2011年07月26日 - 探偵小説三昧
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探偵小説三昧

日々,探偵小説を読みまくり、その感想を書き散らかすブログ


Posted in 07 2011

マイケル・アプテッド『ナルニア国物語 第3章アスラン王と魔法の島』

 ケーブルテレビのVODでマイケル・アプテッド監督の『ナルニア国物語 第3章アスラン王と魔法の島』を視聴。
 原作の邦題は『朝びらき丸 東の海へ』。今更いってしょうがないし、のっけから文句をいうのも嫌なんだが、こういう長年にわたって親しまれてきたタイトルを、いくら映画化だからといって安易に変えるのは止めてほしい。最悪、訳が間違っていたとしても、これはこれで文化なんだよね。

 さて、中身の方だが、本作では四兄妹のうち、二男のエドマンドと次女のルーシーが登場する。これに従兄弟のユースチスが加わり、前作の重要キャラ、カスピアン王子とともに東の海を目指して航海するという物語。
 行く先々ではさまざまな冒険が待ち受けているわけだが、真の敵は自分の心の中にある、というのはいつもどおり。それぞれが持つ弱さを克服し、その先に幸せや成長があるという教訓バリバリのお話である。
 まあ、原作がそもそもそういう目的のために書かれているから、別にいいんだけどね(笑)。

 映画としてはまずまず上手くまとめているのではなかろうか。原作が長大なので、どうしても省略や舌足らずな場面は出てくるのだが、今作はそもそも冒険性やアクション性が強い話なので、ぎりぎりセーフといったところである。結果的にはテンポ良くストーリーも展開されるし、娯楽作品としては飽きさせない作りである。
 その分、逆に重厚さが犠牲になって、どうしても薄っぺらな感じも受けてしまうのがもったいないところだ。ユースチスの成長物語という側面が、ストレートながらけっこう悪くないだけに。

 ではお終いに重箱の隅。
・ルーシーとエドマンドがすっかり大きくなっていて吃驚。ハリポタ同様、子役が主人公のシリーズ物は時間との戦い。
・ルーシーの美的感覚やばすぎ。スーザン、そんなに美人じゃないから。
・っていうかワザとか、と思うぐらい美男美女が少ない映画。
・その分、アスランとリーピチープが男前。
・ユースチス役の子、はまりすぎ。
・リーピチープとユースチスの友情、もう定石どおりなのに泣かせる。
・ドラゴンとサーペントの対決、ファンタジー映画史上でもあまり例がないのでは。けっこう見せる。
・サーペントって元々海蛇、海竜の類だろうが、ラストでの変型はまったく別物。ちょっとアレ思い出した。パクリ?
・次作は原作の出版順と変えて『魔術師のおい』という噂アリ。ううむ、そんな順番で大丈夫か。


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Author:sugata
ミステリならなんでも好物。特に翻訳ミステリと国内外問わずクラシック全般。
四半世紀勤めていた書籍・WEB等の制作会社を辞め、2021年よりフリーランスの編集者&ライターとしてぼちぼち活動中。

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