「全日本キック、代々木大会」の煽り
10/25 7:15 出勤時間ギリギリで全試合分をアップしました。間に合ったぁ!
今更ながら筆が進んでおります
さあ、全日本キック代々木大会について、今更ながら書いていきますよぉ!もう遅いですよぉ!でも書きますよぉ!
全日本キックボクシング連盟
浪漫 〜 Kick Return 〜 Kickboxer of the best 60 Tournament 決勝戦
2007年10月25日(木) 東京・国立代々木競技場第二体育館
(JR山手線「原宿」駅・東京メトロ千代田線「明治神宮前」駅下車・徒歩5分)
開場・17:00 本戦開始・18:00(本戦開始前にオープニングファイト数試合予定)
◆料金
SRS席¥20,000 RS席¥12,000 S席¥8,000 A席¥5,000
※当日券は各500円アップ
いよいよ迫ってきた大一番、全日本キックの代々木興行。近年、狙った興行では後楽園ホールを常に超満員にし、一ヶ月に一回〜二回というハイペースで興行を重ねてきた全日本キックが、満を持して大箱興行を開催だ。
っていうのはいいんだが…。平日開催なのに、本戦の開始時間が18:00というのはどうか?どうなのか?ましてや、この興行ではトーナメントが組まれている事を考えると、序盤の方に重要なカードが組まれる可能性も大。社会人にとっては、なんとも厳しい事になってしまったねぇ…。早めに仕事を終わらせないとなぁ。
全日本キックのオープニングファイトは若き力が炸裂します、その1
オープニングファイト第一試合 バンタム級 3分3R
瀧谷渉太(WSK/桜塾/2007年 全日本新空手K-2 軽量級 王者)
原岡武志(STRUGGLE)
将来はK-1MAXでHIROYAのライバルになるかもしれない男、瀧谷渉太はまだ18歳。新空手優勝の実績を引っさげて、今年七月のデビュー以来、ここまで二連続KO勝利を修めている。今回はその実績を買われて、代々木興行のオープニングに大抜擢。KO勝利による露払いはできるか。
全日本キックのオープニングファイトは若き力が炸裂します、その2
オープニングファイト第二試合 ライト級 3分3R
卜部弘嵩(西山道場/ISUMI GYM/2007年 全日本新空手K-2 軽中量級 王者)
相馬一仁(DEION GYM)
デビュー戦で圧倒的なKO勝利を修めた卜部弘嵩は、第一試合に出場する瀧谷と同じく、新空手での優勝経験を持つ18歳。残念ながら二戦目は判定勝利に終わったものの、デビュー戦の衝撃はまだまだ記憶に新しい。今回は大舞台での試合となる卜部、デビュー戦の再現を期待したい。
掴みはOK!…これでいいのかぁっ!?
第一試合 Kick Return リザーブファイト 60kg契約 3分3R + 延長3分1R
ファイヤー原田(レグルス池袋/J-NETWORKライト級 四位)
梶原龍児(チームドラゴン/WFCA世界ライト級 王者)
「チームドラゴン」が誇る軽量級のエースが、トーナメント復活に望みを賭ける
今回の興行の柱である60kg級トーナメント「Kick Retrun」。その一回戦で伝説的な試合をやってのけたのが「歌舞伎龍」こと梶原龍児だ。元々ボクシングの世界で東洋太平洋のランカーにまでなった梶原、ボクシング仕込みのパンチの数々は…どんなに体力を失おうとも、そのキレ味は一向に衰えることはない。前田との試合でも、圧倒的な圧力で攻めてくる前田を冷静に対処、カウンターのパンチで二度のダウンを奪っている。そして試合全般を通して放ち続けた左ボディは、どんなに体力を失おうともキレ味が衰えることはない。そのパンチの技術は脅威と言えるだろう。
今回はトーナメントのリザーバーとして登場する梶原、ボクシング映画「どついたるねん」を観てボクサーになった彼が理想としているファイターは、意外にも「キン肉マン」だという。本人曰く「奇跡の逆転ファイターになりたい」のだそうだ。成程、物事には色々な捕らえ方があるもんだな。
ファイヤー原田さん、キターーーーーーーーーッ
全日本キックの代々木大会は『ファイヤー劇場』で幕を開ける。もう、それだけでこの興行は成功したも同然だ。
とにかく原田の試合は、常にグダグダになりながらも熱い試合となる。リングインするや、四方に向かって押忍。試合前には大袈裟にファイティングポーズを構えて観客を盛り上げる。試合ではひたすら左フックを振り回し、試合が最終ラウンドまで行けば「勝つぞっ!勝つぞっ!絶対に勝つぞっ!」と観客をアジテイト。そして勝利を得た後は…文字通りのルンルン気分(死語)で、入場曲(麻倉未稀「ヒーロー -Holding Out For a Hero-」)に乗って酸欠になるまでスキップしまくる。その様は、とても地上波では放送できないシロモノだ。
麻倉未稀「ヒーロー -Holding Out For A Hero-」
まあつまり、総合格闘技でいえばミノワマンのような存在である原田。その超人っぷりは正直、ミノワマンを遥かに凌駕していると思うのだが…ハッキリ言って、彼の存在は富士山と同じようなモノ。一度も登らないバカ、二度登るバカというかね(苦笑)。ま、僕は「何度も登るバカ」になってしまっているけどね。
まず、試合が成立するかどうかが心配
う〜ん、このカードって、試合として成立するのかなぁ?
上の文章の中にも書いたけど、ボクシングの東洋ランカーの経験を持つ梶原に対し、原田は興奮すると左フックしか出せなくなる選手。確かに原田は観客を盛り上げるという意味では面白い選手ではあるけど…正直、実力差が大きすぎる気がするね。原田が持ち味を出せないまま一方的に負ける可能性も充分にありうる、というか。
でもまあ、そんな下馬評を覆すような大健闘をするのが原田という選手の魅力でもあるんだけど…、さすがに梶原が相手では、そんなことは起きない気がするなぁ…。
大舞台で組まれたリベンジ戦 復讐か?返り討ちか?
第二試合 Kick Return 準決勝戦 60kg契約 3分3R + 延長3分1R
石川直生(青春塾/全日本スーパーフェザー級 王者)
山本真弘(藤原ジム/全日本フェザー級 王者)
自分が大好きなこの男、今回は勝利の美酒に酔えるか?
Kick Return の主役は、この試合に出場する石川直己…になるハズだった。
フェザー級でありながら176cmという長身の持ち主である石川は、その体格を活かした首相撲からの肘打ち、そして膝蹴りが得意技。このところは激闘が続いており、今年はワンロップ・ウィラサクレック、梶原龍児といった強豪と対戦し、いずれもドローに持ち込んでいる。特にワンロップとの闘いでは、あの「切り裂き魔」を逆にカットすることに成功。以前は「知名度に比べて、実力が追いついていない」と言われることも多かった石川だが、今年の闘いぶりはその陰口を一蹴するには充分だろう。
そんな中、昇り調子の石川に歩調を合わせるかのように Kick Retrun が開幕。石川が王者であるSフェザー級にもっとも近い体重で行なわれるこのトーナメントには、石川と関係の深い選手が続々と参戦。前述のワンロップ(後に欠場)と梶原はもちろんのこと、他にも以前、接戦の末に敗れている大宮司進や、IKUSA-U60の決勝戦で逆転負けを喫した山本真弘、Sフェザー級王座を争い撃破した前田尚紀の名前も。これは石川にしてみれば、決着戦やリベンジの機会を大量に与えられた、といえるだろう。これが Kick Return の主役と呼ばれる所以である。
石川は一回戦で、K-1 MAXなどで活躍する「小さな巨人」村浜武洋と対戦。ダークホースを相手した石川の試合ぶりが期待されたが…。試合は盛り上がりに欠ける展開となり、噛み合わない攻防が散々に続いた末に判定勝利を修めるも、期待を裏切る結果にファンからは失望の声も少なくなかった。そして、何よりこの結果に落ち込んでいたのが、他ならぬ石川自身である。そんな中、準決勝では山本真弘へのリンベジの機会を得た。石川の思いは並々ならぬものがあるだろう。
ちなみに芸能事務所であるオスカーに所属するモデルでもある石川は、自他共に認めるナルシスト。入場時の水を噴くパフォーマンス、肘打ちで相手をカットした時の肘のアピールにその片鱗が見てとれる。自分に酔えば酔うほど強くなるタイプである石川、山本を相手に得意の肘アピールを出すことはできるのか?
ついについに、長いスランプを抜けた「スピードスター」
全日本キックが誇る「スピードスター」山本真弘は、体を大きく振りながら前進し、相手のパンチをかわしつつ前に出て行くスタイルが魅力の選手なのだが…。
実はこの山本、最近までスランプに陥っていた。昨年1月、強豪である山本元気との「W山本対決」を制してフェザー級王者になったのもつかの間、王座のお披露目となった昨年3月のワンロップ・ウィラサクレックとの試合では、圧倒的なスピードを誇る山本を更に上回るスピードの持ち主、ワンロップが山本に人生初のKO負けをプレゼント。
ワンロップ・ウィラサクレック vs 山本真弘(前編)
以来、山本はムエタイ選手を相手に連敗が続き、日本人を相手にしても精彩に欠ける試合が続くことになる。特に藤原あらしとの「フェザー級 vs バンタム級、王者対決」では、前半こそキレ味鋭いストレートで藤原からダウンを奪うも、後半はスタミナ切れを起こして藤原の左ミドルを喰らいまくってしまう。その不甲斐ない試合ぶりには、ファンから多くの厳しい野次が浴びせられていた。既に一年半以上もスランプが続いている山本、IKUSA-U60を制した時の、あのキレキレの動きはもう戻らないのか…。
そんな中、フェザー級王者ということもあり、ギリギリの線で Kick Return への参戦を果たした山本。一回戦ではパンチの技術には定評のある大宮司進と対戦する。「相手はシルバーウルフ(魔裟斗の所属ジム)のNo.2、今の山本では勝てないだろう」という評判も流れたが、いざ蓋を開ければ山本は持ち味のスピードで大宮司を圧倒。攻撃をかわしつつキレのあるパンチを浴びせ続け、大宮司に何もさせないままKO勝利を奪ってみせた。その圧倒的な動きは、IKUSA-U60を制した頃の全盛期の山本の姿そのものだった。そう、山本はついにスランプを脱出したのだ。
「賞金がかかった僕は1.5倍ぐらい強い」と豪語する山本。長いトンネルを抜けた男が二度目のトーナメント制覇に挑む。
展開の予想
この試合、実は2年前に行なわれたトーナメント、IKUSA-U60の決勝戦と同じカードである。この時は肘なしルールの中、試合は終始石川が遠距離からの攻撃で圧倒するも、山本は3Rにパンチを捻じ込んで逆転勝ちを修めている。だが今回は石川の得意な肘ありルールによる試合。山本は首相撲に弱い一面も持っているので、これらのデータだけを集めると石川有利ということになるだろう。
だが山本のスピードは、これらのデータを覆す程の大きな武器。もし、大宮司戦における圧倒的なスピードを持続できていれば、この試合を制するのは山本だろう。試合のペース自体は石川が握るものと思われるが、スピードを乗せた山本の一撃が一発逆転を呼び起こす…って展開になるんじゃないかなぁ。
存在が伝説の男 vs 伝説を作り上げた男
第三試合 Kick Return 準決勝戦 60kg契約 3分3R + 延長3分1R
大月晴明(AJKF/WPKC世界ムエタイライト級 王者)
前田尚紀(藤原ジム/全日本フェザー級 一位&元王者)
正念場を迎えた「存在が伝説の男」
一昨年の一月における小林聡までの大月晴明は、全日本キックの金看板だった。
小林を壮絶なKOで破った時の大月の戦績は18戦18勝無敗16KO、KO率は89%。富木流の合気道を格闘技のベースに持つ大月は、殆ど構えらしい構えをとらずに相手に接近するのが特徴だ。そして一発でもその豪腕がヒットすれば、一撃で相手を倒してしまう。この頃までの大月の強さは神憑り的であり、特に藤牧孝仁と崔永益を裏拳一発で連続KOしたあたりが強さの最高潮だったように思う。
大月晴明 vs 増田博正(一回目)
※注:かなりのグロ動画です
だが、そんな大月にも転機が訪れる。小林との試合後、大月は燃え尽き宣言をしてリングを遠ざかる。そして一年のブランクを経てタイで復帰するも、ムエタイ戦士を相手に初の敗北を喫してしまう。それでもその後は日本で勝利を重ねたが、今年三月には上記動画にある増田博正にもリベンジを許してしまい、直後の二度目のタイ遠征でも敗北。復帰後の大月の戦績は、このトーナメントの一回戦を含めても6戦3勝3敗2KO。かつての大月の姿を思えば、もう目を覆うばかりだ。
スランプの中で、大月は必死にもがいている。Kick Returnの一回戦では難敵、カノンスック・ウィラサクレックと対戦。序盤から大振りなパンチを連発した大月はスタミナ切れを起こし、カノンスックの猛反撃を前に防戦一方に。それでも5R、大月は残りの体力を振り絞ってパンチを連発し、どうにかダウンを奪って逆転勝利を修めた。
「『一撃』がダメなら、数で勝負だっ!」、必死になってパンチを振るう大月。かつての彼のスマートな闘いぶりからは想像もつかない姿だったが…。それは、小林戦で燃え尽き、未だに試合勘が戻らない彼の出した、一つの結論なのかもしれない。
「伝説を作り上げた男」、しかし彼には関係のないこと
前田尚紀の別名は「闘う修行僧」。確かに、彼のことを語るには、この一言だけで充分だろう。だが、彼の魅力はこの一言では語れない。
kamipro Handに連載中の橋本宗洋氏のコラムによると…。元々、鹿児島出身の前田は、農業専門学校でトラクターの運転免許を得るために茨城に引っ越してそうなのだが、この時に藤原ジムの門を叩いた前田は、以来ジムの奥の一角の四畳半で寝泊まりしているという。趣味らしい趣味を持っていない前田は、ジムで目を覚まし、ジムで汗を流し、またジムで寝る…という生活を、もう十年以上も繰り返している。このあたりが「闘う修行僧」と呼ばれる所以なのだが、とりあえず「農業の話はどうなった?」という話はナシの方向で願う。
そんな彼が試合に挑む姿は、やはり非常に素っ気ない。着る物に対する拘りがまったくない前田は、練習用に履いているトランクスを、そのまま試合で使用している。ボロボロになったトランクスを見た師匠、藤原敏男が新しいトランクスを買い与えても、彼は頑なに同じトランクスを使い続けている。当然、自分用のガウンなどは持っておらず、既に36戦を数えるベテランだというのに…彼は今でもトランクス一丁でリングに登っているのだ。
入場曲はハイロウズの「青春」なのだが…後楽園では、歌い出しの「♪冬に覚えたー 歌を忘れたー ♪ストーブの中ー 残った石油ー」の「石油」の部分が歌われる頃には、もうリングインしてしまう。そして試合に勝利した後も、前田はロクに勝利者撮影に応じることはなく、仮に応じたとしても、顔はいつもうつ向き加減。勝利者インタビューに応じても言葉は少なく、出てくるのは反省ばかり。とにかく前田という男は、今時の格闘家にしては珍しい程に「自分を華やかに魅せる」という気概が皆無なのだ。
ハイロウズ「青春」
「『ストイック』と『唐変木』は紙一重」という感じの前田だが、その試合スタイルは…文字通りのインファイター。試合中はひたすらすごい圧力で、藤原敏男譲りのワンツー〜右ローを繰り返すのみ。伝説となった梶原龍児との試合でも、たとえダウンを奪われようとも体力を失おうとも、彼はただただ自分のスタイルを貫き通して勝利を手にしている。そして、どんなに凄い試合をした後も、彼はロクにマイクも握らず、勝利者撮影にも応えずにリングを去ってしまう。
前田尚紀 vs 梶原龍児(後編)
全日本キックの象徴的存在だった「野良犬」小林聡をして、「もう少しくらいは、華やかな存在になって欲しい」という理由で、自信の引退試合の相手として指名したというエピソードを持つ前田。色々と文章は書いてきたが、彼のことを知るには「実際に試合を観るしかない」ということである。百聞は一見に如かず。
展開の予想
前田の接近戦を得意とし、大月の闘いの間合いは中距離。どちらの間合いの時間が長いかが、試合の行方を左右する…といった展開になるのだろう。そんな中、今の前田には伝説を作り上げた勢いがあり、反対に大月はスランプに喘いでいる。
だが、それを考慮しても…正直、相性から考えると、大月の方に分があると思う。積極的に前に出る闘いを身上とする前田の存在は、カウンターを得意とする大月にしてみれば「組みし易し」。ひょっとしたらこの一戦が、大月のスランプ脱出の切欠になるかもしれないね。
今回の中村には「絶対に負けられない理由」がある
第四試合 日本vsロシア国際戦 75kg契約 3分3R + 延長3分1R
中村高明(藤原ジム/全日本ミドル級 王者)
キセレフ・キリル(ロシア/KOYUジム)
この人、負けた試合の方が印象に残るんだよなぁ…
中村高明という人は『苦労人』である。
188cmという長身の持ち主である中村の得意技は、その体格通りに首相撲からの肘打ちと膝蹴り。あとは鯖折り。そして彼はこれまで、吉武龍太郎や濱崎一輝といった実力者を下している。正直、この階級であるなら、全日本キックにおいては彼の敵はいないだろう。
では何故、彼は『苦労人』なのだろうか?答えは簡単。団体内に敵のいない彼は、何かと強豪の外敵と当たり、壮絶に散っていくことが多いのだ。かつては武蔵の弟・TOMOに惨敗し(この時のTOMOの強さは鬼神のようだった)、ゲンナロン・ウィラサクレックには肘打ちで顔面中を切り刻まれ、その直後にはプラーブスックレック・シッサンタットに額を裂かれ…。気がつけば、中村は「顔中を血だらけにしながら、額にタオルを巻くのがもっとも似合う男」になってしまった。
キセレフって強いんだろうなぁ、きっと
そんな中村が、またしても外敵と対戦。僕はキセレフ・キリルという選手をまったく知らないが、なんでもこれまでキックで無敗なのだそうな。情報はないけれど、彼はロシア出身の選手なので…恐らくはアルトゥール・キシェンコのように、荒削りながらもパンチをブンブンと振り回すタイプの選手だと思われる。
常にラッシュを仕掛けてくるキセレフを前蹴りで遠ざけ、至近距離では首相撲…ってな展開になれば、中村が難なく勝つであろうが、問題はキセレフのパンチを中村が捌けるかどうか、だろうなぁ。
それでも中村は、この日だけは絶対に勝たなくてはならないのです
しかし中村は、この日は絶対に勝たなくてはならない、絶対に。何故ならこの10月25日は…、中村の奥さんの出産予定日なのだ。記者会見では「一日も遅く産まれてほしい」「試合後は病院に直行します」など、なんだか景気の悪い言葉を連発した中村だが、生まれてくる子供の為にも、ここは激勝して欲しい。くれぐれも相手にボコボコにされて、「試合後に奥さん(&赤ちゃん)の待つ病院に直行」なんてことにはならなければ良いが…。
まだ世界には遠いけど…K-1 MAXにおける、日本人戦線の明日を占なう一戦
第五試合 K-1 WORLD MAXルール 70kg契約 3分3R + 延長3分1R
山本優弥(青春塾/全日本ウェルター級 王者)
尾崎圭司(チームドラゴン/K-1 MAX 日本代表決定トーナメント'07 三位)
微笑みの神童、ここにあり
全日本キックでは「微笑みの神童」と呼ばれた山本優弥も、なんだかんだで23歳となった。
デビュー当初は、「新空手優勝」の実績を引っさげて全日本キックを荒らしまわっていた優弥だが、満を持して登場したK-1では二度の右肩の脱臼を経験。地獄を見たが、最近は肉体改造により脱臼癖を克服。今年5月には「ヒットマン」湟川満正を下して念願の王座を奪取し、完全復活をアピール。
天性のコンビネーションに加え、肉体改造によってパワーも増した優弥。高谷裕之を相手に、アカンベーをしまくった茶目っ気と度胸を代々木でも発揮する事はできるのか?
小比類巻貴之、澤屋敷純一、そしてここにも「チームドラゴン」の実力者が
対するのは、優弥とは入れ違いでK-1 MAXで活躍している尾崎圭司。
昨年は激戦を勝ち抜き、K-1 MAXへの登龍門となっているR.I.S.E.のDead or Aliveを制し、今年のK-1 MAX 日本予選では、SBのトップ選手である宍戸大樹からダウンを奪って判定勝利。知る人ぞ知る存在だった尾崎が、いよいよ頭角を現してきた。
テコンドー出身の尾崎は、派手な回転技がクローズアップされがちだが…、実は一発の打撃の破壊力が強いのだ。反面、前半から飛ばしすぎるが故にスタミナに難があるのだが…今回は3分3Rによる試合という事もあり、その心配はないだろう。
展開の予想
う〜ん、まあ「序盤から乱打戦!」なんてことはないだろうな。多分、尾崎は序盤から積極的に打撃を出すも、優弥はガードを固めながら様子を見て、得意のボディとミドルでスタミナを奪う。んで、尾崎が後半に失速してから、優弥がヘラヘラ笑いながら打ち合いに応じる…ってな展開になるんじゃないかなぁ。恐らく、判定で優弥が勝つと思う。
あまりにも残酷なマッチメイク、それでも藤原に勝って欲しい
第六試合 日本VSタイ国際戦 55kg契約 3分5R
藤原あらし(S.V.G./全日本バンタム級 王者)
ワンロップ ウィラサクレック(タイ/WSRフェアテックスジム/M-1バンタム級 王者)
「燃え」と「萌え」を併せ持つ男、それが藤原あらし
ハッキリ言って…藤原あらしという男は強い、非常に強い。
体は小さく、顔は童顔。そんな「かわいらしい見た目」でありながら、試合になれば無尽蔵のスタミナをベースに5Rぶっ通しで左ミドルを放つ男、それが藤原あらしである。たとえ一見さんであっても、全身を使って力強く放たれる左ミドルを見れば、彼の虜になることは間違いないだろう。
最近はパンチにも磨きをかけた藤原。今年8月には昇り調子の寺戸伸近を、本来の得意技である左ミドルで戦闘不能に追い込むと、力強いパンチでトドメを刺して圧勝。キック界バンタム級No.1決定戦、MACH 55 1st優勝の肩書きは伊達ではないのである。本当に彼は、強い男なのだ。
日本キック界に存在する「新たなる怪物」、それがワンロップ
だが…、全日本キック連盟はなんという残酷な団体なのだろう。藤原あらしの対戦相手は、あのワンロップ・ウィラサクレックだというではないか。
ムエタイの殿堂・ルンピニーでも活躍していたワンロップは、かつて藤原に「人生初のKO負け」という屈辱を与えた選手なのだ。本来の階級であるバンタム級では相手がいない為、日本では一階級上のフェザー級での闘いが続いているワンロップ。「切り裂き魔」と呼ばれる程にキレ味のある肘打ち、そして山本真弘を完全KOしたパンチのキレはハンパではない。
最近ワンロップは、藤原と並ぶ日本バンタム級の実力者である米田貴志を相手に、あっさりと二連勝。特に今年9月に行なわれた二度目の対戦では「切り裂き魔」の肩書き通りに、左肘一発だけでカットとダウンを同時に奪って勝利している。
あまりの強さに「バンタム級でワンロップに勝つ日本人が出れば、賞金100万円を贈呈する」という話のあるワンロップ。その恐るべき実力をベースに、再び藤原をKOしてしまうのか。
ワンロップ・ウィラサクレック vs 歌川暁文
ワンロップ・ウィラサクレック vs 山本真弘(後編)
展開の予想
正直な話、藤原がワンロップに勝つ姿が想像できない。
とにかく、前回の対戦でワンロップの圧倒的な強さを観ているだけに「何をすれば、藤原はあのバケモノに勝てるんだろう?」というのが本音。「ギアを上げた時のワンロップの嵐のようなパンチ&肘打ちを、藤原がどうしのぐのか?」が、まずポイントとなるだろう?
本当は、藤原の強烈な左ミドルの連打に合わせて、代々木の観客が一体になって「Oi!! Oi!!」と叫べるような展開を期待しているのだが…ちょっと難しいかなぁ、というのが正直なところなんだよなぁ…。
………。
勝ってくれえええぇぇぇっ!
あらしいいいぃぃぃっ!
カードが決まっていないものは書けません、でも書きます
第七試合 決勝戦 60kg契約 3分5R(延長1R)
第二試合の勝者
第三試合の勝者
展開の予想
僕の予想では、決勝に残るのは大月と山本か。
う〜ん、圧倒的なスピードで山本が圧倒する気がするし、大月には一発逆転の豪腕カウンターもあるし。予想が難しいなぁ。とりあえず、山本が勝利した方が面白そうなので、勝者は山本にしておこうかな。