七つの顔
1946
松田定次 監督
比佐芳武 原作、脚本
片岡千恵蔵、、、多羅尾伴内
月形龍之介、、、野々宮信吾
轟夕起子、、、清川みどり
喜多川千鶴、、、早苗
服部富子、、、滝田万里
原健作、、、御園部俊彦
月宮乙女、、、黒川典子
丸山英子、、、千早ヱリ子
終戦直後の映画。
感慨深いものである。歴史的意味も大きいのでは。
ロケの範囲では、しっかり街は整ってはいた(非現実的な光景にも見えたが)。
ここでクラシックカーのカーチェイスが見られるなんて、ちょっと有難い気がして来るものだ。
(こんなに走らせて大丈夫なのかというスリリングさも味わえ)。
多羅尾伴内シリーズというものがあるらしい。
片岡千恵蔵である。チャンバラではなく探偵である。7つの顔を持つ男。
「ある時は~。またある時は~。またある時は~。」と傾く。
サスペンスでありアクションもあったり、、、硬派のラブロマンスも、、、。
面白いが、この時期の邦画については、ほとんど知らない。
どちらかと謂えば、探偵では天知茂の明智小五郎は少しばかり観たことはある。
轟夕起子は「洲崎パラダイス 赤信号」、「武蔵野夫人」、「錆びた鎖」、「女子寮祭」で観て来たが、本作が圧倒的に素敵であった。
やはり若い(若い上に、怪しさと凛々しさが両立している。更に歌も上手い)。
今なら久保さんかしら、どうだろう。
オーラの色は違うか、、、。
(轟夕起子は宝塚出身なのか。であれば久保さんは乃木坂である。それが何だと言われても困るが)。
何と言うか、銀幕のスターを観たという感じ。
皆、独特のオーラがある。
そう活劇というのだっけ。
ストーリーの枠はしっかり出来ていて、どんどん警察の先を行く多羅尾伴内。
多羅尾伴内を追いかける美女清川みどりという構図で充分愉しませる。
きっと貴重なエンターテイメントであったに違いない。
こういう雰囲気も時折味わいたいものだ。
フィルムの修復はしてもらえたらよいのだが。
やはり、轟夕起子の映像は残すべき。
AmazonPrimeにて