style="float: left;"> <div class="amazlet-link" style="margin-top: 5px;"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B009NQBOXO/114alme-22/ref=nosim/" target="_blank" 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href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%C0%A5%A4%A5%E4%A5%E2%A5%F3%A5%C9%BC%D2">ダイヤモンド社</a> <br />売り上げランキング: 4,816</div> <div class="amazlet-sub-info" style="float: left;"> <div class="amazlet-link" style="margin-top: 5px;"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478017034/114alme-22/ref=nosim/" target="_blank" name="amazletlink">Amazon.co.jpで詳細を見る</a></div> </div> </div> <div class="amazlet-footer" style="clear: left;"> </div> </div> <p>上記本におけるちきりんさんの考えると、この記事でいったのはやや違うけれども興味深い本。</p> <p> </p><div class="footnote"> <p class="footnote"><a href="#fn-3d4e02d5" name="f-3d4e02d5" class="footnote-number">*1</a><span class="footnote-delimiter">:</span><span class="footnote-text">……例えば物語だと、ADV『こなかな』で私は当初、九重二十重はダンスシーンで彼女は取り巻くものを受け入れられたと考えていた。だがそうなると「では何故彼 方と九重は一緒にいられないのだ?」という疑問が沸き起こり、それを解消する見方として――ああでもないこうでもないと文字を唸らせながら――「そうか、 これは受け入れないままのお話なのか」と結論付けた。(<a href="http://eroge-pc.hatenablog.jp/entry/konatayori_kanatamade">こなたよりかなたまで考察――無限のように生きる―― </a>)すると彼女の物語は、本作の中でとびきりに特別で、尖っていたものだったと気付く。このときの「発見」は<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A2%A5%EB%A5%AD%A5%E1%A5%C7%A5%B9">アルキメデス</a>の口をついたように――それは傍から見ればとても小さなものであろうが――EUREKA!と叫びたくなる瞬間でもあったのだ</span></p> <p class="footnote"><a href="#fn-d4c021af" name="f-d4c021af" class="footnote-number">*2</a><span class="footnote-delimiter">:</span><span class="footnote-text">*人間に共通しているのは「時間」と「空間」なので、これに則った経験は普遍性があるものの、それ以外は議論の余地がありそうだ。</span></p> <p class="footnote"><a href="#fn-69fa9184" name="f-69fa9184" class="footnote-number">*3</a><span class="footnote-delimiter">:</span><span class="footnote-text">魔女こいにっきの時のもの</span></p> </div> bern-kaste こなたよりかなたまで考察――無限のように生きる―― hatenablog://entry/8599973812273562834 2017-07-03T22:00:00+09:00 2017-07-03T22:00:22+09:00 遥彼方は、末期癌だ。 すでに助からない身の上でそれでも余命を伸ばそうと投薬治療を受けている。抗癌剤の副作用は絶えず身体をむしばみ、がらんとした暗い部屋で、バケツ一杯に吐瀉物を溜め込む姿は―――彼が一人で生きていることを突き付けてくるようでさえある。 <p><img class="hatena-fotolife" title="f:id:bern-kaste:20170624201637j:plain" src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/b/bern-kaste/20170624/20170624201637.jpg" alt="f:id:bern-kaste:20170624201637j:plain" /></p> <p>遥彼方は、末期癌だ。</p> <p>すでに助からない身の上でそれでも余命を伸ばそうと投薬治療を受けている。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B9%B3%B4%E2%BA%DE">抗癌剤</a>の副作用は絶えず身体をむしばみ、がらんとした暗い部屋で、バケツ一杯に吐瀉物を溜め込む姿は―――彼が<strong>一人</strong>で生きていることを突き付けてくるようでさえある。</p> <p>いいや彼方は一人じゃないだろ、島田耕介という親友はいるし、幼馴染である佐倉佳苗もいる。そんな声が聞こえてくるかもしれない。</p> <p>確かに彼らは言いたいことを言い、聞きたいことを聞いて、十分なコミュニケーションを取っていることから「一人」、または「孤独」という言葉が縁遠いように思える。</p> <p>けれど彼方は甘えないのだ。誰にも寄りかかることはしないし、弱音も、本音も言わない。例え弱音のように見える言動を取っても、それは彼が「見せてもいい」と思ったものを見せているだけで、本当の気持ちは巧妙に隠されている。</p> <p>彼は「孤立」していないだけで誰かと共に歩めているか、共に歩もうとしているか、と問われればそうではないだろう。例え気の許せる友人がいても、彼が本当の意味で誰にも頼らないのであればそれは一人で生きようとしていることに変わりはない。</p> <p>その事実が、時折みせる闘病生活に色濃く出てしまう。</p> <p>そこが無限を生きる吸血鬼ことクリステル=V=マリーとよく似ているのだと思う。</p> <p>クリスの同胞は既に死に絶え、仲間はおろか家族も友人も恋人さえいない。彼方の周りには人はいるが寄り掛かりたいと思う人間はいない。ならば両者は「本質的にひとり」という点で似通っているのだと思う。</p> <p> </p> <blockquote> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>仲間がいた彼女。そして今はたった一人。</strong></span><br /><br /><span style="color: #286f2c;"><strong>「一人は、寂しいかい?」</strong></span><br /><br /><span style="color: #286f2c;"><strong>言葉は自然に浮かんできた。</strong></span><br /><br /><span style="color: #286f2c;"><strong>「…………ああ。多くは望まぬ。ただ共に歩むのものが欲しい」</strong></span><br /><br /><span style="color: #286f2c;"><strong>「そっかぁ」</strong></span><br /><br /><span style="color: #286f2c;"><strong>友達、家族、恋人。彼女にはそれが無い。クリスは恐ろしいほど孤独だった。</strong></span><br /><br />――クリス、彼方<span style="font-size: 80%;">(学校の屋上・夕陽を受け止めるクリスのCG)</span></p> </blockquote> <p> </p> <p>彼方は他人に寄りかかろうとはしないが、しかし周りの友人を大切には思っている。特に佐倉佳苗にたいしてはとびきりに。</p> <p>耕介に病気のことを口止めしているのも、学校の先生方に病院へ行くことのカモフラージュとして "不良と付き合っている生徒" という体を取らせているのも、佐倉を傷つけないようにするためだ。</p> <p>もしも、彼方の死期を知ってしまえば彼女は笑わなくなってしまうから。</p> <p> </p> <blockquote> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>耕介「だからさ、イヤイヤな俺にやらせるんなら、佳苗ちゃんにやってもらえばいいじゃないか」</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>彼はほんのすこし、表情を引き締めてそう言った。</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>耕介「きっと、一生懸命やってくれるぞ」</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>彼方「だめだよ」</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>今度は僕が表情を引き締めた。</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>彼方「佐倉は一生懸命になるからダメなんだよ。耕介みたいに笑っていられないとダメだ」</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>耕介は頭をかいた。</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>耕介「いいかげん、甘えるべき所は甘えた方がいいんじゃないのか? 佳苗ちゃんなら絶対いやだとは言わないぞ。今のお前を知ったら、それこそ身を捧げて‥‥」</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>そこまで言った耕介は、苦々しい表情でうつむいた。</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>耕介「そうだよな。佳苗ちゃん、普通じゃいられないよな」</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>佐倉が普通でいられないのは、僕が最も避けたい事のうちの一つだ。</strong></span></p> <p>――<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A4%B3%A4%CA%A4%BF%A4%E8%A4%EA%A4%AB%A4%CA%A4%BF%A4%DE%A4%C7">こなたよりかなたまで</a><span style="font-size: 80%;">(『第2楽章』彼方が嘔吐したバケツを朝早く取り替えるにきた2人の会話)</span></p> </blockquote> <p> </p> <p>しかしそれは彼方の一方的な行為でしかない。佐倉は本当にそれを望んでいるのか? もし死期を知らないまま彼方が居なくなってしまったらそれこそ悔やみ続けるのではないか? そう考えれば彼がしてることは独り善がりなものだと解る。</p> <p>彼方はそんな独善を佐倉√で成し遂げたものの、結局得られたものは「意地」と「達成感」だけだったと言い、その事に深く絶望した。</p> <p>またクリス√2でも、佐倉を遠ざけようとしていたのは愚かだったと語る。</p> <p> </p> <blockquote> <p><strong><span style="color: #286f2c;">そして同時に気付いた事がある。それは佐倉の事。目前に究極の選択肢を示されて、僕はやっとその事に気が付いた。つまりクリスと共に行くのが間違いなら、佐倉を遠ざけようとした僕自身も間違いだった事になる。どんなに辛くとも、僕は佐倉に全てを伝えるべきだったのだ。人の為にという理由をつけて人を遠ざける。なんと愚かだったのか。</span></strong></p> <p><strong><span style="color: #286f2c;">(中略)</span></strong></p> <p><strong><span style="color: #286f2c;">どうしようもない馬鹿だった。結局目先の出来事に振り回されていただけだった。一時の独善的な感情に、本質を見失ったのだ。</span></strong></p> <p>――遥彼方<span style="font-size: 80%;">(クリス√2.終盤,病院のベッド)</span></p> </blockquote> <p> </p> <p>しかし、彼方は「こんなこと」は7月時点で気づいていたし、その愚かさは朝倉優との出会いで理解していたはずだった。</p> <p>……そう理解していても誤ってしまうのは、それだけ人は思うように生きられないと言うことなのだろう。</p> <p> </p> <p> </p> <h3>(1)此方から</h3> <p>朝倉優との出会いは、彼方に「みんなと生きること」について考えさせることになった。</p> <p>出会った頃の朝倉優は「孤独」を体現する、誰とも話さず喋らず、わずかな意思疎通さえも拒み無表情を貫く、そんな少女だった。それは見舞いにくる祖父や周りの人たちに「自分が死ぬ」ことによって――訪れる未来を先んじて――傷ついて欲しくないからからこそ、冷たく当たっていたのだ。</p> <p>いわば、終わりを気にするが故の別れへの対策だった。</p> <p>優の在り方は、まさに彼方が佐倉にやろうとしていた事を徹底的にやり遂げた姿である。だからこそ彼は優に恐怖し、その在り方に疑問を挟むことになる。言うなれば彼方は優によって自分自身を客観的に見つめる機会を得ていた。</p> <p>――いくら周りの人たちを傷つけたくないからといって、孤独に徹するのはどうなのか? </p> <p>その解として、彼方はそれがいかに間違っているかを諭すのである。</p> <p> </p> <blockquote> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>彼方「ねぇ、優ちゃん。僕はどうしたらいいんだろうな?」</strong></span><br /><br /></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>僕は彼女の頭を撫でながら、呟いた。</strong></span><br /><br /></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>彼方「僕は、どう頑張ったって助からないんだって」</strong></span><br /><br /></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>彼女の身体が震える。</strong></span><br /><br /></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>彼方「僕はどうしたらいいと思う?」</strong></span><br /><br /></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>優「‥‥‥‥」</strong></span><br /><br /></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>ずっとずっと、考えていた言葉だ。初めて会った頃からずっと。</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>友達になれたなら、言ってあげようと思っていた言葉だ。</strong></span></p> <p><br /><span style="color: #286f2c;"><strong>彼方「僕も、前の君のように、みんなに冷たくしてみようかな」</strong></span></p> <p><br /><span style="color: #286f2c;"><strong>優「‥‥‥‥」</strong></span></p> <p><br /><span style="color: #286f2c;"><strong>彼方「もちろん君にもだ」</strong></span></p> <p><br /><span style="color: #286f2c;"><strong>しかしそんな事はありえない。</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>単に彼女に確認したかったというだけの事だ。優ちゃんは、ガタガタと震え始めた。その手が掻き毟るように僕を捕える。小さな身体は、あついくらいに火照っている。</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>そして彼女は顔を上げた。</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>必死な目と、</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>必死な表情と、</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>そして必死の想いをもって。</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong> </strong></span><br /><span style="color: #286f2c;"><strong>優「いや、いやです!!」</strong></span></p> <p><br /><span style="color: #286f2c;"><strong>首を左右に激しく振る。</strong></span></p> <p><br /><span style="color: #286f2c;"><strong>優「わたしをひとりにしないでっっ!!」</strong></span></p> <p><br /><span style="color: #286f2c;"><strong>でもそれは無理なのだ。</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>僕の砂時計からは彼女のそれよりも早く砂がこぼれているのだから。</strong></span></p> <p><br /><span style="color: #286f2c;"><strong>優「いや!! いや!! 生きてるうちだけでいいの!! 生きている間はっ!!」</strong></span></p> <p><br /><span style="color: #286f2c;"><strong>僕は待っていた。</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>祈るように待った。</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>彼女が、</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>全ての答えを口に出すその時を。</strong></span><br /><br /><span style="color: #286f2c;"><strong>優「それだけでいいからっ!! わたしを!! みんなを見てっ!! 微笑んでっ!!」</strong></span></p> <p><br /><span style="color: #286f2c;"><strong>ならば答えを返そう。</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>それは、ずっとずっと考えていた言葉。</strong></span></p> <p>――<span style="font-size: 80%;">(優&amp;いずみ√ 病室にて)</span></p> </blockquote> <p> </p> <p>このあと彼方が願ったことは、「大切な人には笑って欲しい」「なにより世界を見て微笑んで欲しい」といったものだった<a href="#f-a2e2c245" name="fn-a2e2c245" title="――優&いずみ√ 『第7楽章』 "僕と優ちゃんの関係は、そのまま優ちゃんと朝倉さんの関係だった。朝倉さんも思っているのだ。優ちゃんに、自分を見て欲しいと、笑って欲しいと、そう思っているのだ。そしてなにより世界を見て微笑んで欲しいのだ。"">*1</a>。例えそれが短い間だとしても、生きているうちは笑っていて欲しいのであると。</p> <p>これは朝倉優とその祖父の関係にも当て嵌まり、祖父もまた優に笑っていてほしいし自分を見てほしかった。決して、人との関係を拒絶するような孫の姿など欲してはいなかったのだ。</p> <p>優はこのことにようやく気付き、彼方もまた佐倉に自分しようとしていたことを理解するキッカケになる。</p> <p>彼方が身体の異変に気付いたのは「7月初め」となっており、担当医が薬物の反応検査の入院をうながしたのは「夏休みがはじまったばかり」となっている。そして朝倉優の孤独の在り方を見た際 "僕が佐倉にしようとしていることと同じ。ただ、徹底していただけ。だから僕は恐怖したのだ。" と語るのだ。</p> <p>このことから、つまり彼方は癌を発見してから検査入院をするまでの間<span style="font-size: 80%;">(=7月1日~2☓日)</span>には佐倉に対して朝倉優と似たようなやり方で接しようと考えていた事になる。</p> <p>大切な人を傷つけないようにという想いから、佐倉と一言も言葉を交わさず、最小限の意思疎通さえ拒むようなそんな未来もあっただろう。もしかしたら検査入院前に多少なりともそんな態度を取っていたのかもしれない。</p> <p>しかし、今回の朝倉優の出来事もあり、彼方の中ではハッキリと<span style="color: #0000cc;"><strong>佐倉への接し方を見直そう</strong></span>しているのである。具体的には、"全てを伝える"と言っている。</p> <p> </p> <blockquote> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>「それにね、僕はみんなや君を見捨てたりしない。僕は死ぬまでみんなと生きるんだ」</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>そう。</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>僕はみんなと言葉を交わさないなんて無理だ。</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>佐倉ひとりでさえこの始末なのだ。到底できる事ではない。</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>それに、</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>僕は、以前の彼女を見て恐怖したのだ。</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>僕が望んだ、孤独を体現する優ちゃんを見て、僕は恐怖したのだ。</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>結局、救われたのは僕も同じだ。僕は彼女を救うつもりで結局救われたのだ。あるいは、先生といずみちゃんはこれを狙っていたのかもしれない。</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>僕が優ちゃんを救い、優ちゃんが僕を救った。</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>だから、</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>僕もきっと佐倉に全てを伝えるのだと思う。</strong></span></p> <p> </p> <p>――彼方<span style="font-size: 80%;">(優&いずみ√.優が祖父との関係性を見つめなおした時)</span></p> </blockquote> <p> </p> <p>優を通じて、彼方もまた<span style="color: #0000cc;"><span style="font-size: 80%;"><strong>――自分から見る大切な人、そして大切な人が自分を見る時も――</strong></span><span style="color: #000000;">「大切な人には笑って欲しい」ことを知った。</span></span></p> <p>それは人との関係を拒むのではなく、人と一緒に生きること、すなわち「みんなと生きる」ことに他ならない。</p> <p>彼方が『演目紹介』<span style="font-size: 80%;">(=検査入院後)</span>から癌を告知される前後で変わらない日々を維持するのは、周囲の人間に笑っていて欲しいからだ。癌のせいで塞ぎこんだ自分の姿を見せれば、周囲も気を遣って(あるいは親身になって)笑顔じゃいられなくなってしまう。</p> <p>そういうのを避けるがため。彼は気丈に振る舞い、病気に冒されているそぶりなど微塵も見せないのである。</p> <p>これはなにも朝倉優だけがキッカケでではなく、病院で働く看護婦たちの影響も大きくあると思う。</p> <p>彼方が通院している県立のがんセンターの看護婦<span style="font-size: 80%;">(※作中の表現)</span>は、初めて訪れた人が不思議に思うくらいにいつもにこにこ笑っている。</p> <p>冗談だって言うし、なにか明るい話題があればすぐに飛びつき平気で言いふらし、朗らかな雰囲気を決して崩さない。それは彼方がいずみちゃんに接した時に「こんな看護婦で大丈夫か??」と不安になるほどに既存の<span style="font-size: 80%;">(=彼が考える)</span>看護婦イメージとは大きくかけ離れているのである。</p> <p>後にわかるが、「癌」を扱っている病院だからこそ、看護婦はより意識して「明るく」しようとしているのだ。</p> <p>死と隣合わせの場所だからこそ、病院内を暗い雰囲気にすることを避け、終わりではなく「この先」があることを提示し続ける。悲しい顔ではなく、笑顔をつくっていく。それが彼女達のモッ<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%C8%A1%BC">トー</a>なのである。</p> <p>優&いずみ√のラストで、彼方の一時的な退院を「我らの<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BE%A1%CD%F8">勝利</a>」と祝い「ばんざーい!ばんざーい!」と叫び見送る様子は看護婦たちが何を目指しているのかよくわかるだろう。</p> <p>そして呆れ返りつつも、彼方はいずみにせっつかれつつ「笑顔」を作るのであった。</p> <p> </p> <blockquote> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>彼方「もう、どうでもいいや」</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong> </strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>予想外の事態、思わずつぶやく僕、そして頭を抱える。</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>たった一人が退院するというだけでこの騒ぎだ。</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>なんだか頭がくらくらしてくる。</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong> </strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>いずみ「そんなこと言わない言わない!!」</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong> </strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>彼女は僕に抱きつくと元気に笑った。</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>いずみちゃんのまぶしい笑顔が無性に憎らしかった。</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>でも、大好きだった。みんな、みんな、大好きだった。</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong> </strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>‥‥五の七だ。不意にそう閃く。</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>じいちゃんの碁の宿題。ずっと考えていた宿題。</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>そう、大切な答えはすぐそばにあった。碁も、そして人も。</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>いずみちゃんの抱きついている所から伝わってくる温もり。ひとのぬくもりだ。それを感じながら、僕はきっと残りの日々を生きていく事だろう。そこに不安は無かった。</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>いずみちゃんが回りこんで、僕の頬をつく。</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong> </strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>いずみ「ホラ、笑顔笑顔!!」</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong> </strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>そう言った彼女の顔には言葉以上の笑顔があった。そう遠くない日に優もそうなるだろう。そして、きっと僕も。僕はやっと彼女の、いや、彼女達の浮かべる笑顔の意味が解り始めたような気がした。</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>だから僕は苦笑交じりにこう答えるのだろう。それは今までの僕に比べたら格段の進歩だった。</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong> </strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>彼方「‥‥‥はぁ~~い 」</strong></span></p> <p><span style="font-size: 80%;">――(優&いずみ√『ゲームの達人』)</span></p> </blockquote> <p> </p> <p>優&いずみ√は、「<strong>此方</strong>」のお話なのだ。</p> <p>彼方が死んでも覚えてくれると言ったいずみ、看護婦たちが患者の笑顔を絶やさないようにする姿、病院の子供たち、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B0%CF%B8%EB">囲碁</a>を教えてくれたじいちゃん、優との一件は―――彼方が退院する時に感じるように「人と人との中で生きよう」と強く思えるような出来事。</p> <p>自分がこれから死ぬからといって、孤族を貫くのではなく、自分の周りの人たちと一緒に生きていこうと。耕介と、佐倉と、病院の人々と笑って生きていこうとそう思えるのがこのルートなのだ。</p> <p>つまり、この時、彼方は<strong>此方(=過去から今にあるもの)を受け入れる</strong>ことが出来たのである。</p> <p>癌を、死を、自分の状況を、そして周りの人々を受け止めた。</p> <p>そうして検査入院がおわった8月8日に、彼方は自分の病気のことを佐倉に伝えようと出向くのだが、しかしここで問題が起きる。</p> <p>このとき佐倉佳苗は『ずっとそばにいてください』と言ってしまう。いってしまった。もちろん彼方は春に亡くなってしまうから、その言葉に頷くことはできない。そしてそれを否定してしまえば彼女が傷つくのは想像に難くないし、かといって死期を伝えればその台詞を彼方に言ってしまったと佐倉は二重に傷つくことになる。</p> <p>彼方は佐倉に笑っていて欲しいからこそ、死期について言い出せなくなってしまい、<strong>彼女一人だけ「此方を受け入れる」ことから外れて</strong>しまう。</p> <p>あとは『演目紹介』から『この<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C1%C7%C0%B2%A4%E9%A4%B7%A4%AD%C6%FC%A1%B9">素晴らしき日々</a><span style="font-size: 80%;">(佐倉√END)</span>』まで、佐倉一人に不器用な距離の取り方をするのは誰もが知る所だろう。</p> <p> </p> <p> </p> <h3>(2)彼方まで</h3> <p> </p> <p> 『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A4%B3%A4%CA%A4%BF%A4%E8%A4%EA%A4%AB%A4%CA%A4%BF%A4%DE%A4%C7">こなたよりかなたまで</a>』は過去から今にあるものを受け入れ、そこから無限へ繋げる物語である。</p> <p>では「無限」とは何か? </p> <p>それは彼方が幾度と無く語った「<span style="color: #000000;">平凡で幸せな日々を無限に生きるように</span>」の事であり、<span style="color: #0000cc;"><strong>終わりがあると知っても尚無限の日々があるとして生きる</strong></span>――これが彼の目指すところだ。</p> <p> </p> <blockquote> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>在りたいように在る、ということはとても難しい。それは、生きることが難しいという事だと思う。僕は今になってそう思うようになった。</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>在りたいように在るには、他人を考えずに行動しなければならない。しかしおおよそ人間は他人の感情を無視して行動する事を良しとしない。だからこそ時に人は迷い、そして予期せぬ生き方を強いられる。それはどこまでも『自分』に付いてまわる、永遠のジレンマだ。</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>本当に自分のしたいように生きるためには、たった一人孤島で暮らすことが必要なのかもしれない。</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>でも、もしかすると、在りたい自分、というものをはきちがてているのかもしれない。時折、そう思うことがある。本当に大事な事は、例外なく成り立つはずなのだ。他人が居ようが居まいが、そんなこととは関係なく成り立つはずなのだ。</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>それでも僕は迷う。どうしても、人と時に迷う。迷いを断ち切ることが出来ない。頭で考えた事を、こころが拒絶する。その当たり前の現実に、押しつぶされそうになる。</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>砂時計が落ちきる前に、こころと折り合いを付けなければならない。そうでなければ、生きることにならない。諾々と、起きて、食べて、寝る、そんな生きるためだけの人生など願い下げだ。生きているうちから死んでいるようなものだ。</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>もっと、違う人生を。</strong></span></p> <p><br /><span style="color: #286f2c;"><strong>それはきっと………。</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong> </strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>平凡で幸せな日々を無限に生きるように。</strong></span></p> <p> </p> <p>――<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A4%B3%A4%CA%A4%BF%A4%E8%A4%EA%A4%AB%A4%CA%A4%BF%A4%DE%A4%C7">こなたよりかなたまで</a></p> </blockquote> <p> </p> <p>しかし上でも語られるようにそれは簡単なものではなく、折り合いをつけなければならないものがある。</p> <ul> <li><span style="color: #0000cc;"><strong>「過去から今にあるものを受け止めているか」</strong></span></li> </ul> <p>死を受け入れられるから明日を迎えられる、周囲を受け入れられるから在りたい自分で在れる。 けれど彼方は(そこを理解しつつも)後者が欠けているため、佐倉との距離感を見誤ってしまうし、ひいては望む生き方を得られない。</p> <p>また「生きる」ことを劇中でこのように指し示す事から、</p> <p> </p> <blockquote> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>僕にとっての最後のクリスマス。一人で過ごすものだと思っていたが、どうやらそうはならないようだ。おかしな巡り合わせでクリスがそばにいてくれる。それは純粋に喜ばしい事だった。</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>誰でもいいとは思わない。だけど、クリスだから、という事でもない。親しい人がいて、その人が時間を共有してくれる。それこそが重要なのだと思う。人はそうやって生きていく。</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>違うか。</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>それこそが生きるということなのだ。そう思うべきだろう。</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>人は一人では生きられない、という言葉がある。</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong> だがそれは半分間違いだ。個として生きるだけなら、一人でも十分生きていけるのだから。自分の思う通りに自己を表わし、それでもって全ての世界を総括する。充分一人でやっていける事だ。</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>しかし人間という種族としてならば、もちろん正しい。人間という種族は一人で生きるようには出来ていない。一人では未来に繋げる事ができない。ここにいる自分を、自分よりも先へ行く何者かに、伝える事ができない。言ってみれば人間は子供を育て上げる事や他人と触れ合う事、つまり時間を共有する事に意義があ る。子供を産み、増えることが重要なのではない。増える事が重要なら、生まれた子供は自力で立ち上がり生きていくだろう。人間以外の多くの生き物がそうであるように。</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>結局人の人たる所以は共有する事で備わるのだ。</strong></span></p> <p><span style="font-size: 80%;">――彼方(クリス√)</span></p> </blockquote> <ul> <li><span style="color: #0000cc;"> <strong>「共に歩む者がいるか」</strong></span></li> </ul> <p>も重要な要素になってくると考えられる。</p> <p>この2つが満たされた時、彼方は彼方が望む「無限の生き方」へと足を踏み出すことができるし</p> <p>逆に言えばあらゆる√はこのどちらかが欠けていてその欠けたものを満たそうとすることで、死という終点を取り払った歩みが可能になると言っていい。</p> <p> </p> <h4>優&いずみ√</h4> <p>先述したように、この√では優といずみを筆頭にした病院の人々によって、彼方の病気、死期、周囲の人間<span style="font-size: 80%;">(佐倉は後に例外となる</span>)―――つまり「過去から今にあるもの」を受け止められるようになる。</p> <p>そして一時退院の冬。12年前の約束を果たしにやってきたクリスは彼方と出会うものの、優といずみと彼方の触れ合いを見て「私はあの娘らに負けたのだ」と身を引いてしまう。</p> <p>これは優といずみの存在は、彼方は自覚していなかったようだが「人生を共に歩む者」にまでなっていたと考えられる。</p> <p> </p> <blockquote> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>「何度も言うようだが、私はあの娘らに負けたのだ。彼方」</strong></span><br /><span style="color: #286f2c;"><strong>ほっそりとした指を僕の鼻に突きつける。</strong></span><br /><span style="color: #286f2c;"><strong>「一番ぐらい、一番らしい扱いをしてやれ彼方。あの娘達のためにも」</strong></span><br /><span style="color: #286f2c;"><strong>"つん"</strong></span><br /><span style="color: #286f2c;"><strong>つつかれる。</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>「そなた自身のためにも」</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>言われてみて愕然となる。</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>一番、大事にしたい人。</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>最後まで、関わっていたいひとたち。</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>それは‥‥‥。</strong></span></p> <p><br />――クリス<span style="font-size: 80%;">(優&いずみ√・終盤の公園にて)</span></p> </blockquote> <p> </p> <p>そう言ってクリスは、突然に去った。</p> <p>しかし例え彼女が居なくなっても、彼方は<span style="font-size: 80%;">――出会った頃の朝倉優が身を持って示してくれたように死を意識して「別れの準備」をするのではなく――</span>人々の中で笑いながら生きていくのだろう。</p> <p>病院の人々のぬくもりの中で。共に歩む者がいる中で。</p> <p> </p> <p> </p> <h4>佐倉佳苗√</h4> <p>逆に「過去から今にあるもの」を蔑ろにしてしまったのがこの√である。</p> <p>末期癌による死、その死によって傷つくであろう佐倉―――、彼方はそれを受け入れられなかったからこそ、いつまでたっても死期を知らせることはないし彼女に対して不器用でおかしな距離を保ち続けようとするのだ。</p> <p>孤独に徹し、終わりに怯え、人と一緒に生きようとしない。‥‥こんなのは決して生きているなどと言わないものだ。</p> <p>彼はどうしようもなく間違っていたし、朝倉優の失敗を繰り返したものにすぎなかった。優が孤独を貫き通した姿を彼方は知っていたはずなのに‥同じように大切な人を遠ざけてしまう。</p> <p>彼方は佐倉に対して自分の死期を伝えるべきだったのだろう。もっと言うと自分の死期によって佐倉を傷つけることを受け止めるべきだったし、傷つけられても大丈夫な佐倉を信じるべきだったのだ。</p> <p> </p> <blockquote> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>結局、僕の独り善がりだった。そういう事なのだと思う。</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>真実を知った彼女は、僕が思っていた以上に元気で力強かった。僕が彼女を信じなかったせいで、彼女を必要以上に追い込んでいたのだ。</strong></span></p> <p>――彼方(佐倉√ .佐倉とのキスシーン)</p> </blockquote> <p> </p> <p> この√では、彼方は佐倉という「共に歩む者」の存在がいるものの、「死期を伝えることで傷つく佐倉」を受け入れない為に 平凡で幸せな日々を無限に生きるように を生きることはできなくなってしまう。</p> <p>しかし耕介によって、(結果的にではあるものの)佐倉は彼方の死期を知ることになり、「死期を伝えることで傷つく佐倉」を強制的に受け入れざるを得なくなった。</p> <p>現在の状況を受け止め、共に歩む者がいる―――。こうなれば優&いずみ√のように、最愛の人のぬくもりを感じながら死なんか知ったことじゃないねと言わんばかりに生きてくだろう。彼ならば。きっと。</p> <p> </p> <blockquote> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>「好きっ!!」</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>なんだかとても気持ちが良かった。昨日までの暗澹たる気分が嘘の様だ。</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>「言ってる場合かっ!」</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>佐倉と一緒なら、何だって出来る。今ならどんな夢だって叶えられそうな気がしていた。きっとそれは気分だけなのだろうけど、そんな事が重要なのではない。</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>「うんっ! 言ってる場合だよっ!」</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>在りたいように在る、それはきっとこういう事なのだろう。</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>「あほーう!!」</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>叫ぶ。言葉にはもう何の意味もなかった。ただ内から溢れる声で、取り戻し、そして始まった、日々を確かめているだけなのだから。</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>そんな僕の叫びは静寂の朝を突き抜けて、昇り始めた朝日のなかに吸い込まれていくのだった。</strong></span></p> <p>――佐倉、彼方(佐倉√.『この素晴らしき世界』)</p> </blockquote> <p> </p> <p> </p> <h4>九重二十重√</h4> <p>この√は、「過去から今にあるもの」をヒロインである九重二十重が受け入れられないお話である。</p> <p>九重の仕事は、吸血鬼<span style="font-size: 80%;">(=クリス)</span>を餌としそこに群がってくる敵を始末すること。</p> <p>しかしそれが仕事だとしても殺人という行為を全面的に肯定していないし、むしろ彼女は殺人行為を誰かから「嫌悪」されなければ自身が行っている殺人を肯定できないのである。</p> <p>誰かから恐怖と嫌悪の眼差しで見つめてほしいし、そういった態度を取ってほしいというジレンマ。</p> <blockquote> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>「‥‥つらいならやめればいい」</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>「私は殺さないとならないから」</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>九重さんは首を左右に振りながら答えた。</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>「お前のような馬鹿な奴が、何も知らずにのほほんと暮らしていけるように」</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>九重さんが訴えかけてくる。握り締めた手に力がこもっている。指先が白くなっていた。</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong> 怖れてくれ。でも怖れないでくれ。それが彼女の抱えるジレンマだった。</strong></span></p> <p>――彼方、九重</p> </blockquote> <p> </p> <p>後のダンスパーティーで、彼方は「君は間違ってなんかいない」と言い、「それなら安心だ」と少女は笑った。</p> <p>もしこの時、九重二十重が「過去から今」を受けいれられたのならば、この街を去る理由はなくなる。彼女が敵を殺せない状態<span style="font-size: 80%;">(=彼方が九重に恐怖しないため自身のジレンマに絡め取られている)</span>は解消され、二人は一緒に入られるはずだ。</p> <p>だがやはり別れは定められていることから、最後まで九重は「過去から今」を受け入れられることは出来なかったし、彼方はそのジレンマを拭い去ってあげることは出来なかったのだろう。</p> <p>だとしても……二人はこの瞬間を蔑ろにはしない。</p> <p>身体にガタがきても踊ろうとし、崩れ落ちようとも「<span style="color: #000000;">立ってくれ、彼方、立って踊れ。今日は私とダンスを踊るのだろう?</span>」と九重が言うのもそういうことなのだ。</p> <p> </p> <blockquote> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>二人で踊る。</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>ただそれだけの夜だ。何か特に意味があるわけでもなく、ただ時間が流れ、終わり、そして彼女は去っていくだろう。だからこそ今だけを見て、笑おうと思うのだ。終わりを気にして、今を疎かにするのは馬鹿な事だと思う。終わりを気にするならなおの事、終わりに気付かないふりをして生きなければならないだろう。 終わりが死でも別れでもそれは変わらない。</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>しかし。</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>身体が軋む。度重なる投薬と、進行して身体を蝕む病。その両方が僕の体力を奪っていく。ステップを踏む足がもつれ、あるいは止まり、何度となく彼女にぶつかりかける。ここ数日続いた無理が祟ったのだろう。</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>きっと彼女はそれに気付いていると思う。これに気付かないほど鈍い少女ではない。</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>「彼方‥‥」</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>だけど彼女は踊りを止めようとはしない。ただ悲しいまでの笑顔のまま、僕の手を取り踊りつづける。まるで僕の変調に気付かないかのように。訪れる終わりに、気付かないように。</strong></span><br /><br /><span style="color: #286f2c;"><strong>そうだ。それでいい。それこそが僕の望み。そして君の望み。</strong></span><br /><span style="color: #286f2c;"><strong>それはきっと‥‥‥‥、</strong></span><br /><span style="color: #286f2c;"><strong>無限に続く、円舞曲のように。</strong></span></p> <p> </p> <p>――彼方、九重(九重√)</p> </blockquote> <p> </p> <blockquote> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>曲が止まる。僕と九重さんは動きを止めた。</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>次が最後の曲。彼女との普通の一日も、これで最後だ。</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>だけど、</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>「僕は幸せものだよ」</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>心底そう思っていた。僕は彼女が大好きだし、彼女もそうだと嬉しいと思う。</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>「私も、きっと、そう」</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>彼女は僕の手をとって自分の頬に当てた。僕は彼女の頬を撫でる。彼女は目を閉じた。</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>「そうだな。ずっとこうして二人で踊っていられればいいのに」</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>「‥‥‥大丈夫」</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>目を開き、にっこりと笑う。</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>「うん?」</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>その瞳は活力に満ち、とても力強かった。最初に会った頃の彼女とは比較にならないほど、強い意思の力、生きる意志が溢れているように見えた。そして何より、その姿からは何ひとつ恐怖を感じなかった。</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>「一人になったら、私は彼方を想って踊るから」</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>そう言って、彼女は目を細めた。</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>「うん、なら、僕は最後に君を想い出す事にする」</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>僕も笑う。彼女は僕の言葉を聞くと小さく頷いた。そして、細めた目から再び一筋の涙。</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>「だからさ、」</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>最後の曲が始まった。その緩やかな前奏をが、心に染み込んでくる。</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>「もうちょっと目立っておこう? 皆がいつか僕達を、想い出してくれるように」</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>僕は彼女にもう一度手を差し伸べた。</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>二人でお互いの手を強く握りあう。</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>これで最後。</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>彼女と踊る最後のダンス。初めて彼女と出会ってからまだ一週間にもならない。ほんの短いダンスパーティーだった。</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>しかし、楽しかった。本当に。</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>「はい」</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>彼女は大きく首を振り、同意を示した。</strong></span><br /><br /><span style="color: #286f2c;"><strong>僕達はフロアの中央へ向かって歩き出す。そこは強くスポットライトがあたり、一際輝いていた。</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>僕達は一度手を放し、その強い光の中で向かいあった。そして一礼。</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>普通の一日もこれで終わる。</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>‥‥いや、違う。はじまるのだ。何事にも変えられない、大切な時が。</strong></span></p> <p>――九重、彼方<span style="font-size: 80%;">(九重√ 終盤)</span></p> </blockquote> <p> </p> <p>つまりこの√は「此方」を受け入れられず、「共に歩む者」が近くにいなくとも、無限に生きようとする二人を描いたものである。</p> <p>実際それが叶ったかどうかは最後まで語られなかったが、そう歩もうとする様は見て取れた筈だ。心に折り合いが付けられずとも、人生を共有したい者が離れようとも、人は在りたいように在ろうとする様が。</p> <p>この意味で九重のお話はとても特別で、異質だ。</p> <p> </p> <p> </p> <h4>クリス√1</h4> <p>クリスは恐ろしいほどに孤独で。この広い世界で生きている。</p> <p>――けどそんな事実はもうとっくに受け入れているのだと思う。無限の時間の中で、ひとりがいかに寂しいか、そんな生き方がどれほど苦しいかなんて幾千と感じ続けてきたと思う。</p> <p>弱い自分ではなく、暗示をかけてでも強いキャラクターを作り上げたのも辛い現状を容認しているが故の行動ではないだろうか。逆に言えばそうでもしないと…そう生きなければならない程、クリスにとって此処は過酷なのである。</p> <p> </p> <blockquote> <p> <span style="color: #286f2c;"><strong>「どちらかといえばこっちが本当の私です。昨日までの私はわざと、と言うべきでしょうか」</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>「え?」</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>「私は自分に暗示をかけることが出来るんです。だからああいう強い子になっていました」</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>「どうして?」</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>なんでそんな事をしてるんだ? そんな訳の解らないことを。</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>「‥‥彼方、貴方がそれを訊ねるのですか?」</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>彼女の顔がすっと、一瞬だけ強張る。だが次の瞬間もう元の明るい表情に戻った。</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>僕にはそれだけで十分すぎるほどに解った。</strong></span></p> <p>――クリス、彼方</p> </blockquote> <p> </p> <p>ここから窺い知れるのは「無限に生きる」のと「無限のように生きる」のは全くの別物ということ。もしも無限に生きるだけでいいのなら、クリスは彼方を求めないし、孤独に打ち震えたりはしない。</p> <p>ひとり最果てを歩んでいくだろう。</p> <p>逆に「無限のように生きたい」から、世界をぐるっと見た上でクリスは彼方の前に現れたし、彼方は彼方で思うように生きられないと葛藤するのである。</p> <p>彼方にとって此方が「癌と周囲」だとするなら、クリスは「吸血鬼に纏わる事」となるだろうか。餌とされる自分、同胞がいない自分、そういった過去から今にあるものを例え受け入れていても、やはりそれ<strong>だけ</strong>では望む生き方にはなり得ないのを彼女は示している。</p> <p>クリス√1では、彼方はエンゲージを拒みはするものの、春まで二人は共に生き、死に逝くその一瞬まで「平凡で幸せな日々を無限に生きるように」して生きた。</p> <p>このラストシーンで印象的なのは、もう「次」なんてない彼方が「約束」を持ち出し、その約束を「承諾」するクリスであろう。</p> <p> </p> <p><span style="color: #00796b;"><strong>"僕は最後にひとつ思いついた。</strong></span></p> <p><span style="color: #00796b;"><strong>「もしぐるっと回っても、楽しい事無かったら‥‥‥」</strong></span></p> <p><span style="color: #00796b;"><strong>僕の言葉にクリスが目を上げる。</strong></span></p> <p><span style="color: #00796b;"><strong>「次は契約でも結婚でも、何でもしてやるから。頑張れ!」</strong></span></p> <p><span style="color: #00796b;"><strong>「はい」</strong><strong>"</strong></span></p> <p> </p> <p>そう、この二人にとって終点などないのだ。</p> <p>終わりがないからこそ、未来を想える。現実的に考えれば不可能なことも "そう" あれるように生きられる。これが遥彼方が求めた「生き方」であり、残されるクリスを支える生き方となる。</p> <p> </p> <blockquote> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>時は春。</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>燦々と輝く陽光の中、桜の花が満開に輝いている。</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>病院の屋上は、洗いたての白いシーツがはためていた。</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>僕はそこからゆっくりと風景を見渡した。くすんだ色の町並みの中に、淡いピンク色の桜の花が見え隠れしている。</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>柵に両肘をついて、ぼんやりする。</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>これが、僕の生きてきたセカイ。そう思ってもう一度見渡す。それは、とても輝いて見えた。</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>ふと傍らを見ると、そこにはいつのまにかクリスがやってきていた。彼女は身体の前で両手を重ね、髪を風になびかせている。</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>「やぁ、クリス。今日も美人だね」</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>「うん」</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>「あれだね。花見でもしたい気分だね」</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>「うん」</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>「結局クリスの料理、あんまりうまくなんなかったね」</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>「うん」</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>「練習、するんだぞ、ちゃんと」</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>「うん」</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>「さぼったら、承知せんぞ」</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>「うん」</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>ん?</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>視界の隅に、薄ぼんやりとした影が映る。</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>その影はとても懐かしい人たちだった。二人とも僕らを見て、笑っていた。</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>「やあ、とうさん。かあさん。二人とも花見かい?」</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>二人は笑いながら首を横に振った。</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>『お前の彼女を見に来たんだ』</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>『花のように美しい人だから、花見かもしれないねぇ』</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>「違いない」</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>僕はクリスを見た。</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>彼女は涙を流していた。拭いてやろうと思ったが、よく考えたらもう出来なかった。</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>「そろそろ行くの?」</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>クリスは自分で涙を拭き、笑顔を見せてくれる。</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>「うん」</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>僕は短くそう答えた。</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>暖かい風が、吹き抜けてゆく。</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>「どうだった?」</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>クリスは主語もな何の飾りもなく、そんな事を言った。そのまま柔らかな表情を浮かべる。</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>「そうだね‥‥‥‥」</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>僕は目を閉じて、想い出を振り返った。</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>楽しかった事。苦しかった事。嬉しかった事。辛かった事。それらが泡のように浮かんでは消えていった。</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>最後に見えたのは、クリスの笑顔。</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>目を開ける。</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>想い出と寸分違わぬ笑顔がそこにあった。風にそよぐ髪を押さえ、僕に微笑みかけている。</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>「よかったと思うよ」</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>クリスは頷いた。金色の髪が揺れた。</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>「クリスはどうだった?」</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>クリスも瞳を閉じて、上を向く。その脳裏にいったい何が去来するのか、僕にはわからない。</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>しかし目を開けた時のクリスは、満足げな表情だった。</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>「私もそう思います」</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong> </strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>「一人で、大丈夫?」</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>僕はちょっと心配になった。失礼だと思ったが、あえて聞いてみた。こういう性分が、きっと彼女を困らせ続けてきたに違いない。</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>「大丈夫ですっ!!」</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>案の定彼女は憤慨している。しまった。また怒らせてしまった。</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>「これからどうする?」</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>僕の言葉に彼女は表情を緩めた。そしてクスクス笑った。</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>「世界をぐるっとみてきます」</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>「ぐるっと?」</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>「はい」</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>僕もなにか懐かしい気持ちになり、クスクス笑う。</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>クリスも笑っていたが、もうこらえられないのだろう、再び涙が溢れはじめた。</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>だがその泣き笑いは、妙に目を引きつける。</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>‥‥‥このまま見ているわけにも行かないんだろうな。</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>僕は一人苦笑した。</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>『その時』何かが決定的に終わったような気がした。</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>階下が騒がしくなる。</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>耕介、佐倉、優、いずみちゃん。彼らの声が、叫びが、僕の名前を呼んでいる。しかし僕にはもう彼らのもとへ戻る事は出来なかった。</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>「じゃあ、クリス。もう行くね」</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>僕は最愛の人に別れを告げた。</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>「うん」</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>「そうだ」</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>僕は最後にひとつ思いついた。</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>「もしぐるっと回っても、楽しい事無かったら‥‥‥」</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>僕の言葉にクリスが目を上げる。</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>「次は契約でも結婚でも、何でもしてやるから。頑張れ!」</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>「はい」</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>僕が最後に見たものは、泣き濡れて、しかし咲き誇らんばかりの、金色の桜だった。</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>父さんたちの言い分<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A4%E2%A4%E2">もも</a>っともだ。</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>僕は一人満足気に笑うのだった。</strong></span></p> <p> </p> <p>――彼方、クリス(クリス√1)</p> </blockquote> <p> </p> <p> </p> <h4>クリス√2</h4> <p>そして√2つ目では、彼方が『此方』<span style="font-size: 80%;">(=幼少期にクリスとした約束)</span>を思い出し、エンゲージを受け入れるというもの。</p> <p>彼が√1でエンゲージを拒んだのは、それを受け入れてしまえば『彼方』でいられなくなってしまうという理由からだった。</p> <p> </p> <blockquote> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>「彼ら全てを失ってまで、僕には無限に踏み込む勇気はないんだ」</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>「でもこのままでは死んでしまいます! 今すぐ死んでしまうよりはいい!」</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>「結局、ここに居る僕と、無限に生きる僕との違いはそこだけだよクリス」</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>「え?」</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>「無限を生きればここに居る『彼方』は死んでしまう。みんなと生きる『彼方』はなくなってしまう」</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>無限に踏み込めば、結果は一つ。</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>「‥‥‥今すぐ、彼らを失うよりはいい」</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>――彼方、クリス(クリス√1)</strong></span></p> </blockquote> <p><span style="color: #286f2c;"><strong> </strong></span></p> <blockquote> <p><span style="color: #286f2c;"><strong> そして僕はクリスのように今を捨てることができなかった。彼女がこれまでやってきたように、時を超えていく覚悟ができなかった。会おうと思えば耕介に、佐倉にすぐに会える。そういう実感なくして、立っている自信が無かった。</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong> 僕はあまりに幸せに暮らしていたのだ。その全てを置き去りに出来ないくらいに。</strong></span></p> <p>――彼方(クリス√1)</p> </blockquote> <p> </p> <blockquote> <p><span style="color: #286f2c;"><strong> 「僕は、君のように強くはないんだ。ごめん‥‥一緒には、行ってやれない」</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>「私だって、そんなに強くありません! だから一緒にきて欲しかったのに!」</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>「ここにある全てと引き換えに、君と命だけを選ぶ勇気が、僕には、ないんだ」</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>「だって! だって!」</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>「今なら君も居る。みんなも居る。なくなるかもしれないのは、命だけ。みんなと君、命と君。選ぶならどちらかだよ。なら僕は」</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>そう、ここに居る『彼方』に選べる答えなんて一つしかない。</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>「未来の全てと引き換えに、今と思い出と君達を選ぶ」</strong></span></p> <p>――彼方、クリス(クリス√1)</p> </blockquote> <p> </p> <p>先述したように「無限に生きる」ことと「無限のように生きる」ことは別もので、彼が望んでいるのは後者だ。</p> <p>命よりもみんなでいることの方が大事だし、クリスよりもみんなを選ぶのにはそういう訳がある。平凡で幸せな日々を無限に生きる―――、これに必要なのは永遠の生などではない。</p> <p>しかし彼は『クリスと約束した過去』を見落としている。その部分が抜け落ちていたからこそ、√1では上のようにしか答えられなかった。</p> <p>√1での "ここに居る『彼方』に選べる答えなんて一つしかない" という台詞と、√2での "「『彼方』はそういう男だよ。忘れたか?」" と嘯くシーン。</p> <p>ここで強調される『彼方』という言葉は、クリスの約束を忘れている自分と、過去に約束をした自分を指したものであり、彼が自分自身を俯瞰するように言うのはそういうことである。</p> <p> </p> <blockquote> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>「世界をぐるっと見てきても、楽しい事無かったのか」</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>そんな彼女の瞳が徐々に感情を取り戻していく。彼女は目を大きく見開いた。</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>それは驚き。</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>「どうだ?」</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>戸惑い。</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>「うん」</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>当惑。</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>「そうか」</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>「じゃあ、しょうがない」</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>『僕』は決心した。</strong></span></p> <p>――彼方、クリス<span style="font-size: 80%;">(クリス√2)</span></p> </blockquote> <p> </p> <blockquote> <p><strong><span style="color: #286f2c;">「彼方、これは」</span></strong></p> <p><strong><span style="color: #286f2c;">「見ての通りだ」</span></strong></p> <p><strong><span style="color: #286f2c;">だがクリスは箱を閉じると下を向いた。</span></strong></p> <p><strong><span style="color: #286f2c;">「私たちの、結婚、は、エンゲージ、を、含みます、から‥‥」</span></strong></p> <p><strong><span style="color: #286f2c;">彼女の顔から涙がこぼれ落ちるのが見えた。</span></strong></p> <p><strong><span style="color: #286f2c;">エンゲージ。僕が拒否したその力。たしかに僕はエンゲージだけなら受け入れるつもりはなかった。</span></strong></p> <p><strong><span style="color: #286f2c;">しかし僕は構わなかった。</span></strong></p> <p><strong><span style="color: #286f2c;">「そのことは結婚してから考えよう。それはあくまで結果だよ」</span></strong></p> <p><strong><span style="color: #286f2c;">僕は景気良く笑った。だけどクリスの表情は晴れない。</span></strong></p> <p><strong><span style="color: #286f2c;">「でも、今の生活を捨てなければ」</span></strong></p> <p><strong><span style="color: #286f2c;">「捨てない」</span></strong></p> <p><strong><span style="color: #286f2c;">なおも言うクリスの言葉を遮る。彼女は再び目を見開いた。</span></strong></p> <p><strong><span style="color: #286f2c;">「『彼方』はそういう男だよ。忘れたか?」</span></strong></p> <p><strong><span style="color: #286f2c;">本当は忘れていたのは僕だ。</span></strong></p> <p> </p> <p>――彼方、クリス<span style="font-size: 80%;">(クリス√2)</span></p> </blockquote> <p> </p> <blockquote> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>大事な人たちに危険が迫るなら護ればいい。それだけの事だ。誰かの為になんて言う独善は要らない。それが間違いだという事を今の僕は知っている。</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>無限に踏み込むからって自分を変えることなんてない。そのまま彼方で生きればいい。病気になったって普通に生きようとした僕だ。それが出来ない訳はない。九重さんと協力したっていい。彼方で居ればいいのだ。</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>そして何より『彼方』という男は約束を守るのだ。これだけは間違いない。そこに無限が潜もうとも構わない。僕はそういう奴だったはずだ。</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>どうして僕はこんな簡単な事を忘れていたのだろう?</strong></span></p> <p>――クリス√2</p> </blockquote> <p> </p> <p>しかしクリスが「結婚しにきた」とさえ言ってくれれば、彼方は一も二もなく了承していた筈なのだ。わざわざ自発的に思い出さなくとも、そう言ってくれさえすれば二人はこうもすれ違うことは無かった。</p> <p>にも関わらず、クリスは言い出せなかった。理由はこう語られる。</p> <p> </p> <blockquote> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>そして気付く。</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>彼女は馬鹿だ。僕と同じくらいに。</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>僕が佐倉に自分の病気を明かせなかった、それとまさに同じ理由で彼女は僕に結婚しに来たと言えなかった。</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>きっとそういう事だ。</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>結婚しに来た。たった一言そういえば僕は彼女に応えたのだろう。</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>だが言えなかった。</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>無限の生に、愛ゆえに付き合ってくれとは言えなかった。</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>だから僕の死を感じた時、先に目前の死と無限の生とを選ばせようとした。あるいは僕が無限に生きるなら、共に歩めると思っていたのかもしれない。</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>そうなのだ。僕達二人は背中あわせのままに、何処までも不器用で馬鹿だったのだ。無限に生きられるから共に歩める。いつの間にか目的と手段が逆転してしまっていた。本当は共に歩むから無限を生きる。</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>そうあるべきだったのだ。</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>「今の生活ぐらい二人で護りゃあいい」</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>後から後から笑いがこみ上げてくる。これを笑わずにいられようか? どうしてこうも僕達は馬鹿なのか。どうしてこうも独り善がりなのか。</strong></span></p> <p>――彼方(クリス√2)</p> </blockquote> <p> </p> <p>つまり、これは佐倉√の<strong>再演</strong>なのだ。</p> <p>佐倉√では「彼方の死期を知った佐倉」を彼方は受け入れなければならなかったし、クリス√2では「クリスとの過去を知った彼方」をクリスは受け入れなければならなかった。</p> <p>そんな強制的な状況がなければ、自らの本音を<span style="font-size: 80%;">――一緒にいてあげたかった、一緒にいてほしかった――</span>二人は認められなかったのである。「相手の為に」という独善的な思考が、ジレンマを生み、思うように行動できなかったのは、彼方自身いうように馬鹿だった。</p> <p>でも、それくらい人は<span style="text-decoration: underline;">自分を取り巻くものを受け入れるのは難しい</span>ということでもある。本音も、願いも、過去の約束でさえ相手のことを思えば躊躇ってしまうようになる。</p> <p>もしも在りたいように在れないと思っているならば、やはり何か思い違いをしているのかもしれない。それは彼方にとっての『今の自分』にクリスとの約束が入っていなかったように。</p> <p>そうして最後は、本当に大事なことが例外なく成り立ち、在りたいように在り、生きたいように二人は生きることができた。彼方はクリスと共に生きながら、耕介や佐倉とも生きるられる。なにかを諦めたわけでもないし、なにかを妥協したわけでもない。</p> <p>そこに漕ぎ着けられたのはやはり、<span style="color: #000000;">彼方が「過去から今にあるもの」を手にすることができ「共に歩む者」がいたから</span>だろう。クリスのエンゲージ(=約束/結婚)を受け入れることは<strong>その両方を満たす構造</strong>になっており、また結婚における誓いとは<strong>今を未来へと繋げる</strong>ものに他ならない。</p> <p>――過去から今へ、今から無限へ</p> <p>この意味で、<span style="color: #0000cc;"><strong>終わりがあると知っても尚終わりがないように生きる</strong></span>――その完全無欠の到達点がこの√であり、本作の最後を飾るに相応しいものだったと思う。</p> <p>――それを人はこう呼ぶのだ。</p> <p> </p> <p> </p> <p><span style="color: #00796b;"><strong> <span style="color: #286f2c;">クリスは静かに敵の前に立った。</span></strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>「折角時間をやったというのに吸血してこないとは。貴様、ふざけているのか?」</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>黒コートの怪物は、不機嫌そうにそう言った。</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong> </strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>クリスは悠然と微笑む。</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>「そう取られても致し方ないな。が、そなたのような輩にはこれで十分だ」</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>その姿はただ力を抜いて立っているようにしか見えなかった。</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong> </strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>―――数ある人々の中からめぐりあった相手をあだひとりのパートナーと認め</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong> </strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>"ギリリ"</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>黒コートの怪物は奥歯を鳴らした。クリスの態度に、怒りを覚えたのかもしれない。</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong> </strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>―――敬い、慈しみ</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong> </strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>怪物はマントを翻し構えを取った。見るものが見れば、その隙のない構えに恐怖したに違いない。</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong> </strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>―――富める時も、貧しき時も</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong> </strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>だがクリスは口元の笑みを崩すことなく、ただ立ち尽くしていた。</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong> </strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>―――健やかなる時も、病める時も</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong> </strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>「私の名前を呼ばわっていたな、貴様」</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>クリスは微塵の優しさも見せずに冷ややかに言った。しかしそれが見せかけのものだという事を僕は知っている。</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong> </strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>―――互いに助け合い</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong> </strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>「それがどうしたッ!!」</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong> </strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>―――堅く<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C4%E7%C1%E0">貞操</a>を守り</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong> </strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>怪物が一気に間合いを詰める。もう一歩飛び込めばもう戦いが始まる。</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong> </strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>―――死が二人を別つその時まで</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong> </strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>「訂正しよう」</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>クリスは一歩も動かずに、悠然と微笑んだ。</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>同時に彼女は左手を胸元まで引き上げる。薬指の指輪がキラリと煌めいた。</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong> </strong></span></p> <p> </p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>―――あるいは</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong> </strong></span></p> <p> </p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>「我は、クリステル・遙・マリーとなる」</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>直後に二人が交錯した。</strong></span></p> <p> </p> <p> </p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>―――<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A4%B3%A4%CA%A4%BF%A4%E8%A4%EA%A4%AB%A4%CA%A4%BF%A4%DE%A4%C7">こなたよりかなたまで</a></strong></span></p> <p> </p> <p> </p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>「ゆめゆめ忘れるな」</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>「あ、圧倒的過ぎる‥‥‥」</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong> 怪物はクリスの背後でゆっくりと倒れていく。彼女が別段動いたようには見えない。恐らく僕には見えない速度で何かが起こったのだろう。</strong></span></p> <p> </p> <p> </p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>―――変わらぬ愛を誓いますか?</strong></span></p> <p> </p> <p> </p> <p> </p> <p> </p> <p> </p> <p> </p> <p> </p> <p><img class="hatena-fotolife" title="f:id:bern-kaste:20170629232136j:plain" src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/b/bern-kaste/20170629/20170629232136.jpg" alt="f:id:bern-kaste:20170629232136j:plain" /><br /><span style="font-size: 80%;">via:クリステル・遙・マリー/<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A4%B3%A4%CA%A4%BF%A4%E8%A4%EA%A4%AB%A4%CA%A4%BF%A4%DE%A4%C7">こなたよりかなたまで</a></span></p> <p> </p> <p><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A4%B3%A4%CA%A4%BF%A4%E8%A4%EA%A4%AB%A4%CA%A4%BF%A4%DE%A4%C7">こなたよりかなたまで</a>――それは無限へと繋げる物語。</p> <p> </p> <p> </p> <p> </p> <div class="amazlet-box" style="margin-bottom: 0px;"> <div class="amazlet-image" style="float: left; margin: 0px 12px 1px 0px;"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B009NQBOXO/114alme-22/ref=nosim/" target="_blank" name="amazletlink"><img src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/513FaNz-DiL.jpg" alt="BEST BUY F&amp;C こなたよりかなたまで" /></a></div> <div class="amazlet-info" style="line-height: 120%; margin-bottom: 10px;"> <div class="amazlet-name" style="margin-bottom: 10px; line-height: 120%;"><strong><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B009NQBOXO/114alme-22/ref=nosim/" target="_blank" name="amazletlink">こなたよりかなたまで</a></strong> <div class="amazlet-powered-date" style="font-size: 80%; margin-top: 5px; line-height: 120%;"> </div> </div> <div class="amazlet-detail"><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/F%26amp%3BC">F&amp;C</a> (2012-09-28)</div> <div class="amazlet-sub-info" style="float: left;"> <div class="amazlet-link" style="margin-top: 5px;"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B009NQBOXO/114alme-22/ref=nosim/" target="_blank" name="amazletlink">Amazon.co.jpで詳細を見る</a></div> </div> </div> <div class="amazlet-footer" style="clear: left;"> </div> </div> <p>※余談だがOPの『Imaginary Affair』は「想像上の出来事」と直訳すると意味が分からないけど、「思うように」とすれば今まで語ってきた意味で歌詞がリンクし始めるので腑に落ちるのではないだろうか。彼方が思うように生きる明日。と。</p> <p> </p> <h4>こなかなに関連しそうな記事</h4> <p><iframe class="embed-card embed-blogcard" style="display: block; width: 100%; height: 190px; max-width: 500px; margin: 10px 0px;" title="「こなたよりかなたまで」感想をだらだらと - 猫箱ただひとつ" src="https://hatenablog-parts.com/embed?url=http%3A%2F%2Feroge-pc.hatenablog.jp%2Fentry%2F2015%2F10%2F21%2F070000" frameborder="0" scrolling="no"></iframe></p> <p><a href="http://eroge-pc.hatenablog.jp/entry/2015/10/21/070000">「こなたよりかなたまで」感想をだらだらと</a></p> <p><iframe class="embed-card embed-blogcard" style="display: block; width: 100%; height: 190px; max-width: 500px; margin: 10px 0px;" title="物語における『世界観』は十全に使い切るべきか?と言われればそうではないが、そう思ってしまうのは何が原因なんだ(甲鉄城のカバネリ~こなたよりかなたまで) - 猫箱ただひとつ" src="https://hatenablog-parts.com/embed?url=http%3A%2F%2Feroge-pc.hatenablog.jp%2Fentry%2F2016%2F07%2F18%2F070000" frameborder="0" scrolling="no"></iframe></p> <p><a href="http://eroge-pc.hatenablog.jp/entry/2016/07/18/070000">物語における『世界観』は十全に使い切るべきか?と言われればそうではないが、そう思ってしまうのは何が原因なんだ(甲鉄城のカバネリ~こなたよりかなたまで) - 猫箱ただひとつ</a></p> <p><iframe class="embed-card embed-blogcard" style="display: block; width: 100%; height: 190px; max-width: 500px; margin: 10px 0px;" title="45本分のギャルゲーレビューを書いたので振り返ってみる - 猫箱ただひとつ" 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src="https://hatenablog-parts.com/embed?url=http%3A%2F%2Feroge-pc.hatenablog.jp%2Fentry%2F2015%2F10%2F31%2F070000" frameborder="0" scrolling="no"></iframe><cite class="hatena-citation"><a href="http://eroge-pc.hatenablog.jp/entry/2015/10/31/070000">eroge-pc.hatenablog.jp</a></cite></p> <p> </p><div class="footnote"> <p class="footnote"><a href="#fn-a2e2c245" name="f-a2e2c245" class="footnote-number">*1</a><span class="footnote-delimiter">:</span><span class="footnote-text">――優&いずみ√ 『第7楽章』 "僕と優ちゃんの関係は、そのまま優ちゃんと朝倉さんの関係だった。朝倉さんも思っているのだ。優ちゃんに、自分を見て欲しいと、笑って欲しいと、そう思っているのだ。そしてなにより世界を見て微笑んで欲しいのだ。"</span></p> </div> bern-kaste 物語を引用することで、物語は厚みを増す(ハローレディー~Re:CREATORS) hatenablog://entry/10328749687251585057 2017-06-26T22:00:00+09:00 2017-06-26T22:00:07+09:00 ある作品の中で、ある物語を引用する、それはさして珍しくない。 しかし引用にもタイプがあり、物語の内部構造と密接に絡む場合は重層的な印象を与え始める。 <p><img class="hatena-fotolife" title="f:id:bern-kaste:20170620164042j:plain" src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/b/bern-kaste/20170620/20170620164042.jpg" alt="f:id:bern-kaste:20170620164042j:plain" width="269" /></p> <p>ある作品の中で、ある物語を引用する、それはさして珍しくない。</p> <p>しかし引用にもタイプがあり、物語の内部構造と密接に絡む場合は<strong>重層的</strong>な印象を与え始める。</p> <p>例えばadv『ハロー・レディー』では<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B7%A5%A7%A5%A4%A5%AF%A5%B9%A5%D4%A5%A2">シェイクスピア</a>の『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%CF%A5%E0%A5%EC%A5%C3%A5%C8">ハムレット</a>』を中心に引用し、復讐物語としての深みを出しながら『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%C6%A5%F3%A5%DA%A5%B9%A5%C8">テンペスト</a>』や『ヘンリー2世』と言った題名までも 〈ハロー〉 なる劇中の能力認識コードとして用いたりもする。</p> <p>例えば "ロミオ&ジュリエットⅢ" ”<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%C6%A5%F3%A5%DA%A5%B9%A5%C8">テンペスト</a>Ⅳ” などであり、その能力自体も引用元と共鳴しあい、ただの能力が<span style="text-decoration: underline;">それ以上の意味</span>を醸し始める――といった興味深い体験を味わえるだろう。</p> <p>だがこれはアニメ『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A4%E9%A4%AD%A1%F9%A4%B9%A4%BF">らき☆すた</a>』のような作品とはその仕方は異なる。というのも前者は物語の中心軸に絡んでいるのに対して、後者は引用を積み重ねるだけでそれがス<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%C8%A1%BC">トー</a>リーに寄与することはないからだ。</p> <p>(もちろんそれが悪いわけではない)</p> <p>会話の一間一間にふもっふや<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%CF%A5%EB%A5%D2">ハルヒ</a>に触れるもののの、次のお話では特別持ち越されず、その場限りの話題としてしか扱われないといえば分かりやすいだろうか。</p> <p> </p> <div class="amazlet-box" style="margin-bottom: 0px;"> <div class="amazlet-image" style="float: left; margin: 0px 12px 1px 0px;"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B004I8V7CK/114alme-22/ref=nosim/" target="_blank" name="amazletlink"><img style="border: none;" src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/51gaxWwh47L._SL160_.jpg" alt="らき☆すた ブルーレイ コンプリートBOX 【初回限定生産】 [Blu-ray]" /></a></div> <div class="amazlet-info" style="line-height: 120%; margin-bottom: 10px;"> <div class="amazlet-name" style="margin-bottom: 10px; line-height: 120%;"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B004I8V7CK/114alme-22/ref=nosim/" target="_blank" name="amazletlink">らき☆すた ブルーレイ コンプリートBOX 【初回限定生産】 [Blu-ray]</a> <div class="amazlet-powered-date" style="font-size: 80%; margin-top: 5px; line-height: 120%;"> </div> </div> <div class="amazlet-detail"><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B3%D1%C0%EE%B1%C7%B2%E8">角川映画</a> (2011-05-27)</div> <div class="amazlet-sub-info" style="float: left;"> <div class="amazlet-link" style="margin-top: 5px;"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B004I8V7CK/114alme-22/ref=nosim/" target="_blank" name="amazletlink">Amazon.co.jpで詳細を見る</a></div> </div> </div> <div class="amazlet-footer" style="clear: left;"> </div> </div> <p><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/RPG">RPG</a>『Rotation Girl』も同様で、劇中内で登場する作品が<strong>なぜ</strong>登場するのかにさしたる意味はなく、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B6%F5%A4%CE%B6%AD%B3%A6">空の境界</a>も<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%E9%A5%D6%A5%E9%A5%A4%A5%D6">ラブライブ</a>もシンボリックに扱われるそれは『ハローレディー』等の作品と比べると、その意義は薄くなる。</p> <p>ただその代わりと言っては何だが、物語が他作品に触れることは私たち(読者)と物語世界の境界線が取り払われる(近くなる)ような感覚を呼び起こしたりもする。</p> <p>「<span style="color: #0000cc;"><strong>私の世界にあるものが、このセカイにもある</strong></span>」</p> <p>そんな雰囲気はそれはそれで得難いものだ。</p> <p><iframe class="embed-card embed-blogcard" style="display: block; width: 100%; height: 190px; max-width: 500px; margin: 10px 0px;" title="『Rotation Girl』やりました。感想もレビューも私達は望んでいないって?まあまあそう言わずに - 猫箱ただひとつ" src="https://hatenablog-parts.com/embed?url=http%3A%2F%2Feroge-pc.hatenablog.jp%2Fentry%2F2016%2F04%2F30%2F070000" frameborder="0" scrolling="no"></iframe><cite class="hatena-citation"><a href="http://eroge-pc.hatenablog.jp/entry/2016/04/30/070000">eroge-pc.hatenablog.jp</a></cite></p> <p> </p> <p>他にはゲーム『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/SCE">SCE</a>_2』のような数多の作品にちょっと触れるだけかと思いきや、中心軸にあるお話がどんと鎮座する接続・パロディふたつの性質を<cite></cite>もつ<strong>混在型</strong>もあるし</p> <p><iframe class="embed-card embed-blogcard" style="display: block; width: 100%; height: 190px; max-width: 500px; margin: 10px 0px;" title="ゲームを好きな今と、それを壊した過去の自分へ「SCE_2」感想。(8997文字) - 猫箱ただひとつ" src="https://hatenablog-parts.com/embed?url=http%3A%2F%2Feroge-pc.hatenablog.jp%2Fentry%2F2015%2F04%2F27%2F090000" frameborder="0" scrolling="no"></iframe></p> <p><a href="http://eroge-pc.hatenablog.jp/entry/2015/04/27/090000">ゲームを好きな今と、それを壊した過去の自分へ「SCE_2」感想。(8997文字) </a></p> <p> </p> <p><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Re%3ACREATORS">Re:CREATORS</a>は最大公約数的な「<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%CB%E2%CB%A1%BE%AF%BD%F7">魔法少女</a>類型」「ファンタジー類型」を用いて本当は知らない作品だけど、”似たようなのは知っている” という感覚から “その物語を知っている” と錯覚させるようなものもある。</p> <p>『マジカルスレイヤーまみか』を全く知らないのに、なぜこんなにも彼女に愛着を持てるのだろう? 不思議だ。</p> <p>関連→<a href="http://eroge-pc.hatenablog.jp/entry/2017/06/19/220000">『Re:CREATORS』という圧縮物語</a></p> <p><cite></cite>引用方法ひとつ取っても物語に厚みを出すものから、そうでもないもの、または別の魅力を醸し始めるものと多彩で、面白いなと思うこの頃である。</p> <ul> <li>接続型</li> <li>パロディ型</li> <li>混在型</li> <li>類型型</li> </ul> <p>個人的にはこの4タイプ、全部好きである。<span style="font-size: 80%;">(練度が高ければ尚)</span></p> <p> </p> <p> </p> <h3>おわり</h3> <p>そしてどうでもいいのだが、リクリエイターズの築城院真鍳<span style="font-size: 80%;">――ちくじょういん まがね――</span>に『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B5%BA%B8%C0%B8%AF%A4%A4">戯言遣い</a>』のいーくんを引き合わせて二人で思う存分語り合って欲しいという妄想が止まらない。ロマンチックも止まらない。欺瞞、<cite>虚偽、</cite>擬態、甘言そして最後は「戯言だけどね」で〆。きっとお互いの言葉の手繰り方に(微妙に)同族嫌悪を覚えるのではないだろうか…あるいは零崎人識のように奇妙な関係になり得たりして…ニヤニヤ。<span style="font-size: 80%;">(いーくん戦闘能力皆無なのでバトルになったら死んでしまいますけどねそこは人類最強がなんとかしてく以下略)</span></p> <p> </p> <div class="amazlet-box" style="margin-bottom: 0px;"> <div class="amazlet-image" style="float: left; margin: 0px 12px 1px 0px;"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4062754304/114alme-22/ref=nosim/" target="_blank" name="amazletlink"><img style="border: none;" src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/51zLsz7837L.jpg" alt="クビキリサイクル 青色サヴァンと戯言遣い (講談社文庫)" width="242" /></a></div> <div class="amazlet-info" style="line-height: 120%; margin-bottom: 10px;"> <div class="amazlet-name" style="margin-bottom: 10px; line-height: 120%;"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4062754304/114alme-22/ref=nosim/" target="_blank" name="amazletlink">クビキリサイクル 青色サヴァンと戯言遣い (講談社文庫)</a> <div class="amazlet-powered-date" style="font-size: 80%; margin-top: 5px; line-height: 120%;"> </div> </div> <div class="amazlet-detail">西尾 維新 <br /><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B9%D6%C3%CC%BC%D2">講談社</a> <br />売り上げランキング: 177,997</div> <div class="amazlet-sub-info" style="float: left;"> <div class="amazlet-link" style="margin-top: 5px;"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4062754304/114alme-22/ref=nosim/" target="_blank" name="amazletlink">Amazon.co.jpで詳細を見る</a></div> </div> </div> <div class="amazlet-footer" style="clear: left;"> </div> </div> <div class="amazlet-box" style="margin-bottom: 0px;"> <div class="amazlet-image" style="float: left; margin: 0px 12px 1px 0px;"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B014P8ELS4/114alme-22/ref=nosim/" target="_blank" name="amazletlink"><img style="border: none;" src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/61RKLZ70bHL.jpg" alt="ハロー・レディ! リニューアルパッケージ" /></a></div> <div class="amazlet-info" style="line-height: 120%; margin-bottom: 10px;"> <div class="amazlet-name" style="margin-bottom: 10px; line-height: 120%;"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B014P8ELS4/114alme-22/ref=nosim/" target="_blank" name="amazletlink">ハロー・レディ! リニューアルパッケージ</a> <div class="amazlet-powered-date" style="font-size: 80%; margin-top: 5px; line-height: 120%;"> </div> </div> <div class="amazlet-detail"><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B6%C7WORKS">暁WORKS</a> (2015-12-18)</div> <div class="amazlet-sub-info" style="float: left;"> <div class="amazlet-link" style="margin-top: 5px;"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B014P8ELS4/114alme-22/ref=nosim/" target="_blank" name="amazletlink">Amazon.co.jpで詳細を見る</a></div> </div> </div> <div class="amazlet-footer" style="clear: left;"> </div> </div> <p><cite>珠緒さん可愛すぎだと思うんですよ。でも人気投票はorz Nooooo!!</cite></p> <h4>関連しなそうな記事</h4> <p><iframe class="embed-card embed-blogcard" style="display: block; width: 100%; height: 190px; max-width: 500px; margin: 10px 0px;" title="果つることなき未来ヨリ考察―『描かない』を描いたアイラ√がただただ美しい― - 猫箱ただひとつ" src="https://hatenablog-parts.com/embed?url=http%3A%2F%2Feroge-pc.hatenablog.jp%2Fentry%2Fhatsumira" frameborder="0" scrolling="no"></iframe></p> <p><a href="http://eroge-pc.hatenablog.jp/entry/hatsumira">果つることなき未来ヨリ考察―『描かない』を描いたアイラ√がただただ美しい― </a></p> <p><iframe class="embed-card embed-blogcard" style="display: block; width: 100%; height: 190px; max-width: 500px; margin: 10px 0px;" title="紙の上の魔法使い感想・レビュー/噓でぐちゃぐちゃな物語を語りましょうか - 猫箱ただひとつ" 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night-』のラスボスです」なる人物が現れたり、魔法少女は世界が違えれば偽善の塊でしか無いと突きつけるのはナラティブフリークスにとってはもうたまらない展開ばかり。 それもメタフィクションに馴染みがない人でも、簡単にその面白さが分かるのもいいですよね。 <p><a class="asin" href="http://d.hatena.ne.jp/asin/B06ZYYLTF6/saazuhatesayanoimasafueyoukoitukisyoujiimanekonade-22"><img class="asin" title="Re:CREATORS 1(完全生産限定版) [Blu-ray]" src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/616aIq1Q90L.jpg" alt="Re:CREATORS 1(完全生産限定版) [Blu-ray]" width="314" /></a></p> <p><a href="http://eroge-pc.hatenablog.jp/entry/2017/03/24/070000">アニメってメタフィクション少なくないよね?</a>―――といってたら今クールで『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Re%3ACREATORS">Re:CREATORS</a>』が出てきて興奮しています。</p> <p>物語のキャラクターが現実世界にやってきて「<span style="color: #0000cc;"><strong>うそ…私、こいつらに慰み者(=娯楽)にされている??</strong></span>」と認識したり、「<span style="color: #0000cc;"><strong>あいつは漫画『閉鎖区underground-dark night-』のラスボスです</strong></span>」なる人物が現れたり、<span style="color: #0000cc;"><strong><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%CB%E2%CB%A1%BE%AF%BD%F7">魔法少女</a>は世界が違えれば偽善の塊でしか無い</strong></span>と突きつけるのはナラティブフリークスにとってはもうたまらない展開ばかり。</p> <p>それも<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%E1%A5%BF%A5%D5%A5%A3%A5%AF%A5%B7%A5%E7%A5%F3">メタフィクション</a>に馴染みがない人でも、簡単にその面白さが分かるのもいいですよね。</p> <p>――と思ったら中盤以降どんどん<strong>圧縮</strong>されてきたので、人によっては置いてけぼりを食らっているかもしれないなと思うこの頃。</p> <p>どういう事かというと、本作では『真贋の価値』を何度か言及するもののあっさりとしか触れません。</p> <p>例えば被造物であるメテオラは自身が登場する<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/RPG">RPG</a>『追憶のア<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%F4%A5%A1%A5%EB%A5%B1%A5%F3">ヴァルケン</a>』をプレイし、それが例え娯楽であったとしても愛せると語り、</p> <blockquote> <p><span style="color: #00796b;"><strong>私は多くの複製されたア<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%F4%A5%A1%A5%EB%A5%B1%A5%F3">ヴァルケン</a>の中で永劫の輪廻を繰り返す。そのゲームを遊ぶ人がいる限り、私は勇者にザル火山の秘法を伝授し続けるだろう。滅びゆく世界を救うために永遠に</strong></span></p> <p><span style="color: #00796b;"><strong>そして私は考えた。その永劫を知った今、私は私の世界の役割を受け入れられるか?その世界を作った者を受け入れられるか? 胸を張って言う―――私は、受け入れられる。</strong></span></p> <p><span style="color: #00796b;"><strong>私の創造主が私に、いや私の世界に託したものは私が信じるにあたう価値があった。それがただの遊興であったとしても、込めたものは変わらない。</strong></span></p> <p><span style="color: #00796b;"><strong>彼は確かに私の世界を愛していた。そしてその世界を外側から楽しむものたちも同じく愛していた。ならば、私は彼の愛したものを守りたい。</strong></span></p> <p>――メテオラ/<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Re%3ACREATORS">Re:CREATORS</a>第四話</p> </blockquote> <p> </p> <p>『緋色のアリステリア』の主人公・アリスも、神々が戯れに作ったものだとしても私の世界は本物であると、だから民を救わねばならぬと断言する。</p> <p>何が本当で、何が噓なのかを決めるのはいつだって<strong>自分</strong>だ。例えそれが虚構であっても、社会が無価値だと判断しても、私たちは道端で拾った石ころを磨いて磨いてダイヤモンドにだってできる。</p> <p>――その答えに到達した彼女たちを見ていると視界が滲んでしまう。</p> <p>自分が土くれだと認識することはどれほどに辛いことなんだろう。そしてそんな自己を「私は受け入れられる」と「あの世界は本物だ」と肯定できることは如何様な逡巡があったんだろうか。</p> <p> そんな気持ちを想像させるような、胸を打つシーンであった。</p> <p>しかし当該シーンは時間にしても、描き方にしても、さらっとしている。これだけでは分からない人には本当にわからないし、リ ク ツは理解できても皮膚感覚では「ふーん、そうなんだ」と言った読後感になってしまう事もありえよう。</p> <p>「真贋の価値」はこれ一つで長編の物語を描けるほどに深いテーマであり、実際にそんな作品も数多くある。逆に言えば、<span style="text-decoration: underline;"><span style="color: #000000; text-decoration: underline;">時間をかけて描かないと臓腑に染み込んでこない</span></span>類のものでもある。</p> <p>リクリエイターズはそこが雑ってわけではない。ただ<span style="color: #0000cc;"><strong>共通理解</strong></span>として組み込まれている作品なのだと思う。</p> <p>視聴する我々が<span style="font-size: 80%;">――虚構と現実/噓と本物の二項対立の超越について――</span>すでに理解があり、短いシーンの中でもちゃんと紐解ける、つまりある一定の解凍能力を前提としているということ。</p> <p>先のメテオラに加え、煌樹まみかとアルタイルについてもそうだ。彼女らはキャラクターなれど、己は「設定」に縛られる存在ではないと自己言及する。</p> <blockquote> <p><span style="color: #00796b;"><strong>アルタイル「余は君たちを含むすべてを斃す。斃して斃して、すべてが消え失せるまで斃す。これこそが、余が此処に立つ理由だ」<br /><br /></strong></span></p> <p><span style="color: #00796b;"><strong>まみか「それは彼女があなたに与えたただの物語じゃないの!? それはあなたをしばるものじゃない!」<br /><br /></strong></span></p> <p><span style="color: #00796b;"><strong>アルタイル「君はどうなのだ。物語の軛(くびき)から解き離れて尚、愚劣な偽善者の仮面を身に着けている、君は</strong></span><span style="color: #00796b;"><strong>」<br /><br /></strong></span></p> <p><span style="color: #00796b;"><strong>まみか「…違うよ。私はたしかにそう決められた主人公だった。でもこの世界へ来て変わった。私はこの生き方を選んだんだよ。この世界へ来て、いろんなものを見て、アリスちゃんやあなたと出会って。私はもう一度 “マジカルスレイヤー・まみか” になろうって、そう決めた」</strong></span><br /><br /><span style="color: #00796b;"><strong>アルタイル「余もそうだ」</strong></span><br /><br /><span style="color: #00796b;"><strong>アルタイル「この世に打ち棄てられた彼女。そのような役割に彼女を振った無慈悲な物語こそ余は決して許さない」<br /><br /></strong></span></p> <p><span style="color: #00796b;"><strong>アルタイル「筋書き如きに忠義を尽くしているのではない。余が決めたことだ」</strong></span></p> <p><span style="font-size: 80%;">――<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Re%3ACREATORS">Re:CREATORS</a> 8話</span></p> </blockquote> <p> </p> <p>本来なら “<strong>その</strong>” 気持ちに至るまでを描かれなくては二人の気持はよくわからない筈だ。設定に縛られる自分がいて、でもそんなことは自分が自分であることに何ら関わりがないと決意する心の往復があるこそ、8話のシーンは輝くのである。</p> <p>しかしやはりそんものはない。</p> <p><span style="color: #0000cc;"><strong>答えに到達したキャラクターがいる</strong></span>だけで、過程はMP4ばりに圧縮し「君自身がデコードしてね」と言わんばかりだ。</p> <p>これでは被造物たちの心の機微についていけない読者が一定数いるだろうし、『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Re%3ACREATORS">Re:CREATORS</a>』は読者の解凍能力に依存した物語なのではないかと考える理由である。</p> <p>私が序盤に感じた<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%E1%A5%BF%A5%D5%A5%A3%A5%AF%A5%B7%A5%E7%A5%F3">メタフィクション</a>に馴染みのない人でも…は誤りで、実際は<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%E1%A5%BF%A5%D5%A5%A3%A5%AF%A5%B7%A5%E7%A5%F3">メタフィクション</a>に慣れ親しんでいる人向けの作品なのではないか? </p> <p>そう考えるとこの極端なまでに結果しか描写しないのも頷ける。</p> <p> </p> <p><span style="font-size: 150%;">いいぞもっとやれ!</span>いいえやってくださいお願いします!<span style="font-size: 80%;"><cite>(早く最新話見ないとワクワク)</cite></span></p> <p> </p> <div class="amazlet-box" style="margin-bottom: 0px;"> <div class="amazlet-image" style="float: left; margin: 0px 12px 1px 0px;"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B06Y22PJG7/114alme-22/ref=nosim/" target="_blank" name="amazletlink"><img style="border: none;" src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/51wCModuh8L.jpg" alt="Re:CREATORS Original Soundtrack" /></a></div> <div class="amazlet-info" style="line-height: 120%; margin-bottom: 10px;"> <div class="amazlet-name" style="margin-bottom: 10px; line-height: 120%;"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B06Y22PJG7/114alme-22/ref=nosim/" target="_blank" name="amazletlink">Re:CREATORS Original Soundtrack</a> <div class="amazlet-powered-date" style="font-size: 80%; margin-top: 5px; line-height: 120%;"> </div> </div> <div class="amazlet-detail"><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%DF%B7%CC%EE%B9%B0%C7%B7">澤野弘之</a> <br /><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A2%A5%CB%A5%D7%A5%EC%A5%C3%A5%AF%A5%B9">アニプレックス</a> (2017-06-14)<br />売り上げランキング: 80</div> <div class="amazlet-sub-info" style="float: left;"> <div class="amazlet-link" style="margin-top: 5px;"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B06Y22PJG7/114alme-22/ref=nosim/" target="_blank" name="amazletlink">Amazon.co.jpで詳細を見る</a></div> </div> </div> <div class="amazlet-footer" style="clear: 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href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/SACRA">SACRA</a> MUSIC (2017-06-28)<br />売り上げランキング: 142</div> <div class="amazlet-sub-info" style="float: left;"> <div class="amazlet-link" style="margin-top: 5px;"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B06XYBKSFD/114alme-22/ref=nosim/" target="_blank" name="amazletlink">Amazon.co.jpで詳細を見る</a></div> </div> </div> <div class="amazlet-footer" style="clear: left;"> </div> </div> <h4>アニメ関連記事</h4> <p><iframe class="embed-card embed-blogcard" style="display: block; width: 100%; height: 190px; max-width: 500px; margin: 10px 0px;" title="物語における『視点取得限界』を考える(24463文字) - 猫箱ただひとつ" src="https://hatenablog-parts.com/embed?url=http%3A%2F%2Feroge-pc.hatenablog.jp%2Fentry%2F2016%2F08%2F19%2F070000" frameborder="0" scrolling="no"></iframe></p> <p><a href="http://eroge-pc.hatenablog.jp/entry/2016/08/19/070000">物語における『視点取得限界』を考える(24463文字) - 猫箱ただひとつ</a></p> <p><iframe class="embed-card embed-blogcard" style="display: block; width: 100%; height: 190px; 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2017-06-12T22:00:00+09:00 2017-06-12T22:00:00+09:00 ここ最近アニメを見る習慣が死んでいたが、ようやく『鉄血のオルフェンズ』を見終えたので感想を書いていく。 *ネタバレ注意 「届かない」物語。 <p><img class="hatena-fotolife" title="f:id:bern-kaste:20170513232220j:plain" src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/b/bern-kaste/20170513/20170513232220.jpg" alt="f:id:bern-kaste:20170513232220j:plain" width="350" /></p> <p>ここ最近アニメを見る習慣が死んでいたが、ようやく『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C5%B4%B7%EC%A4%CE%A5%AA%A5%EB%A5%D5%A5%A7%A5%F3%A5%BA">鉄血のオルフェンズ</a>』を見終えたので感想を書いていく。</p> <p><span style="color: #d32f2f;">*</span>ネタバレ注意</p> <p> </p> <h3>「届かない」物語。</h3> <p>仲間の命を預かること、ピスケットの死、行動の結果による無限の責任を背負わされる団長・オルガは苦しみにあえぐものの、ミカはそれを許さない。立ち止まることを認めなかった。</p> <p>そうして、第22話で彼ら――ひいては<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C5%B4%B2%DA%C3%C4">鉄華団</a>の目的は「どこかに辿り着く」ことに定まったのである。</p> <p> </p> <blockquote> <p><span style="color: #00796b;"><strong>オルガ「(前略)だとしたら、アイツは俺に殺されたってことだよな」</strong></span><br /><br /><span style="color: #00796b;"><strong>三日月「オルガ、次俺はどうすればいい」</strong></span><br /><br /><span style="color: #00796b;"><strong>オルガ「……勘弁してくれよ、ミカ」</strong></span><br /><br /><span style="color: #00796b;"><strong>  「俺は」「ダメだよオルガ」</strong></span><br /><br /><span style="color: #00796b;"><strong>三日月「俺はまだ止まれない」</strong></span><br /><br /><span style="color: #00796b;"><strong>オルガ「まってろよ」</strong></span><br /><br /><span style="color: #00796b;"><strong>三日月「教えてくれよオルガ」</strong></span><br /><br /><span style="color: #00796b;"><strong>オルガ「待てっていってるだろうがッ!」</strong></span><br /><br /><span style="color: #00796b;"><strong>三日月「ここが俺たちの場所なの?」</strong></span><br /><br /><span style="color: #00796b;"><strong>三日月「そこに着くまで俺は止まらない、止まれない。決めたんだ、あの日に、決まったんだ」</strong></span><br /><br /><span style="color: #00796b;"><strong>三日月「ねえ何人殺せばいい? あと何人殺せばそこへ着ける? 教えてくれオルガ、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AA%A5%EB%A5%AC%A1%A6%A5%A4%A5%C4%A5%AB">オルガ・イツカ</a>。連れて行ってくれるんだろ 俺は 次 どうすればいいんだ」</strong></span></p> <p><span style="color: #00796b;"><strong>オルガ「放しやがれっ!」</strong></span></p> <p><span style="color: #00796b;"><strong> </strong></span></p> <p><span style="color: #00796b;"><strong>オルガ「ああ、分かったよ連れて行ってやるよ!!」</strong></span></p> <p><span style="color: #00796b;"><strong>オルガ「どうせ後戻りは出来ねえんだ、連れてきゃあいいんだろ!?」</strong></span><br /><br /><span style="color: #00796b;"><strong>オルガ「途中にどんな地獄が待っていようと、お前を、お前らを俺が連れて行ってやるよ!!」</strong></span><br /><br /><span style="color: #00796b;"><strong>三日月「ああそうだよ 連れていってくれ」</strong></span><br /><br /><span style="color: #00796b;"><strong>三日月「次はだれを殺せばいい、なにを壊せばいい オルガが目指す場所へ行けるんだったら、なんだってやってやるよ」</strong></span></p> <p>――<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C5%B4%B7%EC%A4%CE%A5%AA%A5%EB%A5%D5%A5%A7%A5%F3%A5%BA">鉄血のオルフェンズ</a>22話</p> </blockquote> <p> </p> <p>この時、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C5%B4%B7%EC%A4%CE%A5%AA%A5%EB%A5%D5%A5%A7%A5%F3%A5%BA">鉄血のオルフェンズ</a>は「旅」の物語として、果てない航海へと舵を切ったと言ってもいいだろう。</p> <p>――しかしどこに行けばいいのか? ミカが言う「そこ」とは抽象的すぎて、何を指針にすればいいか分からない。</p> <p>そんなときマクギリスから『火星の王』の切符を手渡される。家族を楽にさせたい、もう危険な仕事をしなくて済む、そんな誰もが納得できる理由を掲げ『火星の王』を最終目的にするオルガだったが、内心ではさっさと降りたかったに違いない。</p> <p>日々団長としての役割を遂行し、可能な限り多くの家族を幸いへと導こうとする。皆の範たれと、リーダー然と振る舞う彼は弱音を吐くことすら自身に許すことが出来なかった。そんなオルガにとって "<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C5%B4%B2%DA%C3%C4">鉄華団</a>" がどれほどの重圧だったのかは今更語るまでもないだろう。</p> <p>名瀬の兄貴が「<span style="font-size: 80%;">(お前は)</span>「目指す場所なんてどこでも関係ねぇ。とにかくとっとと上がって楽になりてぇ」ってな」と指摘していることからも明らかである。</p> <p>そして迎える48話。</p> <p>オルガはこう言い残し、逝ってしまう。</p> <p> </p> <blockquote> <p><span style="color: #00796b;"><strong>(ミカ。やっと分かったんだ。俺達には辿り着く場所なんていらねぇ)</strong></span></p> <p><span style="color: #00796b;"><strong>(ただ進み続けるだけでいい。止まんねぇ限り道は続く)</strong></span></p> <p><span style="color: #00796b;"><strong> </strong></span></p> <p><span style="color: #00796b;"><strong>――――謝ったら許さない</strong></span></p> <p><br /><span style="color: #00796b;"><strong>(ああ分かってる。俺は止まんねぇからよ。お前らが止まんねぇ限りその先に俺はいるぞ!)</strong></span></p> <p><span style="color: #00796b;"><strong>(だからよ…止まるんじゃねぇぞ…)</strong></span></p> <p><span style="font-size: 80%;">――<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C5%B4%B7%EC%A4%CE%A5%AA%A5%EB%A5%D5%A5%A7%A5%F3%A5%BA">鉄血のオルフェンズ</a>48話/オルガ、回想上のミカ</span></p> </blockquote> <p> </p> <p>ああ、つまりこれは「届く」ことを目的としない物語なのだ。目的地を定めるものの、そこに向かって進もうとするものの、<span style="color: #0000cc;"><strong>それが果たされなくてもいい</strong></span>と言う態度。</p> <p>むしろ大事なのは、オルガが言うように進み続けること。</p> <p>それは手段と目的があべこべになったようにも見えるが、「生きる=戦う」この図式が――<span style="color: #000000;">比喩でも形而上でもアナロジーでもなかった</span>――<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C5%B4%B2%DA%C3%C4">鉄華団</a>にとっては当然の帰結だろう。</p> <p>戦闘の果てに望むことなんて、彼らには何ひとつなかったのである。</p> <p>現にミカ、ユージン、昭弘、シノと言った主要メンバーは「火星の王になった後」について夢を語ったことがあったろうか? こういうふうに生きたい、なになにをしたい、そんなしあわせを思い描いただろうか。</p> <p>確かに彼らは<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C5%B4%B2%DA%C3%C4">鉄華団</a>のために頑張りはするものの、それはオルガがそう言うからそうしただけで「個人的」な理由ではない。自分の願いがオルガとの願いと直結するから従うのではなく、自分の願いなんてどこにもないからオルガに従うのだ。</p> <p>最果ての地を望むミカでさえも、その願いは幼少期のオルガが指し示したものを今でも大事にしているだけにすぎない。</p> <p>彼はお金の使い方を知らないし、明宏は鍛錬に励み続けるばかりで、一瞬一瞬の快楽に身をやつすシノ。……彼らには「何かを成す」ために生きてなどいないように思える。</p> <p>結局はそれが ”<strong><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D2%A5%E5%A1%BC%A5%DE%A5%F3%A5%C7%A5%D6%A5%EA">ヒューマンデブリ</a></strong>” というものなのだろう。自らの人生を「選び」取ることが出来ず、誰かが示した方向のみを歩みゆかんとする。個ではなく群れのために生き、生きることに特別な意味を付与させない者たち。</p> <p>――故に戦闘(=生きる)の果てに望むものなど無い。</p> <p>ミカは死んだ。命を賭しても願いは果たされなかった。でも満ち足りた顔で逝ったのである。</p> <p>明宏は死んだ。命を賭して生きてていいことを見つける。だがきっと多くの者は「それがいいこと?」と思ったに違いない。</p> <blockquote> <p> 「生きてりゃ…いいことあるもんだな」</p> <p><span style="font-size: 80%;">――明宏/<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C5%B4%B7%EC%A4%CE%A5%AA%A5%EB%A5%D5%A5%A7%A5%F3%A5%BA">鉄血のオルフェンズ</a>50話</span></p> </blockquote> <p> </p> <p>それは高等教育を受け、人権を与えられ、衣食住に満ちた者からすれば<strong>意味不明</strong>に違いない。だって私たちは「個」を尊重しながら、人生の意味だとか、幸福のあり方だとか、そういう幻想を頭の中で作り出し "よりよい生" を目指すからだ。</p> <p>大儀だとか、信念だとか、そういうのに縋るのもこの延長線である。良き大義を持っていれば良き人生を歩める、強き信念を抱いていれば強く生きられる――そんなふうに。</p> <p>実際それが果たせるかどうかは関係なく、<span style="text-decoration: underline;">人間として扱われたきた</span>我々はそういう思考に根付いているし、よりよく生きることこそが人生の意味だと信じ切っているわけだ。</p> <p>……そんな者に、本質的な願いがなく、生きる為に戦い、戦うために生きている<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C5%B4%B2%DA%C3%C4">鉄華団</a>なんてのは理解できるわけがない。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B8%A5%E5%A5%EA%A5%A8%A5%C3%A5%BF">ジュリエッタ</a>のように。</p> <p> </p> <blockquote> <p><span style="color: #286f2c;"><strong><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B8%A5%E5%A5%EA%A5%A8%A5%C3%A5%BF">ジュリエッタ</a>「なぜだ!?なぜまだ抗う!?」</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B8%A5%E5%A5%EA%A5%A8%A5%C3%A5%BF">ジュリエッタ</a>「無駄な足掻きだ!こんな無意味な戦いにどんな大義があるというのだ!」</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong> ミカ「大義? 何それ?無意味?そうだな俺には意味なんてない。けど――」</strong></span></p> <p> </p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>(けど今は 俺にはオルガがくれた意味がある)</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>(なんにも持っていなかった俺のこの手の中に こんなにも多くのものが溢れてる)</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>(そうだ 俺達はもう辿り着いてた)</strong></span><br /><br /><span style="color: #286f2c;"><strong><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B8%A5%E5%A5%EA%A5%A8%A5%C3%A5%BF">ジュリエッタ</a>「なんなのですあなたは!果たすべき大義もなくなぜ!」</strong></span><br /><br /><span style="color: #286f2c;"><strong>(俺達の本当の居場所)</strong></span><br /><br /><span style="color: #286f2c;"><strong>ミカ『だろ?オルガ』</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>オルガ『ああ そうだな。ミカ』</strong></span></p> <p><span style="font-size: 80%;">――<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C5%B4%B7%EC%A4%CE%A5%AA%A5%EB%A5%D5%A5%A7%A5%F3%A5%BA">鉄血のオルフェンズ</a>50話</span></p> </blockquote> <p> </p> <p>二人が辿り着いた場所は、走り続けた結果としての死。</p> <p>歯を食いしばってきた進んできたこの過程こそが、彼らが求めた到達地点なのである。故に<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%ED%A5%F3%A5%B0%A5%C8%A5%EC%A5%A4%A5%EB">ロングトレイル</a>。</p> <p>同時に彼らは個人単位では届くことはできなかったものの、Bパートのアトラ・クーデリア・ユージン達を見れば<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C5%B4%B2%DA%C3%C4">鉄華団</a><span style="font-size: 80%;">(共同体)</span>としては「みんなで笑い合う未来」へと行けたと捉えられる。</p> <p>これは<span style="color: #000000;">「幸福」「個の生」という概念を<span style="color: #0000cc;"><strong>絶対価値</strong></span>として位置づける者には永遠に理解できない代物</span>だろう。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B8%A5%E5%A5%EA%A5%A8%A5%C3%A5%BF">ジュリエッタ</a>、ないし<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AE%A5%E3%A5%E9%A5%EB%A5%DB%A5%EB%A5%F3">ギャラルホルン</a>なる「人間」の中で一体何人が彼らの生き様を受け止められるか見物である。</p> <p> </p> <p><span style="font-size: 80%;">人間ちゃん「幸福に生きよ!」</span><br /><span style="font-size: 80%;">  三日月「あ?」</span></p> <p> </p> <p>マクギリスは理想のために戦ったが、あえなく敗れ去ってしまう。</p> <p>願いを果たしたかった者、果たされなくてもよいと断じた者。この両輪によって<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C5%B4%B7%EC%A4%CE%A5%AA%A5%EB%A5%D5%A5%A7%A5%F3%A5%BA">鉄血のオルフェンズ</a>は一層「届かない」物語として色濃くなっている。手を伸ばしても、届かない、届くことができなかった、そんな儚さがとてもよい作品だ。</p> <p> </p> <p> </p> <p> </p> <h3>タカキだけは</h3> <p>彼だけは<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C5%B4%B2%DA%C3%C4">鉄華団</a>の中で「個の生」を選び取った者なり。自分で人生を決めて、妹のために行動したものなり。</p> <p>選択を放棄したミカとタカキの対比がまたいいんだわ……。</p> <p> </p> <p> </p> <h3>ミカとオルガの関係良すぎませんか</h3> <p> </p> <p>まずねまず、op4で横になっているミカを担ぎ上げるオルガがやばい。この二人の阿吽の呼吸ならぬ信頼感がこのシーンだけで伝わってくる。とてもいい。</p> <p>同様に37話くらいだったかな? ミカが破ってとでもいいたげに栄養補給食品を出しそれをすっと取ってあげるオルガ、そしてもぐもぐするミカ。くそ分かりあってんな!!wと思わずにはいられない。</p> <p>とにかくこの二人の関係性は微笑ましいし好き。あと三日月のことを「ミカ」とオルガだけがあだ名で呼ぶのもいい。</p> <p>マクギリスと<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AC%A5%A8%A5%EA%A5%AA">ガエリオ</a>の関係もよくて、最後の</p> <blockquote> <p>「言うな!お前が言おうとしている言葉が俺の想像通りなら」</p> <p>「言えば俺は…許してしまうかもしれない」</p> <p><span style="font-size: 80%;">――ガリエオ/<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C5%B4%B7%EC%A4%CE%A5%AA%A5%EB%A5%D5%A5%A7%A5%F3%A5%BA">鉄血のオルフェンズ</a>49話</span></p> </blockquote> <p> も良すぎて良すぎて辛いです。マクギリスが結局死んでしまって「その一言」を言えなかったのもいい……。</p> <p> </p> <p> </p> <h3> 恋愛の多様性を描くオルフェンズ</h3> <p>名瀬のハーレム、シノに恋するヤマギ、アトラとクーデリアの関係――<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B0%DB%C0%AD%B0%A6">異性愛</a>から同性愛、はたまた一夫多妻に一人の男性を二人の女性が愛す「多様な恋愛」を本作は描いた。</p> <p>最後のアトラとクーデリアは「家族」として一緒にいるみたいなので、恋情ではない関係で家族になった者たちとしても本当に豊かな人間関係を見せてくれたと思う。</p> <p>もうねー……こういうの最高です。最愛の男性の子供をふたりで育てあげるって、なんかうるっときません?きますよね。きます。</p> <p>恋の形はひとつじゃないし、家族の形もひとつじゃないんだよ。わかってる?</p> <p> </p> <p> </p> <h3>ライドが歩んだのはきっと初雪色の狂気</h3> <p>彼の復讐は荒野の巡礼たり得ただろうか。</p> <p>怒りを持って行い、憎悪でもって成さんとする、死者に捧げる祈りを果たすことが出来ただろうか。オルガに庇われて生き残ってしまった自分を許すことができただろうか。</p> <p>復讐とはいつだって虚しいものだろう。叶えたところで得られるものなんて無い、そう数多の賢人は口を揃えてそう言う。けれどそれがライドにとって「進むため」に必要なもので、復讐を終えて「前を向くため」に役立ったのならば無駄ではない。ううん、そうあってくれればなと願いたい。</p> <p>彼の復讐物語に、精一杯の拍手を。</p> <p> </p> <p> </p> <h3> おわり</h3> <p>『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C5%B4%B7%EC%A4%CE%A5%AA%A5%EB%A5%D5%A5%A7%A5%F3%A5%BA">鉄血のオルフェンズ</a>』は毎話面白く(←重要)終わり方も良かったので満足です。私的満足度なら<span style="color: #d32f2f;"><strong>★★★★(4.0)</strong></span>超え。</p> <p>本作は<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AC%A5%F3%A5%C0%A5%E0">ガンダム</a>初めての人に取っ付きやすいですし、何よりもテーマが分かりやすいのでびしびし勧めていきたいですね。私自身、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AC%A5%F3%A5%C0%A5%E0%A5%B7%A5%EA%A1%BC%A5%BA">ガンダムシリーズ</a>は「<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DD%A5%B1%A5%C3%A5%C8%A4%CE%C3%E6%A4%CE%C0%EF%C1%E8">ポケットの中の戦争</a>」「OO一期のみ」しか見ていませんけど楽しめました。</p> <p>というか、この数週間充実した鉄血ライフだったなぁと……。毎日一話二話見てうきうきしていたよ全く。やっぱアニメって面白いなと実感したので、徐々に習慣取り戻していきたい所……どうも最近ダメでさ…。</p> <p>ちなみに<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A4%A5%AA%A5%AF%A1%A6%A5%AF%A5%B8%A5%E3%A5%F3">イオク・クジャン</a>は生き残ると思っていたんですけど、見事にぐちゃぐちゃにされてすっきりしましたよ。ええ。ほんと。(なんだその感想は) でも愚者が最後まで生きて笑っている絵面も見たかったといえば見たかったかもしれません。それはそれで新鮮ですので。</p> <p> (了)</p> <div class="amazlet-box" style="margin-bottom: 0px;"> <div class="amazlet-image" style="float: left; margin: 0px 12px 1px 0px;"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B06XGT69PM/114alme-22/ref=nosim/" target="_blank" name="amazletlink"><img style="border: none;" src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/513pJZmsSOL.jpg" alt="機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ COMPLETEBEST(期間生産限定盤~2017/09/30)" /></a></div> <div class="amazlet-info" style="line-height: 120%; margin-bottom: 10px;"> <div class="amazlet-name" style="margin-bottom: 10px; line-height: 120%;"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B06XGT69PM/114alme-22/ref=nosim/" target="_blank" name="amazletlink">機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ COMPLETEBEST(期間生産限定盤~2017/09/30)</a> <div class="amazlet-powered-date" style="font-size: 80%; margin-top: 5px; line-height: 120%;"> </div> </div> <div class="amazlet-detail">ヴァリアス <br /><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/SACRA">SACRA</a> MUSIC (2017-05-17)<br />売り上げランキング: 125</div> <div class="amazlet-sub-info" style="float: left;"> <div class="amazlet-link" style="margin-top: 5px;"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B06XGT69PM/114alme-22/ref=nosim/" target="_blank" name="amazletlink">Amazon.co.jpで詳細を見る</a></div> </div> </div> <div class="amazlet-footer" style="clear: left;"> </div> </div> <div class="amazlet-box" style="margin-bottom: 0px;"> <div class="amazlet-image" style="float: left; margin: 0px 12px 1px 0px;"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B01N4NEVZH/114alme-22/ref=nosim/" target="_blank" name="amazletlink"><img style="border: none;" src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/51gcBXOjQ2L._SL160_.jpg" alt="TVアニメ『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』 Original Sound Tracks II" /></a></div> <div class="amazlet-info" style="line-height: 120%; margin-bottom: 10px;"> <div class="amazlet-name" style="margin-bottom: 10px; line-height: 120%;"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B01N4NEVZH/114alme-22/ref=nosim/" target="_blank" name="amazletlink">TVアニメ『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』 Original Sound Tracks II</a> <div class="amazlet-powered-date" style="font-size: 80%; margin-top: 5px; line-height: 120%;"> </div> </div> <div class="amazlet-detail"><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B2%A3%BB%B3%B9%EE">横山克</a> <br /><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%E9%A5%F3%A5%C6%A5%A3%A5%B9">ランティス</a> (2017-03-29)<br />売り上げランキング: 2,147</div> <div class="amazlet-sub-info" style="float: left;"> <div class="amazlet-link" style="margin-top: 5px;"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B01N4NEVZH/114alme-22/ref=nosim/" target="_blank" name="amazletlink">Amazon.co.jpで詳細を見る</a></div> </div> </div> <div class="amazlet-footer" style="clear: left;"> </div> </div> <div class="amazlet-box" style="margin-bottom: 0px;"> <div class="amazlet-image" style="float: left; margin: 0px 12px 1px 0px;"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B01LY0LO8K/114alme-22/ref=nosim/" target="_blank" name="amazletlink"><img style="border: none;" src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/610lqnisNDL.jpg" alt="機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ 弐 9 (特装限定版) [Blu-ray]" /></a></div> <div class="amazlet-info" style="line-height: 120%; margin-bottom: 10px;"> <div class="amazlet-name" style="margin-bottom: 10px; line-height: 120%;"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B01LY0LO8K/114alme-22/ref=nosim/" target="_blank" name="amazletlink">機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ 弐 9 (特装限定版) [Blu-ray]</a> <div class="amazlet-powered-date" style="font-size: 80%; margin-top: 5px; line-height: 120%;"> </div> </div> <div class="amazlet-detail"><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D0%A5%F3%A5%C0%A5%A4%A5%D3%A5%B8%A5%E5%A5%A2%A5%EB">バンダイビジュアル</a> (2017-06-23)<br />売り上げランキング: 311</div> <div class="amazlet-sub-info" style="float: left;"> <div class="amazlet-link" style="margin-top: 5px;"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B01LY0LO8K/114alme-22/ref=nosim/" target="_blank" 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<p>その果てが瑞々しい音楽を作れなくなったとしても、その果てが売れない小説を書き続けることだとしても、結局それは届かなかったというエンドマークだけだ。</p> <p>――そんなのはただの徒労だ。</p> <p>だとしても "書き" 続けなければいけないのだろうか。ふーみんのように。桜井のように。学のように。雲雀のように――――氷細工の薔薇を見つけなければいけないのだろうか。</p> <p>因果が逆転しているのでは。</p> <p>逆転はしていない。誰もが胸の内に醒めきった諦観があったはずだ。「届かないかもしれない」ではなく「届かない」と。冷えきったリアリズムを抱えながらも、手を伸ばすのだ。これがいかに難しいか分かるはずだ。</p> <p>けれどミカには <strong>そういうもの</strong> がない。だから彼は彼自身の全てを賭けられるのだろう。そう思える。あるいは「全てを賭す」という結果は一緒でも、その起因が彼らは異なると言えるかもしれない。</p> <p> </p> bern-kaste 【親指シフト】飛鳥配列の気持ちよさ!NICOLA配列よりもこちらをおすすめしたいです。 hatenablog://entry/10328749687244571001 2017-05-14T22:00:00+09:00 2017-05-14T22:00:10+09:00 先日、こんな記事を書きました。 ▼ 親指シフト(=NICOLA配列)は指運びの悪さを感じる。八日目感想 意訳すれば「NICOLA配列は打鍵していて楽しいものの、どうも指がもたつく印象があり、また拗音+長音記号が打ちにくい」といったものです。 不満があるならば新しい配列に挑戦すればいい――、ですが一から配列を覚え直す徒労感に足が竦みます。まともに「文字入力出来ない期間」があるというのは、環境的に辛いのです。 しかし「悩んでるってことは本当はやりたいわけでやってダメならダメでいいじゃない」と思い立ち、上の記事を書いた翌日には『飛鳥配列』に乗り換えました。 <p>先日、こんな記事を書きました。</p> <p>▼</p> <p><iframe class="embed-card embed-blogcard" style="display: block; width: 100%; height: 190px; max-width: 500px; margin: 10px 0px;" title="親指シフト(=NICOLA配列)は指運びの悪さを感じる。八日目感想 - 猫箱ただひとつ" src="http://eroge-pc.hatenablog.jp/embed/2017/05/07/220000" frameborder="0" scrolling="no"></iframe></p> <p><a href="http://eroge-pc.hatenablog.jp/entry/2017/05/07/220000">親指シフト(=NICOLA配列)は指運びの悪さを感じる。八日目感想</a></p> <p> </p> <p>意訳すれば「<span style="color: #00796b;"><strong><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/NICOLA">NICOLA</a>配列は打鍵していて楽しいものの、どうも指がもたつく印象があり、また拗音+長音記号が打ちにくい</strong></span>」といったものです。</p> <p>不満があるならば新しい配列に挑戦すればいい――、ですが一から配列を覚え直す徒労感に足が竦みます。まともに「文字入力出来ない期間」があるというのは、環境的に辛いのです。</p> <p>しかし「悩んでるってことは本当はやりたいわけでやってダメならダメでいいじゃない」と思い立ち、上の記事を書いた翌日には『<strong>飛鳥配列</strong>』に乗り換えました。</p> <p> </p> <h3>配列は、案外覚えられる</h3> <p><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/NICOLA">NICOLA</a>配列を覚えるのに私は(ひいひい言いながら)3日かかったんですが、飛鳥配列は2日で終わりました。</p> <p>思ったよりも簡単に覚えられたので、おそらく<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/NICOLA">NICOLA</a>を覚えた時の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B7%D0%B8%B3%C3%CD">経験値</a>が役立ったのでしょう。もしも最初から飛鳥配列を選択していたら、もっと掛かっていたかもしれません。</p> <p>ここで理解したのは、配列に習熟するのは相応の時間が必要になるでしょうが、配列「だけ」を覚えるならそこまで尻込みしなくていいということ。</p> <p>なので「どの配列をずっと使っていきたいか・習熟させたいか」を見定めたくて、中指シフトを採用した『新下駄配列』に手を出してみたり、前置シフトを採用した『月配列』を弄ってみたりしました。</p> <p>いまだ『飛鳥配列』か『新下駄配列』か悩んでいるんですが、どちらも捨てがたいです。</p> <p> </p> <h3>飛鳥配列の打鍵は気持ちよい</h3> <p>飛鳥配列の特徴はこんな感じです。</p> <ul> <li><strong><span style="color: #00796b;">有志による千回以上の配列替え+膨大な量の評価打鍵の末に生まれた<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BF%C6%BB%D8%A5%B7%A5%D5%A5%C8">親指シフト</a>配列</span></strong></li> <li><strong><span style="color: #00796b;">清濁別置――つまり清音<span style="font-size: 80%;">(=か)</span>と濁音<span style="font-size: 80%;">(=が)</span>のキー位置を<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D0%A5%E9">バラ</a><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D0%A5%E9">バラ</a>に配置できるため運指の高効率化を図れる。逆にいえば規則性がないので覚えづらい。ちなみに<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/NICOLA">NICOLA</a>は清濁"同"置。</span></strong></li> <li><strong><span style="color: #00796b;">文字キー内に「Enter」「Delete」機能キーを配置。</span></strong></li> <li><strong><span style="color: #00796b;"><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DB%A1%BC%A5%E0%A5%DD%A5%B8%A5%B7%A5%E7%A5%F3">ホームポジション</a>での使用率が高く、人差し指側を極力使わない配列になっているが、代わりに外側<span style="font-size: 80%;">(=小指側)</span>と下段の使用率が高めの印象。</span></strong></li> <li><strong><span style="color: #00796b;">2010/07/13に最終版を発表。</span></strong></li> </ul> <blockquote> <p><img class="hatena-fotolife" title="f:id:bern-kaste:20170507020844j:plain" src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/b/bern-kaste/20170507/20170507020844.jpg" alt="f:id:bern-kaste:20170507020844j:plain" /></p> <p><span style="font-size: 80%;">――<a href="https://ameblo.jp/asuka-layout/entry-10589277915.html">(恐る恐る)飛鳥の最終版が出来た模様。。。|飛鳥カナ配列 ☆未来の子供たちへの贈り物☆</a></span></p> </blockquote> <p> </p> <p>飛鳥配列に乗り換えると、まず驚くのは「<span style="color: #0000cc;"><strong>運指の気持ちよさ</strong></span>」です。</p> <p>とにかくスムーズに指は動き、引っかかる所は少なく、パチパチと打鍵できます。おそらくこれに貢献しているのは「クロスシフト入力」が大きいと思っています。</p> <p> </p> <h4>(1)クロスシフト入力</h4> <p>例えば右手薬指にあたる「&gt;」キーは右<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BF%C6%BB%D8%A5%B7%A5%D5%A5%C8">親指シフト</a>を押しながらでは打ちにくいですが、<span style="text-decoration: underline;">左<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BF%C6%BB%D8%A5%B7%A5%D5%A5%C8">親指シフト</a>を押しながら「&gt;」キーを打鍵するのは</span>容易いのです。</p> <p>これは、同手シフトだとシフトキーと四指の位置が近くなってしまうため――どうしても下段は――やや窮屈になってしまう。</p> <p>しかし左シフトを押している時はその問題は発生しないので、指の移動が緩和され、結果として打鍵しやすかのかなと思います。</p> <p>飛鳥配列はこのクロスシフト入力を多用し、打ちにくい下段を打ちやすく、打鍵しやすいホーム段に頻出頻度の高い文字+繋がりやすい文字を効率的に並べることに成功している。気がします。</p> <p><span style="font-size: 80%;">*繋がりやすい文字とは「です」「ます」等</span></p> <p> </p> <h4>(2)人差し指・上段</h4> <p>また「人差し指・上段」をほぼ使わないせいか、次動作がもたつくことがないのにも気づきます。私だけかもしれませんが[R][T][Y][U]を打鍵したあとに同手側の次キーを打鍵するのは、他の指とくらべ半テンポ遅れるような体感があるのですね。</p> <p>手が浮くというか。遠すぎて使いにくいというか。<span style="font-size: 80%;">(慣れの問題なのかもしれませんが)</span></p> <p>『飛鳥配列』は人差し指をなるべく上段に動かさないことで、運指のよさを上げているのかも?(実際どうか分かりませんが重心が低い<span style="font-size: 80%;">――ホーム&下段の使用率が高い――</span>のは確かです)</p> <p> </p> <h4>(3)長音と拗音の配置</h4> <p>飛鳥配列では「ー」は[W]の場所に、拗音「ゃょゅ」は右手下段の単打面<span style="font-size: 80%;">(=一発で打てる)</span>に配置されています。</p> <p><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/NICOLA">NICOLA</a>では難しかった<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AB%A5%BF%A5%AB%A5%CA%B8%EC">カタカナ語</a>もスムーズに打てますし、促音である「っ」も右手下段単打面にあるので「言って」とか「かって」なんかも打ちやすいです。</p> <p> </p> <h4>(4)連手率が高め</h4> <p>交互打鍵が低めで、同じ手で<span style="font-size: 80%;">――特に右手で――</span>キーを打つ連手性のある配列の印象です。</p> <p>それも移動量の少ない動きで打鍵できるので、こういうのを<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A2%A5%EB%A5%DA%A5%B8%A5%AA">アルペジオ</a>が良いと言うのでしょう。不快感はなく楽しい。</p> <p><span style="font-size: 80%;">(この「ふかいかんはなくたのしい」の12文字中左手を使うのはなんと2文字。*左親指は数えない)</span></p> <p>ただ右手を使い過ぎな気もするので、もう少し交互打鍵率が高いと私は好きかもしれません。</p> <p> </p> <h4>(5)機能キーの有効性</h4> <p>『飛鳥配列』の大きな特徴として、<strong>Enterキー</strong>が特等席の[E]に配置。最初この意味が分からなくて戸惑ったのですが、実際使ってみるとホムポジから指を動かさず確定・改行出来る素晴らしさに気づきます。</p> <p>Enterってともすれば「い」や<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A1%D6%A4%F3%A1%D7">「ん」</a>よりも使うものなので、この配置の合理性に唸りました。同様に人差し指上段「U」にESCキーを割り当てていると思うのですが、使わない人からすれば別の機能キーや記号キーに振ればいいかなと。</p> <p>あれ?</p> <p>となると</p> <p>右<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BF%C6%BB%D8%A5%B7%A5%D5%A5%C8">親指シフト</a>キーに当てている「変換」をkeyswapでEnterに書き換えて、やまぶきRの設定で「右<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BF%C6%BB%D8%A5%B7%A5%D5%A5%C8">親指シフト</a>の割り当てを変換からEnterにし単独打鍵を有効」にすればもっと効率化できるのでは?</p> <p>改行も確定も、右シフトで行える!</p> <p> </p> <p><img class="hatena-fotolife" title="f:id:bern-kaste:20170512000809j:plain" src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/b/bern-kaste/20170512/20170512000809.jpg" alt="f:id:bern-kaste:20170512000809j:plain" width="457" /></p> <p><span style="font-size: 80%;">*keyswap キーの入れ替え・無効を行う<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D5%A5%EA%A1%BC%A5%BD%A5%D5%A5%C8">フリーソフト</a>(<a href="http://www.vector.co.jp/soft/winnt/util/se228667.html">KeySwap for XPの詳細情報</a>)<br />*やまぶきR 既存キーボードで<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BF%C6%BB%D8%A5%B7%A5%D5%A5%C8">親指シフト</a>を導入できる<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A8%A5%DF%A5%E5%A5%EC%A1%BC%A5%BF%A1%BC">エミュレーター</a>ソフト(<a href="http://www.vector.co.jp/soft/winnt/util/se511126.html">やまぶきR 親指シフトインストーラー</a>)</span></p> <p> </p> <p>これに気づいた後は、機能キーが最小限に抑えられた旧版を見比べながらちょこちょこ弄りました。</p> <blockquote> <p><img class="hatena-fotolife" title="f:id:bern-kaste:20170512001252j:plain" src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/b/bern-kaste/20170512/20170512001252.jpg" alt="f:id:bern-kaste:20170512001252j:plain" width="314" /></p> <p><span style="font-size: 80%;"> ――<a href="http://ameblo.jp/asuka-layout/entry-10486599204.html">飛鳥最新版-微調整完了!|飛鳥カナ配列 ☆未来の子供たちへの贈り物☆</a></span></p> </blockquote> <p> </p> <h4>(6)「」が打ちやすい</h4> <p> 飛鳥配列では物理位置[Q]に片側括弧(=「)、「@」で括弧閉じ(=」)を出せます。また同位置のクロスシフトで () をそれぞれ表示可能。</p> <p>つまり 「」() を多用する創作向きの配列と言っていいと思いますし、辺境の地である小指上段をうまく使っていると思います。</p> <p>しかし括弧記号を多用する人は、小指の使用頻度が高まり痛みを覚えるかもしれません。</p> <p>私は<span style="font-size: 80%;">(左小指が)</span>痛くなってきたので、新下駄配列で採用されている「JH」同時押しで 「」 が出せるアイディアを導入しました。同時押しした瞬間、カーソルが真ん中に移動するのは快適です。</p> <p><span style="font-size: 80%;">(同様に =()〈〉『』”” 計6つの記号も同時押しにしました)</span></p> <p> 余談ですが、飛鳥配列は[P]を[薬指]で打鍵推奨みたいです。通りで右手小指の使用率が高いなと思ったら、強い薬指で負担率を下げてあげるみたいです。</p> <p> </p> <h4>(7)不満点</h4> <p>『飛鳥配列』は完成度が高いと思います。</p> <p>十年以上掛けて編み出されたというのも納得のデキで、運指は気持ちよく、打鍵していて楽しい。それは配列を覚えて間もない私にもわかります。</p> <p>むしろ<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/NICOLA">NICOLA</a>配列とは何だったのか……と思うくらいに、不満は少なめです。</p> <p>でも強いてあげるなら</p> <ul> <li><span style="color: #00796b;"><strong>配列を覚えるのがやや大変</strong></span></li> <li><span style="color: #00796b;"><strong>「かな/ひらがなキー」をBackSpaceキーに入れ替え推奨のため小指に後退キーはなし</strong></span></li> <li><span style="color: #00796b;"><strong>「せ」「を」「つ」「も」が下段同手シフトで出すため、やや打鍵しにくい</strong></span></li> <li><span style="color: #00796b;"><strong>交互打鍵が低め</strong></span></li> </ul> <p>の四つでしょうか。</p> <p>これは清濁別置を採用してるので、「か」と「が」が同キーに位置しない→混乱する、というケースが頻発します。ただ慣れの問題だと思うので、習熟するにつれ気にならなっていくと見積もっています。</p> <p>それに――この打鍵のしやすさを目の当たりにすれば、清濁同置がいかに制限あるものか理解できますし、清濁同置の利点が「覚え易い」といっても単打面・シフト面の無秩序な配置を覚えるのは一緒です。</p> <p>クロスシフト面だけ規則性があっても……だから何?……それって「やや」「ほんの少し」覚えやすいくらいで習熟した頃には清音のクロスシフトが濁音なんてどうでもいいしその微妙な規則性のせいで運指が悪くなるのは耐えられない!</p> <p>――って人には問題ないかなと思います。</p> <p>いやでも!! クロスシフト面に規則性があるってことはそれだけ「習熟が早く」なるってことじゃん<a href="#f-ee2f2979" name="fn-ee2f2979" title="思うに清濁同置配列の良さって「覚えやすさ」ではなく「音の一致性の気持ちよさ」なんじゃないでしょうか。だってクロスシフト面だけ規則性があるのが、覚えやすい?って話です。私からすれば親指シフトの清濁同置・別置、どちらも学習コストは高めだし(この意味で)五十歩百歩にしか思えない。けれど――清音と濁音が同キー内で包括されている、一致している、耳に聞こえる『音』が同じ場所にある、というのが気持ちいい人に は同置配列は好まれますし、逆にあっちにいったりしている別置配列は ”気持ちよくない” から採用したくないという感覚の指向性に帰結するように思いま す。認知優位が『聴覚優位』だと清濁同置を好みそうな気がしますが、根拠は特にありません。でもそう考えると、効率的な意味でメリットが少ない(と思える)清濁同置配列を好むことを私は納得できそうです。「運指が気持ち良い」から私が清濁別置を選択したように、「音の一致が気持ちいいから」清濁同置を採用するのではないかと">*1</a>。習熟したらそりゃ規則性なんてどうでもいいけど、その習熟をいかに早く終えるかが大切なんじゃん!! 三面の内一面だけだとしても私は少しでも楽な方がいいよ。</p> <p>――って人には『小梅配列』が評判いいのでおすすめかもしれません。私は試していませんが、清濁同置+交互打鍵率が高い、素直な配列だと聞きます。</p> <p>▼</p> <p><iframe class="embed-card embed-webcard" style="display: block; width: 100%; height: 155px; max-width: 500px; margin: 10px 0px;" title="[8x3k] 小梅配列<その先の親指シフト>" src="//hatenablog-parts.com/embed?url=http%3A%2F%2F8x3koume.na.coocan.jp%2Fkoume%2F" frameborder="0" scrolling="no"></iframe><cite class="hatena-citation"><a href="http://8x3koume.na.coocan.jp/koume/">8x3koume.na.coocan.jp</a></cite></p> <p>(↑では、『小梅配列』のコンセプトを書かれているので興味あれば)</p> <p> </p> <p>次。</p> <p>別<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A8%A5%DF%A5%E5%A5%EC%A1%BC%A5%BF%A1%BC">エミュレーター</a>では可能みたいですが、やまぶきでRは文字キーを変更することは出来ても「Alt」といった機能キーは弄れません。</p> <p>なので当該<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A8%A5%DF%A5%E5%A5%EC%A1%BC%A5%BF%A1%BC">エミュレーター</a>を使用する場合、かな/ひらがなキーをBackSpaceキー入れ替えは外部ソフトを使わなければならず、これを推奨(前提?)の飛鳥配列はすこし取っ付きづらいかもしれません。</p> <p>次……と言いたい所ですが、あとは説明する必要はないと思うので省略。</p> <p>  ◆</p> <p>もちろんこれは配列を覚えて間もない「<strong>暫定的な</strong>」評価にすぎませんし、より手に馴染んできたらまた違う答えを出すかもしれません。</p> <p>それでも現時点では結構満足してるのは、確かです。</p> <p> </p> <p> </p> <h3> 今まで行ってきた<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BF%C6%BB%D8%A5%B7%A5%D5%A5%C8">親指シフト</a>の拡張</h3> <ul> <li>やまぶきRの「拡張<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BF%C6%BB%D8%A5%B7%A5%D5%A5%C8">親指シフト</a>」にてダイヤモンドカーソルとhomeとendを「A,S,D,F,E,X」に追加。キーは無変換キー(押しっぱのみで機能)</li> <li>無変換キーをGoogleIMEで「確定取り消し」に変更<span style="font-size: 80%;">(文字を確定後でも変換をやり直せる)</span></li> <li>かなキーをバックスペースキーに</li> <li>左ALTと<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Windows%A5%AD%A1%BC">Windowsキー</a>を「←→」に<span style="font-size: 80%;">(Shiftキー文節調節変換がやりやすい)</span></li> <li>「」()を同時押しにしたため[Q]は裏の「ぃ」を、同様に[@]は「ご」を単打面に持ってくる。</li> </ul> <p>ちなみに現在の『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%BF%A5%A4%A5%D7%A5%A6%A5%A7%A5%EB">タイプウェル</a>国語K/基本常用語』の成績はLv.H<span style="font-size: 80%;">(分速106文字)</span>です。本当は<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A4%A1%BC%A5%BF%A5%A4%A5%D4%A5%F3%A5%B0">イータイピング</a>で習熟度をはかりたかったんですが、私の環境では上手く行かなかったのでやむを得ず。</p> <p><span style="font-size: 80%;">*<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%BF%A5%A4%A5%D7%A5%A6%A5%A7%A5%EB">タイプウェル</a> フリーのタイピングソフト。ある界隈ではタイプ速度の基準になっている(?)</span></p> <p>次回は<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BF%C6%BB%D8%A5%B7%A5%D5%A5%C8">親指シフト</a>で「手指が痛くなる人」の共通点にあたりを付けたので、それについて語りたいです。多分。</p> <p> </p> <h4><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BF%C6%BB%D8%A5%B7%A5%D5%A5%C8">親指シフト</a>の記事</h4> <p><iframe class="embed-card embed-blogcard" style="display: block; width: 100%; height: 190px; max-width: 500px; margin: 10px 0px;" title="『親指シフト』、はじめました。/チンパンジー並の打鍵速度から早四日目 - 猫箱ただひとつ" src="http://eroge-pc.hatenablog.jp/embed/2017/05/03/220000" frameborder="0" scrolling="no"></iframe></p> <p><a href="http://eroge-pc.hatenablog.jp/entry/2017/05/03/220000">『親指シフト』、はじめました。/チンパンジー並の打鍵速度から早四日目</a></p> <p><iframe class="embed-card embed-blogcard" style="display: block; width: 100%; height: 190px; max-width: 500px; margin: 10px 0px;" title="親指シフト(=NICOLA配列)は指運びの悪さを感じる。八日目感想 - 猫箱ただひとつ" src="http://eroge-pc.hatenablog.jp/embed/2017/05/07/220000" frameborder="0" scrolling="no"></iframe></p> <p><a href="http://eroge-pc.hatenablog.jp/entry/2017/05/07/220000">親指シフト(=NICOLA配列)は指運びの悪さを感じる。八日目感想</a></p><div class="footnote"> <p class="footnote"><a href="#fn-ee2f2979" name="f-ee2f2979" class="footnote-number">*1</a><span class="footnote-delimiter">:</span><span class="footnote-text">思うに清濁同置配列の良さって「覚えやすさ」ではなく「<span style="color: #0000cc;"><strong>音の一致性の気持ちよさ</strong></span>」なんじゃないでしょうか。だって<span style="text-decoration: underline;">クロスシフト面だけ</span>規則性があるのが、覚えやすい?って話です。私からすれば<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BF%C6%BB%D8%A5%B7%A5%D5%A5%C8">親指シフト</a>の清濁同置・別置、どちらも学習コストは高めだし(この意味で)五十歩百歩にしか思えない。けれど――清音と濁音が同キー内で包括されている、一致している、耳に聞こえる『音』が同じ場所にある、というのが<strong>気持ちいい人</strong>に は同置配列は好まれますし、逆にあっちにいったりしている別置配列は ”気持ちよくない” から採用したくないという感覚の指向性に帰結するように思いま す。認知優位が『聴覚優位』だと清濁同置を好みそうな気がしますが、根拠は特にありません。でもそう考えると、効率的な意味でメリットが少ない(と思える)清濁同置配列を好むことを私は納得できそうです。「運指が気持ち良い」から私が清濁別置を選択したように、「音の一致が気持ちいいから」清濁同置を採用するのではないかと</span></p> </div> bern-kaste 紙の上の魔法使い感想・レビュー/噓でぐちゃぐちゃな物語を語りましょうか hatenablog://entry/10328749687236343792 2017-04-24T07:00:00+09:00 2017-04-24T07:00:29+09:00 *ネタバレ注意 <p><img class="hatena-fotolife" title="f:id:bern-kaste:20170412014132j:plain" src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/b/bern-kaste/20170412/20170412014132.jpg" alt="f:id:bern-kaste:20170412014132j:plain" /><br />*ネタバレ注意</p> <h3> 1,噓でぐちゃぐちゃになった彼女の失恋譚/(かみまほ作品論)</h3> <p> <br />『魔法の本』は現実に物語を開いて、人々に役を与える。</p> <p>少女は愛を求める吸血鬼に、妹は世界から忘れさられ、幽霊は空を見上げた。今までの生活は空想に塗り替えられ、何が【本当】で何が【空想】なのか分からなくなっていく。</p> <p>"登場人物を演じている時の私は本当の私? それともこの気持ちはフィクション? 君のことは好きじゃないのにそれでも好きにならないといけないのかな?"</p> <p>色とりどりの疑問を咲かせながら、それでもキャラクター達は『魔法の本』を終わらせるために精一杯役を演じ続けるのです。一冊の本が閉じれば、また一冊、一冊と紡がれるそこには『虚構』と『現実』の奇妙な関係が描かれる、のではなく実際は「素直になれない引きこもりお嬢様の失恋譚」というものでした。</p> <p>深み読みすれば<span style="color: #286f2c;"><span style="color: #000000;">「</span><strong><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%CD%B7%B9%D4%BB%FB">遊行寺</a>夜子はクリソベリルを振り払い、開かれた世界に踏み出す『現実へ帰れ譚』である</strong><span style="color: #000000;">」</span></span></p> <p>とか</p> <p>「<span style="color: #286f2c;"><strong><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%CD%B7%B9%D4%BB%FB">遊行寺</a>夜子は空想から現実へ生きる覚悟をしたように見えるが、既に死んだ瑠璃と人外である理央を拒絶していないことからも完全には空想を捨てきれていない。いくら活字から離れ、散歩するようになっても、彼女の周りは今までと同じく噓で塗り固められた世界であり、そこで生きようとすることのどこに「紙の上の物語を否定する意思」があると言うのか。これを『現実』と呼びならすのであれば、夜子にとって現実とはフィクションあってのもので「現実=空想」のAnswerstoryと捉えることも可能だろう。どちらも大切なものだから、どちらも在る世界で生きるのだと。しかし、一歩考えを推し進めると魔法の本に頼り――間接的に――月社妃を死に追いやった以前の夜子と何も変わっていない。空想と現実を等価、ないしそれ以上の価値があると判断したからこそ(無意識の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%CD%DF%B5%E1">欲求</a>)として様々な魔法の本が現実を壊したというのに……、結局"おしまい/TrueEND"は前進も後退もしない結末ではないか</strong></span>」</p> <p>とか</p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>「母親、親友、想い人を(間接的に)殺した<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%CD%B7%B9%D4%BB%FB">遊行寺</a>夜子が手にしたものは『告白する勇気』である。多くの犠牲によって得たものがたったそれだけなのもある意味すごいが、さらにすごいのはその告白は生前の四條瑠璃ではなく虚構存在である『紙瑠璃』に向けられる所だ。やはり現実で生きてこなかった彼女は"現実ではない"存在を愛すのですね? ああ、なんて<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A2%A5%A4%A5%ED%A5%CB%A1%BC">アイロニー</a>」</strong></span></p> <p>とか</p> <p>「<span style="color: #286f2c;"><strong>"現実に、紙の上の物語は必要ない" とクリソベリルの本を破くとき瑠璃は言うが、彼自身れっきとした魔法の本なわけで、それが真ならば瑠璃自身不必要な存在となる。しかし手のひらを返すように "(紙の上の本でも)俺は、ただ、生きたい"  "その願いを胸に抱きながら、穏やかで静かな人生を歩もうと思う" と後に語ることから彼の考えに一貫性はないだろう。有り体にいえば矛盾である。でもそんな矛盾は本作では至るところに散見するのだった。魔法の本によって振り分けられた役と本当の自分の『気持ち』、現実に死者が蘇るという『摂理』の齟齬、四條瑠璃の取っ替え引っ替えする『恋人』たち、少年を嫌いと言いつつも本当は好きな『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%CD%B7%B9%D4%BB%FB">遊行寺</a>夜子の心』、クリソベリルを否定しながらも四條瑠璃たちを受け入れる夜子の『現実』、"本が見初めた役者がいなくなったら本は物語を諦める"という根本ルールがかなたの<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B5%A5%D5%A5%A1%A5%A4%A5%A2">サファイア</a>には適用されず『開っきぱなし』だったこと―――それらは食い合うことがないものの、俯瞰すれば『矛盾』これこそが『紙の上の魔法使い』を語る上で欠かせないキーワードである</strong></span>」</p> <p>とか</p> <p>「<strong><span style="color: #286f2c;">つまり作品の全体構造が相反する要素を肯定(=矛盾)し続けるものであり、それは『恋心』という一貫性の欠片もない、あやふやで、非合理な感情とよく似ている。好きでもないのに好きと言ってみせたり、嫌いじゃないのに嫌悪をぶつけてみたり、そんな『恋心』を本作は身体全体で描き切ってみせた</span></strong>」</p> <p>とか語ろうと思えば語れるものの、語るほどにそれらが前傾していません。これはおそらく『魔法の本』が作品を貫く程のテーマにはなっておらず、<span style="text-decoration: underline;">装飾的立ち位置</span>に留まっているせいでしょう。</p> <p>というのも、本作はまずぶっとい一本のス<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%C8%A1%BC">トー</a>リーラインがあり、そこから他ヒロインへと分岐していく形を取っています。</p> <p> </p> <p><img class="hatena-fotolife" title="f:id:bern-kaste:20170412000919j:plain" src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/b/bern-kaste/20170412/20170412000919.jpg" alt="f:id:bern-kaste:20170412000919j:plain" /></p> <p><br />この構造が他と異なるのは各√が並列関係にあるのではなく、布石のような体裁になっていること。</p> <p>『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%ED%A1%BC%A5%BA%A5%AF%A5%A9%A1%BC%A5%C4">ローズクォーツ</a>の終末輪廻』『フローライトの怠惰現象』『ファントムクリスタルの極乱反射』は各ヒロインと結ばれたENDというよりは、「魔法の本によってもたらされたIf」という印象が強い。</p> <p>どれも後味が悪く、夜子ENDにしてもその"ハッピーエンド"さが鼻につくテイストです。</p> <p>でもそこには『設定』によって記憶が停滞し、自害を選択し、都合のいい幸福を与えられる結末が描かれるわけです。終局に至るための√だからこそ、アンハッピーでも許容されますし、そこで明かされた真実が物語を読み進める牽引力としても働くのですね。</p> <p>例えば</p> <ul> <li><span style="color: #00796b;"><strong>理央END/妃ENDにおける「設定を遂行する登場人物が自分の意志で物語を否定する」</strong></span></li> <li><span style="color: #00796b;"><strong>「妃が残した真実を捨てて『ホワイトパールの泡沫恋慕』(=噓物語)を四條瑠璃が受け入れたこと」</strong></span></li> <li><span style="color: #00796b;"><strong>夜子ENDにおける「本の担い手が『追加設定』に気づけず(縛られ)ハッピーエンドを迎える」</strong></span></li> <li><span style="color: #00796b;"><strong>個別√に入る時の「四條瑠璃の『選択』が恣意的である」</strong></span></li> </ul> <p>などが挙げられるでしょうか。</p> <p>特に<span style="font-size: 80%;">――紅水晶において――</span>月社妃を愛している瑠璃が『愛すべき少女への、愛情の極み』を選ぶことで、<strong>いとも簡単</strong>に理央を好きになることは興味深いです。『選択肢』という概念を皮肉っているとみなせますし、後から見れば彼が紙の上の存在だったからこそ超外的な存在(=読者)によってころころと気持ちを変えられるとも読めます。</p> <p>もちろん共通√の</p> <ul> <li><span style="color: #00796b;"><strong>「虚構の存在である四條瑠璃にかなた&夜子が告白することの意義」</strong></span></li> </ul> <p>といった『魔法の本』がもたらす様々な一面を、全編通して描くことで作品に深みが出てくるわけですね。</p> <p>しかしそれらがまるで無かったかのように「誰かを好きになるのが怖い少女はそれでも少年を好きになって振られる」をぽんと置かれて物語は閉じてしまう。</p> <p>それまで積み重ねてきた「空想を本物と見做すこと」や「演者が物語を否定/遂行すること」はさらりと流される、なぜ夜子は『紙瑠璃』を生前の瑠璃と同一視出来るのでしょう? なぜ夜子はクリソベリルを破くのと同じように『紙瑠璃』を破かないのでしょう…? </p> <p>つまり本作は<span style="text-decoration: underline;"><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%CD%B7%B9%D4%BB%FB">遊行寺</a>夜子の失愛を描くことが第一義であって、共通個別√が全く機能していません</span>。幼馴染は昨日を持ち越せない、兄妹は一緒に死んだ、ただそれだけです。</p> <p>噓でぐちゃぐちゃになった世界は、終わる恋を語るだけのもの。</p> <p>確かに瑠璃と夜子は最後までメタエッセンスを匂わせる「現実に紙の上の物語は必要ない」と言外に、あるいははっきりと口にするものの、実情は「空想の上で成り立っている現実」を二人とも肯定しているわけですから、その発言にさしたる意味なんてないでしょう。</p> <p>その矛盾性にこそ――先述したように――意味があるとしてもいいわけですが、あれは単純な「魔法の本に頼らない」つまり「<span style="color: #0000cc;"><strong><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%CD%B7%B9%D4%BB%FB">遊行寺</a>夜子は都合のいい恋愛を否定する</strong></span>」ことに掛かった言葉に過ぎません。</p> <p>彼女たちが言っている「空想」とか「紙の上の物語」というのはともすれば虚構全般を指しているように聞こえますが、そうではなく、「魔法の本による恋愛」というかなり限定的な事柄に絞っているんですね。</p> <p>おしまい/TrueENDを見れば分<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A4%AB%A4%EB%A4%C8">かると</a>おり、夜子たちは字義通りの「空想」を否定してるわけじゃない。なのに限定的な事柄をさも大仰に「紙の上の物語」なんて表現するから結末がよく分からなくなって矛盾しているように見えてしまうわけです。</p> <p>ここから分かるように、一連の『魔法の本』の事件が飾りにしかなっておらず、作品全体を貫くほどのテーマになっていません。</p> <p>つまり本作は<span style="color: #0000cc;"><strong>『物語』についてのお話ではなく、『恋心』のお話であり、「素直になれない引きこもりお嬢様の失恋譚」</strong></span>でしかないのです。それ以上でも以下でもない、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%E1%A5%BF%A5%D5%A5%A3%A5%AF%A5%B7%A5%E7%A5%F3">メタフィクション</a>を装った失恋ノベル。</p> <p>だからか『物語』を軸にする『かみまほ』論を展開することに不自然さを覚えますし、私は語りたいとは思わないのでしょうね。逆にそれらが前傾していたならば先の考察をばりばり書いていたと思います。</p> <p>なんにせよ、とてもシンプルなお話でした。</p> <p>そのシンプルさがそれまで塗り重ねてきたものを、無化する程に。</p> <p> </p> <blockquote> <p><img class="hatena-fotolife" title="f:id:bern-kaste:20170412005313j:plain" src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/b/bern-kaste/20170412/20170412005313.jpg" alt="f:id:bern-kaste:20170412005313j:plain" /></p> <p><span style="font-size: 80%;">――紙の上の魔法使い(ウグイスカグラ)</span></p> </blockquote> <p><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BB%E4%C5%AA">私的</a>満足度:★★★(3.4)<br />疑似客観視:★★★(3.6)</p> <p> </p> <p> </p> <h3>2,かみまほ短評(レビュー)</h3> <p><br />以下の設定にあなたは心が踊るかもしれない。</p> <p>「本を開けばその内容通りのお話が現実に展開する。キャラクターは与えられた役を強いられ、本が満足するまで解放されず、例え閉じてもその影響は現実に残る」</p> <p>『紙の上の魔法使い』はそんな超常的な現象を司る『魔法の本』――甘い恋愛小説からゆるふわ日常系に人が消える怪異譚――が主人公たちを襲う。そこには自分の気持ちが役の気持ちに上書きされる戸惑い、"設定"に縛られる幸せ、あるいは苦痛を描く、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%E1%A5%BF%A5%D5%A5%A3%A5%AF%A5%B7%A5%E7%A5%F3">メタフィクション</a>要素が強い作品となっている。</p> <p>だがあなたは購入をためらう。なぜなら今からお話することはその<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%E1%A5%BF%A5%D5%A5%A3%A5%AF%A5%B7%A5%E7%A5%F3">メタフィクション</a>が形式的なものに留まり、かつラストと喧嘩しているのを示すからだ。</p> <p>本作を要約すれば、以下のようになる。</p> <p><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%CD%B7%B9%D4%BB%FB">遊行寺</a>夜子は現実では幸せになれないと信じるからこそ、四條瑠璃への恋心を表に出さなかった。けれどその気持ちは母親とクリソベリル(なる腐れ魔法使い)によって叶えられ、次々と夜子の意に沿う『魔法の本』が開かれていく。四條瑠璃への告白をキャンセルし、未練を断ち切る為に妃を復活させる、その先に待っているのは「夜子と瑠璃が両思いになる」という都合のいい恋愛。ラストはそんなご都合主義的物語を否定し、現実で生きると少女は言うのであった。</p> <p>しかし少女が生きるといった現実は、我々が考える現実などではない。死んだ人間が喋り、人外の存在が身の回りを世話してくれるそれらは空想とか、幻想とか、ファンタジーと呼ぶべきものだ。</p> <p>少女は空想を否定していないにも関わらず、「紙の上の物語はいらない、私はこの現実世界で生きるわ」と振る舞うのである。</p> <p>ラストで描いたのは「都合のいい恋愛を否定した」だけなのだが、それまで描いてきた<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%E1%A5%BF%A5%D5%A5%A3%A5%AF%A5%B7%A5%E7%A5%F3">メタフィクション</a>要素に無理やり言及した結果、このような歪な形になってしまったのだろう。</p> <p>結論として『紙の上の魔法使い』は<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%E1%A5%BF%A5%D5%A5%A3%A5%AF%A5%B7%A5%E7%A5%F3">メタフィクション</a>を積み重ねるもそれを最後まで描けず失恋譚で途切れた作品であった。あなたがこの作品を読むとき、2つが反発しあう不可解な情景を見ることになるだろうし、そこをぐっと堪えても劇中に散らばる『謎』は<span style="font-size: 80%;">――潮干狩りでもするかのように――</span>淡々と掘り返すだけの快感や面白さがまるでない、空疎な、空想ノベルに唖然とするに違いない。だが、プロットそのものを楽しめるのならばその限りではないだろう。</p> <p>(以上971文字。1000文字内制限だとこんな感じ)</p> <p> </p> <p> </p> <p> </p> <p> </p> <h3>3,ラフな作品感想</h3> <p> </p> <p>一つ目が作品論、二つ目が短評、ならばここからはラフな感想です。</p> <p>先に言っておきますと私は全然楽しめませんでした。楽しくなかったです。読むために使った30時間を返して欲しいと思うくらいには、プレイ後の充足感はまるでありませんでした。ちょい。</p> <p>『物語』を物語る作品、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%E1%A5%BF%A5%D5%A5%A3%A5%AF%A5%B7%A5%E7%A5%F3">メタフィクション</a>を連想させるものや、突き刺すようなBADEND、鬱――それらは過去のプレイ歴からすると私は大好きなはずなのですが、本作は端的に言って<strong>微妙</strong>という他ありません。</p> <p>全体的に力が足りていませんし、名作の雰囲気を漂わせた凡作という評価に落ちついてしまいます。</p> <p>この「微妙」という結果に対して明確な理由なんてあるのかな?と思うものの、それでも、あえて理由を探すと「フラット」「テキストの遅々性」「プロットありきの作品」「キャラクターに魅力がない」の4つが挙げられるかもしれません。</p> <p> </p> <p> </p> <h3>■「フラット」</h3> <p>本作は「フラット」の強制力が働いているのか?と思うくらいに、物語が加速してもすぐさま平坦に戻ってしまう。</p> <p>例えば『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B5%A5%D5%A5%A1%A5%A4%A5%A2">サファイア</a>の存在証明』でクリソベリルが現れたとき、物語はヒートアップし急展開を迎えるシーンそのものだった。ここから『魔法の本』の真実が紐解かれ、月社妃の死亡原因を突き止めるのかと思えば</p> <p>――パパっと「妃を探した一年間」はかっとばされ、妹をなくした「後」の瑠璃色の日常がはじまってしまう。「一瞬にしてこの熱を冷ましてしまうのですか」と当時は思ったものだ。(OPムービーが展開される絶好のタイミングだとワクワクしていた)</p> <p>これは「理央と妃が紙の上の本だと発覚時」「かなたが既に<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B5%A5%D5%A5%A1%A5%A4%A5%A2">サファイア</a>に囚われれいた時」も同じで、どちらも物語のギアがトップになったなと思ったら次シーンにおいて『無風』になってしまう。なぜ?…なぜここで日常的ゆるやかな空気を持ってくるのだ?……まるで物語自体がフラットになろうとしているのかのようにその熱は引き継がれないのである。</p> <p>これを欠点と見るか、魅力と見るか。どっち?</p> <p> </p> <p> </p> <h3>■テキストの遅々性</h3> <p>本作のテキストの特徴は「繰り返し」が多い。</p> <p> </p> <blockquote> <p><img class="hatena-fotolife" title="f:id:bern-kaste:20170412001659j:plain" src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/b/bern-kaste/20170412/20170412001659.jpg" alt="f:id:bern-kaste:20170412001659j:plain" /></p> <p>――紙の上の魔法使い(ウグイスカグラ)</p> </blockquote> <p> </p> <p>多いというか6割これである。</p> <p>それ自体は良いのだけど、ただ<strong>多用しすぎる</strong>のは悪い所かもしれない。中々シーンは進まないし、延々と同じ場所で同じようなことを言っている印象を抱かせてしまうからだ。</p> <p>人によってはこれを「丁寧」と見るかもしれないが、私から言わせれば「くどい」。本作が冗長に感じるのはこれがおおよその原因だろう。<span style="font-size: 80%;">(ある意味親近感を覚えてしまいますけどね)</span></p> <p>これを欠点と見るか、良点と見るか。どっち?<br /><br /><br /><br /></p> <h3>■設定ありき、プロットありきな作品</h3> <p>↑で語ったように『かみまほ』の描写ってそんなにいいものではないと思っているのですね。微温的な描写をこれでもか!と食らわされる。</p> <p>となると<span style="text-decoration: underline;">Microにおける描写の楽しさ</span>は無いわけで、テキスト自体そこまで良いわけではないし、少なくとも私はあれが良いとは正直思えない。</p> <p>けれど本作の魅力はそこにあるのではなく、作品全体の骨格であり、Macro的な部分に集約されると考えます。いわゆるプロットがいい作品。「妹と心中」「妹はTrueでも還らない」などなどは挑戦的だと思いますし、日向かなたが初期から<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B5%A5%D5%A5%A1%A5%A4%A5%A2">サファイア</a>に囚われていたというのも唸る人は唸る展開でしょう。</p> <p>ただ、それを<strong>持ってくる</strong>ための描写力がないので、突然展開を投げつけられ、設定をぶん投げられ、プロットで張り倒されるような作品になってしまっている。</p> <p><span style="color: #0000cc;"><strong>展開はすごーい! だからどーしたの?</strong></span> そう白けちゃうわけです。</p> <p>思うに展開や要素がすごくても、それを語るだめの力がないと全然すごくないんですよね。設定がすごい物語はいくらでもあるけど、その設定が生き生きとする物語は少ない。</p> <p>あるいは「テキストの楽しさ」が色濃くでる作品を好む人は作品の骨子が多少歪んでいても好きになってしまえるものですが、これが真逆だとはそうはいかないんじゃないかな?</p> <p>「プロットはいい」でも「描写力が低い」と冷めてしまう。でも逆はあり。となると私はそっち派だったのかなとつらつら考えてしまうわけでははーんとなるなど。<br /><br /></p> <p> </p> <p> </p> <h3>■キャラクターに魅力がない</h3> <p>ありきたりと言えばありきたりなりなんですが、キャラに魅力がない。</p> <p>かなたちゃんは可愛いけど魅力があるかと言われれば……私はそうは思わないかな。というより登場人物すべて思考原理から言葉の選び方、性格などなどときめくものは少なかったです、月社妃も夜子もうーん……みたいな。</p> <p>嫌いじゃないけど好きでもない、普通みたいな。どうでもいいみたいな。</p> <p>瑠璃は瑠璃で<strong>クリソベリルに同情して抱きついた(Trueend)</strong>のを見て、ひええ……ってなってしまいました。過去話をしたらころっと感情移入して後ろから抱きついてくるって……もうね……もうだめだよこの男。生理的嫌悪すごい。</p> <p>とはいえ全体通して嫌っている、憎んでいる人物はいないんですけども。一部分、一部分、うーんって感じる所はあるくらいで。</p> <p>   ◆</p> <p>ひとつ気になったのは、日向かなたが四條瑠璃の暴力を受け止めるシーン。クリソベリルによって恋人を憎悪する『設定』を書き込まれた瑠璃ですが、それをにこにこ笑いながら、殴られ続けるかなたは「かなたも紙の上の存在なのかな?」と思ってしまうくらいに超人的ですよね。もはや人間ではない。</p> <p>危機回避能力が欠落してますし、いくら瑠璃が好きでも歯が折れ、目が潰れ、口が裂けたらニコニコしていられるわけがないんです。結局瑠璃はそこまではしませんでしたが、そういった許容行動をあたかも「無償の愛」の姿勢にみせる彼女は、『設定』を絶対遂行する人形のように見えてしまう。</p> <p>これも描写力が足りないからこそ、かなたの行動が唐突なものに見えてしまったのかもしれません。</p> <p>あのシーン。全然心は打たれませんし、むしろ冷めてしまいましたよ。</p> <p> </p> <p> </p> <h3>月社妃の自殺</h3> <p> </p> <p>彼女の死は想いを貫いたかのように描かれるが、本当にそうだろうか?</p> <p>オニキスによって瑠璃以外の男性に抱かれ、一時でも愛を見失って、<span style="color: #0000cc;"><strong>その罪悪感を背負ってでも瑠璃を好きになれる</strong></span>のならばそっちのほうが「想いの強度」が高いんじゃないのかな。</p> <p>だって死ぬほうが楽でしょ。死ねば苦痛から逃れられるし、断続的な悲しみから抜け出せる。</p> <p>オニキスが閉じた後に抱くであろう「瑠璃への裏切りの気持ち」を死ぬことで掻き消したのは、彼女が<strong>恋愛に潔癖なだけ</strong>であって、その潔癖さが自害を選んだと見てもいい。</p> <blockquote> <p><span style="color: #00796b;"><strong>「私の愛は、私だけのもの、他の誰にも、揺るがせない」</strong></span></p> <p>――月社妃(紙の上の魔法使い)</p> </blockquote> <p>この死に高潔さや美しさなんてものはなく、兄である四條瑠璃と同じく<strong>現実に耐えられず死んだ</strong>。そういう弱い人間だった。</p> <p>月社妃は「物語に屈しなかった人間」でありながら「現実に押し潰された人間」でもあるのだ。そんな見方も提示したい。</p> <p> </p> <p> </p> <h3>かみまほって都合のいい作品だよね……</h3> <p>登場人物が劇中内で「物語」「役」に言及することは、それを言及している彼ら自身、ひいては本作そのものもまた言及対象の構図を生み出す。</p> <p>あるいはそういうふうに捉えることが可能な「取っ掛かり」を提供してるとも言える。</p> <p>なれば、例え杜撰な展開が繰り広げられても「あれは"物語"というものを皮肉っているんだ」とか「間接的に物語の固定概念を表現しているんだ」と肯定的に読者は捉えることが多くなり、その「杜撰な展開」の「杜撰さ」は隅に追いやられていく。</p> <p>つまりこういう作品は、<strong>「都合のいい見方」を自ら示唆している作品</strong>でもあるのだ。それが<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%E1%A5%BF%A5%D5%A5%A3%A5%AF%A5%B7%A5%E7%A5%F3">メタフィクション</a>の醍醐味であり、(練度が高ければ)楽しくもあるのだけどね。</p> <p>逆に練度が低ければ。劇中の悪い部分も良いふうに見ることが出来るので(その意味で)都合のいい作品だなあ……という感想を覚えてしまう。</p> <p> </p> <p> </p> <h3>フェードアウトの時間がかなりゆったり</h3> <p>0.7秒くらい使ってヒロインの身振りが変化する。2秒くらい使ってゆ~っくりと背景が変化する。</p> <p>フェードアウト自体はなにも珍しくはないのだけど、この「遅さ」は中々見かけないと思う。ある意味新鮮でへーと思ったものだ。</p> <p>(立ち絵はそのままで背景だけが移行する表現は好きだったり)</p> <p> </p> <blockquote> <p><img class="hatena-fotolife" title="f:id:bern-kaste:20170412003651g:plain" src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/b/bern-kaste/20170412/20170412003651.gif" alt="f:id:bern-kaste:20170412003651g:plain" /></p> <p>――紙の上の魔法使い(ウグイスカグラ)</p> </blockquote> <p> </p> <p>「読ん」でるときは尚更にこのゆったりさを感じてしまうはず。</p> <p> </p> <p> </p> <h3>闇子は"どのように"して妃と瑠璃の本を紡げたのか?</h3> <p>闇子は闇子が "知る" 四條瑠璃と妃しか描くことが出来ない。彼らが何を想い、どう感じるか、そしてそれに至る行動は "似せる" ことはできてもそっくりそのままというわけにはいかないはずだ。</p> <p>なぜなら闇子は瑠璃の内面を覗き見れるわけではないから。知ることが出来なければ、それを元に執筆することは不可能だろう。</p> <p>しかし魔法の本によって存在している瑠璃と妃は、それ以前の彼彼女と寸分違わずに「本物」に近い。振る舞い、言葉の選び方、間合いの取り方に齟齬がないのはどうしてだろう?――そしてそう気づく人間がいないのはどうしてだろう? </p> <p>夜子も理央も「紙妃」と「妃」を同一視しているし、そこに何らかの区別はなされない。ならばその真似事は本物に成ったと言えるのだろうか。</p> <p>『魔法の本』が存在している世界なので人の内面を覗ける本を闇子は行使したとか? あるいは闇子は他者の心を高精度でトレースできるとか? あるいは"人名を冠した本" は周囲の意識によって人格が補完されるとか? </p> <p>ああつまり闇子が執筆した『四條瑠璃』のディティールが例え朧げでも、『魔法の本』っていうくらいなのだからそこらへん"魔法の力"でなんとかしてくれるんじゃないのかという。</p> <p>なんにせよ、ここはやや疑問。</p> <p>そして明かされなくていい疑問。</p> <p> </p> <p> </p> <h3>OPとEDがないなんて</h3> <p>驚く。物語が終わってすぐさまタイトル画面に返されるので、余韻に浸るもなにもない。余韻もくそもないです。</p> <p>すごいあっけらかんとした読後感であり、空疎感半端ありません。ある意味「物語からの回帰」という感じでそれはそれでいいのかもね……とは思いはするんだけどね。いやだめかも…。</p> <p>OPとEDって大事だったなあ……と失ってからわかる大切な宝物。</p> <p> </p> <p> </p> <h3>誤字脱字が多い</h3> <p>最新パッチを当てても、誤字の多さ。ストレスではないけど、多いなーとは思っちゃう。</p> <p> </p> <p><br /> </p> <h3>日向かなたのみボイスON</h3> <p><br />ご覧の通り、かなただけがボイスONで、それ以外はOFFでプレイ。</p> <p> </p> <blockquote> <p><img class="hatena-fotolife" title="f:id:bern-kaste:20170412004307j:plain" src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/b/bern-kaste/20170412/20170412004307.jpg" alt="f:id:bern-kaste:20170412004307j:plain" /></p> <p>――紙の上の魔法使い(ウグイスカグラ)</p> </blockquote> <p> </p> <p>5章あたりまでは妃・夜子・闇子etcはボイスONで聞いていたのだけど、正直聞きたくなくなるほどに皆上手くないというか……むしろ聞きたくなる程に心地よくないというか……うーん……となりOFF。</p> <p>ちなみに理央、汀、岬、クリソベリルは速攻でOFFにしてしまうくらいに聞くのが辛かった思い出です。脳内音声だと汀の声は(Cv:<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BE%BE%B2%AC%C4%F7%BE%E7">松岡禎丞</a>)で再生されていました。かっこいい。いえーい</p> <p>逆にかなたちゃんはうきうき・のりのりな"声の旋律"がたまらない。「ぶー!」がとてもかわいい。</p> <p> </p> <p> </p> <h3>システム面の弱さ</h3> <p><br />設定項目の少なさもあり、やや弱さを感じる。</p> <p>今にして思えば劇中の演出自体もこざっぱりしているというか、必要最低限だったような。</p> <p>というか注目すべき部分は、フェードアウトくらいしかない?……</p> <p> </p> <h3>『紙の上の魔法使い』起動時のエラー</h3> <p><br />【症状】</p> <blockquote> <p>『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B9%A5%AF%A5%EA%A5%D7%A5%C8">スクリプト</a>で例外が発生しました script exception : システム変数データを読み込めないか、あるいはシステム変数データが壊れています(文法エラーです(syntac error))』</p> </blockquote> <p>起動できなくなったというエラーメッセ。</p> <p>解決方法をぐぐってみるとセーブデータを削除すればいいらしい。成功しました(泣)</p> <p> </p> <p> </p> <h3>クリソベリルがクソベリルに空目</h3> <p>申し訳ないんですが、クリソベリルという単語がどうしても――彼女の敵対ポジションもあって――クソベリルに毎回空目してしまいます。罪悪感すごいです。ごめんね;</p> <p> </p> <p> </p> <p> </p> <h3>二人で不幸になろう? なぜ?</h3> <p>妃と瑠璃は「兄妹」だからその恋愛は実らず、貫き通す限り、不幸になるしかないと言う。そんな前定項が二人の間にはあるが、正直、<strong>なんで?</strong>と思わざるをえない。</p> <p>現社会でも兄妹同士の恋愛が周囲から認められるのは難しいが、同性愛、無性愛、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%CE%BE%C0%AD%B0%A6">両性愛</a>、または自分の性別を決定づけないクエスチョニングといった様々な<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C0%AD%C5%AA%BB%D6%B8%FE">性的志向</a>が容認され(かけ)てきているこの社会で「兄妹だから不幸になるしかない」という発想は些か飛躍しすぎているのではないか。</p> <p>それでも『かみまほ』と我々の世界は異なり、この世界では不幸になるしかないと言うのならば受け入れよう。</p> <p>しかしそういった「描写」がまったく本作にはないのである。瑠璃と妃が付き合う上で「断念せざるを得ない」「それが厳しい選択」というものを一切描くことはなく、「私たち兄妹は不幸になるしかない」と繰り返されてもその結論を盲信しているようにしか見えない。</p> <p>兄と妹の恋愛が=で不幸という図式は一体どこから来たのだろう? どうして二人はそれを確信しているのだろう? またそれが<strong>一般常識の当たり前で疑う余地のない考え方</strong>として描かれることに不気味さを覚えてしまう。</p> <p> </p> <p> </p> <h3>ディティールを与えられない「本好き」たち</h3> <p>とりあえずみんな「読書好き」と自己宣言するだけで、それがいかほどに好きなのかディティールは与えられない。(それが良いか悪いかは別として)</p> <p>夜子いわく「本を沢山読んでいなければ好き、というわけじゃない」「好きであればそれは好きなのだ」みたいなニュアンスのことを言うのだけど、それを地でいくとこうなる感じ。</p> <p>ただ、やはり夜子は本が好きなのか? という疑問はあったり。あんま好きそうに見えないんですよね私には。</p> <p> </p> <p> </p> <h3>妃の頭身、あるいは顔の大きさについて</h3> <p>妃の「頭」ってじっと見つめていると、なんだか大きい。</p> <p>肩幅の広さ、体全体の細さを考えると、ややその頭の大きさが気になってしまう。重心が全部頭にいっているくらいに見えてすこし違和感を覚えてしまった。</p> <p>特に私服で、目を閉じながら微笑んでいる表情が分かりやすい。(これは目を閉じていませんけどね)</p> <blockquote> <p><img class="hatena-fotolife" title="f:id:bern-kaste:20170412164929j:plain" src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/b/bern-kaste/20170412/20170412164929.jpg" alt="f:id:bern-kaste:20170412164929j:plain" /></p> <p><img class="hatena-fotolife" title="f:id:bern-kaste:20170412164731j:plain" src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/b/bern-kaste/20170412/20170412164731.jpg" alt="f:id:bern-kaste:20170412164731j:plain" /></p> <p>――紙の上の魔法使い(ウグイスカグラ)</p> </blockquote> <p> </p> <p>どうでもいいのだが、闇子さんは「常に」ヒロインより3歩ほど後ろに下がっているのは、彼女らの頭の大きさに気遣っている……ということもありえるのだろうか。(いやなんだろう映り的に)</p> <p> </p> <p> </p> <h3>紙の上の魔法使いの良いところ。</h3> <p> テキスト、描写、展開、ボイス、作品の全体像、キャラ――それぞれ私は魅力がないと思いますしつまらなかったという感想は依然としてあります。</p> <p>ただそれを踏まえて良かった部分を列挙しておきます。</p> <p> </p> <h4>・背景の緻密さ</h4> <blockquote> <p><img class="hatena-fotolife" title="f:id:bern-kaste:20170412164727j:plain" src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/b/bern-kaste/20170412/20170412164727.jpg" alt="f:id:bern-kaste:20170412164727j:plain" /></p> <p>――紙の上の魔法使い(ウグイスカグラ) </p> </blockquote> <p> 緻密だからいいってわけじゃないんですが、やはりディティールを与えられた背景は存在感でますし私は好きなんですよ。光の感じもグッドです。</p> <p> </p> <h4>・かなたちゃんの一息台詞</h4> <blockquote> <p><img class="hatena-fotolife" title="f:id:bern-kaste:20170412164720j:plain" src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/b/bern-kaste/20170412/20170412164720.jpg" alt="f:id:bern-kaste:20170412164720j:plain" /></p> <p><img class="hatena-fotolife" title="f:id:bern-kaste:20170412165557j:plain" src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/b/bern-kaste/20170412/20170412165557.jpg" alt="f:id:bern-kaste:20170412165557j:plain" /></p> <p>――紙の上の魔法使い(ウグイスカグラ) </p> </blockquote> <p> ここ聞いていてとても気持ちがいいです。<span style="font-size: 150%;">「私がまず喋るんだからな!瑠璃てめーは黙って聞いてろよ!」</span>的にズババーっと一息で語りに語るかなたちゃん大好き。</p> <p> </p> <h4>・蛍がいちばん可愛い</h4> <blockquote> <p><img class="hatena-fotolife" title="f:id:bern-kaste:20170412175018j:plain" src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/b/bern-kaste/20170412/20170412175018.jpg" alt="f:id:bern-kaste:20170412175018j:plain" /></p> <p>――紙の上の魔法使い(ウグイスカグラ) </p> </blockquote> <p>わかりにくいと思うのですが、「蛍」とは膝の上にちょろっと顔を出している猫のことです。ほたる。どの登場人物よりも君がいちばん可愛いと思います。あぁああこのクリクリとした目堪らない!! </p> <p>  ◆</p> <p>以上。</p> <p> </p> <p> </p> <h3>おわり</h3> <p> </p> <p>久しぶりに丁寧語で感想を書いた気がします。ところどころだある調に戻っていますが気にしない。きにしない。</p> <p> </p> <div class="amazlet-box" style="margin-bottom: 0px;"> <div class="amazlet-image" style="float: left; margin: 0px 12px 1px 0px;"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00O8L80KO/114alme-22/ref=nosim/" target="_blank" rel="noopener noreferrer" name="amazletlink"><img style="border: none;" src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/61aUEByykuL.jpg" alt="紙の上の魔法使い" /></a></div> <div class="amazlet-info" style="line-height: 120%; margin-bottom: 10px;"> <div class="amazlet-name" style="margin-bottom: 10px; line-height: 120%;"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00O8L80KO/114alme-22/ref=nosim/" target="_blank" rel="noopener noreferrer" name="amazletlink">紙の上の魔法使い</a> <div class="amazlet-powered-date" style="font-size: 80%; margin-top: 5px; line-height: 120%;"> </div> </div> <div class="amazlet-detail">ウグイスカグラ (2014-12-19)</div> <div class="amazlet-sub-info" style="float: left;"> <div class="amazlet-link" style="margin-top: 5px;"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00O8L80KO/114alme-22/ref=nosim/" target="_blank" rel="noopener noreferrer" name="amazletlink">Amazon.co.jpで詳細を見る</a></div> </div> </div> <div class="amazlet-footer" style="clear: left;"> </div> </div> <div class="amazlet-box" style="margin-bottom: 0px;"> <div class="amazlet-image" style="float: left; margin: 0px 12px 1px 0px;"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B01N5HL2V3/114alme-22/ref=nosim/" target="_blank" rel="noopener noreferrer" name="amazletlink"><img style="border: none;" src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/61BLX5V6ASL.jpg" alt="水葬銀貨のイストリア" /></a></div> <div class="amazlet-info" style="line-height: 120%; margin-bottom: 10px;"> <div class="amazlet-name" style="margin-bottom: 10px; line-height: 120%;"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B01N5HL2V3/114alme-22/ref=nosim/" target="_blank" rel="noopener noreferrer" name="amazletlink">水葬銀貨のイストリア</a> <div class="amazlet-powered-date" style="font-size: 80%; margin-top: 5px; line-height: 120%;"> </div> </div> <div class="amazlet-detail">ウグイスカグラ (2017-03-24)</div> <div class="amazlet-sub-info" style="float: left;"> <div class="amazlet-link" style="margin-top: 5px;"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B01N5HL2V3/114alme-22/ref=nosim/" target="_blank" rel="noopener noreferrer" name="amazletlink">Amazon.co.jpで詳細を見る</a></div> </div> </div> <div class="amazlet-footer" style="clear: left;"> </div> </div> <h4>他ギャルゲー考察感想・レビュー</h4> <p><iframe class="embed-card embed-blogcard" style="display: block; width: 100%; height: 190px; max-width: 500px; margin: 10px 0px;" title="果つることなき未来ヨリ考察―『描かない』を描いたアイラ√がただただ美しい― - 猫箱ただひとつ" src="http://eroge-pc.hatenablog.jp/embed/hatsumira" frameborder="0" scrolling="no"></iframe></p> <p><a href="http://eroge-pc.hatenablog.jp/entry/hatsumira">果つることなき未来ヨリ考察―『描かない』を描いたアイラ√がただただ美しい― </a></p> <p> </p> <p><iframe class="embed-card embed-blogcard" style="display: block; width: 100%; height: 190px; max-width: 500px; margin: 10px 0px;" title="はつゆきさくら考察_死者が生者へと至るためには何が必要か?(26587文字) - 猫箱ただひとつ" src="http://eroge-pc.hatenablog.jp/embed/hatuyukisakura_SAGAPLANETS" frameborder="0" scrolling="no"></iframe></p> <p><a href="http://eroge-pc.hatenablog.jp/entry/hatuyukisakura_SAGAPLANETS">はつゆきさくら考察_死者が生者へと至るためには何が必要か?(26587文字) </a></p> <p> </p> <p><iframe class="embed-card embed-blogcard" style="display: block; width: 100%; height: 190px; max-width: 500px; margin: 10px 0px;" title="いつまで作家論なんてやってるの? - 猫箱ただひとつ" src="http://eroge-pc.hatenablog.jp/embed/2015/09/12/070000" frameborder="0" scrolling="no"></iframe><cite class="hatena-citation"></cite><a href="http://eroge-pc.hatenablog.jp/entry/2015/09/12/070000">いつまで作家論なんてやってるの?</a></p> <p> </p> bern-kaste 果つることなき未来ヨリ考察―『描かない』を描いたアイラ√がただただ美しい― hatenablog://entry/10328749687200976875 2017-04-05T07:00:00+09:00 2017-04-05T07:00:45+09:00 *ネタバレ注意 <p><img class="hatena-fotolife" title="f:id:bern-kaste:20170328220826j:plain" src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/b/bern-kaste/20170328/20170328220826.jpg" alt="f:id:bern-kaste:20170328220826j:plain" /></p> <p><span style="color: #d32f2f;">*</span>ネタバレ注意</p> <h3>"Life of" (はつみら個別考察)</h3> <p> </p> <p>これは<span style="color: #0000cc;"><strong>描かない</strong></span>√である。</p> <p>謎は謎のままに終わるし、知りたいことを知ることはできない。なぜオリバーは裏切ったのか? なぜキュリオはアイラを殺そうとすのか?――それらは明確に表現されることはついぞ無かった。</p> <p>けれど「描かない」ことでより深くそれを<strong>知ろう</strong>と思える。分からないからこそ分かりたいと思うし、理解できないからこそ手を伸ばそうとする。</p> <p>しかしもしも「描いて」しまったらそんな事は露程も思わないだろう。黒猫が犬族を裏切った理由を「知ろう」なんて思わない。「分かりたい」なんて思わない。分からないからこそ求めようとするのだ。</p> <p> ――きっとそれはシャオリア族の『知の探求』とよく似ている。</p> <p>欲したら最後、手に入れるまでどんなことも惜しまない生き方。分からないことを分からないままにしておけない根源的な<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%CD%DF%B5%E1">欲求</a>。渇望。願い。でもそれは『怖い』からこそ求めるものでもある。</p> <p> </p> <blockquote> <p><span style="color: #00796b;"><strong>アイラ「こうしてキャラ<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D0%A5%F3">バン</a>を抜け出して、色んなところ見て回ってるけど…なんでそんなに色々知りたがるんだ? 役に立つのか?」</strong></span></p> <p><span style="color: #00796b;"><strong>キュリオ「んー、そうだなぁ……」</strong></span></p> <p><span style="color: #00796b;"><strong>キュリオ「怖いから、かな」</strong></span></p> <p><span style="color: #00796b;"><strong>アイラ「怖い」</strong></span></p> <p><span style="color: #00796b;"><strong>キュリオ「……ん、知らないことが怖いの」</strong></span></p> <p><span style="color: #00796b;"><strong>キュリオ「知っていれば死ぬときに後悔しないでしょ? ああ、ああすれば良かった、こうしていたらどうなったんだろう? とか、そんな最期は嫌」</strong></span></p> <p>――果つることなき未来ヨリ(アイラ√)</p> </blockquote> <p> </p> <p>そう知り得ないことは怖いのだ。不安になる。</p> <p>逆に知っていれば安心する。落ち着く。</p> <p>だからシャオリアに限らずアイラも「なんで?」と問いかけたし、リースも「なんで?」と、プレイヤーも「なんで?」と判然としない真実を手中に収めようとし続けた。</p> <p> </p> <blockquote> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>アイラ「なんで、そんな、こと―――ッ!!」</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>キュリオ「そうそう、分からないことはすぐ聞く、頭を使わないアイラちゃんはそうでなくちゃ」</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>キュリオ「でもね、あたし、あんたのそういうところは嫌いだった」</strong></span><br /><br /></p> <p>――果つることなき未来ヨリ(共通√)</p> </blockquote> <p> </p> <blockquote> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>そして、なぜ、オリバーさんがあんなことをしたのか。何を考えていたのか……</strong></span></p> <p>――リース/果つることなき未来ヨリ(アイラ√)</p> </blockquote> <p> </p> <p>この暗闇に光が与えられることはなかったのは、アイラ√では『真実』をこのように語るからだ。<br /><br /></p> <blockquote> <p><span style="color: #00796b;"><span style="color: #000000;">"真実" とはなんだろうか。</span></span></p> <p><span style="color: #000000;">揺るぎないものか。</span><br /><span style="color: #000000;">代えがたいものか。</span><br /><span style="color: #000000;">偽りのないものか。</span></p> <p><span style="color: #000000;">はたまた、人の数だけある "信念" とも置き換えられるものか。</span></p> <p><span style="color: #000000;">己が納得できる、手の届く範囲の、目には見える、理解の及ぶ、一言で説明できる、揺るぎない、代えがたい、偽りなき、この世界にゆいつのもの――。</span></p> <p><span style="color: #000000;">だとしたら、真実は万能でありながら存在しない。</span></p> <p><span style="color: #000000;">世界を己という枠に落とし込み、理解という足かせを嵌めた時点で、それはもう消えている。</span></p> <p><span style="color: #000000;">理解し得ないから、真実たり得る。</span></p> <p><span style="color: #000000;">真実とは――――。</span></p> <p> </p> <p>――果つることなき未来ヨリ(アイラ√)</p> </blockquote> <p> </p> <p>ここでは『真実』を「己が理解できた瞬間から真実たり得なくなる」とし、「理解し得ないからこそ真実足り得る」と定義される。</p> <p>どういうことか?</p> <p>アイラと晴眼がお喋りするシーンを思い出して欲しいのだが、二人はそれぞれに族長・ファルについて述べ合う。しかしアイラから見たファルと、晴眼から見たファルは異なり、晴眼は「アイツは嘘つきだ」と評するものの「それは私の物語じゃないな」とひらりとかわす。</p> <p>例え両手いっぱいに事実を積み重ねたとしても、アイラからすれば "アイラが見ていた" ファルこそがファルなのであり、晴眼からすれば "晴眼が見ていた" ファルこそがファルなのである。</p> <p> </p> <blockquote> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>アイラ「ま、それこそ本読んだときの感想と一緒だよ。アンタが語ったのは、アンタの物語、アタシに関係はあっても、アタシのじゃない」</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>晴眼 «実がない、ということか。くっそ、干し肉食ってる馬鹿面下げた雌犬が一等真理に近いったぁ、どんな皮肉だ»</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>アイラ「真理か真実かはしらないけどね、結局、自分の経験でしか物語は語れないさ」</strong></span></p> <p>――果つることなき未来ヨリ(アイラ√)</p> </blockquote> <p> </p> <p>二人の供述が異なっていることからも、互いに『ファル』を完全に理解していたわけじゃなく、さりとて互いに筋が通る見方を提示しているから間違いとも言いにくい。</p> <p>ならば真実とは、ひとつではなく、複数あるもの。そう考えるようになる。</p> <p>しかし晴眼は「"やめろ。その論は聞き飽きた。種族の数だけ、観測者の分だけ真実が存在する。その真実は唯一ではなく、集合体が生存のために無意に導き出した最適解。その種にとって、もっとも都合の良い世界への回答。それが真実というつもりか?"」と遠回しに否定した。</p> <p>それを聞いたアイラはこう結論を下す。</p> <p> </p> <blockquote> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>アイラ「むしろ…ガッチガッチに硬いもんじゃないとダメなのかね、真実ってのは」</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>アイラ「理解できる程度のもの、触れられる程度のもの、枠に収まる程度のもの」</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>アイラ「だとしたら、そんなものを追い求めるのは、時間の無駄じゃないかねぇ」</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>晴眼 «――無駄?»</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>アイラ「だって、どうせ自分を通るんだろう?」</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>晴眼 «―――!»</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>アイラ「朝焼けの色みたいなもんだろ、そこにあるだけのものって感じの」</strong></span></p> <p><br />――果つることなき未来ヨリ(アイラ√)</p> </blockquote> <p> </p> <p> つまり、旧来の考え方である「真実とは一つである」から→観測者によって見え方が異なるのであれば「真実は複数ある」から→見え方によって真実が移ろうならば果たしてそれは真実と呼べるのか?から→「真実とはただそこにあるだけのもの」という論が展開された。</p> <p>アイラから言わせれば、"自分を通した" 時点で、晴眼が求めるような唯一無二の真実ではないということだろう。</p> <p>観測者によって見え方が異なるのは、<span style="text-decoration: underline;">対象を己の枠に当てはめて理解した</span>からであり、理解したからこそ言い分が違えるのだ。ならば真実を『ただそこにあるだけのもの』と定義したとき、理解とはそれを遠ざける行為に他ならなくなる。</p> <p>「理解し得ないからこそ真実」というのはそういうことだ。</p> <p>であるならば、ファルがしてきたことは<strong>ただ</strong><strong>"そこ"にあったものとして享受する以外にない</strong>ということでもある。</p> <p>彼女がどんな人間で、何を考え、想っていたのかは観測者によって変質するものの、彼女が存在したことは揺らがない。ただそこにいた『ファル』それこそが『真実』ではないか、と。</p> <p>――<span style="color: #0000cc;"><strong>だからこそ</strong><strong>この√の様々な『答え』は包み隠され、明瞭にはされず、理解できないものとして描かれる</strong></span>のだ。</p> <p>『ファルの生涯』『オリバーの裏切り』『逆沼から抜け出してきたキュリオ』『右目を失ったリース』『髪が黒に染まったアイラ』『ウルロキオン・エフィル』etc</p> <p>それら "わからないもの" を常に突きつけられ、不安だからこそ探し求めるものの、手に入らない。けれど手に入れられないからこそ逆説的に『真実』を可視化させた物語。理解できてしまったら『真実』ではなくなるから、明確な答えを示さず、<span style="text-decoration: underline;">事実</span>だけを描きづつけるのである。</p> <p> </p> <blockquote> <p><img class="hatena-fotolife" title="f:id:bern-kaste:20170320230421j:plain" src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/b/bern-kaste/20170320/20170320230421.jpg" alt="f:id:bern-kaste:20170320230421j:plain" /></p> <p>――果つることなき未来ヨリ</p> </blockquote> <p> </p> <p>こうも言える。</p> <p>真実を「理解の及ぶたったひとつのもの」と捉えると、真実とは求めるものになり、やがては憎むべきものになってしまうと。</p> <p>現にアイラはキュリオが裏切った理由を求めた。だって分からなかったから。知りたかったから。教えて欲しかった。けれどいつまで経ってもアイラに分かる言葉として教えてはもらえなかった。</p> <p>キュリオが返す答えにアイラは納得できない。納得できなければ憎むしかなくなる。</p> <blockquote> <p><strong><span style="color: #286f2c;">アイラ「そして、いなくなった。それでもアタシはアイツを憎めなかった。ずっと、どうしてって悩んでた」</span></strong></p> <p><strong><span style="color: #286f2c;">アイラ「恨まなくて済む理由を、ずっと考えてた」</span></strong></p> <p><strong><span style="color: #286f2c;">アイラ「でも、わからなくて、アイツを憎んだ」<br /></span></strong></p> <p><strong><span style="color: #286f2c;">アイラ「いや、アイツ風に言えば、わからないフリをして簡単な結論に飛びついてた」</span></strong></p> <p><strong><span style="color: #286f2c;">アイラ「理解を放棄して、人生を単純にして完結させていた」</span></strong></p> <p><strong><span style="color: #286f2c;">一郎「他人の考えなど、そうそうわかるものではない」</span></strong></p> <p><strong><span style="color: #286f2c;">アイラ「そうだね。なのに、わかりたがった。納得したがった。ただの無い物ねだりさ」</span></strong></p> <p><strong><span style="color: #286f2c;">アイラ「このまま、無い物ねだりを続けて、残り半分の寿命を使い切るのか――そう思ったら、すごく寂しくてね」</span></strong></p> <p><strong><span style="color: #286f2c;">アイラ「…その寂しさを埋めるために、また憎んだ。わからないことを無視するように、憎んだ」</span></strong></p> <p><strong><span style="color: #286f2c;"> アイラ「アイツを恨んで、憎んで、生き損なった」</span></strong></p> <p><br />――果つることなき未来ヨリ(アイラ√)</p> </blockquote> <p> </p> <p>「わからないもの」というのは「怖い」からこそ「わかりたがる」。そして真実が唯一無二だと考えるならば絶対にあると決めつけ「求め」るようになる。</p> <p>しかしそれが明確に示されない時、己が望む答えを得られない時、当人にとって「わからない」状態はずっと続く。その状態は辛いからこそ当てのない答えを求め続け、最後は何もかも憎むしかなくなってしまう。理屈じゃない。ただそうなってしまう。</p> <p>これは<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%BB%A5%EA%A5%AB">セリカ</a><span style="font-size: 80%;">(=フードの女性)</span>もそうだった。</p> <p> </p> <blockquote> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>フードの女性「…………ずっと、疑問でした」</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>フードの女性「なんで、あんな……顔で、逝ったのかなって」</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>フードの女性「好きな煙草を吸ってたからかな――って」</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>フードの女性「でも、あの人、煙草を吸うとき、いつも辛気くさい顔してて――」</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>フードの女性「だから、納得できなくて――――」</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>アイラ「――なにもわからなくなって、誰かを憎んだ」</strong></span></p> <p> </p> <p>――果つることなき未来ヨリ(アイラ√)</p> </blockquote> <p><br /><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%BB%A5%EA%A5%AB">セリカ</a>も「ダモンの死に様に納得できなくて」アイラ達を殺そうとした。そこに合理的な理由はなく、わからないから、わかりたかったから憎むしかなかったのだ。</p> <p>シガーケースを受け取った<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%BB%A5%EA%A5%AB">セリカ</a>が憎しみを手放したことからも、ダモンの敵討ちのためにやってきたのではなく、<span style="text-decoration: underline;">真実を求めた故の行動</span>だったのが伺えるだろう。</p> <p>また彼女が憎しみを手放せたのは、シガーケースの香りによってダモンが満足そうな顔で逝ったことを受け止められた(=つまり『実感』によって真実を『朝焼けの色みたいなもの』だと理解できた)から答えを求めなくなった、そう考えている。</p> <p>あるいは彼女にとって最も納得のいく答えを得られたから、真実の探求をやめたのかもしれない。</p> <p>しかしもしもアイラが『シガーケース』を手渡さず、『言葉』だけで説明していたら<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%BB%A5%EA%A5%AB">セリカ</a>は納得できただろうか? </p> <p> 「アイツは軍人らしい最期を迎えたと聞いているよ」とか「一郎から聞いた話なんだけどね……」と語ったところで、そもそもアイラはダモンの最期を見届けたわけではないし、人づてに聞いた話で絶対解を求める人間の心を動かすことは出来ないだろう。『言葉』ではきっと納得できない。</p> <p>では何故、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%BB%A5%EA%A5%AB">セリカ</a>の態度は一転したのか?</p> <p>やはりそれはダモンの愛用したシガーケースを"見"たこと、それがレフレリアキャラ<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D0%A5%F3">バン</a>に"あ"ること、それが放つ"香"り――そういった『ただそこにある』実感が彼女の中にどうしようもない納得を生んでしまったのではないだろうか。</p> <p>筋道通った答えを提示されたからではなく、『ただそこにあるもの』を受け止められたから、彼女は絶対解を求めなくなったのだと。</p> <p> </p> <blockquote> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>「……ん。アイツは、最期まで軍人として仕事をしたと聞いている」</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>「――ふん、適当なことを」</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>「――――かもね」</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>「?」</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>立ち上がった黒髪に、思わず構えてしまう。</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>「安心しな、ちょっとコレを取りたかっただけさ。ほら――」</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>そう言って、机の上に差し出したのは――。</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>「これは――どうして――」</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>「ウチの旦那が預かったものだ。……こんなものを敵に渡すなんて……多分きっと、満足して、逝ったんだろうね」</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>「――――」</strong></span></p> <p> </p> <p>――アイラ、フードの女性(<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%BB%A5%EA%A5%AB">セリカ</a>)</p> </blockquote> <p> </p> <blockquote> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>ケースを手に取る。</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>鼻をつける。</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>ああ――これだ。</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>「――臭い」</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>いや、違う――。</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>「こういうときは…香ばしいって、言うんでしたっけ…」</strong></span><br /><br /></p> <p>――フードの女性(<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%BB%A5%EA%A5%AB">セリカ</a>)/果つることなき未来ヨリ</p> </blockquote> <p> </p> <p> 『真実』が今まで語ってきたものであるならば、キュリオの「世界はとてもいいところで、憎んで過ごすにはアタシたちの命は短すぎる」という言葉はこういうことなんじゃないだろうか?</p> <p><span style="color: #0000cc;"><strong>・世界<span style="font-size: 80%;">(=ただそこにあるだけのもの)</span>はとてもいいところで、憎んで過ごすには<span style="font-size: 80%;">(=ないものねだりをするには)</span>、アタシたちの命は短すぎる。</strong></span></p> <p>つまり『真実』を誤認するなと。目に映っているもの、人の温かさ、心臓の鼓動は『ただそこにあるもの』で追いかける意味なんてない。言葉にしたり理解した瞬間に『真実』から遠ざかってしまうし、求めれば求めるほど何もかも憎まずはいらなくなるのだと。</p> <p>そう考えればアイラが<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%BB%A5%EA%A5%AB">セリカ</a>にこの言葉を贈るのも、共通√でアイラはキュリオに何度も質問していたのに個別√に入ってから全くしなくなったのも頷ける。</p> <p>――『真実』とは求めるものではなく、朝焼けの色みたいなもので、ただそこにあるだけのもの、だから。</p> <p> </p> <blockquote> <p><span style="color: #286f2c;"><strong> 「世界はとてもいいところで、憎んで過ごすにはアタシたちの命は短すぎる」<br /></strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong> 「――まあ、受け売りだけどね。アタシはようやく、その言葉に追いつけた」</strong></span></p> <p> </p> <p><img class="hatena-fotolife" title="f:id:bern-kaste:20170331234630j:plain" src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/b/bern-kaste/20170331/20170331234630.jpg" alt="f:id:bern-kaste:20170331234630j:plain" /></p> <p>――アイラ/果つることなき未来ヨリ(アイラ√)</p> </blockquote> <p> </p> <p>そんなお話がとても美しい。</p> <p>なんて美しい物語なんだろう。</p> <p>この√がただただ好きで好きで堪らないし、一冊の本にして毎日持ち歩きたいくらいに素敵なお話だと思う。これを読めたことに感謝しかないしありがとうと言いたい。本当に、本当にありがとう。</p> <p>だが、なぜこんなにも美しいのだろうか。描かないことを描いたから? 真実の一連の過程を『体験』にまで昇華させたから? 『戦争』において真実を求めることの虚しさがわかるから?――きっと "なぜ" なんて問いかけるのは無意味なことなのだ。理由なんて求めなくていいし、理解できてしまったら、理解できる程度の枠組みに収められただけに過ぎないのだから。</p> <p>私が語ってきたこ言い分でさえ、この√の『真実』から程遠いものに違いない。己を通し、解釈し、言葉にしてしまった時点でそれはもう別物なのだ。アイラ√が描いてきた『真実』とはゲームをプレイする以外に到達できないということでもある。</p> <p>だからこの√を「語る」というのは「考え察する」というのは、コレほどない野暮なことで無粋なことだ。どの物語よりも、この物語だけはよりそう感じてしまう。</p> <blockquote> <p><span style="color: #00796b;"><strong>アイラ「こうしてると、鼓動がきこえるだろう?」<br /></strong></span></p> <p><span style="color: #00796b;"><strong>一郎「ああ、感じる」<br /></strong></span></p> <p><span style="color: #00796b;"><strong>アイラ「アタシは、コレを止めたくない。ただそれだけだよ」</strong></span></p> <p> </p> <p>――果つることなき未来ヨリ(アイラ√)</p> </blockquote> <p> </p> <p>(了)</p> <p> </p> <h4>感想レビュー・他記事</h4> <ul> <li><a href="http://eroge-pc.hatenablog.jp/entry/osusume_eroge2016">2016年にプレイしたエ口ゲ総括(おすすめ~駄作まで) </a></li> <li><a href="http://eroge-pc.hatenablog.jp/entry/2017/03/20/070000">原理的思考に固執するのは子どもの、子ども地味た考え方に過ぎない。でもね(ギャングスタ・リパブリカ) </a></li> <li><a href="http://eroge-pc.hatenablog.jp/entry/2015/10/17/070000">恋愛を炙り出す「それは舞い散る桜のように」感想レビュー-</a> <p> </p> </li> <li> <p><a href="http://eroge-pc.hatenablog.jp/entry/2017/04/01/070000">テキストは悪文だがそこを差し引いても満足できるRPGだった。天秤のLa DEA~戦女神MEMORIA~感想レビュー </a></p> </li> </ul> <p> </p> <p> </p> <div class="amazlet-box" style="margin-bottom: 0px;"> <div class="amazlet-image" style="float: left; margin: 0px 12px 1px 0px;"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B017QKFTYS/114alme-22/ref=nosim/" target="_blank" name="amazletlink"><img style="border: none;" src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/51KbtDzvMCL.jpg" alt="果つることなき未来ヨリ 初回生産版(初回生産特典:グリザイアシリーズ アナザーストーリーゲームDL用コード付き)【予約特典:1.ビジュアルファンブック「無政府領土防衛民兵団戦記」 2.ボーカルコレクションCD「果てなき聖唱」 3.X-RATED版レーティングコード付き】" /></a></div> <div class="amazlet-info" style="line-height: 120%; margin-bottom: 10px;"> <div class="amazlet-name" style="margin-bottom: 10px; line-height: 120%;"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B017QKFTYS/114alme-22/ref=nosim/" target="_blank" name="amazletlink">果 つることなき未来ヨリ 初回生産版(初回生産特典:グリザイアシリーズ アナザーストーリーゲームDL用コード付き)【予約特典:1.ビジュアルファンブック「無政府領土防衛民兵団戦記」 2.ボーカルコレクションCD「果てなき聖唱」 3.X-RATED版レーティングコード付き】</a> <div class="amazlet-powered-date" style="font-size: 80%; margin-top: 5px; line-height: 120%;"> </div> </div> <div class="amazlet-detail"><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D5%A5%ED%A5%F3%A5%C8%A5%A6%A5%A4%A5%F3%A5%B0">フロントウイング</a> <br />売り上げランキング: 3,222</div> <div class="amazlet-sub-info" style="float: left;"> <div class="amazlet-link" style="margin-top: 5px;"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B017QKFTYS/114alme-22/ref=nosim/" target="_blank" name="amazletlink">Amazon.co.jpで詳細を見る</a></div> </div> </div> <div class="amazlet-footer" style="clear: left;"> </div> </div> <div class="amazlet-box" style="margin-bottom: 0px;"> <div class="amazlet-image" style="float: left; margin: 0px 12px 1px 0px;"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B01N66UKOB/114alme-22/ref=nosim/" target="_blank" name="amazletlink"><img style="border: none;" src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/51fWMZd5mxL.jpg" alt="グリザイア ファントムトリガー 1・2巻セット版【予約特典:複製色紙付き】" /></a></div> <div class="amazlet-info" style="line-height: 120%; margin-bottom: 10px;"> <div class="amazlet-name" style="margin-bottom: 10px; line-height: 120%;"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B01N66UKOB/114alme-22/ref=nosim/" target="_blank" name="amazletlink">グリザイア ファントムトリガー 1・2巻セット版【予約特典:複製色紙付き】</a> <div class="amazlet-powered-date" style="font-size: 80%; margin-top: 5px; line-height: 120%;"> </div> </div> <div class="amazlet-detail"><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D5%A5%ED%A5%F3%A5%C8%A5%A6%A5%A4%A5%F3%A5%B0">フロントウイング</a> (2017-04-28)<br />売り上げランキング: 32</div> <div class="amazlet-sub-info" style="float: left;"> 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style="font-size: 80%; margin-top: 5px; line-height: 120%;">posted with </div> </div> <div class="amazlet-detail"><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D5%A5%ED%A5%F3%A5%C8%A5%A6%A5%A4%A5%F3%A5%B0">フロントウイング</a> (2017-01-27)</div> <div class="amazlet-sub-info" style="float: left;"> <div class="amazlet-link" style="margin-top: 5px;"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B01N66UR79/114alme-22/ref=nosim/" target="_blank" name="amazletlink">Amazon.co.jpで詳細を見る</a></div> </div> </div> <div class="amazlet-footer" style="clear: left;"> </div> </div> <p> </p> <h4> 心に残った言葉</h4> <p> </p> <p> </p> <blockquote> <p>「さっきからグチグチと泣き言ばっかりなんだい、大の男が女々しいんだよ」</p> <p>「器だぁ? 原因だぁ? 全部が全部、自分の理解の及ぶ範囲に置いておきたいだけの屁理屈じゃないか!」</p> <p>「生きていたい、生かしてやりたい、そのために頑張る。それだけだろーが!」</p> <p>「今日は誰かにもらった1日だ! みんなね、そんなくだらない悩みに使ってもらうために死んだんじゃないよ!」</p> <p>「自分に酔ってないで、さっさと目ぇー醒ませってんだよ! んで、今度は誰かに1日を与える!」</p> <p>「その繰り返しでいーじゃないか! なんで全部、国とか組織任せなんだよっ、ハンッ!」</p> <p>――果つることなき未来ヨリ(アイラ√)</p> </blockquote> <p> </p> <p> </p> <blockquote> <p>「みんなそーだろ。法も掟も、全ては偉い人間からのお願いで、それが野に放たれてそれなりの形になって、みんなそれぞれ折り合いをつけていくもんだって」</p> <p>「ま、なんと言われても、ファルはファルだ。それは代わらない」</p> <p>«とんだ思考停止の偽善者だな»</p> <p>「だからって、どうしようもない過去を持ちだして、なにも言えない死人をああだこうだって格付けし直すのかい?」</p> <p>「今までありがとう、でも、他の人が本当のあなたを教えてくれたの、それが許せないから死んでるけど恨むね、ってかい?」</p> <p>「その方が、相当拗じくれていると思うけどね」</p> <p>――アイラ、晴眼/果つることなき未来ヨリ(アイラ√)</p> </blockquote> <p> </p> <blockquote> <p>ファル「何事もそう。結果が見ているからと省略すれば、道を踏み外します」</p> <p>ファル「ひとつひとつ段階を踏むのは、心のためなんですから」</p> <p>――果つることなき未来ヨリ</p> </blockquote> <p> </p> <p> </p> <blockquote> <p>キュリオ「で、実際に出来たことがあるニャ? 今も、あたしの肺は朝露の香りを吸い、手は草を摘み、目は闇夜に星を見つけられる」</p> <p>――果つることなき未来ヨリ</p> </blockquote> <p> </p> <blockquote> <p> ミスカ「怒りというのは、死ではなく思い出に反応するものなんですヨ」</p> <p>――果つることなき未来ヨリ</p> </blockquote> <p> </p> <p> </p> <blockquote> <p>キュリオ「わかってるから言ってるの」</p> <p>アイラ「…なんで、アタシのことをアタシよりわかるっていうんだよ」</p> <p>キュリオ「だって、きっとアイラよりアイラのコトを見てるから」</p> <p>――果つることなき未来ヨリ(アイラ√)</p> </blockquote> <p> </p> <p> </p> <blockquote> <p>  「憎しみは生きる力になるかもしれない、足を前に薦める力になるかもしれない」</p> <p>「でも、命の土台にはなり得ない」</p> <p>「いのちは、そうはできてない」</p> <p>――キュリオ/果つることなき未来ヨリ</p> </blockquote> <p> </p> <p> </p> <blockquote> <p>「憎しみは劇薬だ。人を簡単に曖昧にする」</p> <p>――アイラ/果つることなき未来ヨリ</p> </blockquote> <p> </p> <blockquote> <p> 「"あたしたちは、歯車になって初めて生きるということを正しく理解できる。歯車にもなったことがないヤツが、笑わせるんじゃない"」</p> <p>――キュリオ/果つることなき未来ヨリ</p> </blockquote> <p> </p> <p> </p> <p> </p> <p> </p> bern-kaste 天秤のLa DEA~戦女神MEMORIA~感想レビュー/テキストは悪文だがそこを差し引いても満足できるRPGだった hatenablog://entry/10328749687231071107 2017-04-01T07:00:00+09:00 2017-04-01T07:00:40+09:00 (1)概要 1999年にエウシュリーから発売された『戦女神』、これに新要素・新展開を追加したのがリメイク作『天秤のLa DEA~戦女神MEMORIA~』である。 <p><img class="hatena-fotolife" title="f:id:bern-kaste:20170330194537j:plain" src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/b/bern-kaste/20170330/20170330194537.jpg" alt="f:id:bern-kaste:20170330194537j:plain" /></p> <h3>(1)概要</h3> <p>1999年に<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A8%A5%A6%A5%B7%A5%E5%A5%EA%A1%BC">エウシュリー</a>から発売された『戦女神』、これに新要素・新展開を追加したのがリメイク作『天秤のLa DEA~戦女神<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/MEMORIA">MEMORIA</a>~』である。</p> <p>物語は「<span style="color: #000000;"><strong>女神の肉体を持った主人公</strong></span>」が力を失った状態でスタート。復調するには他人の精気を吸わなければならず、また契約・従僕化のために交接をしなくてはならない。つまり「強く」なるためにどうしても他者と●する必要が出てくるのである。</p> <p>(この媒体と相性ばっちりね!)</p> <p>そんな主人公が行方不明の王女を探せという命を受けるものの、単純な捜索話に留まらない壮大な陰謀に巻き込まれていくお話だ。</p> <p> </p> <blockquote> <p><img class="hatena-fotolife" title="f:id:bern-kaste:20170330205839j:plain" src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/b/bern-kaste/20170330/20170330205839.jpg" alt="f:id:bern-kaste:20170330205839j:plain" /></p> <p>――<a href="http://www.eukleia.co.jp/eushully/eu15/eu15_ch.html">天秤のLa DEA。戦女神MEMORIA</a></p> </blockquote> <p> </p> <p>ダンジョンを探索しつつ敵を倒し、集めた素材で武器を強化し、力を取り戻すため●をしてス<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%C8%A1%BC">トー</a>リーを進行させていくのだが、<span style="text-decoration: underline;">街の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C0%AA%CE%CF">勢力</a>や選択肢</span>によって「√」が分岐していくので全てのENDを見るには周回しなければならない。</p> <p>つまり、何度もやり直すことを強いられる。引き継ぎ機能もあるのでそこまで大変じゃないが、そういう意味では長丁場な<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/RPG">RPG</a>だ。(ちなみに管理人は一周目は35時間でクリア)</p> <p>ちなみに、本作の全体像はこの4つのパートを繰り返していくと考えるとよいかも。</p> <blockquote> <p>①ADVパート</p> <p><img class="hatena-fotolife" title="f:id:bern-kaste:20170330211347j:plain" src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/b/bern-kaste/20170330/20170330211347.jpg" alt="f:id:bern-kaste:20170330211347j:plain" /></p> <p>②コマンドパート(自発的にイベントを見れるようになっており、アイテムの売買、ダンジョン選択もここから行う)</p> <p><img class="hatena-fotolife" title="f:id:bern-kaste:20170330211618j:plain" src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/b/bern-kaste/20170330/20170330211618.jpg" alt="f:id:bern-kaste:20170330211618j:plain" /></p> <p>③ダンジョンパート(謎解きもあるよ)</p> <p><img class="hatena-fotolife" title="f:id:bern-kaste:20170330211619j:plain" src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/b/bern-kaste/20170330/20170330211619.jpg" alt="f:id:bern-kaste:20170330211619j:plain" /></p> <p>④バトルパート(写実調の3Dモデルなので違和感あるかもしれないけどその内慣れるはず)</p> <p><img class="hatena-fotolife" title="f:id:bern-kaste:20170330211348j:plain" src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/b/bern-kaste/20170330/20170330211348.jpg" alt="f:id:bern-kaste:20170330211348j:plain" /></p> <p>――天秤のLa DEA~戦女神<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/MEMORIA">MEMORIA</a>~</p> </blockquote> <p> </p> <p>戦闘パートの「技によってフレーム数が違う」「キャラごとにサイズが決められそれを組み合わせて出撃させる」といった面白いギミックも説明したいが、あんまり話してもよくわからなくなってくると思うので割愛。</p> <p>少々難点もあるが、全体としてみれば楽しい<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/RPG">RPG</a>なので(ハマれば一瞬で時間が溶ける)興味あれば手を出して損はないと思う。</p> <p>よければどうぞ。</p> <p>▼</p> <div class="amazlet-box" style="margin-bottom: 0px;"> <div class="amazlet-image" style="float: left; margin: 0px 12px 1px 0px;"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00CCQV4UU/114alme-22/ref=nosim/" target="_blank" name="amazletlink"><img style="border: none;" src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/61QiXfPt71L._SL160_.jpg" alt="天秤のLa DEA。 ~戦女神MEMORIA~" /></a></div> <div class="amazlet-info" style="line-height: 120%; margin-bottom: 10px;"> <div class="amazlet-name" style="margin-bottom: 10px; line-height: 120%;"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00CCQV4UU/114alme-22/ref=nosim/" target="_blank" name="amazletlink">天秤のLa DEA。 ~戦女神MEMORIA~</a> <div class="amazlet-detail"><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A8%A5%A6%A5%B7%A5%E5%A5%EA%A1%BC">エウシュリー</a> (2014-04-25)</div> </div> <div class="amazlet-sub-info" style="float: left;"> <div class="amazlet-link" style="margin-top: 5px;"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00CCQV4UU/114alme-22/ref=nosim/" target="_blank" name="amazletlink">Amazon.co.jpで詳細を見る</a></div> </div> </div> <div class="amazlet-footer" style="clear: left;"> </div> </div> <p>さて。ここからは気になった部分と良かった所を列挙していきたい。未プレイ者は一応自己責任でお願いします。</p> <p> </p> <p> </p> <h3>(2)天秤のLa DEAの気になった所&良かった所</h3> <p>基本的には「<span style="color: #0000cc;"><strong>楽しかった</strong></span>」という感想だが、言いたい事はいろいろあるので書き残しておきたい。</p> <p> </p> <h4>a]セシカとシュリ街訪問時のCGのパースがおかしい</h4> <blockquote> <p><img class="hatena-fotolife" title="f:id:bern-kaste:20170330220440j:plain" src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/b/bern-kaste/20170330/20170330220440.jpg" alt="f:id:bern-kaste:20170330220440j:plain" /></p> <p>――天秤のLa DEA~戦女神<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/MEMORIA">MEMORIA</a>~</p> </blockquote> <p> これを見たとき、「<strong><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%BB%A5%EA%A5%AB">セリカ</a>ってこんな小さいんだ</strong>」と思ったものである。</p> <p>私は『戦女神シリーズ』は本作がはじめてなので、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%BB%A5%EA%A5%AB">セリカ</a>がどのような存在か分からなく「神殺し」「女神の肉体を持つ男」という情報しか与えられなかった。</p> <p>だからこのCGを基準とすれば彼は妖精の類かなにかの「小さい生物」かなと思ってしまったのである。</p> <p>でも実際は<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%BB%A5%EA%A5%AB">セリカ</a>は人間大の存在であり、そんな描写が一切されないまま話が進むので混乱した。</p> <p>なぜそう感じてしまったのかと言えば、↑の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%BB%A5%EA%A5%AB">セリカ</a>とシュリ街訪問時のCGのパースが狂っているからに他ならない。</p> <p>本来ならばカメラはアオリで低位置にあるので、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%BB%A5%EA%A5%AB">セリカ</a>があの位置にいるならばシュリは「足元」か「ふくらはぎの辺り」しか見えないはず。なのにシュリは「ほぼ全体像」を映すというおかしな画面になっている。</p> <p>……と思うのだけど、私のアイレベル/パース知識不足とかなだけなのか?と疑いつつも、やはり見れば見るほどおかしな画面のように感じてしまう。</p> <p> </p> <p> </p> <h4>b]アイテム屋は</h4> <p>結局使わなかったなー……と。</p> <p>破術の札だっけ?呪いアイテムを解除するものを数回買ったくらいで、回復薬もダンジョンでわんさか手に入るし、例えお金が溜まっても欲しい武器/防具が売られていないので「アイテム屋は何のためにあるんだろう?」と常々思っていた。</p> <p>アイテム屋は「購入通算金額」が一定値を超えると<span style="font-size: 80%;">――ツリーも解放しなくてはいけないけど――</span>新商品を入荷する&買えなかった商品が購入できるようになることに気づいたのは2周目だった。</p> <p>ちらっとそんなことをハイシェラあたりが言っていたのは覚えていたけど、一周目はいらないアイテムを買うことに意味が見いだせなかったのと、章が進むごとに自動的に新商品が陳列されると思っていたから、その時に買えばいいかな?と、</p> <p>そうして、最終章まで全く機能しないアイテム屋を生み出してしまったorz </p> <p> </p> <p> </p> <h4>c]攻撃回数と肉体速度の意味に気づくと戦闘は驚くほど簡単になり、苦戦することがなくなる</h4> <p>本作は耳慣れないステータス「攻撃回数」「防御回数」「肉体速度」「精神速度」の4つがあり、説明書見ない私は華麗にスルーしてた。</p> <p>物攻物防魔攻魔防を重点的に上げて、属性を合わせて、戦闘に挑んでいたのだけど、あるとき「装飾・腕輪」系を装備してみたところ驚くべき攻撃力が出て「そういう意味だったか……」と納得した。</p> <p>肉体・精神速度はフレームの短縮に効果あるのにもこの時気づき、攻撃力よりも攻撃回数を上げ、なるべく速度も上昇させるようにしたところ敵キャラはプリンのように切り裂き死んでいった。</p> <p>そして、<strong>驚くほどに戦闘が簡単になってしまった</strong>のである。</p> <blockquote> <p><img class="hatena-fotolife" title="f:id:bern-kaste:20170330224202j:plain" src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/b/bern-kaste/20170330/20170330224202.jpg" alt="f:id:bern-kaste:20170330224202j:plain" /></p> <p>――天秤のLa DEA~戦女神<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/MEMORIA">MEMORIA</a>~</p> </blockquote> <p>エルモン~シュヴェルトライテまで「ぎりぎりの戦い」とか「苦しい戦い」に見舞われることはなくなった。プリンのように死んだ。</p> <p>またLevel172+EXPERT難易度の「ムールムール」もLevel74の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%BB%A5%EA%A5%AB">セリカ</a>で撃破できてしまうくらいに、これに気づくと緊張感がなくなってしまったなと。(それでも死にかけてはいるが)</p> <p> </p> <blockquote> <p><img class="hatena-fotolife" title="f:id:bern-kaste:20170330224204j:plain" src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/b/bern-kaste/20170330/20170330224204.jpg" alt="f:id:bern-kaste:20170330224204j:plain" /></p> <p> ――天秤のLa DEA~戦女神<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/MEMORIA">MEMORIA</a>~</p> </blockquote> <p> </p> <p> 「Level差」による「戦闘難易度の変化」って私はいいものとは思っていないので、そういう意味では本作はいい<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/RPG">RPG</a>なのかもしれない。ただ「<strong>ある要素でゴリ押しできる</strong>」というのは微妙なラインかなとも思っている。</p> <p>それでもそこそこよい戦闘バランスであり、楽しめたのだが、もうすこし「戦術」でバトルするスタイルだったら尚更嬉しかったなと<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BB%E4%C5%AA">私的</a>に思う。</p> <p>属性による相性の組み合わせで武器変更とか鎧変更するのは大好きなのだけど。</p> <p> </p> <p> </p> <h4>d]シリコンPIE</h4> <p>キャラクターの「肌の質感」「胸の造形」があまり好きではなく、シリコンのような、人工皮膚で覆われたダッ☓☓☓フのように感じてしまった。</p> <p>これは好みの問題なので、だからどうという感じなのだが、色っぽくなく、噓くさい肢体のように私には見えてしまったなと。</p> <p>あとヒロインのみんな露出度の高いファッションセンスでげんなり。ロカさんの服こいつあ……<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A4%B0%A4%CC%A4%CC">ぐぬぬ</a>。いやまそういうジャンルで媒体なのは分かっているんだけどね。それでも受け入れ難い。</p> <p> </p> <p> </p> <h4>e]攻撃属性と防御属性が分かれていること</h4> <p>よくある<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/RPG">RPG</a>は属性は「攻防」どちらにも反映することが多い。</p> <p>だが本作は「攻撃属性:神聖」「防御属性:暗黒」といったふうに2つに分かれているので、敵を組み敷くさい、対応する属性「鎧」「武器」を当てなければならない戦術性が生まれる。</p> <p>覚えるの大変だけど!これがなかなか楽しい。</p> <blockquote> <p><img class="hatena-fotolife" title="f:id:bern-kaste:20170330230039j:plain" src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/b/bern-kaste/20170330/20170330230039.jpg" alt="f:id:bern-kaste:20170330230039j:plain" /></p> <p>――天秤のLa DEA~戦女神<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/MEMORIA">MEMORIA</a>~</p> </blockquote> <p> </p> <p> </p> <h4>システムにパッド設定があって重宝。本作はキーボードやマウスよりもパッドのほうが絶対的に操作しやすいなと思う。</h4> <blockquote> <p><img class="hatena-fotolife" title="f:id:bern-kaste:20170330231846j:plain" src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/b/bern-kaste/20170330/20170330231846.jpg" alt="f:id:bern-kaste:20170330231846j:plain" /></p> <p>――天秤のLa DEA~戦女神<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/MEMORIA">MEMORIA</a>~</p> </blockquote> <p> タイトル通り、クリックやキーボードよりもパッドの方がすごく快適にプレイできた。</p> <p>パッド設定あるゲームがなんとなく好きなのは、そのせいかもしれない。というより<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/RPG">RPG</a>/<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/STG">STG</a>作品はデフォルト常備していると嬉しい人。</p> <p> </p> <p> </p> <h4>f]スキップ多用してしまう程に、テキストが悪文</h4> <p>本作の悪い部分をあげるならば、ここだと思う。</p> <p>ス<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%C8%A1%BC">トー</a>リーではなくテキスト、つまり<span style="color: #0000cc;"><strong>文章ひとつひとつが冗長で長ったらしい</strong></span>。数瞬で終わる応対に数行が費やされ、またその説明自体もまどろっこしいときてる。</p> <p>例えば、以下のシーン。</p> <blockquote> <p><img class="hatena-fotolife" title="f:id:bern-kaste:20170330231844j:plain" src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/b/bern-kaste/20170330/20170330231844.jpg" alt="f:id:bern-kaste:20170330231844j:plain" /></p> <p>――天秤のLa DEA~戦女神<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/MEMORIA">MEMORIA</a>~</p> </blockquote> <p> </p> <p><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%BB%A5%EA%A5%AB">セリカ</a>は「こちらから説明しよう」と発話し、次のト書きで「<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A8%A5%A6%A5%B7%A5%E5%A5%EA%A1%BC">エウシュリー</a>ちゃんの事情を説明した」と記述しはじめる。</p> <p>「説明する」「説明する」を繰り返すだけでまともな説明をしない<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%BB%A5%EA%A5%AB">セリカ</a>さんにはうんざりだし、一度で説明しなよと思ってしまう。</p> <blockquote> <p><span style="color: #286f2c;"><strong><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%BB%A5%EA%A5%AB">セリカ</a>「それに関してはこちらから説明しよう」</strong></span></p> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>もう一回刺せば治るかしらと物騒なことを口にする彼女に、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A8%A5%A6%A5%B7%A5%E5%A5%EA%A1%BC">エウシュリー</a>ちゃんの事情を説明する。</strong></span></p> </blockquote> <p> </p> <p>さらに<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A8%A5%A6%A5%B7%A5%E5%A5%EA%A1%BC">エウシュリー</a>ちゃんが「記憶喪失」なのはこれまで別の場所で言及されてきたので、殊更繰り返す必要はない。「黒翼の少女に<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A8%A5%A6%A5%B7%A5%E5%A5%EA%A1%BC">エウシュリー</a>ちゃんの事情を説明した」に類する一文で終わる応対を</p> <blockquote> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>記憶喪失であり、自分の名前以外のほとんどを忘れていることや、俺と共に本と仲間を探していることなど一連の事情を説明する。</strong></span></p> </blockquote> <p>このように説明するのは些かくどさを感じてしまう。</p> <p>あと毎回語尾に「説明する」とつけるのは何故なのか問い詰めたくなる。</p> <p>対する少女の返答もパンチに欠ける。</p> <blockquote> <p><span style="color: #286f2c;"><strong>黒翼の少女「記憶喪失……何て美味しい立ち位置なの。汚いわね、さすが<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A8%A5%A6%A5%B7%A5%E5%A5%EA%A1%BC">エウシュリー</a>ちゃん……その設定、私に譲りなさい」</strong></span></p> </blockquote> <p><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%BB%A5%EA%A5%AB">セリカ</a>がト書きで「<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A8%A5%A6%A5%B7%A5%E5%A5%EA%A1%BC">エウシュリー</a>ちゃんは記憶喪失である」と記述してるのに、尚もB<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A8%A5%A6%A5%B7%A5%E5%A5%EA%A1%BC">エウシュリー</a>が「記憶喪失……何て美味しい立ち位置なの」って繰り返すのほんとくどい。</p> <p>このように叙述力がないので、キャラクターは「説明しよう」「説明する」「説明する」と三重に説明したがりシーンが無意味なほどに冗長になってしまっている。また『発話』『ト書き』において、同じ意味内容を繰り返すことが本作は多い。</p> <p>他にはテキストのリズムが単調だとか、一文が単純に読みにくいとかいろいろ言いたいことはあるが、結局のところ「<strong>ザ・悪文</strong>」という言葉に勝るものはないだろう。</p> <p>それくらい目が滑るテキストである。読みにくい。読んでいて楽しくない。</p> <p>私は嫌気がさして拾い読み(=断続的なスキップ)でなんとかしのぐものの、ス<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%C8%A1%BC">トー</a>リーは追えるし、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/RPG">RPG</a>はバトルパート・ダンジョンパートが面白ければ特に問題ないので困ることはなかったが………ここがよかったらもっと評価は上がっていたと思う。</p> <p> </p> <p>もちろん「冗長だから悪い」と結論付けるわけではなく、「冗長を採択した故の魅力」が無いからこそ本作のテキストはダメなものに成り下がってしまっていることを強調したい。</p> <p> </p> <p> </p> <h4>g]ヴァレフォルちゃんの回避性能すごーい</h4> <p>彼女がいるだけで全滅になる可能性が格段に下がる。避けて避けて避けまくりの回避スキルに回避アイテムをつけると、もはや魔人の域に達するほどの回避性能。</p> <p>ヴァレフォルちゃんに何度も助けられたので、スタメンだったり。</p> <p> </p> <p> </p> <h4> h]<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A8%A5%F3%A5%AB%A5%A6%A5%F3%A5%C8">エンカウント</a>率たかーい</h4> <p>正確な時間ははかっていないが、体感的にはダンジョンマップを走ってると「<strong>1秒</strong>」感覚で<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A8%A5%F3%A5%AB%A5%A6%A5%F3%A5%C8">エンカウント</a>する。数十歩歩いたら戦闘、戦闘、戦闘のオンパレードなので「ちょっと多くない?」と思いはするものの、戦闘自体楽しいのでそこまで苦痛ではなかった。</p> <p>ただやっぱり<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A8%A5%F3%A5%AB%A5%A6%A5%F3%A5%C8">エンカウント</a>率、他の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/RPG">RPG</a>と比べると1.5倍くらい高い気がする。</p> <p> </p> <p> </p> <p> </p> <h3>(2)戦女神の感想</h3> <p> </p> <p>楽しい<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/RPG">RPG</a>だった。</p> <p>ヴァレフォルちゃんのアイテムゲッツスキル+憑石+錬成機能のおかげで、ひとつひとつの雑魚戦が楽しいのである。</p> <p>レアアイテムを蒐集する楽しみがそこにはあり、要らない武器でも錬成に溶かせばどんどんチームを強くすることができる。その循環に、ス<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%C8%A1%BC">トー</a>リーが邪魔にならないように入ってくるのが心地よかった。</p> <p>もちろん先述したように「悪文」「戦闘難易度が簡単すぎる」といった難点もあるが、それを拭えるくらいにはバトル/ダンジョンパートは魅力的だと思う。駆け抜けるように一周目使徒ENDを迎えたので、全体的には良い<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/RPG">RPG</a>だったなあという気持ちが強いのだ。</p> <p>ただ2周目からはダレてしまって「これで終わりにしようかな……」と悩みながらカチュアEND、アビルースENDを踏破。ロカENDは精魂尽き果てまだやれていませんorz</p> <p>(いつか…いつかやるよ……)</p> <p>ちなみに私は『戦女神シリーズ』はこのリメイク版が初めてなので、この流れで『戦女神2』をやりたいところ。ただ『2』もテキストが似たような感じだと、躊躇してしまうんだけど……どうなんだろうか。</p> <p>同じような感じだったら嫌だな…と思いつつ。</p> <p><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BB%E4%C5%AA">私的</a>満足度:★★★(3.7)<br />疑似客観視:★★★(3.7)</p> <p> </p> <h4>感想レビュー他記事</h4> <ul> <li><a href="http://eroge-pc.hatenablog.jp/entry/Scarlett_Review">『Scarlett』総括―非日常に憧憬し、日常へ揺り戻される者達― </a></li> <li><a href="http://eroge-pc.hatenablog.jp/entry/Ruina_freegame">『Ruina』おもしろいなあ……</a></li> <li><a href="http://eroge-pc.hatenablog.jp/entry/rance03-review">『ランス03』レビュー 正直おすすめできない作業作業RPGだった。(9417文字) </a></li> </ul> <p> </p> <div class="amazlet-box" style="margin-bottom: 0px;"> <div class="amazlet-image" style="float: left; margin: 0px 12px 1px 0px;"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00CCQV4UU/114alme-22/ref=nosim/" target="_blank" name="amazletlink"><img style="border: none;" src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/61QiXfPt71L.jpg" alt="天秤のLa DEA。 ~戦女神MEMORIA~" /></a></div> <div class="amazlet-info" style="line-height: 120%; margin-bottom: 10px;"> <div class="amazlet-name" style="margin-bottom: 10px; line-height: 120%;"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00CCQV4UU/114alme-22/ref=nosim/" target="_blank" name="amazletlink">天秤のLa DEA。 ~戦女神MEMORIA~</a> <div class="amazlet-powered-date" style="font-size: 80%; margin-top: 5px; line-height: 120%;"> </div> </div> <div class="amazlet-detail"><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A8%A5%A6%A5%B7%A5%E5%A5%EA%A1%BC">エウシュリー</a> (2014-04-25)</div> <div class="amazlet-sub-info" style="float: left;"> <div class="amazlet-link" style="margin-top: 5px;"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00CCQV4UU/114alme-22/ref=nosim/" target="_blank" name="amazletlink">Amazon.co.jpで詳細を見る</a></div> </div> </div> <div class="amazlet-footer" style="clear: left;"> </div> </div> <div class="amazlet-box" style="margin-bottom: 0px;"> <div class="amazlet-image" style="float: left; margin: 0px 12px 1px 0px;"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4047299448/114alme-22/ref=nosim/" target="_blank" name="amazletlink"><img style="border: none;" src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/61yTM0h-qfL.jpg" alt="天秤のLa DEA。 ~戦女神MEMORIA~ パーフェクトガイドブック (TECHGIAN STYLE)" /></a></div> <div class="amazlet-info" style="line-height: 120%; margin-bottom: 10px;"> <div class="amazlet-name" style="margin-bottom: 10px; line-height: 120%;"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4047299448/114alme-22/ref=nosim/" target="_blank" name="amazletlink">天秤のLa DEA。 ~戦女神MEMORIA~ パーフェクトガイドブック (TECHGIAN STYLE)</a> <div class="amazlet-powered-date" style="font-size: 80%; margin-top: 5px; line-height: 120%;"> </div> </div> <div class="amazlet-detail"><br /><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/KADOKAWA">KADOKAWA</a>/<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A8%A5%F3%A5%BF%A1%BC%A5%D6%A5%EC%A5%A4%A5%F3">エンターブレイン</a></div> <div class="amazlet-sub-info" style="float: left;"> <div class="amazlet-link" style="margin-top: 5px;"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4047299448/114alme-22/ref=nosim/" target="_blank" name="amazletlink">Amazon.co.jpで詳細を見る</a></div> </div> </div> <div class="amazlet-footer" style="clear: left;"> </div> </div> <p> </p> <div class="amazlet-box" style="margin-bottom: 0px;"> <div class="amazlet-image" style="float: left; margin: 0px 12px 1px 0px;"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B000YABRCQ/114alme-22/ref=nosim/" target="_blank" name="amazletlink"><img style="border: none;" src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/610NJk-HmvL.jpg" alt="戦女神II ~失われし記憶への鎮魂歌~ 廉価版" /></a></div> <div class="amazlet-info" style="line-height: 120%; margin-bottom: 10px;"> <div class="amazlet-name" style="margin-bottom: 10px; line-height: 120%;"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B000YABRCQ/114alme-22/ref=nosim/" target="_blank" name="amazletlink">戦女神II ~失われし記憶への鎮魂歌~ 廉価版</a> <div class="amazlet-powered-date" style="font-size: 80%; margin-top: 5px; line-height: 120%;"> </div> </div> <div class="amazlet-detail"><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A8%A5%A6%A5%B7%A5%E5%A5%EA%A1%BC">エウシュリー</a> (2007-12-07)</div> <div class="amazlet-sub-info" style="float: left;"> <div class="amazlet-link" style="margin-top: 5px;"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B000YABRCQ/114alme-22/ref=nosim/" 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