Stereolab / The First Of The Microbe Hunters (2000)
今月のStereolabはミニ・アルバムの『The First Of The Microbe Hunters』(2000)です。7曲入りですね。
ミニ・アルバムという体裁なので気軽に聴き直しているんですが、これは心地良い音ですね。改めて気に入りましたよ。良くも悪くも、前作の『Cobra And Phases Group Play Voltage In The Milky Night』(1999)よりもStereolabらしさが溢れかえっているんですから。
1990年代中頃、大好きな『Mars Audiac Quintet』(1994)前後の雰囲気が少なからず残っていまして、そこから進化したStereolabの姿が立ち上るという。勿論、『Dots And Loops』(1997)や『Cobra And Phases Group Play Voltage In The Milky Night』(1999)などの要素もしっかりと刻み込まれていますし、決してそれらが出来損ないだとかどうだとかでないんですけれどもね。
最初のM1「Outer Bongolia」からぐいぐいと引き込まれてしまいます。
単純なリフレインに華やかな音色の数々を重ねて行くだけで10分弱、Sean O'Haganと一緒に嬉々として音出しして行ったようなインストゥルメンタルなんです。
歌入りのM2「Intervals」、M3「Barock-Plastik」やM5「I Feel The Air (Of Another Planet)」となりますと懐かしささえ覚えるStereolab節が甦りつつ、新たな一面を打ち出している様子が窺えますよ。複雑なリズムときらびやかな上物が絶妙に混ざり合っています。
アナログ・シンセサイザー類に限らず、賑やかな音像が印象的ですね。
最後のM7「Retrograde Mirror Form」のみ1997年のシカゴ録音という訳で、例によってJohn McEntireが関わっています。かと言って、ほかの収録曲とはそれほど違和感はないですね。
必ずしも録って出しとは限りませんし想像していたよりも実験的ではなくてですね、いかにも“Space Age Batchelor Pad Music”な1枚ですよ。