2021/10/04
赤と黒と
真っ赤な曼珠沙華と黒い揚羽蝶(スワローテイル)
動物写真家、宮崎 学さん
「動物たちの生態をじっくり観察し、彼らのリアルな姿を撮影してきた写真家・宮崎 学さん。彼は、熊を観察するための「クマクール」なる装置など、撮影に必要なモノはなんでも作ってしまいます。」
と言うように、自分からでる殺気のようなものを察知する動物たちに気づかれないように、ありのままの動物の姿を捉えるために、あらゆる工夫をその都度して動物のリアルな姿をとらえておられる。
「動物の撮影を通して、森全体の変化をも観察し、雪の中で死んだニホンジカが土に帰るまでを追った写真集「死」では、「死」が他の生き物の「生」を育んでいることを淡々と映し出しました。」
と言うように「生」だけでなく「死」からも目を離さないからこそ、見えてくる世界があり、動物だけでなく、土や木や水、川、海、空気、、自然界の循環まで目を向ける洞察の深さから教わるところが多い。
弱肉強食の動物たちの「生」の世界が「死」の世界になるとその強かった動物の屍が弱かった動物の餌となり骨だけが残り、骨が風化して土になり、あるものは雨に洗われ流され川になり海に注ぐ。それを見続ける宮崎さんは哲学者であり、宗教家のようにも見えて来る。