1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/10/05(金) 23:14:32.65 ID:/tQRo+L10
それは、彼女たちがアマゾン奥地に生息する稀少な蝶だからなんだよ

というのは、文化論的視点から見ると
19世紀末英国ビクトリア朝時代における博物学ブームと
20世紀末日本における萌えキャラブームが類似していると考えられるからです




2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/10/05(金) 23:15:21.06 ID:tTiMTyu+0
なわけねーだろ


3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/10/05(金) 23:17:44.61 ID:/tQRo+L10
>>2
まあ聞け



10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/10/05(金) 23:23:59.18 ID:/tQRo+L10
まず社会状況から見てみよう
19世紀末英国の社会状況は概ね次のような感じだ
まず、なんといってもニーチェだろう。キリスト教の神が不在になってしまった
それまで確かな価値観であったはずの宗教が瓦解して、価値観が揺らいでいる時代だ
また、医学がまだ未発達で、疫病が強烈な猛威を振るい得た時代だった
ペストや結核やインフルエンザで人がごろごろ死ぬ。死への漠たる不安が日常の隣にあった



13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/10/05(金) 23:27:59.38 ID:/tQRo+L10
日常の生活には、希望がない。その代わりに陰鬱と倦怠がある
それなりの金と時間がある者は、どうしてもその陰鬱と倦怠に直面してしまう
それは正面からぶつかって、容易くどうこうできる物じゃない
じゃあどうするかといえば、もちろん逃避しかない
嫌な日常から遠く離れたどこか、「異界」へ逃避しようとする。それが当時の博物学ブームになった



12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/10/05(金) 23:27:17.41 ID:sdELEXKy0
>>10
その話長くなんの


16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/10/05(金) 23:33:39.70 ID:/tQRo+L10
>>12
うん、長い。考えながら書いてるしな

19世紀末は、個人での世界旅行が可能ではありながらも
未だ海の向うの外国には神秘を夢見ることが出来た時代だ
アフリカ、アジア、南アメリカの奥地にはまだ誰もしらない
不思議で素晴しい動植物や、蛮人の未開文化があった
個人の趣味でそれらを収集して自宅に「驚異の部屋」をつくるという
素人による博物趣味が隆盛した
今日の学問的な博物学、博物館のの萌芽でもある



17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/10/05(金) 23:38:05.07 ID:/tQRo+L10
素人の博物趣味が求めたのは学術的意義ではなく、あくまで、驚異、ワンダーとの出会いだった
見たこともない極彩色な蝶の標本を手に入れて、それに驚き、興奮する
同じ趣味の先人がまとめた図鑑を開き、そこに描かれた蝶を見つめて、驚き、憧れる



20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/10/05(金) 23:41:35.28 ID:/tQRo+L10
また、ワンダーは海の向こうだけじゃなく、手元にも見出すことができた
19世紀末は、名探偵シャーロック・ホームズの時代でもある
ホームズは犯罪捜査の手法として当時の最先端科学を用いていた
その象徴的な道具が、顕微鏡だ
今となっては当たり前だけど、当時は顕微鏡で拡大された世界は新世界だった
だから、顕微鏡で拡大されたミクロな世界の中にも、日常から隔絶した驚異があった



21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/10/05(金) 23:44:19.86 ID:/tQRo+L10
そのホームズがまさに、当時の時代精神を象徴するような博物趣味の持ち主だ
ワトソンが驚くような、未知の動物や植物や毒の知識を蓄えていて
さらに犯罪を博物学の対象として、その事件や犯人を集めていたのだ
また、読んだことがある人なら分かると思うが、ホームズが捕まえる犯人たちにも
自分だけの「驚異の部屋」をもったコレクター、博物趣味人はよくでてくる



26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/10/05(金) 23:46:17.45 ID:d34ocV/00
>>21
イギリスに現実・創作ともにありがちな、薬物中毒設定はどう生かすんだ?



28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/10/05(金) 23:50:10.62 ID:/tQRo+L10
さて、博物趣味人が欲しがる標本は、どんなものだろうか?
彼らは現実の倦怠から逃避して、驚異に溢れた博物趣味に耽溺しているのだから
もちろん、非現実的で、珍奇で、稀少な、かつ美しい標本が欲しい。そういうものを見たいし、所有したい
家の庭にいる鶏じゃなく、極彩色で奇妙な羽の形をした極楽鳥の標本が欲しい


>>26
それこそまさに退屈な現実から逃避じゃないか
逃避ための手段として、一つには麻薬での酩酊感があり、一つには博物学の驚異がある



29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/10/05(金) 23:52:58.96 ID:d34ocV/00
>>28
それらの陶酔から得られたインスピレーションを元に排出されたものを、
芸術だの新しい流行だの持ち上げている連中は、とんだバカだなw



31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/10/05(金) 23:55:33.65 ID:/tQRo+L10
ここでスレタイと>>1に戻る
「美少女キャラの髪がカラフルな理由は、彼女たちがアマゾン奥地に生息する稀少な蝶だから」
19世紀末の博物趣味人たちが、日常から遠く離れた色鮮やかな蝶の羽を愛でたのと同じ理由で
20世紀末(から現在に至る)萌えオタクたちは、日常から遠く離れた色鮮やかな髪の色を好む
100年と地球約半周を隔てているけど、ロンドンの博物趣味人たちと、アキバの萌えオタクは同じ人たちなんだ



34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/10/06(土) 00:02:24.24 ID:rQH0+Sk10
20世紀末の日本を思い起こすと、そこには19世紀末英国と類似した社会不安が停滞している
20世紀の日本人が信奉していた経済という神が、バブルが弾けて死んだ
働けば金が入って豊かになる、という経済大国日本の教義が破綻し、それまでの価値観は無意味になる
先の見えない不況と、先に待ち受ける超高齢化社会が喧伝される。しかし、解決策はなく、提示さえされない
現実はまさにクソッタレで、不安と倦怠と退屈に満ちていた
まさしく19世紀末英国と同じ状況がここに出現したわけだ
そして当然、同じように、その現実からの逃避が試みられる



35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/10/06(土) 00:06:43.15 ID:rQH0+Sk10
しかし、20世紀末の日本においては、外国は「異界」になり得ない
アジアやアフリカや南アメリカの奥地は、前世紀末に踏みつくされてしまった
そこは確かに外国ではあるけれども、「異界」になれるほど遠くない
博物学は学問として確立され、アカデミズムとして専門化されてしまっている
素人が夢を見るための手段にはなりえない



36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/10/06(土) 00:09:27.63 ID:rQH0+Sk10
地球上のどこにも、現実から遠く離れた「異界」が存在しない
そこで、20世紀末の日本人は、現実からの逃避場所として、フィクションの世界に「異界」を求めざるを得なかった



39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/10/06(土) 00:15:46.97 ID:rQH0+Sk10
19世紀末の英国人は、「驚異」を探して未開の地に逃避した
20世紀末の日本人は、「萌え」を探してフィクションの中に逃避した
その動機は、「現実の倦怠感からの逃避」であり共通したものだ
なぜ、英国人が「驚異」によって対抗した現実に対して、日本人は「驚異」ではなく「萌え」を選んだのか
その差異については別稿を待つことにして、ここではその共通性を指摘するに止めたい



40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2007/10/06(土) 00:23:26.79 ID:VnWcRqYX0
ふむふむ


41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/10/06(土) 00:24:19.30 ID:rQH0+Sk10
驚異を求める博物趣味人は、標本を収集する
昆虫の標本を集める。動物の剥製を集める。植物標本を集める。鉱石を集める。化石を集める
博物趣味人は、それらを並べて驚異の部屋を作る

萌えを求めるオタクは、グッズを収集する
アニメ、漫画、ラノベ、エ●ゲー、フィギュア
萌えオタクは、それらを並べてオタクの部屋を作る



44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/10/06(土) 00:29:51.59 ID:rQH0+Sk10
博物趣味人も萌えオタクも、それを「見る」。そしてテクストとして「読み解く」
19世紀末も20世紀末も近代以後であり、そこにはパノプティコンが象徴する視線の権力の構図がある
支配的な視線によって、その対象を見る。この権力の構図は、二つの文化の重要な共通性だ



45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2007/10/06(土) 00:37:12.14 ID:VnWcRqYX0
ふむふむ


46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/10/06(土) 00:39:50.19 ID:rQH0+Sk10
博物標本は、それを「見る」ことで「驚異」をもたらす“だけでなければならない”
こちらだけが一方的にそれを見て、そこに「驚異」を見つけて楽しむだけのものなのだ
標本対象は決して、こちらの現実生活を害するものであってはならない
昆虫は、綺麗な羽という驚異だけでよい。家の中を飛び回って、毒の針を刺してきては困る
蛮人は、未開の風俗という驚異だけでよい。その吹き矢に毒を塗って襲ってきては困る
博物趣味人は看守という支配者であり、標本は囚人という被支配者という構図を保たねばならない
博物趣味人と対象は、対等の関係で付き合う物ではないのだ



47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/10/06(土) 00:43:58.69 ID:rQH0+Sk10
同じく、オタグッズはそれを「見る」ことで「萌え」るだけのものでなければならない
こちらだけが一方的にそれを見て、そこに「萌え」を見つけて楽しむだけのものなのだ
それらもまた、こちらの現実生活を害するものであってはならない
アスカが現実のこちらを見て、軽蔑を露わに罵倒してきては困る
ルイズの下僕として労働を強制されたり、爆発させられては困る
萌えオタクも視線の支配者であり、萌えキャラは強気なツンデレキャラであっても視線の被支配者だ
やはり、対等の関係で付き合う物ではない



49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/10/06(土) 00:49:01.45 ID:rQH0+Sk10
少年時代のサルトルは図鑑に描かれた蝶の美しさに比べて
現実に捕まえた蝶がそれほど美しくないのでがっかりしたらしい
このような倒錯はまさに博物趣味の極地といえるが、萌えオタも同じ倒錯に耽溺している
フィクションの中の美少女キャラの萌えに比べて、現実の女性たちはそれほど萌えない



51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/10/06(土) 00:55:22.89 ID:rQH0+Sk10
博物趣味人も萌えオタクも、人々の中にあってはアウトサイダーだ
分けの分からないものを集めて喜んでいる。その為に金を注ぎ込んでいる
その趣味をもたない人にとっては、奇人変人、アヤシイ人だ
そこで、アウトサイダーはアウトサイダーたちだけで集まる
共に鑑賞し、交換し、語り合い、情報を共有し、独自のマーケットを築く



52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/10/06(土) 00:58:24.55 ID:rQH0+Sk10
また、博物趣味人も萌えオタクも、室内に引きこもるのを好む
博物趣味者は標本採集に積極的に出かけるじゃないか、と思うかもしれないが
それはグッズを買うためにショップまで出かけるのと一緒だ
博物趣味の本質は、海外の森の中での昆虫採集にあるのではなく
捕まえた昆虫を虫ピンで留めて、室内でそれを眺めることにある



54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/10/06(土) 01:11:14.15 ID:rQH0+Sk10
博物趣味人にとって、新奇な色彩や形が驚異の記号となったように
萌えオタクにとっても、新奇な色彩や形が萌えの記号となる
現実から遠く離れるために、萌えキャラの髪の色はカラフルになる
その髪型という形にも、アホ毛や、あり得ない長さや形が必要になる
目の大きさ、顔の造り、全身のスタイルも、倦怠した現実から離れたものでなければならない
これらは偶々、恣意的に記号として確立されたのではない
現実から遠く離れた「異界」を特徴づけることが出来るからこそ、記号として機能できるのだ

それゆえに、「そんなキャラは現実にはいない。馬鹿馬鹿しい」という
一般人からのありがちな批難は、的外れで意味がないものだ
現実にはいないという、その点に意味があるからだ
現実にはいない、日常には存在しないから“こそ”、そういう色や形を採用しているのだ
恐竜の化石は、既に恐竜が絶滅しているからこそ、ロマンがあるのと同じことだ



57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/10/06(土) 01:19:04.30 ID:rQH0+Sk10
現実から逃避するための「異界」としての、「萌え」
「異界」を演出する記号として、カラフルな髪色や再現不能な髪形が利用される
この事は、萌えキャラのその他の特徴にも当然当てはまる

「実際に妹がいると、妹萌えがわからない」または「実際に姉がいると、姉萌えがわからない」
「異界」としての「萌え」という視点を導入すると、これらは当然のこととして理解できる
現実に姉妹がいるのであれば、姉妹という特徴は「異界」にならないからだ
姉妹が実際にはいないからこそ、姉キャラや妹キャラは、現実から遠く離れた
「異界」を演出する記号として機能するようになるのだ



59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/10/06(土) 01:20:46.56 ID:vNsu3Gwa0
なるほど、「異界」である「非現実的にカラフルな髪の色」に憧れてるんだな


60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/10/06(土) 01:23:09.14 ID:fjhh+nj80
コピペして提出したら大学12年の教養の講義の単位くらいならきそうだな。



69 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/10/06(土) 01:31:58.20 ID:rQH0+Sk10
19世紀博物趣味人=20世紀萌えオタクであるから
彼らはコレクションやコミュニティの構築以外にも、共通した行動に出る
彼らはまず最初に「驚異」をあるいは「萌え」を集めた。集めに集めて、ある程度の量になると、どうなるか
当然、集めたものの分類をはじめる

博物趣味人たちは、虫や動物や植物を集めていたので、それらの分類をはじめた
界、門、綱、目、科、属に分類していった。遺伝という自然界の法則があったお陰で、これは中々上手くいってくれた

萌えオタクたちは、萌えキャラを集めていたので、やっぱりその分類をはじめた
「姉」「妹」「幼馴染」「お嬢様」「ツンデレ」「素直クール」「ショートカット」「ロング」「ツインテール」「お嬢様」
遺伝のような法則がないからか、系統立てに今のところ成功してはいないが、とにかく分類をはじめたのだ
萌えオタクは博物趣味人とある意味「同じ人種」であるから、このような博物学的分類は必然といえるだろう




70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2007/10/06(土) 01:34:56.80 ID:17De3QC60
分け方に統一性がないもん。

「姉」「妹」「幼馴染」のような“関係”
「お嬢様」のような“ステレオタイプ”
「ツンデレ」「素直クール」のような“性格”
「ショートカット」「ロング」「ツインテール」といった“外見”

全部同列に扱うからややこしくなる。



71 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/10/06(土) 01:39:46.07 ID:rQH0+Sk10
もちろん中にはネタスレもあるわけで、そのようなスレは別だ
新ジャンル「○○」スレの頻発は、まさにこのような分類作業の試行錯誤過程とも言えるだろう
ごちゃごちゃと集まっていただけの萌えキャラを分類し、更に今度は逆方向に
分類を地図代わりにして、その隙間や空白の中に新しい未知の萌えがあるのではないか
といわばトップダウンでの探索もはじまったのだ

さて、ある程度分類を終えた博物趣味人たちは、それを図鑑としてまとめたくなる
もちろん、精神的に同じ人種である萌えオタクもまた、それを図鑑としてまとめだした
「ツンデレ大全」や「ヤンデレ大全」のようなものを上梓したりしてしまうわけだ
一般人視点から見るとキモイことこの上ないだろうが
萌えオタク=博物趣味人だと考えれば、これもまた当然の行為といえるだろう




76 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/10/06(土) 01:56:55.63 ID:rQH0+Sk10
博物学的な分類と図鑑の出版は、いわば自然のテクスト化だ
もともと博物趣味人たちは、ただ生きているだけの昆虫や植物の中に
「驚異」を読み解いてきたわけで、既にその段階でも自然をテクスト化しているといえるわけだが
そのテクスト化を進行させて、実際の文書としてのテクスト化に手を出した

これと対比させてみると、萌えオタクのテクスト化は凄まじい
萌えの対象は自然物ではなく、元来、テクストとして作られたものだ
これをまずテクストとして、それに「萌える」という単純な読み解きをする
そして更に、萌えキャラの分類や「ツンデレ大全」のような出版をするわけだが
つまり元々テクストであったものを更にもう一段階、再テクスト化してしまうのだ

いわば、博物趣味人たちは山で見つけた植物を焼いて食べたのだが
萌えオタクたちは買ってきた煮物をさらに油で揚げて食べたようなものだ
なんともフェティッシュというか、変態的といえる
萌えオタクはテクスト化という行為をしたくて仕方なかったのだが、素の素材がないため
既にテクストであったものを更にテクスト化するしかなかったのだ


79 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/10/06(土) 02:06:51.00 ID:rQH0+Sk10
いや、萌えがブームになる前には、ある意味で素の素材はあったはずだ
それは、今では古くさい絵柄の、戦いと友情だけがメインの冒険譚やロボットモノだ
それらは萌えと同じメディアではあるけれども、「萌え」のためのテクストではなくて
元々は「燃え」のテクストとして作られた物だ。それを新たに「萌え」で読み解くということをしていた
が、19世紀の自然はただありのままに遠くにあっただけであるのに対して
20世紀においては資本主義や商業主義が「萌え」に介入してきて、萌えの商品がなされる
元々「萌え」のテクストが世に溢れ、それをさらに「萌え」のために再テクスト化する
揚げ物を更に油で揚げている




81 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/10/06(土) 02:20:18.79 ID:rQH0+Sk10
19世紀博物学時代の象徴的作品としては、前述のシャーロック・ホームズのシリーズが最も相応しいだろう
理由は3つある。一つは、当時の博物学ブームの人や風俗といった世相を描写しているから
もう一つは、ホームズによる「推理による犯人探し」がまさに博物学の精神、「驚異」であるから
証拠を集め、推理によって意外な犯人を提示し読者をあっと驚かせる。まさに驚異を楽しませてくれる
最後の一つは、ホームズのシリーズは、ワトソンの記録という形をとっているから
ワトソンが博物趣味人として、ホームズの活躍を対象に、それを収集して展示する、という形式をとっている
三種類の「驚異」をシャーロック・ホームズという一つの作品に詰め込んでいる。まさしくコナン・ドイルは天才だ





85 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/10/06(土) 02:36:41.09 ID:rQH0+Sk10
一方、萌えにおいて、萌え文化の象徴たるに相応しい
ドイルに比するに値する天才は未だ現われていないように思われる
敢えて挙げるとするなら庵野とエヴァンゲリオンかもしれない
エヴァンゲリオンの中に、確かに優れた萌えキャラは描かれていた
また、劇場版「死ト再生」において萌えキャラはただの萌えキャラなんだよ
というメタな形式を表現しようと試みていたようだ
しかし、博物学者を博物学的に記録したホームズばりに、作品として昇華されていたとはいえまい
社会的経済的な影響力といえば断トツであり、萌えブームの火付け役としては正当かもしれないが

ところが、今年からエヴァンゲリオンが再度劇場版としてリミックスされ、公開が始まった
新たなエヴァンゲリオンは、萌えブームにおけるシャーロック・ホームズになれるのか?
それはあなた自身の目で、劇場に行って確かめていただきたい

以上、ガイナックスの提供でお送りしました





87 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2007/10/06(土) 02:39:55.61 ID:VnWcRqYX0
( ゚д゚)ポカーン