盛り場流し唄 新宿の女
1970
武田一成 監督
川内康範 原作
山村英司 来栖三郎 脚本
鏑木創 音楽
山本陽子、、、高橋礼子(クラブのホステス)
北林早苗、、、本条沙知子(クラブのホステス)
木村功、、、舟木(舟木総業の社長)
大信田礼子、、、本条真理子(沙知子の妹)
富士真奈美、、、西川きよ子(クラブのホステス)
藤竜也、、、波川透(舟木の部下、バーのマネージャーから舟木商事社員へ)
藤圭子、、、藤圭子(新宿の流し)
月亭可朝、、、月亭可朝(芸人、自分役)
宮城千賀子、、、相原アサ(クラブのママ)
小松政夫、、、村松正男(スカウト屋)
山本勝、、、大堀肇(結婚詐欺師)
久保幸一、、、内山(悪徳弁護士)
題は藤圭子の劇中で唄う『盛り場流し唄』『新宿の女』からそのまま取ったもののよう。
その世界観を描く作品か。昭和の香りはプンプンしていた。
BGM音楽は時折、キングクリムゾンしていたが。
古い(と謂ってもそれほど古くない)邦画を観てみることに、、、。
新宿夜の街の話である。普段、まず観ない。
違うものもたまには観てみたいと思う。
宇多田ヒカルのお母さんが同じ曲を何度唄っていたか(『新宿の女』はデビュー曲なのか)。
持ち歌沢山あるのだし、もっと色々唄わせてあげればよいのにと思っていたのだが、この頃はまだなかったのか。
恐らくどの歌も世界観は一緒のはず。
「夢は夜開く~」はよく知ってるのだが(これはまだ出ていなかったのか)。
女性は運の悪い人ばかり、男は波川透以外、悪い奴ばかり、、、
救われない噺。波川~藤竜也も救ってくれる人かと期待したが、社長への義理をとってしまう(流石は元やくざ)。
皆暗く、大信田礼子と小松政夫ペアだけがやけに軽くて明るい。
(このペア好きだ(笑)。
このふたりのスピンオフ作品が見たいくらい。
勿論、コメディである。ここでもコントみたいなのを見せて欲しかった。
大信田礼子と小松政夫って、いたよなあ~と暫し感慨に耽る(コマツの大親分~とか思い出す)。
山本陽子が大変綺麗であったが学生運動家のヒモに散々苦しめられ結婚詐欺師に騙され自殺。
高級クラブのホステスで玉の輿の方が似合う人だが。
確かに本条沙知子~北林早苗も不幸とは言え、父が飲酒、信号無視で人を轢き殺して懲役2年は軽すぎるだろう。
罰金刑があるにせよ、家族全員で踏ん張ればなんとかなるものだ。
悪徳弁護士の謂うように、被害者の家はもう大黒柱を失い完全崩壊なのだから。
借金を返すには水商売しかない、寄って来るのは悪い奴ばかり、、、というパタン。
まあ早く金を作らなければ、と焦ると弱みに付け込む邪悪な屑が寄ってたかる。
そう人の世は、弱みを見せるとろくなことはない。
山本陽子~高橋礼子の場合は、男運自体が無かったわね。
新宿と謂えば、占い師が定番だが、占ってもらえば良かったものを。
新宿の母とかいう人も確かその頃いたような、、、どうだったか。
そして、舟木総業の社長が一見いい人みたいに思えたのだが、高速道路建設予定地情報を非合法に入手しそのエリアの土地の事前買い占めに走る。そのエリア内に古くからの伝統人形作りの本条家があった。
彼は沙知子を二号さんとして囲い面倒をみると謂い、検察の手が回ると自分の罪は部下の波川に負わせる。
しかしその頃は、沙知子と波川は相思相愛となっていた。
何代も続いた伝統ある人形屋は取り上げられどこかのアパートに引っ越す。
妹とその彼氏も相変わらずの雰囲気で手伝う。
最後は和服を着てきりっとした表情で健気に頑張る沙知子の姿。
何と言うか、山本陽子ファンには外せない一作だ。
藤圭子ファンにとっても、、、(ちゃんとセリフもある)。
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