山田風太郎『人間臨終図巻III』(徳間文庫) - 探偵小説三昧
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山田風太郎『人間臨終図巻III』(徳間文庫)

 『キル・ビルVol.1』をレンタルして観る。日本を舞台にしていると、どうしても日本の描写が正しくなされているかということにのみ目がいきがちで、純粋に映画そのものの出来という点で語られることは少なくなる。これはやっぱり致し方ないことなのだろう。大きく異なる文化を扱い、まさにその点が主題にもなっていることがほとんどなので、そもそもこの解釈を間違っていては困るわけだ。『ラスト・サムライ』は侍の精神性を扱っていたので、その意味で弱点が目立つ映画であった。
 では『キル・ビルVol.1』はどうか? こちらはヤクザ映画が好きなタランティーノ監督が遊びに遊んだ作品ゆえ、やはり『ラスト・サムライ』と同系列で語ってはまずいだろう。随所に盛り込んだヤクザ映画や西部劇、カンフー映画のノリは爆笑ものだが、これを真面目にとる人はさすがに観ない方がよい。結果としてかなりオリジナリティのある世界を作り上げているので、将来カルト映画として語り継がれるのではないか、そんな気さえする。

 読了本は山田風太郎の『人間臨終図鑑III』。
ようやく全三冊読み終えたわけだが、ちょっとお腹いっぱいになりすぎ。ちなみに解説では、拾い読みもいいけれど一気に読み通したときの感慨云々、ということが書いてあったが、いやー、正味それはしんどいと思うけどなぁ。
 管理人としてはやはり夭折連発の『I』が重く、一番印象に残った次第。

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Author:sugata
ミステリならなんでも好物。特に翻訳ミステリと国内外問わずクラシック全般。
四半世紀勤めていた書籍・WEB等の制作会社を辞め、2021年よりフリーランスの編集者&ライターとしてぼちぼち活動中。

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