どのように、滞在組のハクチョウさたんちは、
あの七北田川を襲った東日本大震災の津波を乗り越えたのでしょうか? duck4は疑問でなりませんでした。 ある震災後の証言によると、 七北田川を遡る異様な津波に驚いたハクチョウさんたちが 奇声を上げながら鳴いて飛んでいたそうです。 しかし、それは、飛来組のハクチョウさんたちができる業。 滞在組の斑ちゃん、おちびちゃん、チンさん、細い首のハクチョウさん、大きなハクチョウさんが、 8キロ近くも逆流する津波からの難を逃れたのか、不思議でなりません。 なぜなら、滞在組のハクチョウさんたちは、空を飛ぶことができないからです。 それを検証する上でも、 過去にduck4が撮影した写真を探してみたところ、 2010年4月ごろ、ちょうど震災から11ヶ月前のサクラの満開の季節でした。 1羽で泳いでいるクチバシに黒い斑点がある滞在組の斑ちゃんらしきハクチョウさん。 真冬には100羽ほどの飛来組のハクチョウさんたちが越冬している福田町の防波堤付近にいました。 (初めて2010年4月に出会った滞在組のハクチョウさん斑ちゃん!) そのときには、羽が傷ついたハクチョウさんの存在を全く知りませんでした。 そして、 2011年3月11日午後2時46分に東日本大震災が発生。 その数十分後に、巨大津波が蒲生干潟をのみこみ。 5キロ近く七北田川を遡り、初めて2010年の春にduck4がサクラの季節に滞在組の斑ちゃんを見た 福田町のハクチョウさんたちの越冬地に1件の家が押し流されていました。 この光景を見たのは、震災から数日後。 そこには、5羽のハクチョウさんが浅瀬にいて、カメラを向ける川の方に寄って来ました。① この写真からは、この5羽が滞在組か、飛来組かの判別ができませんでした。 でも、その時のduck4の気持ちは、家も押し流されて来た津波の中でも、 ハクチョウさんたちが津波を乗り越え生き抜いていたことに、とてもとても嬉しくなっていました。 (震災数日後、家が流され、浅瀬でのんびり羽繕いをしている5羽のハクチョウさんたち!) あの時、滞在組の斑ちゃんはどのように七北田川を遡る津波の危機を乗り越える行動をとったのかは、 実際に見ていないので想像するしかありません。 しかし、ヒントは、台風が来て川が増水したときには、 激流が流れない高いところまで滞在組のハクチョウさんたちは退避していたことがありました。 その時も、自然の異常さを察知した飛べない滞在組の斑ちゃんが、 とっさの判断で、津波が来ない高いところに逃げ込み、身を守ったことは考えられます。 また、仲間のハクチョウさんたちが奇声を上げながら飛び回っていたので、 川で何か異常事態が発生することを予見して、高いところに逃げていたとしか考えれません。② 滞在組のみならず多くのハクチョウさんは、津波が来たときに高いところに逃げる!という 知恵を持っていたのではないでしょうか。 (2014年冬の滞在組のハクチョウさんの斑ちゃん!) (参考ブログ) ①2011年3月27日のduck4ブログ『震災後のハクチョウの定点観測』より! ②河北新報<10>川幅いっぱい濁流・宮城野区福田橋 (2011年8月25日 河北新報記事) 東日本大震災の大津波の実態を報道記事を通して検証するサイトから! 車で避難しましたが、渋滞がひどく、細い脇道を通ってやっと国道45号に出ました。国道も渋滞中で梅田川の手前に差し掛かったとき、沿道のビルから「上がれ!」と大声で呼ばれ、車を乗り捨てて3階に上りました。 間もなく、コハクチョウが数羽、異様な鳴き声で上空を飛び回っていると思ったら、黒い階段状の水が、壁のように川幅いっぱいに広がり、逆流してきました。濁流は橋のすぐ下まで迫り、電車のような勢いでした。 (津波目撃者の声の一部引用!) おそらく、 この津波目撃者からの声は、 七北田川で越冬していたハクチョウさんではないかとduck4は思っています。 |
duck4の定点観測ポイントの七北田川の中洲周辺で
32羽ほどのハクチョウさんが確認できました。 もしかしたら、餌場に行っていたのかもしれませんが、 越冬の最盛期の頃に比べて、半減しています。 日本各地の越冬地でも、 ハクチョウさんたちが北へと旅を始めたというニュースが 聞かれるようになったので、飛来組の中には、 ここから移動したものもいるかもしれません。 しかし、あの7羽の大家族のハクチョウさんたちと5羽の成鳥さんたちは、 まだ、duck4の定点観測ポイントとの主として君臨しています。 さて、話は本題に入りますが、 1つハクチョウさんのことで気がかりなことがありました。 それは、1羽でいる幼鳥のハクチョウさんのことです。 他の子供たちは、親ハクチョウさんに守られているのですが、 この幼鳥のハクチョウさんだけは、いつもひとりぼっち。 先日、観察していると、 川の真ん中で、灰色の羽の中にクチバシを突っ込んで 寝ていました。 その脇を、多くの飛来組や大家族のハクチョウさんたちが 泳いでいきました。 何か、1羽だけで、こんな場所で寝ているので、 duck4がとても気になり注意していました。 (ひとりぼっちで川で寝ている幼鳥のハクチョウさん!) それにはわけがあり、 昨年度の春先にも1羽の幼鳥(あどけない顔をしたハクチョウさん)を、 duck4ブログではレポートしましたが、 やはり、群れに入ろうとしても入れてくれずに、 ひとりぼっちでした。 あの滞在組のハクチョウさんの仲間にも入ることができず、 4月頃には、この定点観測ポイントを去っていきました。 (昨年の春まで飛来していたあどけない顔をした幼鳥のハクチョウさん!) ある日のこと、 1羽の幼鳥のハクチョウさん(先日、ひとりぼっちで寝ていたあのハクチョウさんかも!?)が、 大家族のハクチョウさんと成鳥の群れにくっついて 泳いで行ったときのことです。 すると、2から3羽の成鳥のハクチョウさんが、この幼鳥のハクチョウさんを 尻尾に噛み付き、追い回していました。 そして、この幼鳥のハクチョウさんは岸の方へと逃げて行きました。 大家族のハクチョウさんの群れに入ろうとしても入れてもらえなかったようです。 このようなことは、昨年のあどけない顔をした子供のハクチョウさんでも、 滞在組と一緒に行動しようとしても入れてもらえなかった時と同じでした。 その後、追い回された幼鳥のハクチョウさんは、逃げ切ることに成功。 ちょっと離れたところで、大きく羽ばたきをする仕草を見せました。 今日は、争いに負けたが、また勝負はこれからだという ケンカに負けたハクチョウさんたちがするいつもの行動を この幼鳥のハクチョウさんも見せたのです。 それから、大家族のハクチョウさんの群れは上流へと泳いで行きましたが、 それに距離を保ちながらこの幼鳥のハクチョウさんもついていきました。 ハクチョウさんは孤高でプライドの高い一面も示します。 アンデルセンの『醜いアヒルの子』でも、 保護された家で暴れて、逃げ出して、寒い冬の湖で ひとりぼっちになっても、じっと飢えと孤独を耐え忍んでいます。 1羽の幼鳥のハクチョウさんも、 今はアンデルセンの『醜いアヒルの子』のように、 ひとりぼっちで孤独に耐えているのでは思えてきました。 でも、仲間から蹴飛ばされても、また着いて行く、 ハクチョウさんたちの生き方には、野生の中でなんとしても生き抜いていく強さと気高さを 感じるのであります。 |
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duck4の定点観測ポイントの川には5羽の滞在組のハクチョウさん。大空を飛ぶことができませんが、元気に毎日、川を泳いでいます。この地域の人々にも愛され続けているハクチョウさんたちです。これからも、定点観測ポイントにいる飛べないハクチョウさんのこと中心にブログを配信していきます。今後ともに、宜しくお願いいたします。ブログ主宰者duck4より!
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