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『Re-Clam vol.7』、『Re-Clam eX vol.3』&『ミステリマガジン750号』
クラシックミステリの同人誌『Re-Clam vol.7』、その別冊の『Re-Clam eX vol.3』が先日到着。本日は『ミステリマガジン750号』を購入。
『Re-Clam vol.7』は森英俊氏とジョゼフ・カミングスの特集、『Re-Clam eX vol.3』はクロフツの短篇特集、『ミステリマガジン750号』は年末恒例「ミステリが読みたい!2022年版」である。
『Re-Clam vol.7』は相変わらず企画が面白い。ジョゼフ・カミングズの作家特集などはまあ普通だが(いや、商業誌では決して特集できるような作家ではないから、全然普通じゃないんだけど)、森英俊特集というのがやはり驚く。
森氏といえば、もちろん海外のクラシックミステリに関する紹介や翻訳などでその名は知られているし、その貢献度は素晴らしいと思うが、基本的には裏方、しかもまだまだ現役でやっている方だ。だから作家であればともかく、評論家や翻訳者あたりだとよほど高名な人でないかぎり特集されることはない。しかも最近は専門的であっても作家特集が組まれるのは亡くなったときぐらい。
そういった現状を踏まえたかどうかはともかく(笑)、今回の企画はかなり攻めていて面白い。まあ、『Re-Clam』はこれまでもシャーロック・ホームズのライヴァルだったり論創海外ミステリを特集するなど、メジャーどころが決してできない企画ばかり組んで楽しいかぎり。マニア相手の同人誌だから、そりゃあハードルが高いところもあるけれど、たとえ初心者であってもミステリ好きが読めばちゃんと面白いのである。なあに、多少わからないところがあってもネットで調べればいいし、それでもわからなければすっ飛ばして読めばよいいのだ。
ともあれ連載記事も含めて、非常に楽しくタメになる雑誌である。なお『Re-Clam eX vol.3』は短篇集なので、感想は別の機会に。
さて、一方の『ミステリマガジン』。ミステリ出版業界ではやはりメジャー的存在だが、その特集がマンネリすぎて本当に悲しい。
750号の特集は年末恒例「ミステリが読みたい!2022年版」。さすがにこればかりは企画云々を言ってもかわいそうだが、それにしてもベストテンに関しては後発なので、もう少し内容を工夫すべきだろう。現状は、ほんと、結果と投票者のコメントだけだなので、いくらなんでもスカスカすぎる。
ちなみに海外ランキングのベストテンでは、順位はともかくラインナップはほぼ予想どおり。でもいくつかは個人的に完全ノーマークだった作品もあって、なかでも『彼と彼女の衝撃の瞬間』は気になる一冊。
なお、1位は読んだばかりのアレでびっくり。
『Re-Clam vol.7』は森英俊氏とジョゼフ・カミングスの特集、『Re-Clam eX vol.3』はクロフツの短篇特集、『ミステリマガジン750号』は年末恒例「ミステリが読みたい!2022年版」である。
『Re-Clam vol.7』は相変わらず企画が面白い。ジョゼフ・カミングズの作家特集などはまあ普通だが(いや、商業誌では決して特集できるような作家ではないから、全然普通じゃないんだけど)、森英俊特集というのがやはり驚く。
森氏といえば、もちろん海外のクラシックミステリに関する紹介や翻訳などでその名は知られているし、その貢献度は素晴らしいと思うが、基本的には裏方、しかもまだまだ現役でやっている方だ。だから作家であればともかく、評論家や翻訳者あたりだとよほど高名な人でないかぎり特集されることはない。しかも最近は専門的であっても作家特集が組まれるのは亡くなったときぐらい。
そういった現状を踏まえたかどうかはともかく(笑)、今回の企画はかなり攻めていて面白い。まあ、『Re-Clam』はこれまでもシャーロック・ホームズのライヴァルだったり論創海外ミステリを特集するなど、メジャーどころが決してできない企画ばかり組んで楽しいかぎり。マニア相手の同人誌だから、そりゃあハードルが高いところもあるけれど、たとえ初心者であってもミステリ好きが読めばちゃんと面白いのである。なあに、多少わからないところがあってもネットで調べればいいし、それでもわからなければすっ飛ばして読めばよいいのだ。
ともあれ連載記事も含めて、非常に楽しくタメになる雑誌である。なお『Re-Clam eX vol.3』は短篇集なので、感想は別の機会に。
さて、一方の『ミステリマガジン』。ミステリ出版業界ではやはりメジャー的存在だが、その特集がマンネリすぎて本当に悲しい。
750号の特集は年末恒例「ミステリが読みたい!2022年版」。さすがにこればかりは企画云々を言ってもかわいそうだが、それにしてもベストテンに関しては後発なので、もう少し内容を工夫すべきだろう。現状は、ほんと、結果と投票者のコメントだけだなので、いくらなんでもスカスカすぎる。
ちなみに海外ランキングのベストテンでは、順位はともかくラインナップはほぼ予想どおり。でもいくつかは個人的に完全ノーマークだった作品もあって、なかでも『彼と彼女の衝撃の瞬間』は気になる一冊。
なお、1位は読んだばかりのアレでびっくり。
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Comments
Edit
太田博編集時代から1980年代後半までのミステリマガジンの内容が濃すぎたとか、出版不況や翻訳ミステリの読者減少とか要因が多々あるのは理解出来るとしても今のミステリマガジンの内容の薄さには怒りしか浮かばないですね。先日発行された瀬戸川猛資氏と松坂健氏の共著の素晴らしさを改めて味わっただけに更に。
Posted at 00:22 on 11 28, 2021 by ハヤシ
ハヤシさん
要因はいろいろあるのでしょうが、ではその状況でどう進むべきか、というところで方向性を誤り、迷走度合いが増した気がします。
2011年の1月号でしたでしょうか、たしか「相棒」特集をやったのですが、このあたりから他媒体のコンテンツに依存することが多くなりましたし、その分、結果的に純粋なミステリ・コンテンツが減少しています。
あとは自社出版物の販促系特集。テレビでいう番宣的な企画も増えてきています。こちらは新刊ありきの企画ですが、もうこうなると企画ともいえないですね。
なんだかんだ言ってもミステリ出版業界の盟主は早川でしょうから、もっと業界を引っ張るぐらいの企画や記事を期待したいものです。
Posted at 17:46 on 11 28, 2021 by sugata