出版社内容情報
漱石門下の鬼子にして日米未来戦の煽動家として知られる池崎忠孝は、『萬朝報』論説記者、『大阪時事新報』顧問としての経験を足場に政界に進出したメディア議員の象徴的人物であった。政治のメディア化の体現者に〈教育〉〈メディア〉〈政治〉の観点から迫った画期的な人物列伝。
〈近代日本メディア議員列伝〉
明治から戦後にかけて〈政治のメディア化〉を体現したメディア議員を取り上げ、一人一冊で深掘りする、佐藤卓己氏単独編集による完全書下ろしの新シリーズ。国会議員がこぞってSNSで発信し続ける現代政治への向き合い方に自省を迫る、これまで無かった人物列伝。
内容説明
政治家を目指して漱石門下となった文筆家、赤木桁平こと池崎忠孝の従来像を根底からくつがえす、画期的評伝。
目次
序章 政治家をめざした文筆家―赤木桁平こと池崎忠孝
第1章 「苦学生」赤木忠孝の才気渙発
第2章 「帝大文士」赤木桁平の意気軒昂
第3章 「政論記者」から「メリヤス業者」へ
第4章 「大阪商人」の国民主義
第5章 「メディア議員」の世論反映
第6章 「大日本育英会理事」の国民教育振興
終章 「A級戦犯容疑者」の巣鴨プリズン
著者等紹介
佐藤卓己[サトウタクミ]
1960年、広島県生まれ。京都大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学。東京大学新聞研究所助手、同志社大学文学部助教授、国際日本文化研究センター助教授などを経て、現在は京都大学大学院教育学研究科教授。専攻はメディア史、大衆文化論。2020年にメディア史研究者として紫綬褒章を受章。著書に『『キング』の時代』(岩波現代文庫、日本出版学会賞・サントリー学芸賞受賞)、『言論統制』(中公新書、吉田茂賞受賞)、『ファシスト的公共性』(岩波書店、毎日出版文化賞受賞)、など多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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