出版社内容情報
石山賢吉(1882~1964)は経済雑誌『ダイヤモンド』を1913年に創刊、一代で現在に至るダイヤモンド社を築いた出版人である。1937年の東京市会議員当選を機に政治の世界に足を踏み入れ、1947年に日本自由党から衆議院議員となるが、同年公職追放の憂き目を見た。その後は菊池寛賞受賞、日本雑誌協会初代会長、東京新潟県人会会長と活躍したが、政治家としての側面は当選回数わずか1回ゆえ多く語られることがなかった。戦時下から敗戦後にかけていつの間にか政治と関わるようになっていく経緯を紐解き、メディア議員が社会のなかで生み出される回路を描き出す。
内容説明
一代でダイヤモンド社を築き、新潟一区から衆議院議員当選―記者一筋の出版人はなぜ政治に関わったのか。新たな政治史を編む列伝シリーズ第9回配本。
目次
序章 「記者一筋」の政治家―経済雑誌と政界の近接性
第1章 不良苦学生が抱いた立身出世―「独学」への自負の芽生え
第2章 記者としての下積み―原石「石山素投」の発掘
第3章 雑誌経営の出発―素投(ストーン)からダイヤモンドへ
第4章 政財界への上場―「世話焼き」の多角経営
第5章 戦時期の政界進出―市会議員となった「なんでも屋」
第6章 国政への挑戦―「経済大臣」への野望と挫折
終章 政界進出の余韻―政治家としての終焉と出版人としての栄光
著者等紹介
佐藤彰宣[サトウアキノブ]
1989年兵庫県神戸市生まれ。2017年立命館大学大学院社会学研究科博士後期課程修了。博士(社会学)。立命館大学産業社会学部授業担当講師、東亜大学人間科学部講師などを経て、流通科学大学人間社会学部准教授。専門は文化社会学、メディア史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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