YUKINKO
今から、12年ほど前の音楽の教科書です。昔の話で済みません。
教育出版から出ている公立学校の無償配布の教科書です。他に教科書会社は教芸しかないので、
公立学校の半分のヒトはこの時期、教科書改定までの期間はこの教科書を使っているはずです。
テーマが与えられ、それを元に作曲をする小4の単元です。
最近はこういう事はやっていないそうです。
ここでは一つのストーリーを4つの場面に分けて、展開を図っています。
下敷きとなっている話はポールギャリコの”雪のひとひら”です。
雪ん子が冬の寒空の深い雲の中で下界の物音を聴き、目覚めます。
下界に降り立ち、冬の楽しげな幾つもの音を耳を澄まして聴き入ります。
冬も終わりを告げると、氷の張っていた川の水も勢いよく流れ始め、雪ん子も一緒に流れの中に溶けて逝きます。
川は大海に流れ込み、雪ん子も海の真ん中から春の暖かな青空に立ち上り、天に向かって還るのです。
実はこの4枚の絵、一つだけ教科書に採用されなかったモノが混ざっています。
一枚ここに無い絵が教科書には使われ、この中の一枚の絵は陽の目を見なかったのです。
このブログがアップされるまでは、本当に長い間。
この2ページは白本のもので、編集会議で検討するプロトタイプ、前段階の本のページなのです。
ところであなたは、どれが没になった絵だと思いますか?
次回に続きます、としたいものですが。
使われなかったのは、3番目の雪ん子が川に流れて逝く場面です。死を想わせるという理由だそうです。
実際、死なのですが。私の一番気に入っている絵でした。ちょっと、プレラファエル派を想わせる、、、
おこがましくも。自分で言う事ではないですね。
替わりに差し替えた絵は、雪ん子がニコニコしながら泡立つ水の中に溶けていくものです。
どちらかと言うと、シュールではあります(笑)。でもその分抽象的な画像になっています。
そちらは今回紹介は省かせてもらいます。
今回の目的は、一度も公開されなかったページをお見せしようというモノですので。
そうだったのか?
今現在は、教育出版の中学の教科書及び器楽の副読本計、4冊の表紙を描いておりますが、
それは現在発行中のモノなので、私がここに載せる権利は持っていません。
どこかで、現物をご覧になって頂ければ、と思います。私の名前が分かってしまいますね。しまった(笑)
雪ん子はもうすでに古いものなので、見せてもOKという事でした。
没のものはもともと関係ありませんが。
もし表紙ご覧になられた方、ご感想など寄せて頂けたら、嬉しいです。
では、また。
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