SHURE V15 TYPE IV(JICO ボロンSAS交換針) レビュー
レビュー3弾目は結構付き合いの長いこのカートリッジです。
2019年5月中古針折れジャンク現状渡し品を7000円で、
JICOにてボロンSAS交換針(JICO VN-45HE SAS/B)を15000円で購入。(合計22000円)
導入経緯:
当時Twitter上で導入している例をよく見ていて、
スタイラス形状の調べ物をよくしていた時にSAS、マイクロリッジが気になっていた矢先に購入。
ジャンクMMカートリッジを交換針でSAS化する方式。
音質レビュー:
弱ドンシャリでこの時代のMM特有の性能なのか低域の音数が減って鈍くなった印象の音。
MC型を聞いた後では本当に低音のあるべき音が出力できていないような不思議な感覚。
高域はサ行途中にピーク感を感じ、超高域は音は出ているが荒々しく解像感は感じられない。マイクロリッジ系の新品SAS針特有の内周歪みを感じさせないトレース能力。
大振幅に強くトラッキングアビリティは80umまで歪まなく非常に安心感がある。
音場はそこまで広くなく、スピーカーの外側の広がりは感じにくい。
ノラ内周はほんの少ししか歪まない、スメタナまあまあ耐える、フラメンコピーク若干歪む。
指標:
解像感:★★★
高域 :★★★★★
中域 :★★★★
低域 :★★★★☆
耐内周:★★★★☆
大振幅:★★★★★
音場 :★★☆
ウォーム クール
音色 :★★
(五個で満点、☆で0.5点)
総評:
安く過去の名機を現代風にリフレッシュとトレーシング能力を向上させて体験できるのは面白い。
ただSHUREのMMタイプでは高域のピークが気になる特性になるため静電容量を大きくするなどして
高域を落としてフラット寄りに持って行く、少しトリッキーな運用も考えなければいけない。
個人的にはやはり低域の情報量の低下が気になり、普段はあまり使用していない。
過去に一時期JICO SAS針はボロンの供給不安定化により、ルビー、サファイヤカンチレバーで出していたが今は解消されボロンカンチレバーで手に入る。
トレーシング動画
https://x.com/i/status/1660994057609572357
仕様(公式):
型式 MM型カートリッジ
針型式 SAS
出力 4mV(1kHz、5cm/sec.)
周波数特性 10Hz~25kHz
チャンネルセパレーション 25dB(1kHz)
チャンネルバランス 2dB以内
チャンネルセパレーション 25dB(1kHz)
チャンネルバランス 2dB以内
適性針圧 1.25±0.25g
負荷抵抗 47kΩ
負荷容量 200~300pF
自重 6.4g
JICO 商品ページ
https://jico.online/product/vn-45he-sas/
JICO 商品ページ
https://jico.online/product/vn-45he-sas/
Victor MC-1 レビュー
レビュー2弾目は使用しているカートリッジの中で思い入れのあるこいつです。
2021年3月中古現状渡し品を購入。約2.2万円。
導入経緯:
前々から見た目が美しく音色も好みだったMC☆20Wを導入したが何か解像感や
トレーシング能力に不満を覚えていたところ、中古出物をたまたま発見しました。
アナログ系雑誌でAT-ART1000の開発経緯を読んでおり、値段もお買い得だったので購入に至る。
音質レビュー:
ストレートで演出感の無い音。溝奥からどんどん音を拾い上げていくそんな迫力がある。
年代物のシバタ針のためか若干高域にキツさと内周の歪み感が乗る。(新品の音を聞いてみたい)
音場は正確で実にまじめな音作りで定位感がカッチリしててブレが無い。
上記の傾向から感じられる音色としてもそっけない感じだが、
骨格の強い固さと繊細さが同居していてクール手前といったところ。
ダイレクトカップル方式のためカンチレバー自体は長いので振幅耐性はほどほど。
ノラ内周は少し歪まない、スメタナまあまあ歪む、フラメンコピーク歪む。
指標:
解像感:★★★★
高域 :★★★★★
中域 :★★★★★
低域 :★★★★★
耐内周:★★★★
大振幅:★★★
音場 :★★★
ウォーム クール
音色 :★★★☆
(五個で満点、☆で0.5点)
総評:
ダイレクトカップル方式のダイレクト感を気軽に楽しめる価格。
色々カートリッジをとっかえひっかえしてきた私のメインとして3年君臨しました。
シバタ針なのでスタイラスカッティング面が見づらくSRA調整が非常に難しいです。
コイル半導体を使って量産製品として安定的な製造設計ができたこの製品。
AT-ART1000は手巻きコイルと手巻き故の音響チューニングの手間で60万超えの超高級ラインとなってしまいました。
マス層の減少、半導体製造ラインの確保が不可能となった今もはやこの安定感と価格の両立は
ロストテクノロジーと言っていいでしょう。
中古購入の際はカンチレバーとコイルの接着剥がれ、コイル配線断線に注意しましょう。
後継機にMC-2E、MC-L10、MC-L1000等があります。
後継機にMC-2E、MC-L10、MC-L1000等があります。
仕様(公式):
型式 MC型カートリッジ
構造 ダイレクトカップル方式MC型
針型式 0.1mm角ダイヤモンド・シバタ針
出力 0.2mV(1kHz、5cm/sec.)
周波数特性 10Hz~50kHz
適性針圧 1.5±0.15g
コイルインピーダンス 30Ω(1kHz)
負荷抵抗 30Ω以上
自重 8.7g
Dynavector KARAT 17DX レビュー
初の試みのカートリッジレビューになります。
なるべく私が普段カートリッジを選定する上で気にしているポイントを指標にしました。
(五個で満点、☆で0.5点)
総評:
なるべく私が普段カートリッジを選定する上で気にしているポイントを指標にしました。
2023年7月新品で購入。約28万円。
導入経緯:
内周歪みに決定打が欲しく、最近流行りのダイヤモンドカンチレバーであり、
私が今まで体験して来て歪みが出にくく長寿命なスタイラスのマイクロリッジであること、
更にVictor MC-1を使っていた体験から発電体に近いKARATに絞り込みました。
試聴できるショップやイベント出品も無く、過去の雑誌のレビューや海外のレビュー、
試聴できるショップやイベント出品も無く、過去の雑誌のレビューや海外のレビュー、
Youtubeでの再生動画をよく観察しトレーシング能力に問題ないことを確認しました。
Dynavectorは代理店を持たない直営(何故か自転車も売っている)なので取り扱い店舗も少なく購入できるお店を近場で探すのに苦労しました。
音質レビュー:
若干穏やかな音色で艶が乗る、高域が大人し目。
中低域が艶と弾むような低域でEDMなどは生楽器のような謎アレンジされる印象。
内周トレーシング能力は安定しており、音捌きももたつくことなく音をすべて拾いきる。
大振幅に弱く60um以降から歪み始める。(おそらくカンチレバーが短いため)
音数が多いが、高域の伸びが少ないのでパっと聴きは少なく錯覚する。
音場は普通で広がり過ぎて中抜けすることもない。
ノラ内周は歪まない、スメタナ歪む、フラメンコピーク歪む。
指標:
解像感:★★★★☆
高域 :★★★★
中域 :★★★★★
低域 :★★★★☆
耐内周:★★★★★
大振幅:★☆
音場 :★★★
大振幅:★☆
音場 :★★★
ウォーム クール
音色 :★☆
音色 :★☆
(五個で満点、☆で0.5点)
総評:
狙い通り内周歪みの耐性は素晴らしく、今まで不安だった盤をすべて攻略してくれました。
ただレビューでは読み取れなかった艶が乗るような音色の演出感は必要ない気がします。
発電体に近いがダイレクトカップル側のダイレクト感はあまり感じられないので注意。
大振幅耐性がないのは残念だったが、カンチレバーが短い弊害を私が認識していなかったのが悪い。
大振幅耐性がないのは残念だったが、カンチレバーが短い弊害を私が認識していなかったのが悪い。
高域が伸びきらないのは純正の電流式フォノイコライザーだと解消するのでしょうか?
仕様(公式):
仕様(公式):
出力電圧:0.3mV(at 1KHz, 5cm / sec.)
チャンネルセパレーション:25dB 以上(at 1KHz)
チャンネルバランス:1.0dB 以下(at 1KHz)
周波数特性:20 - 20,000Hz (±1dB) 20 - 100,000Hz
コンプライアンス:15mm/N
針 圧:1.8 - 2.0g
インピーダンス:32Ω
推奨負荷抵抗:100 Ω以上
カンチレバー:1.7mm 長 φ0.25 ソリッド・ダイヤモンド
スタイラスチップ:70μマイクロリッジ
自 重:11g
トラッキングアビリティ:60um(非公式)