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人形の生命

たかが人形劇───。所詮子供だましに過ぎないと言う先人の考えがあるが、低い高いというレベルの差で、人形芝居を論ずるのは、いささか短絡にすぎるような気がする。

人形と付き合っていると、どうして、人形はそんな単純なものではない。人形を仕事として、もう四〇年になろうとしているのに、いつまでたっても、人形は、仲々その正体を現してくれないのである。

古代から、魂が宿るもの──依り代──としての人形に対する人間の特別な思いは今でも引き継がれていて、人形芝居の中にも生き続けている。

人形芝居の中の人形にとっては、その役を演じている瞬間だけが、人生の全てであって、それ以外の人生は持っていない。その役を演じている時だけ、生命が吹き込まれて、唯一の人生を「ひたむき」に生きるのである。

一九八三年 七月  「三国志百態」より

川本喜八郎

川本喜八郎かわもと きはちろう

Kihachiro Kawamoto

1925年1月11日 ~ 2010年8月23日

川本喜八郎はアニメーション作家で人形美術家です。川本が作った人形たちの特徴は動くことで様々な表情を表し、個性を表現します。

人形アニメーション

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川本喜八郎の作品はアニメーションと人形劇です。1968年の「花折り」から始まり、2005年遺作となった「死者の書」までを紹介します。

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人形美術

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川本喜八郎の人形たちを紹介します。人形たちに込められた思い。さまざまな、そのひとつひとつを名場面とともにご紹介します。

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