プリフロオールインについて打越調教師にお話を伺いました。
赤見:楠賞は初めての遠征でしたが結果的には10着と残念でした。
打越:素晴らしいメンバーが集まった中でも高い人気でしたから、負けてしまってファンの方々には申し訳ない気持ちでいっぱいです。
赤見:レースをご覧になって、先生のご感想はいかがでしょうか。
打越:スタートはいつも通りに出ましたし、内の兵庫の馬が何が何でも行くという姿勢でしたから、外2,3番手くらいかなと思っていたのですが、そこからいつものようにスピードに乗れず思っていたよりも後ろのポジションになってしまいました。レース後(宮川)実くんの話では、いつものように後ろ脚の力強さが感じられなかったと。その辺りがスピードに乗っていかなかった要因だと感じています。はっきりしたことはわかりませんが、真夏の三冠目を戦って夏の疲れが想像以上に長引いたことで、当初のプランよりも復帰が遅れました。結果的には休み明けで挑むことになり、最終追い切りの動きは良かったのですが、状態がいいという中でも絶好調というところまでは持っていけなかったのかなと思います。
【高知優駿の時のプリフロオールイン】
赤見:現在の状況と、今後のプランを教えてください。
打越:今は牧場でじっくり休養しています。次走どこを使うかというよりも、馬の状態が上がって来たところで判断したいです。とても能力の高い馬ですし、今回は残念な結果になってしまいましたが、しっかりと立て直してこの馬の良さを活かせる競馬を目指します。また復帰した時には応援していただけると嬉しいです。
*21日(木)園田 第11R『第26回兵庫ジュニアグランプリ』 1400m 15:50発走*
JRA勢が強いレースですが、今年は2勝馬がコスモストームのみということで、地方馬にもチャンスはあると思っています。
本命にしたのは北海道のべラジオドリーム。
新馬戦を勝ってその後は2着つづきですが、サッポロクラシックカップは逃げて見せ場十分、ネクストスター門別は2番手から直線よく伸びての2着と、濃い内容。
初めての1400mになりますが、ゴールドドリーム産駒ですからむしろ歓迎でしょう。
先行脚質が揃った中での外枠で、揉まれない位置で競馬ができそうなのも強調材料です。
対抗はJRAのコパノヴィンセント。
中山の新馬戦を勝ち、2戦目は東京1600mで2着。最後は逃げ馬に離されましたが、しぶとく粘り通して2着を確保しました。
ダッシュ力もありますし、前走のレースぶりを見ると1400mに距離が短縮になるのはプラス材料。
鞍上は地元トップジョッキーの吉村騎手ですから、初の園田コースも気になりません。
ヤマニンシュラは新馬戦3着からつづく2戦目で未勝利戦を勝利。
好ダッシュで逃げてそのまま押し切りました。
この馬も先行力がありますから、スタートを決めて先手が取れれば怖い存在です。
地元勢からはラピドフィオーレに注目しています。
兵庫ジュベナイルカップは3、4コーナーひとまくりでしたね。
前走のネクストスター園田は逃げる形になり、勝ったかと思ったところを外から差し切られました。
ただ、後続が迫っても抜かせない勝負根性を見せましたし、負けて強しの内容。
相手強化にはなりますが、地元の利を活かして頑張って欲しいです。
JRA勢の中で唯一の2勝馬コスモストーム、休み明けのヤマボウシ賞で4着だったハッピーマン、距離に対応できればヴィグラスデイズも侮れません。
◎11、べラジオドリーム
〇6、コパノヴィンセント
▲2、ヤマニンシュラ
△4、ラピドフィオーレ
△12、コスモストーム
△7、ハッピーマン
△8、ヴィグラスデイズ
3連単フォーメーション
11,6-11,6,2-11,6,2,4,12,7,8 20点
11月7日に園田競馬場で行われた楠賞を制した、岩手の二冠馬フジユージーン。全国各地から凄まじいメンバーが集い、激しいレースとなりましが、序盤はダッシュがつかなかったものの、早めにマクっていって、直線の追い比べを制しました。激戦を制したフジユージーンについて、管理する瀬戸幸一調教師にお話を伺いました。
【写真提供:兵庫県競馬組合】
赤見:楠賞制覇、おめでとうございます!すごいレースでしたね。
瀬戸:ありがとうございます。よく頑張ってくれました。応援してくれた皆さまや、オーナーをはじめ関係者の方々にとても感謝しています。距離的に忙しい競馬になるだろうということは分かっていましたし、相手も短距離の強い馬ばかりが揃いましたから、おそらく序盤は置かれるなと。でもジョッキーが早めにスパートをかけて前に取りついてくれて、馬もよく頑張ってくれました。
赤見:不来方賞やジャパンダートクラシックに挑戦し、さらにパワーアップした印象がありますが、いかがでしょうか。
瀬戸:そうですね。ああいう厳しいレースの経験が、最後のひと伸びにつながったのではないかと思います。それに、夏を越えてから体がもう一回り大きくなって、後ろ脚の筋肉がしっかりしてきたということも大きいです。不来方賞からは調教でしっかりと負荷をかけられるようになりましたし、パドックで見ても他の馬たちに見劣りしない素晴らしい体になってくれましたね。
赤見:この馬の適性距離というのはどの辺りだとお考えですか?
瀬戸:2000mは若干長いかなと思います。現状一番競馬がしやすいのは1600mから1800mくらいではないでしょうか。そういう意味でも今回は置かれるだろうなと思っていました。ただ、ジャパンダートクラシックで初めて遠征して、初めての場所で1晩過ごして競馬にいってもいつもとまったく変わらなかったんです。レースは攻めの競馬をして欲しいと森騎手に話しまして、負けはしましたが4コーナーまで見せ場のある内容で私としては納得のいく競馬でした。あのレースを踏まえて、これならばさらに遠い園田への遠征も問題ないなと考えました。
赤見:実際に今回の長距離遠征はいかがでしたか?
瀬戸:今回もまったく動じることがなかったですね。この馬は肉体的にもすごいですが、精神的にタフなところも大きな武器だと思います。どこに行っても変わらないでいられますから、益々視野が広がりました。
赤見:レース後の様子はいかがでしょうか。
瀬戸:レース後も元気だったので当初は笠松グランプリというプランもありましたが、秋の3戦は強いメンバーと戦って本当によく頑張ってくれましたし、昨年も11月の競馬を使って冬休みに入っていますので、同じ流れになりました。この休養でさらに成長してくれたら嬉しいですね。
赤見:では、たくさんのファンの方々にメッセージをお願いします。
瀬戸:いつもたくさんの方々に応援していただき、本当にありがとうございます。ファンの方がとても多い馬で、感謝の気持ちでいっぱいです。来年順調に過ごせたら、南部杯を最大目標にと考えています。また応援していただけたら嬉しいです。
今年もJBCが終わりました。
佐賀と門別で行われたJBC、どのレースも熱い戦いが繰り広げられましたね。
わたしは初開催だった佐賀競馬場へ行ってきました。たくさんのファンの方々が詰めかけ、場内はとても賑わっていましたが、佐賀の主催者が事前に入念な準備をしていたおかげで大きな混乱もなく、楽しく一日を過ごすことができました。
それでは各レースのレース後コメントをご紹介します。
勝利騎手はインタビューがいろいろなところで流れていますので、勝利調教師と2着以下のコメントを掲載します。
◆JBCクラシック◆
[写真提供:地方競馬全国協会]
1着ウィルソンテソーロ
小手川準調教師
「GIを勝たせていただき、とても感謝しています。本当にすごい馬だなと思っています。
海外遠征に行き、精神的に逞しくなりました。今日はとても堂々としていましたね。今後のことは馬の状態を見て考えます」
2着メイショウハリオ
浜中俊騎手
「今回は調教から気配がよくて、久しぶりにいい手応えをもって競馬に向かえました。結果は負けましたが、よく頑張ってくれたと思います」
3着キリンジ
笹川翼騎手
「前との差はありましたが、最後までよく頑張ってくれました。これまでのレースを全部見て、長くいい脚を使う馬だと思いましたので、前半はいいリズムで進んで3コーナーくらいから動かして行きました。強い相手でもこれだけ頑張れる馬ですし、もしまた乗せていただける機会があれば自信を持って乗りたいと思います」
4着シルトプレ
石川倭騎手
「終いの脚を伸ばすイメージで、ある程度思い通りのレースはできました。ただ3着は欲しかったですね...。輸送が課題でしたが、早めに入って馬体重もマイナス5と大きく減らなかったですし、これだけ大きいレースでよく頑張ってくれました。今後も交流重賞を目標に頑張ります」
◆JBCスプリント◆
[写真提供:地方競馬全国]
1着タガノビューティー
西園正都調教師
「なかなかGIが勝てなかったのですが、この勝利でオーナーに喜んでいただけて涙がでました。馬の頑張りには頭が下がります。
3コーナー手前でマクッて行った時には早い早いと思いましたが、思い切って行ったのが良かったです。石橋騎手の好判断でした。
年齢的なこともありますので、今後のことはオーナーと相談して花道をきれいに飾りたいと思っています」
2着チカッパ
武豊騎手
「雰囲気もよく、状態も良かったです。やりたいレースはできました。
ただ1200mよりも少しキレが鈍るかなというのと、大きな競馬場の方が合っていると思います」
3着アラジンバローズ
下原理騎手
「この馬は佐賀で一番いい脚を使うと思って乗っていました。本当に力をつけていますね。僕自身、とてもいい経験をさせていただいていますので、オーナーや関係者の方々に恩返しできるようなレースがしたいです」
4着イグナイター
笹川翼騎手
「作戦通りでしたし、リズムも悪くなかったです。前回使って状態も上がっていました。
ただ、絶好調の時とは少し差があるかなと...。絶好調の時は抑えきれない手応えで上がっていきますから、今日も悪くはないんですけどお利巧すぎました」
◆JBCレディスクラシック◆
[写真提供:地方競馬全国協会]
1着アンモシエラ
松永幹夫調教師
「強い馬を相手に良く頑張ってくれましたね。佐賀は騎手時代からたびたび乗せていただいて、初めてのJBC開催で勝つことができて感慨深いです。
アンモシエラに関しては状態も良かったですし、前回の負けは展開のあやだと思っていましたので、あの競馬で4着ならば楽しみだなと。
レースはジョッキーに任せていて、いいリズムで逃げていましたが、4コーナーから内が深い馬場で最内を通っていたので大丈夫かな?とは思いましたが、強い競馬を見せてくれました。
まだ完成しているわけではないですが、とてもいいスピードがあってそれが持続する馬です。今後は馬の様子を見て考えます」
2着グランブリッジ
川田将雅騎手
「とてもいい状態で今日を迎えて、返し馬も良かったです。着差の通り勝った馬が強かったですが、この馬も素晴らしい走りができたと思います」
3着テンカジョウ
國分優作騎手
「課題のゲートも出てくれましたし、スローの雰囲気だったので自分から動いて行って、最後までよく頑張ってくれました。勝てなかったのは残念ですが、少しずつどっしりとしてきて、馬は良くなっています」
4着ライオットガール
岩田望来騎手
「好スタートを決めて前々で競馬をしようと思っていました。3番手にはなりましたが、いい雰囲気で走ってくれました。具合は上がっていますし、とてもレースセンスのいい馬です」
5着ドライゼ
石川倭騎手
「いい競馬ができました。3着4着と差がなかったので悔しい気持ちはありますが、今できる最大限の競馬はできたと思いますし、今後また成長してくれればと思います」
*4日(月)佐賀 第11R『第24回JBCクラシック』 2000m 18:30発走*
今年も好メンバーが揃いましたが、本命にしたのはウィリアムバローズです。前走は馬場や展開が向いたとはいえ、ウシュバテソーロに完勝。東海ステークスもそうでしたが、自分のリズムで気分よく運べると相当強いです。
今回は先行有利な小回りの佐賀。どうしても逃げたいという馬がいないので、前走のように先手が取れるのではないでしょうか。
ウィルソンテソーロはしばらく勝ち星がありませんが、強豪相手に安定感抜群のレースを続けています。先行でも差しでも自在にレースができることは大きな強み。コリアカップからのローテーションですが、ここも大崩れなく戦ってくれると思います。
3番手はノットゥルノ。右回りの2000m前後で強さを発揮する馬で、今年の佐賀記念はとにかく強かったです。59キロを背負って早め先頭からのぶっちぎり。今回は休み明け、佐賀記念よりもさらに強いメンバーなので、スムーズに上がって行けるかがカギになりそうです。
高知のヒロイックテイルは名古屋グランプリでノットゥルノの2着と存在感を示し、イヌワシ賞では大差圧勝とさらなるパワーアップを感じさせました。先行集団に混じって競馬ができると思いますし、展開一つでチャンスはあると期待しています。
メイショウハリオは少しリズムが狂ってしまいましたが、前走の日本テレビ盃では休み明けでも3着と力を示しました。小回りの佐賀でどこまで末脚が使えるかがポイントだと思います。
充実期に入っている北海道のシルトプレまで。
◎9、ウィリアムバローズ
〇5、ノットゥルノ
▲10、ウィルソンテソーロ
△4、ヒロイックテイル
△3、メイショウハリオ
△7、シルトプレ
3連単フォーメーション
9,5-9,5,10,4-9,5,10,4,3,7 24点