うれしはずかし物語
1988
東陽一 監督
竹山洋 脚本
ジョージ秋山 原作
川上麻衣子、、、チャコ(フリーター、裕介の浮気相手)
寺田農、、、三国裕介(会社の部長)
本阿弥周子、、、三国和歌子(裕介の妻、専業主婦)
渡浩行、、、外山(ボクサー、和歌子の浮気相手)
麻生かおり、、、康子(チャコの姉)
佐久間哲、、、舟戸(康子の情夫、やくざ)
草見潤平、、、雨宮
島村紀之、、、三国広志
W不倫をあっけらかんに明るく描いた昭和映画。
1989まで昭和だったからと言う訳でなく、どっぷり昭和の雰囲気に浸かった映画という感じ。
濡れ場にしても。川上麻衣子も頑張っていたが、本阿弥周子の貫禄も流石というところか。
登場人物たちは皆、昭和の劇画から出て来たような味のある人たち。
ただチャコに関しては、時代関係なく20歳くらいの女子にはいそうな気はする。変に割り切っていて。
会社の部長で専業主婦の妻と高3の息子と中学生の娘がおりしっかりした家に住んでいるが、自分独りの空間が欲しく外にマンションを一室持っている。
そのマンションの部屋に毎週金曜日だけ愛人契約を結んだチャコという20歳の娘がやって来ることに。
しかし月15万はちょっと痛くないか。まあそんなところか。
ちなみに彼女は、金曜以外は全く裕介の詮索は受けず、自由に過ごすと宣言している。
裕介とは金曜限定なのだ。彼にとってはドライに思え、ちょっとモヤモヤはする。
裕介にとっては「愛」が芽生え相手を色々と思ってしまうから金曜だけ思うと言う訳には行かない(自然だと思う)。
ここまでならリアル路線でも展開可能であろうが、これはおもしろコメディである。
奥さんも若いボクサーから迫られ、浮気に走る。
お互いに隠し合い誤魔化しながらその関係は続けて行く。
息子は裏口入学の手筈は取っているが余りに入試の点が低いと取り消しとなる緊張感ある状況下ではある。
子どもの心配は家庭である以上、必ず生じるもの。
しかし夫婦の衝突もコミカルで何となく適当に収まっているのは、お互いが浮気している後ろめたさもあるからか。
裕介はチャコという週一の若くて愛らしい愛人が出来てからとても調子が良い。
和歌子も外山という若い浮気相手との関係で若返って行く。
共に良い状態になっているのだが、バレずに続けることが肝要となる。
だがそうもいかないことは、よく分かってしまっている現実。
そこでスリリングな面白展開を、という事で、、、。
裕介は流石に子供の教育費もかさみ、マンションの部屋を売り払い、安いアパートを借りることにする。
そこに家で余ったピンクの布団を持ち込みそこを新たにチャコとの金曜日の逢瀬空間とすることにした。
だがその部屋は、外山のアパートの向かいであり、窓が互いの部屋からしっかり見える位置関係なのだ。
そんなことあるもんか、と謂いたいところだが、これでお互いの情事を具に見てしまうのがいつになるのかという期待で引っ張れる。
しかも双方ともその最中に窓は開けっぱなしなのだ。季節が良いのなら虫が入って来るだろうに。
かなり無理のある設定であるが、、、、。
そして話の流れから丁度良いタイミングで、あれまとお互いの顔を見合って真相を知る。
流石に知った時はショックであるが、おあいこの関係であり、相手を責める資格はどこにもない。
しかも、そっちの関係は、もう続けることが出来ない自覚をお互いに持っていた。
止めるにこれはどのタイミングは無い。
そして雨降って地固まるといってよいかどうかはともかくとして、また仲良くやって行きましょうとなった。
まあ子供もいるし、チャコやボクサーをこれ以上引っ張るのも不味いだろうし、中年はリフレッシュはこれで締めて、お互いに良い経験になりましたにすればよい。そんな感じに終わった気はする。
その後、路で出逢ったチャコと裕介がお互いに吹っ切れていて、彼女から手渡されたオレンジを裕介が道端に置いて行くのはなかなか粋であった(笑。
まあ、川上麻衣子のファンとかでなければ、特にわざわざ観るほどのものではないと思う。
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