とある両家の元旦物語2続き
522 :ぐちゅ玉:2010/07/21(水) 21:46:13 ID:WCyOcKio
自分の視界に泡まみれの女の子がいる。
10数メートル先の斜め後姿なので、色々と肝心な部分はもどかしいほどに見えないが。
近づいていって、何してんのよコラ! と言われる予定調和もアリだろう。しかし……
上条当麻は動けなかった。
今まで、あらゆる女の子のあられもない姿を、ラッキーなイベントで見てきた上条である。
その後高確率で起こっている袋叩きのせいで、必ずしも本人にとっては幸せな記憶とはなっていないが……
しかし、今回は。
惹かれつつある女の子の裸体は、格が違っていた。
下手な動きは、冗談が冗談でなくなる。
(落ち着け……しっかりしろ俺! 相手は中学生! 一歩外には親もいるんだぞ!)
湯面に写った自分の顔をにらみつつ、精神統一をはかる上条であった。……が。
すぐに美琴の一糸まとわぬ後姿が思い浮かび……
(ぬああああ! 精神統一!)
その繰り返しである。
(……なにやってんのかしら)
身動きしない上条に、御坂美琴は体を洗いながら拍子抜けな気分になっていた。
コメディマンガなら主人公があの手この手で裸を見ようと画策するタイミングである。
またあの男は、自分からアクション起こさないと反応してくれないのか。
もう恋人未満の微妙な関係でもないのに。
(いっつも勝手に駆けつけたりするクセに、こういう事はほんと何もしないんだから!)
美琴は泡を洗い流しながら、ま、こんな色気の無い身体じゃね、と自嘲する。
別に何かを期待しているわけではないが、このままお話して終りでは、さっきのソファーでの会話と何ら変わらない。
今度は頭を洗いながら、思案する。……興味ないなら、どうしてくれようか。
湯当たりしたフリをして、しなだれかかったらどうするかしら? 等と過激な事まで考え始めていた。
頭を完全に洗い終えた美琴は、さすがに上条の動きの無さ、に気が付いた。
(まさか、まさかとは思うけど)
何もイベントが起こらなかった意味でのため息をつき、美琴は立ち上がる。
また前だけをタオルで隠しながら、そろそろと湯船に近づき。
(まさか、恋人と初めての混浴中に)
後ろを向きながら、湯船に入り、タオルは縁に置き。
(寝てる、なんて、)
水面を見つめている様子の、上条の横手から接近し。
上条が目を閉じ、船を漕いでいるのを見て、美琴は本年初ブチギレた!
「ありえるかっ!!! こんの馬鹿ッ!!」
剛腕一閃。
美琴の怒りのラリアットは、居眠りしていた上条のツンツン頭を完璧に捉え、上条は仰向けにぶっ飛んだ!
「ぶぁふっっっ! どぶあばばばばあああああ!!」
沈んで一瞬溺れかけたが、我に返った上条が顔を出した。
……パニック状態が収まり、睨みつけている可愛らしい女の子を認識し、……サーッと青ざめる。
「……俺、寝てた?」
「そ、そんなに私って女として魅力ないっての!? 寝てしまうほどにどうでもいいの!?」
「ち、違う違う!」
上条はゾクッとした。……来る、不幸が来る! 長年付き合って来た不幸が、予兆を知らせる!
美琴が。いわゆる大事な箇所を、右腕と左手でそれぞれ隠した姿で、立ち上がった!
◇ ◇ ◇
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522 :ぐちゅ玉:2010/07/21(水) 21:46:13 ID:WCyOcKio
自分の視界に泡まみれの女の子がいる。
10数メートル先の斜め後姿なので、色々と肝心な部分はもどかしいほどに見えないが。
近づいていって、何してんのよコラ! と言われる予定調和もアリだろう。しかし……
上条当麻は動けなかった。
今まで、あらゆる女の子のあられもない姿を、ラッキーなイベントで見てきた上条である。
その後高確率で起こっている袋叩きのせいで、必ずしも本人にとっては幸せな記憶とはなっていないが……
しかし、今回は。
惹かれつつある女の子の裸体は、格が違っていた。
下手な動きは、冗談が冗談でなくなる。
(落ち着け……しっかりしろ俺! 相手は中学生! 一歩外には親もいるんだぞ!)
湯面に写った自分の顔をにらみつつ、精神統一をはかる上条であった。……が。
すぐに美琴の一糸まとわぬ後姿が思い浮かび……
(ぬああああ! 精神統一!)
その繰り返しである。
(……なにやってんのかしら)
身動きしない上条に、御坂美琴は体を洗いながら拍子抜けな気分になっていた。
コメディマンガなら主人公があの手この手で裸を見ようと画策するタイミングである。
またあの男は、自分からアクション起こさないと反応してくれないのか。
もう恋人未満の微妙な関係でもないのに。
(いっつも勝手に駆けつけたりするクセに、こういう事はほんと何もしないんだから!)
美琴は泡を洗い流しながら、ま、こんな色気の無い身体じゃね、と自嘲する。
別に何かを期待しているわけではないが、このままお話して終りでは、さっきのソファーでの会話と何ら変わらない。
今度は頭を洗いながら、思案する。……興味ないなら、どうしてくれようか。
湯当たりしたフリをして、しなだれかかったらどうするかしら? 等と過激な事まで考え始めていた。
頭を完全に洗い終えた美琴は、さすがに上条の動きの無さ、に気が付いた。
(まさか、まさかとは思うけど)
何もイベントが起こらなかった意味でのため息をつき、美琴は立ち上がる。
また前だけをタオルで隠しながら、そろそろと湯船に近づき。
(まさか、恋人と初めての混浴中に)
後ろを向きながら、湯船に入り、タオルは縁に置き。
(寝てる、なんて、)
水面を見つめている様子の、上条の横手から接近し。
上条が目を閉じ、船を漕いでいるのを見て、美琴は本年初ブチギレた!
「ありえるかっ!!! こんの馬鹿ッ!!」
剛腕一閃。
美琴の怒りのラリアットは、居眠りしていた上条のツンツン頭を完璧に捉え、上条は仰向けにぶっ飛んだ!
「ぶぁふっっっ! どぶあばばばばあああああ!!」
沈んで一瞬溺れかけたが、我に返った上条が顔を出した。
……パニック状態が収まり、睨みつけている可愛らしい女の子を認識し、……サーッと青ざめる。
「……俺、寝てた?」
「そ、そんなに私って女として魅力ないっての!? 寝てしまうほどにどうでもいいの!?」
「ち、違う違う!」
上条はゾクッとした。……来る、不幸が来る! 長年付き合って来た不幸が、予兆を知らせる!
美琴が。いわゆる大事な箇所を、右腕と左手でそれぞれ隠した姿で、立ち上がった!
◇ ◇ ◇
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