アイラ・レヴィン『ステップフォードの妻たち』(ハヤカワ文庫) - 探偵小説三昧
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アイラ・レヴィン『ステップフォードの妻たち』(ハヤカワ文庫)

 昭和記念公園でチューリップ祭りをやっているとかで、弁当を持って家族でピクニック。チューリップの種類もいつの間にこんなものまで、というぐらい本当にビックリするぐらい変わったものがある。特に珍しく感じたのはレッド・ライディング・フード。日本語にすると「赤頭巾」ですな。興味あるかたは検索などかけて見てください。

 『マトリックス レボリューション』をDVDで視聴。今までの複雑な哲学的アプローチ、壮大なハードSFの世界が、スミスとの対決で一気に解決、ちゅうのはいかがなものか。数々のご都合主義は許しても、あれじゃ問題のすり替えだと思うけど。相変わらず絵は楽しめるが、連続する三作目ともなるとやはりストーリーに破綻きたしすぎ。


 読了本はアイラ・レヴィンの『ステップフォードの妻たち』。
 郊外の美しい高級住宅地ステップフォードに引っ越してきた夫妻、ジョアンナとウォルター。女性も積極的に外に出るべきである、と考えるジョアンナは、気の合う友人を作って人生を謳歌しようと思っていた。しかし町の主婦たちは美しいが家事にしか興味のない女性ばかり。そんな主婦になりたくないジョアンナは、最近越してきたばかりの活動的な主婦たちと知り合い、女性のためのクラブ作りをめざす。だがやがてその友人たちも家事に励むようになる……。いったいこの町には何が起こっているのか、そして次は自分の番なのか……?

 おそらく本書が書かれた時期はウーマン・リブ運動がピークの頃だったと思うが、レヴィンがそれに触発されて書いたであろうことは容易に想像できる。そしておそらくは、そのエキセントリックな活動に一言チクリと言っておきたかったと、まあ、そういうことではないのだろうか、本書は。
 ステップフォードで何が行われているのか、焦点はそれに尽きるのだが、そのアイデアがなんともバカっぽいというか企画倒れというか。文章は読みやすいしサスペンスを盛り上げる手腕は見事、伏線も上手く張っている。だが肝心のネタがこれでは腰砕けもいいところだ。アイラ・レヴィンはホントに作品ごとの出来不出来の差が激しすぎる。なんとも不思議な作家である。


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Author:sugata
ミステリならなんでも好物。特に翻訳ミステリと国内外問わずクラシック全般。
四半世紀勤めていた書籍・WEB等の制作会社を辞め、2021年よりフリーランスの編集者&ライターとしてぼちぼち活動中。

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