ボッチョーニ ⅱ
古典物理最後の都市イメージ
喧騒。動揺。輪郭。振動。潜伏。入射。流束。胎動。
エドワード・マイブリッジさらにジュール・マレイの先駆者の存在。
連続動態写真にクロノフォトグラフィの成果。
そしてエントロピー理論。すべての存在を時間の矢に向かうエネルギーと捉え。
もはや実体のリアリティは運動力学に求める他なかった。
しかもベルグソンの持続の理論。
すでに霧箱の発明に宇宙線の捕捉。
という背景。
環境は機械のダイナミズムにいち早く気づくミラノ工業都市。
マリネティは「運動力学派」を名乗らんとしたが、結局「未来派」に落ち着いた。
速度の美によっていっそう豊かになる美。
印象派にとっての「馬」はリンゴと基本的には変わらない。しかし未来派にとっては「ある速度で移動する馬」以外の何物でもない。速度の描写という新しい表現方法、美術にとっての新しいパラダイムが必要であった。
「フォルムの中のフォルムすなわち持続をそっくり出すことが出来た。」マリネティ
ボッチョーニが34で死ななければ、「量子力学派」を生んでいたか?
夭逝したことが最も惜しまれる画家・彫刻家
にほんブログ村
- 関連記事
-
- イバラートとは
- 甘味な戦慄~ポール・デルヴォー
- ボッチョーニ ⅱ
- ブロンズィーノ
- ボッチョーニ!