山崎淑子の「生き抜く」ジャーナル!

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『War is a Racket(戦争はいかがわしい商売だ)』 スメドリー・バトラー著

国際ジャーナリスト・元桜美林大学教授、吉田健正氏の翻訳、

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戦争はペテンだ─バトラー将軍にみる沖縄と日米地位協定』

http://urx.nu/3266

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戦争は美辞麗句で飾り立てられているが、

「殺したり、逆に殺されたり、血みどろの蛮行」である。

その「蛮行」を国家はなぜ強行しようとするのか。

実のところ、そこに一部の資本家にとっての利益がひそんでいるからだ。

そう喝破したのが、米海兵隊の将軍スメドリー・バトラーという軍人なのである。

岩上安身

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戦争はいかがわしい商売だ。

わずかの人が儲け、多くがツケを払う。

 

ものすごく少数の人だけが戦争から膨大な利益を得る。

戦争中に多くの企業は、平時の10倍にのぼる収益を上げた。

でかい収益は、誰が負担するのだろうか。

われわれみんなだ。そう、税金で。

 

しかし、最大のツケを払うのは兵隊だ。

青年たちが農場や企業や工場や教室から連れ去られ、軍隊に放り込まれた。

彼らは改造され、作り直され、「回れ右」をさせられ、殺人を当然と教え込まれる

彼らは互いに肩の組みあいをさせられ、群集心理によって完全に改変される。

 

恐ろしさに子守唄を求めて死にゆく者たちのうめき声と叫び声を聞きながら、誰かを撃ち、自分自身が撃たれ、何日も腹を空かし、泥と冷気と雨のなかで眠る塹壕のなかで、彼らはツケを払ったのだ。

 

彼が、眼や足を失い、あるいは心に傷を負って帰宅すると、家族も同じように、あるいは彼以上に苦しむ。

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【いかがわしい商売をつぶす方法】

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若者たちを徴兵する1カ月まえに、資本家、事業家、労組指導者を徴兵しなければならない。

 これらの企業で働くすべての従業員、社長、経営幹部、部長、課長たち、すべての銀行家たちにも、同じ給料を払ったらよい。

銀行、投機家、武器メーカー、造船会社、航空機メーカー、戦時に収益をもたらす、その他もろもろのものを製造する企業の役員たち、部長たち、強力な経営幹部たちを徴兵せよ。そして、塹壕で若者たちが得ているのと同じ月30ドルを支払ったらよい。

 そうだ。あらゆる将軍、提督、将校、政治家、官僚たち──この国のすべての人は、塹壕にいる兵士に支払われる月給以上の給料をもらってはならない。
 もしも戦争交渉に関して秘密が禁止されていれば、もしも報道機関がこの会議に招かれていれば、もしも会議の模様がラジオで中継されていたならば、米国が大戦に参加することは絶対になかっただろう。

しかし、戦争に関するほかのすべての会議と同じように、この会議も厳しい秘密に隠されて行われた。

そして、若者たちは「民主主義にとって安全な世界にするための戦争」とか「すべての戦争を終わらせるための戦争」だと言われて、戦場に送られたのだ。

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◆「インディペンデンス・ウェブ・ジャーナル」  

Angel of Movie

2013/1/16

http://green.ap.teacup.com/dododo/554.html

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【引用開始】

・・・略・・・

多分、いずれサイトにのるだろうが、非常に重要な内容なのでここでも紹介したい問題があれば削除する。

・・・略・・・

 

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         岩上安身のIWJ特報!
     米国海兵隊の英雄スメドリー・バトラー将軍の「告発」
~『戦争はいかがわしい商売だ』(前編)
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戦争は美辞麗句で飾り立てられているのが常だ。また、飾られ美化されなければ、憎くもない見知らぬ相手を殺したり、逆に殺されたり、そんなおぞましい血みどろの蛮行を正当化できるものではない。

では、そもそもそんな蛮行を、偽りの修辞で厚化粧を施したりしながらも、国家はなぜ強行しようとするのか。実のところ、そこに一部の資本家にとっての利益がひそんでいるからだ──そう喝破した人物がいる。その人物とは、反戦運動家でも、聖職者でもない。米軍の”殴りこみ部隊”たる海兵隊の将軍として、2度も叙勲の栄誉を受けた(海兵隊史上、2人しかいない)スメドリー・バトラーという軍人なのである。

 

・・・略・・・

 

吉田氏は、1941年沖縄生まれ、ミズーリ大学大学院(ジャーナリズム専攻)修了後、沖縄タイムス、AP通信、ニューズウィーク誌などの記者、カナダ大使館広報官を経て、1989年から桜美林大学国際学部で教鞭をとり、2006年に退職し、沖縄に戻られた。その後も国際ジャーナリストとして、米国政治・沖縄の問題を中心に執筆活動をされている。現在は病床に伏しておられるとのことだが、今回の転載について、著作権フリーで全文公開することを快く承諾してくださった。この場を借りて深く御礼申し上げたい。

 

・・・略・・・

 

以下、吉田健正氏の翻訳による、スメドリー・バトラー著「戦争はペテンだ」全文を掲載する。

http://green.ap.teacup.com/dododo/554.html

http://green.ap.teacup.com/dododo/555.html

 

・・・略・・・

 

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もっとも古い悪質な商売
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 戦争はラケット、すなわちいかがわしい商売だ。これまで、いつもそうだった。
 戦争は、おそらくもっとも古く、何にもましてもっとも金になり、はっきり言ってもっとも悪質な行為だ。唯一、国際的な広がりをもつ。そして、儲けをドルで、損失を命で勘定する唯一のものだ。

 いかがわしい商売とは、大半の人々にとってはそうは見えないもの、と言ってよいだろう。その実体を知っているのは内部の少数グループだけだ。それは、大勢の人が犠牲を払って、ごくわずかな人々の利益のために行われる。ものすごく少数の人だけが戦争から膨大な利益を得るのだ。

 第一次世界大戦では、一握りの人が戦いの儲けに浴した。この戦争〔第一次大戦〕で、少なくとも2万1千人の百万長者や億万長者が新たに誕生した。それだけの人が、所得税申告で多額の利益を報告したというわけだ。ほかに申告をごまかした戦争成金がどのくらいいたかは、誰も知らない。

 ところで、これら百万長者のうち何人がライフルを担いだだろうか。何人が塹壕を掘っただろうか。ねずみが走り回る地下壕でひもじい思いをするのがどういうものか、何人が知っていようか。銃弾や散弾や機関銃弾をよけながら、恐ろしい、寝られぬ夜を、何人が過ごしただろうか。敵が突く銃剣を何人がかわしただろうか。何人が戦闘で負傷し、あるいは殺されただろうか。

 国々は、戦争に勝てば、それによって新たな領土を獲得する。単に奪い取るだけだ。この新しい領土は、戦血から金儲けをした同じ少数の連中が利用する。ツケを払うのは一般大衆だ

 ツケって?

 それは恐ろしい計算になる。新しく建てられる墓石。めちゃくちゃになった遺体。粉々にされた心。失われた望みと家庭。経済的な不安定。憂うつと、それに伴う苦痛。何世代にわたって人々を悩ませ続ける税金。

 長い間、兵士として、戦争はいかがわしい商売だ、と私は疑ってはいた。しかし、退役して民間人になるまで、そのことをきちんと認識していなかった。世界的に戦雲が近づいている今〔1933年〕、私はそのことに向きあい、声を上げなければならない。

 

・・・略・・・

 

東洋では、もっと巧妙だ。ロシアと日本が戦った1904年(※注7)、われわれは旧友・ロシアを蹴って、日本を支持した。当時、きわめて寛容なわれらが銀行家たちは日本を財政的に応援した。ところが、今は、反日感情をかきたてようという流れになっている。
中国に対する「門戸開放」政策(※注8)とは、われわれにとってどういう意味をもっているのか。米国の対中貿易額は年間およそ9千万ドル(※注9)である。フィリピンの場合はどうか。米国は過去35年間にフィリピンで約6億ドルを使ったが、わが国の銀行家や経済界や投機家たちが投資したのは2億ドル以下だ*。

*1916~31年の1米ドルは当時の日本円でおよそ2円。当時の物価や給料と現在の物価や給料を比較すると、当時の1米ドルは現在の日本円で4千~5千円に相当すると思われる。すなわち1億ドルは約4千~5千億円ということになる。

そこで、9千万ドルの対中国貿易を救うため、あるいはフィリピンにおける2億ドル足らずの民間投資を守るため、われわれは日本への憎しみをかきたてられ、戦争をやれとかきたてられるのだ。何千億ドルかかるか、何万人もの米国人が命を失い、何万人もの人が身体に障害をきたすか精神のバランスを失うかも知れないのに。

 

・・・略・・・

 

 金や命で戦争のツケを払う個々の米国人にとって、外国での紛糾から遠ざかった方が(安全なのはもちろんだが)安くつく。酒の密造やその他の裏世界のいかがわしい商売と同じく、この商売もきわめて少数の人にとってはいかがわしい儲けになるが、費用は国民に回される。国民にとって一銭の得にもならないのに。

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儲かったのは誰だ
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 (第一次)世界大戦は、わが国の参加が短期間〔1914~18〕であったにもかかわらず、米国は520億ドルもの費用がかかった。ちょっと計算してみよう。これは、つまり、米国の男、女、子どもの一人一人に、400ドル〔現在の日本円で約160万円〕もかかった、ということだ。しかも、負債はまだ返済していない。今返済中であるが、われわれの子どもたちも払い続けることになろう。その子どもたちもだ。

 米国の企業の利潤は、通常、6パーセント、8パーセント、10パーセント、あるいはときには12パーセントといったところだ。ところが、戦時の利潤ときたら、なんと、20パーセント、60パーセント、100パーセント、300パーセント、ときには1800パーセントにまで跳ね上がる。まさに青天井だ。商売に限度はない。アンクル・サム〔米国政府。United States=U.S.をUncle Samと言い換えたもの〕には金がある。それを利用しようじゃないか。

 もちろん、戦時にこんなあからさまな言い方はしない。愛国心に訴えるとか、「本腰を入れてかかろう」といったスピーチに化粧して盛り込むのだ。そして、一方では、利潤は天井知らずに跳ね上がり、まんまと誰かのポケットに入る、という仕組みだ。いくつか実例を挙げよう。

たとえばわれらが友、爆薬メーカーのデュポン(※注13)。つい最近、その代表の一人が、上院委員会で、デュポンの爆薬によって戦争に勝ったとか、民主主義のために世界を救ったとか、と証言したのを覚えているだろう。第一次大戦で、この企業はどういう成果を上げたのだろうか。デュポンは愛国的な企業である。
1910年から14年までの同社の平均収益は年間600万ドルであった。それほど大きくはないが、デュポンとしてはこれでうまくやっていけた。それでは、1914年から18年までの戦時中の平均利潤を見てみよう。なんと、年間5千800万ドルの利潤をあげている。通常の10倍近くというわけだ。通常でさえ、結構いい利潤をあげていたのに、それが950パーセント以上も増えたのだ。

 愛国的に鉄道やガーダー(桁)や橋の製造を棚上げして、戦需品の製造に切り替えた小さな鉄鋼会社の場合はどうだろうか。1910年から14年までのベスレヘム鉄鋼(※注14)の年間利潤は平均600万ドルであった。そして戦争がやってきた。同社は忠誠なる市民と同じく、ただちに武器製造に取り組んだ。彼らの利潤は跳ね上がっただろうか。あるいは、米国政府に製品を安売りしたのだろうか。実は、1914年から18年までの利潤は年間4千900万ドルに達したのである。

 ユナイテッド・ステーツ・スティール(※注15)はどうだったか。戦争前の5年間における同社の利益は、年間1億500万ドルであった。それだけでもたいしたものだ。そして戦争がやってきた。利潤はアップ。1914年から18年までの平均収益は年間2億4千万ドル。悪くない。

 これは鉄鋼や爆薬からの利潤の一部だ。ほかにもある。たとえば銅。戦時にはこれもいい商売になる。
 たとえばアナコンダ(※注16)。戦前(1910~14)の利潤は年間1千万ドル。それが戦争期(1914~18)には3千400万ドルに増えた。

 ユタ・コッパー社(※注17)は、戦前の年間500万ドルが、戦争期間には年間2千100万ドルの利潤になった。

これら5社と中小企業3社の利潤を合計してみよう。年間利潤は戦前の合計1億3千748万ドルから4億830万ドルに跳ね上がっている。およそ200パーセントの増大だ。

 

・・・略・・・

 

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ツケを払うのは誰だ
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 あの20パーセント、100パーセント、300パーセント、1千500パーセント、1千800パーセントというどでかい収益は、誰が負担するのだろうか。われわれみんなだ。そう、税金で。われわれが100ドル〔約40万円〕で自由公債〔米国政府が第一次大戦中に発行した証券〕を買い、銀行に84ドルあるいは86ドルで売り返したときに、われわれは銀行にそれだけ稼がせた。

 

・・・略・・・

 

 しかし、最大のツケを払うのは兵隊だ。

【引用終了】

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「バトラー将軍「戦争はいかがわしい商売だ」

Angel of Movie

2013/1/16

http://green.ap.teacup.com/dododo/555.html

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【引用開始】

後編です。凄い内容ですが、真実だと思います。
国家は自国民を戦争というペテンで食い物にし、安上がりな兵隊をおだてて使うのだ。

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         岩上安身のIWJ特報!
     米国海兵隊の英雄スメドリー・バトラー将軍の「告発」
~『戦争はいかがわしい商売だ』(後編)
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・・・略・・・

 しかし、最大のツケを払うのは兵隊だ。

・・・略・・・

18年前に国から選ばれた男たちだ。ミルウォーキー〔米ウィスコンシン州の南東にある都市〕にある、生ける屍となった人が3千800人も収容されている政府病院のきわめて優秀な外科医が私に言うには、在郷軍人の死亡率は国内に留まった人々の3倍も高いそうだ。
 正常な視点をもった青年たちが農場や企業や工場や教室から連れ去られ、軍隊に放り込まれた。彼らは改造され、作り直され、「回れ右」をさせられ、殺人を当然と教え込まれる。彼らは互いに肩の組みあいをさせられ、群集心理によって完全に改変される。われわれは、2、3年彼らを使用し、殺すこと、殺されることを何とも思わないよう訓練した。

・・・略・・・

 

ほかの人々が町や村で彼らの仕事や場所を占めている間、彼らは訓練キャンプで厳しい訓練を受け、しごかれ、それぞれのツケを払った。

恐ろしさに子守唄を求めて死にゆく者たちのうめき声と叫び声を聞きながら、誰かを撃ち、自分自身が撃たれ、何日も腹を空かし、泥と冷気と雨のなかで眠る塹壕のなかで、彼らはツケを払ったのだ。

・・・略・・・

 彼が、眼や足を失い、あるいは心に傷を負って帰宅すると、家族も同じように、あるいは彼以上に苦しむ。そうだ、弾薬メーカーや銀行や造船会社や製造業者や投機家たちが稼いだ儲けに、家族も貢献したからだ。自由公債を買い、休戦のあと、手品のごとく操作された自由公債価格による銀行の収益に、家族も貢献したからだ。

 負傷兵や精神的に異常を来たした男たちの家族、そしてどうしても再調整できなかった人たちの家族は、今も苦しみ続け、ツケを払い続けているのだ。

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いかがわしい商売をつぶす方法
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 そうだ、戦争はいかがわしい商売だ。
わずかの人が儲け、多くがツケを払う。

 しかし、それを止める方法はある。軍縮会議でそれを終わらせることはできない。ジュネーブの講和会議で根絶することも不可能だ。善意に満ちた、しかし非現実的なグループが決議によって戦争を撤廃することもできない。

 戦争を効果的につぶすには、戦争から儲けをなくせばよい。
 このいかがわしい商売をつぶす唯一の方法は、若者たちが徴兵されるまえに、資本家、事業家、労働組合指導者を徴兵することだ。

政府は、わが国の若者たちを徴兵する1カ月まえに、資本家、事業家、労組指導者を徴兵しなければならない。

銀行、投機家、武器メーカー、造船会社、航空機メーカー、戦時に収益をもたらす、その他もろもろのものを製造する企業の役員たち、部長たち、強力な経営幹部たちを徴兵せよ。

そして、塹壕で若者たちが得ているのと同じ月30ドルを支払ったらよい。

 これらの企業で働くすべての従業員、社長、経営幹部、部長、課長たち、すべての銀行家たちにも、同じ給料を払ったらよい。
 そうだ。あらゆる将軍、提督、将校、政治家、官僚たち──この国のすべての人は、塹壕にいる兵士に支払われる月給以上の給料をもらってはならない。

 王様も大君も事業主もすべての労働者もすべての上院議員や知事や市長も、30ドルの月給の半分を家族に渡し、戦争危険保険に加入し、自由公債を買うようにさせたらよい。

 当然ではないか。
 彼らは、殺されたり、体を切り裂かれたり、心をずたずたにされたりする危険をまったく負っていない。泥だらけの塹壕に寝ているわけでもない。腹を空かすこともない。兵士とは違うのだ。

 資本家、事業家、労組指導者に、考える時間を30日間与えよう。そうすれば、戦争はなくなる。戦争のペテンとはおさらばだ。

 私はもしかしたら楽観的過ぎるのかもしれない。

 

資本家にはまだ影響力がある。だから、実際に苦難を背負い、ツケを払っている一般の人々が、選挙で選んだ代表者に不正利得者ではなく自分たちの意思に従わせるよう決意しない限り、資本家たちは利益の剥奪を許さないだろう。

 戦争といういかがわしい商売をつぶす戦いに必要なもう一つの方法は、宣戦を認めるかどうかについて、限られた住民投票を行うことだ。すべての有権者ではなく、徴兵の対象になる人々だけによる住民投票にすればよい。
戦争になれば巨大な収益をもくろむ弾薬メーカーの76歳の社長や国際銀行の足を引きずって歩く頭取や軍服メーカーの斜視の工場長に、この国が参戦すべきかどうかについて投票させる意味はあまりない。彼らが銃を担がされ、塹壕で寝て、殺されることはあり得ないからだ。

 

国家のために徴兵され、命を失うかもしれない人々だけに、参戦の賛否を決める特権がある。

・・・略・・・
身体検査にパスできる人、すなわち戦争になったら軍務につける人は、この限定的な住民投票で一票を投じる資格を得る。彼らこそが決定権をもつべきだ。連邦議員たちはほとんどがこのような年齢枠に入らないし、体も武器をもてるほどの状況にないから、議会が決定すべきではない。苦労する人だけが投票権をもつべきだ。

 いかがわしい商売をつぶす第三のステップは、米国の軍隊の目的を真に専守防衛とすることだ。

・・・略・・・

 要約すれば、戦争のペテンをつぶすにはこれらの措置をとる必要があるということだ。戦争から利得を除外しなければならない。
 戦争の是非については、銃をとることになる若者たちに決めてもらわなければならない。わが国の軍隊を、国土防衛のためだけに限定しなければならない。

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戦争はまっぴらご免だ
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 戦争は過去の遺物だと考えるほど、わたしはバカではない。人々は戦争を欲していない。しかし、次の戦争に追い込まれることはない、というだけでは何の役にも立たない。

 思い起こせば、ウードロウ・ウィルソン(※注22)は1916年、「国民を戦争に巻き込まなかった」というスローガンを掲げて、そして「国民を戦争に巻き込まない」という言外の約束のもとに、1916年に大統領再選を勝ち取った。しかしわずか5カ月後、彼はドイツに宣戦布告するよう連邦議会に要請したのである。

 この5カ月間に、国民は決心を変えたかどうか、聞かれることはなかった。軍服を着て戦場にでかけた400万の若者たちが、苦しみ、死ぬために進んででかけるか、彼らの意見も聞いていない。

 何が政府にそう簡単に決心を変えさせたのだろうか。
 それはお金だ。

 ご記憶にあると思うが、宣戦布告〔米国がドイツに宣戦布告したのは1917年4月6日〕の直前、連合国〔英国、フランスなど〕の委員会がやってきて、大統領を訪問した。大統領はアドバイザーたちを集めて話を聞いた。外交的な言い回しを除くと、その委員会の委員長が述べたのは、要旨、以下の通りであった。

   もはやわれわれ自身をごまかしてもダメです。連合側の大義は失われました。われわれはあなたがた(米国の銀行、弾薬メーカー、製造業者、投機家、輸出業者)に50億ドルないし60億ドルの借金があります。

  もしわれわれが負ければ(米国の支援がなければ負けるに決まっています)、われわれ英国、フランス、イタリアはこの金を返済できません。……ドイツも返済しないでしょう。
  というわけで……。

 もしも戦争交渉に関して秘密が禁止されていれば、もしも報道機関がこの会議に招かれていれば、もしも会議の模様がラジオで中継されていたならば、米国が大戦に参加することは絶対になかっただろう。しかし、戦争に関するほかのすべての会議と同じように、この会議も厳しい秘密に隠されて行われた。そして、若者たちは、「民主主義にとって安全な世界にするための戦争」とか「すべての戦争を終わらせるための戦争」だと言われて、戦場に送られたのだ*。

*第一次世界大戦で、米国は当初中立を標榜し、和平の斡旋さえしていた。米国が参戦に踏み切ったのは、米国客船が次々とドイツ潜水艦に攻撃されて死者を出したためとも、米国の資本家が英仏に与えていた多額の借款の返済を確実にするためとも、言われる。戦後、米国は戦需景気によって不況から脱しただけでなく、史上初めて債権国となった。

 

・・・略・・・

【引用終了】

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1件のコメント on 儲かったのは誰だ?!【戦争から儲けをなくせ】スメドリー・バトラー著「戦争はペテンだ」 まず資本家、事業家、労組指導者を徴兵せよ。あらゆる将軍、提督、将校、政治家、官僚たちは、兵士以上の給料をもらってはならない。『戦争はペテンだ─バトラー将軍にみる沖縄と日米地位協定』吉田健正訳

  1. Name より:

    八百長のキンチョー(竹原信一)
    http://blog.livedoor.jp/jijiho.....79253.html

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