W・シャトナーの世界の怪奇現象
エピソード1 - 呪われた地
W・シャトナーは俳優であり司会進行を担当。
調査・解説は科学者や民俗学者や超常現象研究家が行う。
幾つもの「呪われた場所」に注目し、何故そこが禍々しい場所となっているのか原因を探ろうというものだが、サラっと場所の紹介するに留まっている。何処かで再度、取り上げる~調査の続きを発表するのでなければ、余りに物足りない。
その場所に何やら違和感を持ったなら、精密な人体センサーが何やら危険な兆候を受け取ったとみてよい。
というのは、同意する。
わたしも違和感を感じたモノは避けるようにはしているが、、、避けようのない状況もある。
それは確かに障ることが少なくなかった。
富士山の樹海~青木ヶ原から噺が始まる。
もう60年以上自殺者が絶えない。
確かに尋常ではない。入り口には思いとどまるよう立札があるが。
自殺を考えている人を後押しする負のエネルギーが蓄積されていると研究家は解く。
成仏出来ない霊がそこに留まり続けているとアメリカの研究家に謂われると妙な説得力を覚える。
すでにイメージも絶大なものになっているし、行けば逆らえない効果も大きいのでは。
1000年以上昔の富士山の大噴火で出来た樹海は、火山岩~玄武岩で出来ている。
この岩石の圧電性物質は、電磁場を発生させるが、それが脳に及ぼす影響が大きいという。
この地磁気は人を鬱にさせると、、、。
その地磁気の影響なのか、本でも以前読んだことがあるのだが、、、樹海はホントに音が無いという。
鳥の賑やかな囀りとか木々の騒めきが全くないならば、やはり異常だ。あれだけ緑が生い茂っているのに。
何種類かの鳥や虫の鳴き声がなければ、ピクニックなどそもそもする気にはなれない。
やはり死地に相応しい場所なのだろう。
松本清張の「波の音」という小説からここが自殺の名所となったというのは初めて知った。
やはり何度か本で出合った事件だが、ディアトロフ峠事件が次に取り上げられた。
ベテラン登山家男女9人がウラル山脈の雪山ホラート・シャフイル山で変死を遂げていたもの。
死に方が余りに異常であるため、様々な説が上がる。ソ連も途中で調査を打ち切ったことで憶測も呼んだ。
かなり有名なものであるが、高所における強風に雪原という環境の作り出す有害な現象という見解を取っていた。
この山の地形と激しい風から生まれる低周波音~可聴下音が脳に異常を生じさせ、この登山家たちに殺し合いをさせたのだと。
それ以前に遮蔽物のない山の斜面にわざわざキャンプを張るというのもどういう目的であったのか。
何故少し下方の森林地帯にキャンプを張らなかったのか不思議なところ。
勿論、未だに全容は解明されてはいない。
昔からこの山は「死の山」と呼ばれ恐れられてきた。地元の人々は避けてきた理由も知りたいところだ。
確かリウマチが悪化して一人下山して助かった人がいたはず(最初は10人編成であった)。
宇宙ステーション・ミールでも振動によって異常を来した船員がナイフを同僚に向けた話もあるという。
シャウニー湖の遊園地では、多くの子どもが悲惨な事故死を遂げているという。
その事故の件数の多さから、廃園となったがかつてそこで働いていた男が土地を買い取り再び遊園地を再開した。
そこで再び惨事が起こり、土地を調べてゆくと大規模な先住民の墓が見つかったそうである。
大きな墓地の上に建てられた遊園地であったのだ。
この件は、神聖なる土地を汚す者への呪いと受け取られた。
もうそう受け取る以外になかろう、という強度を持つ。
超常現象研究家もその地に入った途端、幾つもの視線や重々しい空気に呑まれたという。
ブランコが自然に一つだけ動いていて、そちらをしっかり見るとハタと止まるなどの現象に合うようだ。
しっかり清めの儀式をしてもらいたいもの。
インディアナ州に多くの住人が次々に自殺や変死を繰り返し、誰も住まなくなった家があるという。
人々から北米一の呪われた家と呼ばれる。
超常現象研究家が二人その家の恐らく最後のオーナーに頼まれ調べることに。
磁場と気温の変化を測る機器を持って中を調べるが体調を崩しそうになり直ぐに出て来る。
その家は逆十字の形をしており、最初に建てた人間は悪魔を呼びよせる目的ではなかったかと推測される。
もうその領域から攻める以外に残っていない有様。
ひとつ驚いたのは、その家を徹底的に調べるため、その研究家が現家主から家を買い取ってしまった。
(見上げたものだ。是非その結果を知りたい)。
その後も幾つか禍々しい場所が紹介されたが、ホンジュラスの打ち捨てられた白い街は、調査隊が身をもって原因を明かす羽目に。大変悪質で危険な寄生虫疾患であった。治療を誤れば現代でも命を落とすという。
こういったところが他にもあり、火で燃やして清める方法が取られている。
炎による浄化である。宗教とも結びつく行為である、というよりそこから来ているのかも知れない。
火と宗教は極めて結びつきは深いもの。
原初に置ける呪い~呪術と信仰の起源に想いを馳せてしまう。
冒頭で科学的に究明してゆく趣旨を述べてはいたが、超常現象もまた科学では説明できない未知の現象と捉えることは出来る。
ここに科学のメスを入れることは一つの課題ではあろう。
かなりの部分は本格的に調べれば究明されるはず。
それに対する改善・対処法も講じられる。
手付かずのまま犠牲者が出てしまうことはやはり避けたいものだ。
かなり例を沢山挙げる構成であったが詰めが甘く、それぞれの扱いが些か浅いところは残念であった。
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