2016年11月の記事 - NewOrder
プロフィール

GOMA28

Author:GOMA28
絵画や映画や音楽、写真、ITなどを入口に語ります。
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駅馬車

Stagecoach.jpg

Stagecoach
1939年
アメリカ

ジョン・フォード監督

クレア・トレヴァー、、、ダラス(娼婦)
ジョン・ウェイン、、、リンゴ・キッド(脱獄囚)
トーマス・ミッチェル、、、ブーン医師
ジョージ・バンクロフト、、、カーリー保安官
アンディ・ディバイン、、、バック(御者)
ルイーズ・プラット、、、ルーシー・マロリー(貴婦人)
ジョン・キャラダイン、、、ハットフィールド(賭博師)
ドナルド・ミーク、、、ピーコック(酒商人)

そのまま「駅馬車」である。


クレジットの先頭はクレア・トレヴァーである。
彼女が主役なのか、、、。
アリゾナ州トントからニューメキシコ州ローズバーグに危険を冒して向かう駅馬車でのドラマである。

カメラワークが実によく、馬の疾走感が半端ではなかった。
馬車から先頭馬まで飛び移ってゆくキッドの姿にもビクッとしたが、アパッチとの銃撃戦、闇夜の決闘までのタメには、かなりの緊張を強いられるものであった。
ひとつ、、、銃撃戦で、銃弾が馬に全く当たらなかったのは、インディアンとはそういう人たちなのか、、、?

3対1の決闘でリンゴが前に倒れこみながら銃声だけが轟く。
そして、後二発が闇夜に轟く。
ダラスが不安に戦く。
この辺の演出は見事であると同時に、この映画はダラスの波乱の人生の物語であったことを知る。

この映画、肝心な部分を見せずに想像させる演出が特徴である。
前半にたっぷりジェロニモ率いるアパッチの恐ろしさとその襲撃を予感させておいて、後半駅馬車の客たちが安堵の様子を見せたところに突然の襲撃。
噂話や音や狼煙でまずその存在を告知しておく。
そしてにわかにそれが迫る。
更に、同時性。(予定調和ではない)。
駅馬車のキッドたちとアパッチとの攻防の末、駅馬車側の弾が尽きた絶体絶命の時に奇兵隊の突撃ラッパが鳴り響くところなど、ホントに気持ちが良い。その音を真っ先に聞取ったのがダラスであった。
ご都合主義の対極にある恩寵の場面である。
日常生活においても、希だがこんな瞬間はある。(あったのに気づかなかったりする、それが人生でもある、、、(悲哀)。
このへんの流れは、まずもって気持ち良い。

駅馬車に乗り合わせた客で、悪者は金を横領して逃げる銀行家くらいだ。
この威張り腐った銀行家、吐く理屈からして明らかに現代の(悪徳)資本家の原型だ。
後は、周囲の無理解に苦渋を舐めていたダラスとブーンDr.も献身的な働きとやるときには命を張ってやる姿に信頼を得てゆく。
特にダラスに対し軽蔑の眼差しを向けていた貴婦人ルーシーも、自分の産んだ赤ん坊を寝ずに世話をしてくれた彼女に感謝の念を抱く。
リンゴの活躍なしに、駅馬車の客は生き残れなかったことは誰もが認める事実である。
リンゴを逮捕する目的で駅馬車に乗り込んだ保安官も、彼に友情を深く感じてゆく。(医者のブーンもそうだ)。
ルーシーに何かと気を寄せていたハットフィールドも見知らぬ女性の遺体に自分の外套をかけてやるなどの紳士的な振る舞いはあっぱれなものであった。
やはり南部の貴族の出(グリーンフィールド家)であることが分かる。彼一人アパッチの銃弾に命を落とすが、馬車に乗り込んで終始紳士を全うしたことは確かだ。
酒商人のピーコックも最初は小心者に見えて、次第に良識と良心をしっかり備えたところを示し存在感を増してゆく。
バックも如何にも小市民的な発想でこぢんまりしていたが、人の良いところが充分窺える男だ。
ネイティブの描き方が余りに素っ気なく乱暴であるが、世界大戦におけるアメリカ映画のドイツ兵の描き方とほとんど変わりない。
局面を限定して単純化して描いている分、そこは然程気にならない。

何をおいても、愛情表現とその行為の機微の描き方が絶妙である。
リンゴから愛を打ち明けられたダラスの素直に受け止めきれない(恐らく怖さからか)複雑な心境やアパッチに対抗する銃弾が無くなった時に、ハットフィールドが最後の一発で好意を寄せるルーシーをせめて自分の手で殺してしまおうかと逡巡するところなど、実に説得力のある共感できる場面だ。
そして最後が実に粋である。
保安官と酔いどれ医者が結託して、リンゴとダラスを「文明の外」に逃がしてやるところ、、、。
なかなかありそうで、ないシーンである。
爽やかに解き放たれたふたりが眩しい。
逃がしてやった男ふたりの笑顔も素敵だ。


後味の良いところもこの名作映画の魅力のひとつか。



デイヴィッド・ホックニー版画展

David Hockney

町田市立国際版画美術館にて。11/23(水)まで。
ローカルなため最短コースをやや詳しく、、、。JR町田駅のターミナル口(多くの人が向かう出口方向と反対に向かえば間違いない)を出て、そのまま前方を目指して陸橋を降り、その勢いで道を一直線に歩けば5分程でたどり着く。(途中から道が急に細くなりそこで運悪くスレスレに走る車に轢かれなければ、嫌でも到着してしまう)。
オブジェなどを見ながらダラダラ長々と歩く通常コースもあるが、それについては美術館HPなどを参照。

隣の公園で遊べたりする。
ダイナミックな水の表情を楽める巨大な回転する彫刻(可動彫刻)がデンと据えられている広場である。
この美術館には「森羅万象を描く デューラーから柄澤齊へ」を5/21に観に来ている。
これは、顧みても奇跡的に充実した展示会であったと思う。
惜しかったのは独りか、美術愛好家(美術の好きな人)と一緒に行くべきであった。
そうしないと、落ち着いてじっくり集中して観ることが出来ない。


今回はこれまでさほど興味をもっていなかったポップアートなデイヴィッド・ホックニーである。
プールの版画(リトグラフ)でその作風に妙に強烈な印象をもっていたが、他に関してはほとんど知らない。
そんなところで、観てみた。
写真によるコラージュやコピー機を使った作品があったが、意外な感じはせずこういうのも流れから充分納得できるものであった。
また、男性モデルが多いな、と思ってきたのだが、実際男性モデルが多かった。
(別に詮索する気はない。キース・ヘリングをはじめ、ポップな人には多いケースだ)。
ビリー・ワイルダーの肖像がわたしにとってはとても印象的で、何か良いオマケに当たった気分であった。
ホックニー氏、写真によっては、顔がアンディ・ウォーホルにかなり似ている。

さて、作品展の内容であるが、、、リトグラフとエッチングが多く、アクアチントによる濃淡の表現も目に付いた。
それから写真コラージュやコピー機を印刷手段として利用したもので構成されていた。
有名な男性ヌードのあるプールの作品などは来ていなかった。
面白かったのは「スウィミング・プールに流れ込む水」という水自体に拘り、その多様な流動体の様式化を図ったと思われるリトグラフである。更に「リトグラフの水」というリトグラフの制作過程を一つずつ示したかのような意表を突いた連作もあった。
「スプリンクラー」という珍しく(どうなのか知らぬが)カンヴァスにアクリルで描かれた、彼らしい平面的で単純明快な絵もあった。(版画美術館であるが例外として展示か?)この奥行きのない具象空間というのは、絵画で観ても凄いものだ。

ちなみに、リトグラフではどうやら浮世絵の影響を受けている「太陽」など、デザイン調に可視化された「光線」とそれを受けている植物の葉の面―様子とも相まって大変明快で背景との対比も美しい作品である。
「雪」などに至ってはあからさまに浮世絵を取り込んだ日本情緒が窺える。これらはウェザーシリーズという位置づけらしい。
成る程、浮世絵から気象・空気の表現を抽出したか、、、。

ピカソに傾倒していただけのことはあり、遠近法の解体~ムーヴィング・フォーカスと、キアロスクーロ(明暗法)の単純化というか装飾化がはっきりと窺える。1点の視座から視界を物理的に統御せず、通常の立体・写実には関与しない明暗の付け方である。
極めて明るく鮮明で単純な平面的なフォルムが広がる。
これは、全体の版画作品に共通していた。
ムーヴィング・フォーカスとしてはっきり作品化されているのは、視点を僅かにずらして撮られた写真の細かい切り貼りで作られた作品である。
この技法の着想はとても面白い。
こういうことを初めてやったのがホックニーであったことを知った。
(一度考案するとすぐに真似されるのがこの業界である。この真似はかなり簡単でもある。広告でも見たことがある)。
この技法はまさにアイデア勝負というところか。
コピー機による印刷手法も彼の作品を見れば、すぐにやってみようという人は幾らでも出てきたはず。
トナーを一色ずつ使い刷ったようだ。
ただし、こちらの方は、あくまでもコピー機を使用した彼独自の版画であり、作画の点でホックニーはホックニーである。

単純で平面的で明快な色調を観ていくうちに、酔うように快感を覚える。
なかでも特にわたしが一番気に入ったのは「ホテル・アカトラン」シリーズであった。
ホテルの中庭であろうか。きっと色彩もこのように魅惑的なものであったことが、想像できる。
このホテル・アカトランの中庭をホックニー自身もいたく気に入り、シリーズものに仕上げたのだと想われた。
ムーヴィング・フォーカスがリトグラフとして美しく結実したものと取れる。
構図上の歪みなどが全く気にならないというより、それによって中庭の快感が(魚眼レンズ風に)圧縮され遺憾無くひとつの画面に描き込まれている。
また何よりも色調が素晴らしい。
全面が光に満ち満ちており、床(廊下)が真っ赤。黄色の柱(影の部分は青)。黄緑と黄色に輝く庭。
この作品を観るだけでも来た甲斐がある。


初期作品や童話の挿絵(「自分を二つに裂く」には、さすがに驚いたが)を観ているうちは、ふーんという感じで観て回っていたが、ピカソが題材として現れた「画家とモデル」あたりから俄然面白くなった。ピカソへのオマージュもあからさまに窺え、その影響力の大きさもよく伝わってくる。



”Bon voyage.”

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