KIMI/サイバー・トラップ
Kimi
2022
アメリカ
スティーヴン・ソダーバーグ 監督
デビッド・コープ 脚本
クリフ・マルティネス 音楽
ゾーイ・クラヴィッツ、、、アンジェラ (データーストリーム音声担当)
バイロン・バウワーズ、、、テリー(彼氏)
ハイメ・カミーユ、、、リバス(エージェントのまとめ役)
デレク・デルガウディオ 、、、ブラッド(アンジェラの企業のCEO)
リタ・ウィルソン、、、ナタリー(技術部門の責任者)
ベッツィ・ブラントリー、、、 KIMI(バーチャルアシスタントAI)
エリカ・クリステンセン、、、サマンサ
スマートスピーカーの導入は考えていたところ、、、。
スマートホーム構想は無い。それをやると人間が堕落し太るだけに思える(爆。
ヒロインがやってる仕事が、スマートスピーカーと連携しているAIのKIMIの音声認識度のチェックみたいであったが、、、
それを手動で修正しフィードバックしているみたい。えっ?!
普通スマートスピーカーは(Amazon開発のバーチャルアシスタントAIのAlexaがメジャーだが、ウェイクワードだけを保存しているはず)、ここでは、全てのやりとり(広く周囲の音まで)を録音しながらリアルタイムで彼女のような技術者が対応度をチェックしている。
そのデータは全て企業のサーバーにあるみたい。どういうこと?ユーザーのプライバシー無いの?
これ、ありなの?
それをチェックしているうちに殺人事件としか思えない音を室内BGMの中に見出す。
こりゃ大変と思い機器で解析してみるが、間違いなくその場面であることを知る。
その連想する光景が自分の今抱え持つトラウマとも連動するもので居ても立ってもいられなくなる。
企業の上司に電話したり、仕事仲間に相談したり、企業のサーバーに入る為の画策をしたりするのだが、、、ここで入れちゃうのが凄いと言うかセキュリティー大丈夫なのか、、、。
直ぐにFBIに知らせるというのは、ダメなの?
ともかく、コミュ障で外出恐怖症で更にコロナのロックダウンを経てその症状が進んでいるヒロインが何だか分からぬ薬を大量に忍ばせ、企業の責任者にUSBメモリにコピーしたデータを持ってゆく。噺ではFBIを間に挟んでのやり取りが約束されていた。
大変な決意で外に出たが、外界自体が恐怖でしかない。
ヒトもたくさんいるし、、、もう街を横切るだけでも大変。だが遥かに大変な罠が待ち構えていた。
それにしてもヒロインのマンションはやけにガラス面が多くとても開放的な間取りなのだ。
ヒロインをいつも窓越しに観察している男もいたりして、この部屋で寛げる人には思えないのだが、、、。
しかし企業に連絡した時から彼女の動きは察知されており、エージェントが捕獲の為派遣されていた。
何故か?それはその企業が悪さをしており(この内情は今一つ掴めなかった)、その殺人事件もこの企業による口封じであったのだ。
だからヒロインは飛んで火にいる~状態にある。
上司は彼女を何とか丸め込みデーターを確認しようとする。FBIを呼ぶ気はもとより無い。
ずっと押し問答が続き上司は彼女を部屋に残し出て行く。何やら忙しなく指示を出し。
歯の痛くなった彼女がトイレに行き鎮痛剤を飲んでいると、メールを打った相手からなぜ消した、と連絡が入る。何らかの動きを探る介入があることを察知した時、遠くから如何にもという感じの黒服の男がやって来るではないか。異変と身の危険を覚えた彼女は逃げ出す。
奴らはデータだけ処分し引き籠りの女を自宅で強盗殺人に見せかけ殺害するつもりであったのだ。
街を逃げる途中で一度捕まるが、デモ集会に紛れていた為、車に連れ込まれたところで、デモ隊に救助されるところは面白かった。
兎も角こういう時はスマフォを持っていることは居場所を教えて歩くようなものだ。
これ専門のエージェントに嗅ぎつかれる。彼女も直ぐに気づき、電源を落とす。だがここで遠隔強制起動がかけられる。
出来るの?と思ったが彼女は今度はスマフォをゴミ箱に投げ捨てる。するとエージェントは、すかさず女が今何処にいるかではなく、何処に向って行くかだ、と謂いそれまで追いながら取り込んでいたメール・通話履歴から数分前にFBIの場所を検索したことを掴む。そしてやって来たところを捕まえる。この辺、流石。参考になった(笑。
捕まえた彼女をマンションのエントランスまで連れて来たところで、向かいのマンションのおデブの男性が彼女に声をかけて割り込んで来る。ここが一番のサプライズであったのだが、何とこの男性、彼女が家を出て行くところを見て、引き籠りが自ら家を出る時は余程のことであり、重大なトラブルに巻き込まれている恐れがあるということで、自らが引き籠りであるにも関わらずマンション前で彼女を見張っていたと、、、。これにはわたしも驚く。しかし彼女を逃がそうとしたその男性は腹を刺される。
その後も、男性は血みどろになりながら、犯人3人の隙を見て落としたナイフを足で隠し後で反撃もする。
頼れる引き籠りぽっちゃり系である。彼女は、KIMIを上手く使い相手をひるませ屋根裏に逃げ込み、そこで釘打機?だと思うが(コンプレッサー付いてたかどうか)次々に上から3人のエージェントを撃ち殺す。
この男たちITには冴えをみせていたが、肝心のこっちにはどうも詰めが甘く間延びし過ぎなのだ、普通あの太っちょ引き籠りヒーローは直ぐに射殺されているはず。そしてデーターのUSBとダウンロードに使ったノートパソコンも特定したのだから、それを奪い直ぐに彼女も始末のはずが、妙にもたもたしている。KIMIが多少何かしたくらいで天井裏に逃がすのは余りにお粗末。
その後、彼女は吹っ切れたらしく、晴れやかな笑顔で彼(事件中まるで役に立っていない彼氏)とデートする楽しそうなカットで終わり。きっと難しい顔したカウンセラーとの画面越しの治療より、この一件がリスキーこの上ないが、効いたみたい。自分に起きたかつての暴行犯罪にも重なりその解消に役立つこととなったか。
あの血塗れ男性は助かったのかい?救急車は呼ばれていたからどうにかなったはずだが。
ゾーイ・クラヴィッツが引き籠りなのに薬飲んで奮闘する姿には、共感した(笑。
この映画、危機感を煽る演出が凝っている。何か事件があったとき、突然アイフォンが鳴り響いたり、ビンが床に落ちて割れたり、犯人が襲ってくると思ったら彼女との待ち合わせの男性に過ぎなかったが、その直後に麻酔薬をふいに打たれる、、、などとても効果的であった。量産を続けるベテラン監督らしい熟れた作品だ。
AmazonPrimeにて。
最近、Primeなのに課金されるものがやけに多くなった。