今週のスポットライト (43)
私、北沢オーストラリアにとって非常に気になることを取り上げてみる『今週のスポットライト』のお時間です。
先月末に映画、『告白』を観て参りました。初めて足を運んだ新宿ピカデリー、満席でした。
評判だけは耳にしていたものの、原作が“2009年本屋大賞”を受賞したベストセラーだということや公開早々に興行的にも成功していることなどつゆ知らず。
前方の座席しか空いていなかったので視覚的に厳しいと思ったんですが、いざ始まってみますとそんなことを気にする暇もなかったです。圧倒的な画力と重苦しい音楽を前にしてあっという間に持って行かれてしまいました。
あとは終始、とてつもない緊張感の連続です。
思春期に差しかかる中学1~2年生であったり過剰な母子関係であったり命の重さであったりとそういう食いつき易い要素が軸を成しつつ、物語が展開して行くうえで一分の隙もない訳ではなく、また凄惨極まりない場面も少なくないんですがもの凄く面白かったです。日本映画を代表する1本ではないでしょうか。それは観ている本数自体が少ない中での話ですけれども。
そして、愛と覚悟の物語だと思います。
これはもはや完全なる娯楽作品ですね。未だに胸に去来するものがあります、グサリと刺さるものがある訳です。
それにしても、ひたすら暗い画面構成の中で主演の松たか子さんの感情を抑えた演技が輝いております。