転載元:http://toro.2ch.net/test/read.cgi/occult/1330705681/
Web漫画を配信しているサイトを徹底比較したからよく聞け
http://blog.livedoor.jp/nwknews/archives/5011053.html
闇


16: 本当にあった怖い名無し 2012/03/03(土) 19:48:27.49 ID:FZFQpQ+F0
子供の幼稚園にあった本の内容が酷かった。
小熊の兄弟の話で、あることがきっかけで弟&母とはぐれてしまう兄熊。
いろんな動物にあって弟知りませんか?と声をかけて
手がかりを貰いつつ、弟を探す。探してる最中に弟熊との回想シーンなんかも出てきて
早く弟熊に会いたい!と泣く兄熊。

んで最後。母熊を見つけるんだが、弟熊がいない。
母熊に弟熊のことを聞くんだが、帰ってきた返事が
「あら何を言っているの?私の子供はあなただけよ」とにっこり笑顔。
兄熊。あれ?そうだっけ?でも母熊いたからまぁいいか。
と二人で温かいスープ飲んで終了。

意味不明過ぎて怖い。兄熊が林先生物件だったってこと?
幼児向けの絵本なんだがこんな本を幼稚園に置くなよ…



17: 本当にあった怖い名無し 2012/03/03(土) 20:59:00.36 ID:MJmlgrBn0
>>16
そのスープが弟煮込んだ物だったってことじゃないの?



18: 本当にあった怖い名無し 2012/03/04(日) 01:59:00.81 ID:Tsre9l030
>>16
多分、はぐれるキッカケとなった、あることが関係あると思うぞ



19: 本当にあった怖い名無し 2012/03/04(日) 08:38:16.63 ID:PYF0va5m0
白土三平の「野いちごおとし」という似たような話があったと思う。
母熊が子熊を野原につれてって、子熊が野いちごを食べるのに夢中になってるうちに
こっそり帰ってしまう子捨ての習性を描いていたっけな。



20: 本当にあった怖い名無し 2012/03/04(日) 10:41:00.74 ID:3/jEDJI/0
>>19
人間から見れば子捨てかもしれないが
野生動物からしたら自立なんじゃないかな?



21: 本当にあった怖い名無し 2012/03/04(日) 12:42:50.55 ID:UdzcaS3/O
親子関係長いのは人間くらいで、野生動物は自立早いからな



26: 本当にあった怖い名無し 2012/03/04(日) 17:31:35.11 ID:/qq8d4GpO
前スレに交通事故の話があったが・・・漏れが聞いた話しも後味悪かったな。
飲酒運転だったと思うが、ある日運転中に歩行者の男性を跳ねて殺してしまう。
加害者が被害者の葬式に行くとそこには赤ん坊を抱く病弱な奥さんが・・・
実は奥さんは末期癌でそれほど永くなく、被害者の男性は奥さんの分まで
子供を育てようと頑張っていた矢先の事故死だったのだ・・・
奥さんが赤ん坊をあやしながら加害者に「私が死んだら、誰が私達の事をこの子に教えるの?」
と遺影を眺めながら呟いている横で加害者は
土下座するしか無かった・・・



27: 本当にあった怖い名無し 2012/03/04(日) 17:35:45.45 ID:UdzcaS3/O
>>26
頼れる親戚がいないなら施設行きだわなあ
こういう境遇の子供って、親の遺産は誰が管理するんだ?



29: 本当にあった怖い名無し 2012/03/04(日) 19:45:54.74 ID:dK0k1wfl0
>>27
未成年に親が居なくなった場合、通常は家庭裁判所が面倒を
見ている親族なんかから親権者となる人間を決めて指定する。
互いの戸籍にも載る。
特別養子縁組と言って5歳未満くらいまでなら引き取られて戸籍上
一見して養子とわからない形で引き取られていく子どももいる。
面倒を見る親族がおらず、引き取り手もない子に関しては
家庭裁判所が法定後見人を専任(裁判所の選んだ人間)して
財産の管理などをさせる。これは監査なんかが入るから、自分の
ために財産を横領などすると罰せられる。



57: 本当にあった怖い名無し 2012/03/06(火) 11:15:43.05 ID:JVChsR7tO
>>29
勉強になった
ありがトン



39: 本当にあった怖い名無し 2012/03/05(月) 10:50:10.16 ID:jm82wcU+0
格闘ゲーム「サムライスピリッツ零」の真鏡名ミナってキャラのEDが後味悪い
ミナは高い霊力を持っているため周りに恐れられずっと孤独だったキャラで
唯一シーサーのチャンプル(見た目はさるぼぼ)にだけ心を許しているという設定
ストーリーはあやかしに村を襲われたミナが敵討ちの為旅に出るという物
一匹生き残ったチャンプルに「必ず守るからずっと一緒にいようね」と約束し
戦いながら進んでいくとED(ちなみにチャンプルは戦闘中もミナと一緒、気が散る)

戦い疲れたミナがチャンプルに「もう諦めよう」と語りかけようとすると
チャンプルの様子がおかしくなり凶暴なシーサー(NOTさるぼぼ)へ姿を変える
ミナはチャンプルの邪気が村を襲ったあやかしの邪気と同じな事に気づき
襲い掛かってきたチャンプルに武器を向ける
「ごめんねチャンプル、約束守るから、私もすぐ行くから」と語りかけた所でフェードアウト
真っ白い画面に[ずっと一緒にいようね]の文字が出たあと血飛沫が飛んで終わり

ちなみにチャンプルが村を襲った理由は苛められていたミナを救おうとした為らしい
マルチEDとかじゃ無いからどれだけ頑張っても必ずこのED
同ゲームの妖怪腐れ外道のEDも中々後味が悪かったり
必殺技で対戦相手が惨死したり(家庭用では規制)色々凄いゲームだった記憶がある



40: 本当にあった怖い名無し 2012/03/05(月) 11:30:24.75 ID:ITArywVI0
あれはムゴすぎて家庭用には移植されてないんだっけか



82: 昔読んだ児童書・1 2012/03/07(水) 01:29:37.24 ID:j/tMNpsn0
昔読んだ児童書。うろ覚えな部分多いです。

話は主人公の少年(小学校5、6年)が父の郷里に引っ越し・転校するところから始まる。
転校先は父の母校でもあり、主人公もすんなり周りと打ち解けた。
しかし新生活に期待を膨らませる主人公を不安にさせる事が二つあって
一つはこの学校に伝わる怪談でもう一つは怪しい教頭・徳蔵丸先生。
怪談とは「いつの間にか教室に足が一本欠けた古い椅子がまぎれ込み、
それに座ると怪我してしまう」というもの。
教頭は主人公との初対面の時「君のお父さんの名前はもしかしてA?」と確認し、
主人公が肯定すると複雑な顔をし、それ以来常に主人公を監視しているようだった。
教頭は父の同級生なのかと思った主人公は帰って聞いてみると
父親は激しく動揺し否定する。
主人公は「あんな珍しい名前の人なら覚えてるでしょ?お父さんの名前も知ってたよ」と突っ込むが
父親は「知らんと言ったら知らん!」と叱り付けその場を立ち去る。
それから主人公の周りでは不可解な事件が起こりはじめる。



83: 昔読んだ児童書・2 2012/03/07(水) 01:32:55.37 ID:j/tMNpsn0
まず主人公の椅子だけが古い物、足の一本欠けたものに変えられていた。
例の怪談を思い出し震え上がる主人公とクラスメートだが悪戯という事で話は終わる。
しかしそれ以外にも主人公が放課後一人残って廊下を歩いていると
後ろから誰かがつけてくる気配→振り返ると例の古い椅子が!
移動教室で誰がどこに座るか分からない、それ以前に鍵がかかっていて誰も入れなかったのに
あの椅子が主人公のところに!という事が何度も起こり主人公はすっかり参ってしまう。
主人公は皆から好かれているのでいじめや嫌がらせの可能性も考えられず担任もお手上げだった。
そんな中徳蔵丸先生が「最近大丈夫かね?」とか不気味な笑顔で声をかけてきて
主人公は一連の事件の犯人は教頭で過去父と何かあって
自分に嫌がらせしてくるのではないかとの疑念を抱くが、誰にも話せないまま月日が流れる。



84: 昔読んだ児童書・3 2012/03/07(水) 01:41:33.94 ID:j/tMNpsn0
しばらくして文化祭が近付き、主人公のクラスは劇をすることに決まった。
担任は元気のない主人公を力付けようと主役を与える。
狙い通り劇の練習に打ち込む事で気分が戻ってきた主人公は本番の前日、
父に学校に見に来てくれるよう伝える。
あの日以来何となく溝があった二人だが父親は了承。
翌朝本番の日、父は主人公に手紙を渡す。
そこは父がかつて徳蔵丸先生と同級生だった事、父含め複数で彼をいじめていた事、
さらにそのいじめが原因で徳蔵丸先生は目に大怪我を負い
その後徳蔵丸先生は転校、どうなったかは知らず今まで忘れようと思っていた事などが綴られていた。
最後に父はこれを機に過去に向き合い、今日学校できちんと徳蔵丸先生に謝罪すると記してあった。
主人公はあの古い三本足の椅子こそが当時の事故のきっかけとなった椅子で
怪談の由来そのものだったのだと知る。



85: 昔読んだ児童書・4 2012/03/07(水) 01:43:16.45 ID:j/tMNpsn0
やがて本番を迎え、劇は進み最後のシーンが近づく。
終盤主人公は椅子に座り、独白を続けることになるのだが
本番直前まで道具類を皆で念入りにチェックしていたはずなのに
またしてもその椅子が例の椅子に入れ替わっていた。
しかし今回はもはや脅かしのデモンストレーションではなく、椅子から明確な悪意が感じられた。
椅子が自ら転倒し、金縛りになった主人公の目に小道具の剣が迫る。
その瞬間徳蔵丸先生が斧を振りかざして舞台袖から乱入、
間一髪主人公を突き飛ばして斧で椅子を叩き割った。
安心し泣き崩れる主人公と徳蔵丸先生。
徳蔵丸先生はそこで彼からの事実を打ち明ける。
いじめから目に大怪我を負って転校した徳蔵丸先生はその後失明し義眼になっていた。
それでも頑張って教職につき、教頭として学校や子供たちのために尽くしてきたが
突然自分を失明にまで追い込んだ一員の息子が現れて過去がフラッシュバックした。
主人公は関係ないと分かっていても我慢できずに脅かすために一度だけ椅子を入れ替えたが
すごく後悔してそれ以降はやっていない、椅子が意思を持ち出して悪さをしはじめたと訴える。
主人公に付きまとっていたのも主人公を椅子から守り見張っていたからだった。
答えられない主人公だったがやがて警察が到着し、徳蔵丸先生は連行される。
その背に主人公は「僕は信じます。あの椅子はあの日確かに自分で歩いてきていました」と叫ぶ。
先生は振り返り、泣き笑いのような表情を見せた。

悪いのは父やいじめグループなのにとばっちりで怖い目に遭う主人公や
失明した挙げ句せっかく忘れて教職で励んでいたのに逮捕される先生カワイソス。
でも父親もちゃんと包み隠さず息子に過去の悪事を話すまともな所もあり
ひたすらもやもやするんだよなあ…。



91: 本当にあった怖い名無し 2012/03/07(水) 08:14:45.82 ID:jhOv4IFV0
>>85
これは確かにいろいろと後味が悪いね。



86: 本当にあった怖い名無し 2012/03/07(水) 01:58:20.94 ID:gw/z/Nvr0
小学生とはいえ失明させるようなイジメをしていた連中が
お咎め無しだったのも後味悪い
しいて言えば主人公の父親が罪悪感を抱えているのとその後の
親子関係がギクシャクしそうな位か



124: 多分1/4くらい 2012/03/11(日) 14:55:29.79 ID:q27ol2gcO
一昔前に流行った「あの人に会いたい」的番組の、後味の悪いエピソード。
相談者(以下A)は初老の女性。十数年前に生き別れになった二人の子供と再会したいという。司会者に促され、Aは涙声で自らの半生を語る。



125: 2/4くらい 2012/03/11(日) 14:59:48.25 ID:q27ol2gcO
ーー田舎から上京したAは、ある男性と交際する。彼の子を身篭り、結婚、出産。都会の雰囲気に舞い上がったまま、あまりに無計画に創られた家庭だった。
無論うまくいくはずもない。いい加減な夫はいつしか酒と賭博に溺れ、借金を重ね、Aに暴力をふるうようになる。
子供たちの為に、離婚だけはしないよう耐えていたAだったが、ある日夫は、借金を全てAに押し付け、子供たちだけを連れて夜逃げする。



126: 3/5くらい 短文連投本当にごめんなさい 2012/03/11(日) 15:07:26.86 ID:q27ol2gcO
実家に迷惑をかける訳にもいかず、借金を返す為に昼夜を問わず働くA。
何度も自殺を考えたが、生きていればいつか子供たちに会えるかもしれない。Aはそれだけを支えに、ただただ必死に働き続けて…ーー

まるで三流ドラマのようにチープでありきたりな不幸だが、それ故に聴衆の心には強く響く。スタジオにいる人間は皆、目に涙を浮かべ、嗚咽を漏らす者すらいた。



127: 4/6くらい 何故か200文字程度で長文エラーに… 2012/03/11(日) 15:09:40.96 ID:q27ol2gcO
「借金を返し終えた時、真っ先に浮かんだのが子供たちの顔でした。自力で何年も探しましたが手がかりがなくて…」Aの言葉に司会者は頷く。
「Aさん、私たちスタッフはAさんの為に必死で探しました。そして…彼らを見つけました!スタジオにも来てもらってます!」
どうぞ、の声と共にスタジオの隅から男女が現れる。不幸な生い立ちなど微塵も感じさせない、聡明そうな顔つきの若者ふたり…Aの子供たちだ。



128: 5/6 2012/03/11(日) 15:14:28.85 ID:q27ol2gcO
一際大きな涙を浮かべるA。拍手に包まれるスタジオ。促す司会者。Aに歩みよる子供たち。
「立派になったね…」Aは両手を広げる。それは最も原始的で、最も確かな愛情表現。子供たちは、十数年ぶりの、母の抱擁を、



手で制し、拒否した。

凍りつくスタジオ。ややあって息子が口を開く。無感情に、ゆっくりと。
「母のーーーこの人の言葉は、全て嘘です」



131: 6/6 ご迷惑をおかけしました 2012/03/11(日) 15:21:10.96 ID:q27ol2gcO
「この人は育児のストレスから酒と賭博に溺れ借金を重ね私たちに暴力をふるいました。
見かねた父が私たちを連れて逃げたんです。
私たちはあなたと会いたくなかった。
ずっと 憎 ん で た」

…この後どう収集つけたかは覚えていない。
母親は勿論、彼女を糾弾する為に出演した子供も、流した製作側も、歪んでる。
10年以上前の番組だから全てヤラセかもしれないけどね。



134: 本当にあった怖い名無し 2012/03/11(日) 15:56:29.65 ID:q27ol2gcO
あと今色々調べてみたら、この番組はこの手法(ガチで因縁ある人呼んで放送事故ギリギリのトラブル起こす)が日常茶飯事だったみたい
知人から聞いた話だったんでこの回だけが特別だと思って投稿しちゃいました すまんです



154: 本当にあった怖い名無し 2012/03/12(月) 22:46:52.21 ID:IOCCEfyW0
スレの趣旨とはずれるけど、一つ
「先味の悪い話」みたいなのがありまして
仔細忘れてしまったんですが、投下。
98年くらいの、イギリス映画「HEART」の予告編。
レンタルビデオの前半部分にある、あれですね。1分くらいの。

画面は白黒。ひなびた田舎のあぜ道を、一人の中年女性が歩いてる風景。
顔はげっそりやつれて幽鬼的。服はぼろぼろ。紙袋を胸に抱えて、ただ無心で歩いているような光景。

フと回想シーン。車の事故の映像。
ナレーションが「母が愛したひとり息子が事故死した」と唐突に言い、
しかし息子はドナー登録していて、彼の死で何人かが救われたという描写。

白黒の画面に戻る。中年女性は歩き続け、そこへボロいバスがやってきて、女性はそれに無言で乗り込む。
しばらくの妙な間があく。女性はバスの窓からじっと外の風景を眺めている。
と、画面に少しずつ色がつき始める。同時に、まわりの乗客が乞食みたいな風貌のその女性から離れてゆく。

予告編ラスト10秒手前くらいで、また突然にナレーション。
「母親は愛する息子の死を受け入れられなかった。なぜなら彼の心臓は、まだ生きているのだ。別の人間の中で」

バスに揺られる女性の、紙袋にカメラが寄ってゆく。画面の色は殆ど戻っていて、
紙袋の茶色に、ほんの少しだけじわりと赤が漏れる
「HEART」

という内容で、まあ本編はそれほど(十分アレな内容だけど)…でも、
後にも先にも、予告で「先味の悪い」思いをした映画はこれぐらいで、皆さんにもお裾分けをと思いましてw
お目汚し失礼しました
※youtubeとか探してるんだけど、この映画の予告見つからないんですよねー



162: 本当にあった怖い名無し 2012/03/13(火) 06:31:12.67 ID:Rd4xb9OW0
>>154
あーその予告見たことある
インパクトあったから本編も見た
しかし凄い記憶力だな
映像はともかくセリフなんて一個も覚えてなかったわ



157: 本当にあった怖い名無し 2012/03/13(火) 01:23:13.72 ID:vwxtd5oY0
このスレの過去ログ漁ってたらとんでもない話見つけちまった…

レス主がコンビニで立ち読みしていると、お爺さんがコピー機を詰まらせていた。
お爺さんは店員を呼びに行き、何をコピーしているのか気になったレス主は原本を見に行く。
それは小さな子供が書いたと思われる手紙で可愛らしい絵やたどたどしい文字が気に入り
レス主はそのまま家に持ち去りやがてその存在を忘れていった。
ある日久しぶりにそのコンビニに行くとコピー機の傍にお爺さんからの手紙が張り出されていた。
「孫の手紙を持ち去った方へ。あれは私の孫が書いてくれた最初で最後の手紙です。
孫は亡くなってしまったので二度と手紙をもらう事はできません。
お願いですからどうか返してください」と。
レス主は二度とそのコンビニに足を踏み入れることはなかった…。



158: 本当にあった怖い名無し 2012/03/13(火) 01:30:05.83 ID:E+fpN9PY0
いや返せよ



159: 本当にあった怖い名無し 2012/03/13(火) 01:50:24.45 ID:VMh+zGtB0
ごく自然に持ち去りすぎw



175: 本当にあった怖い名無し 2012/03/14(水) 16:53:54.54 ID:UjrO6OdP0
クレヨンしんちゃんの初期作品にあった話
専業主婦野原みさえは息子、しんのすけと一緒にいつもの様に銀行へ生活費を下ろしに行く。
通帳の明細が一瞬だけ表示され、残高はほぼゼロ。みさえは今月分の給料、30万円全額を引き出した。
「今日はしんちゃんの好きなもの作ってあげるわね」上機嫌にみさえは銀行を飛び出し、スーパーに向かった。
買い物かご一杯に商品を詰め込んで、レジに持っていく。「1XXXX円になります。」店員に金額を提示され、お金を取り出そうとするみさえ
だが、見当たらない。カバンの中、ポケットの中をくまなく探したがお金は出てこなかった。
顔面蒼白になったみさえは銀行へ戻り、周辺を捜索したが矢張り見つからない。
警察に届け出るが、巡査に「こういうものは大抵見つからない」と言われ、更に落ち込んでしまう。
あろうことか彼女は5歳になる息子に疑いの目を向ける。今回は全く咎を受ける事をしていないのに鬼の形相になる母親に萎縮するしんのすけ
そうこうしている内に主人、ひろしが帰ってくる。いつもと違う妻の様子に驚くひろし。
みさえは理由を告げ、どんな罰でも受けると謝罪する。ひろしはみさえの予想に反し、怒らなかった。
「なんだ、そんな事か。オレはお前としんのすけさえ無事なら他に何もいらないよ」夫の優しい言葉に胸を打たれ、泣き崩れるみさえ。



176: 本当にあった怖い名無し 2012/03/14(水) 16:55:47.84 ID:UjrO6OdP0
ここで切りよく話は終わるのだが、CM後にこの続きが始まる。
翌朝、ひろしが目を覚まし朝食はどこにあるのかと尋ねる。みさえは「そこのパンの耳でも食べといて」と冷たく言い放つ。
「は?」ひろしは呆気にとられる。みさえは続いて「あぁ、あなたの今月のお小遣い、1万円減らすからね」と一方的な通告。
「おい、ふざけんなよ。元はと言えばお前が給料落としたからこうなるんだろ?」半ばキレ気味にひろしは正論を言う。
「そうよね…私が給料を落とさなければこんなことにはならなかったの…」みさえは悲しいBGMをバックに泣き崩れる。
「あぁ、すまなかった。わかった、今月は小遣い減らしていいから」折れるひろし。
それを聞くや否や嘘泣きをやめ、サッパリとした声で、「じゃあ、晩酌のビールもなしね」と他人事のように追加条件を提案。
死人のような顔をしてひろしは出勤。自身はいつもと変わらない生活に戻る…
因みに張本人の自身に対する罰は“月一で買っている通販やデパートの服を買わない”と言うことだけ。
前半だけで終わっていれば美談だったのに…



177: 本当にあった怖い名無し 2012/03/14(水) 17:11:31.25 ID:5cmMCIZ90
実際だと「落とした自分も悪いが給料が少ないのが悪い、もっと稼いでくれば多少落としてもきつくない」って逆切れされる

現実と比べれば全然ましなパターンだよ



178: 本当にあった怖い名無し 2012/03/14(水) 17:24:15.56 ID:Cl+56gis0
発言小町の判決ならヒロシが悪い
ちょっとでもみさえを責めたらDV



179: 本当にあった怖い名無し 2012/03/14(水) 17:49:18.97 ID:RMNnRGe60
まあしんちゃんだから「そんな身勝手なみさえ」っていうギャグではあるんでしょうけど



204: 本当にあった怖い名無し 2012/03/15(木) 11:53:21.67 ID:DuEyDgXP0
機動戦士ガンダム00のソレスタルビーイングという組織の話
私設武装組織ソレスタルビーイングは世界中の紛争根絶を掲げ
世界各地の紛争地帯やテロ組織にガンダムで武力介入を行った
その過程で多くの軍人や傭兵、巻き込まれた民間人が命を落とした
またアニメの2期では連邦未加盟国に暴虐行為を働いたアロウズという組織に武力介入をした
しかし最終的に連邦の新政権と癒着することで最終的にソレスタルビーイングは英雄扱い
直接引き金を引く役目を負ったガンダムマイスターの4人のうち一人は死亡
他二名は人としての人生を捨てることになり悲惨な末路だが
残りの一名は恋人と幸せな余生を送ったようだ
構成員も1期の終盤に3名を除いて全員殺されていたり悲惨だが
事実上テロ行為をして多くの人間を殺してきたのに英雄扱いとか
殺された人の遺族からするとたまったものじゃないと思う



206: 本当にあった怖い名無し 2012/03/15(木) 13:02:49.07 ID:g7EJzyw60
>>204
穿った見方だな。連邦だって施設を建てるのにそれまで住んでいた人を追い出したりで利権挟んで
血みどろの戦争をしてきた訳で。
結局ソレスタルビーイングはテロリストのままだろ。世間的には。上同士が必要悪と認めただけ。
後、ガンダムマイスターのうちの1人死亡ってのもな。そいつは元々データ生命体みたいなもんで、体は
そのデータを入れる為の受け皿みたいなもんで、最後にその体を無くしただけで厳密には死んでない。



209: 本当にあった怖い名無し 2012/03/15(木) 13:43:15.37 ID:Zk8iBAbt0
ガンダム00で一番後味悪いと思ったのが
敵の少女ネーナ・トリニティが任務の真っ最中に
結婚式会場を発見する
幸せそうな新郎新婦とそれを祝福する親族達を見たネーナは
自分は仕事漬けなのにという嫉妬心で1人除き全員殺害
唯一生き残った少女は片手を失い、両親と全ての親族を
亡くしたショックで今までの明るい性格を失ってしまう



211: 本当にあった怖い名無し 2012/03/15(木) 19:44:07.71 ID:Ocn2GJQ00
>>209
えぇっ!?ガンダムってそんな話なんだー
てっきり地球の平和を守る為に闘う正義の味方のお話しだとばかり…



280: 本当にあった怖い名無し 2012/03/18(日) 18:54:22.91 ID:CoMfQdQj0
震災でおれの職場と家,思いっきり流された。
地震がきたあと社長の指示ですぐ家族迎えにいって山にのぼった。
最初こんなひどいことになるとは思えなくて津波すんごいのくるぞ~!!とかいいながら
山の上から携帯で動画とった。
正直社長びびりすぎ~くらいに思ってた。



282: 本当にあった怖い名無し 2012/03/18(日) 18:59:28.91 ID:MxY2d1Z00
>>280
かもめの卵ですか?



283: 本当にあった怖い名無し 2012/03/18(日) 19:58:42.57 ID:OIRVcNsU0
>>280
まぁあんな想像を絶する状況になれば誰でも一時的に頭が変になるよ。気にしなさんな。



281: 本当にあった怖い名無し 2012/03/18(日) 18:57:01.30 ID:CoMfQdQj0
自分の街がめちゃくちゃになる映像が今でも残ってる。
しかもおれすっごい笑ってんの。
俺んちおわったー!!とかなんかはしゃいでんの。笑ってるの自分だけじゃなかったりするけど。
自分なのに後から見るとものすごく気持ち悪い。



284: 280 2012/03/18(日) 19:58:50.94 ID:CoMfQdQj0
282の動画は見たことあるけどおれとはちがうよ。
あの社長はちゃんと記録として動画とってたんだろうな。
おれはただバカ騒ぎしてた。
自分の携帯だけに保存してあるから。
自分が基地外なところなんかさらしたくないし。



304: 本当にあった怖い名無し 2012/03/20(火) 01:13:00.97 ID:eV7anX1A0
お笑い芸人鉄拳のパラパラ漫画振り子時計
夫が職場のパワハラで荒れて酒と女に溺れてしまい
代わりに妻が働きづめで心労で倒れる
夫は反省し再び真面目に働くが事故死

最終的に天国で再び結ばれるという感動系だけど上記の
部分でスレタイ通りに感じた




369: 本当にあった怖い名無し 2012/03/29(木) 01:43:49.07 ID:qcB8luIz0
ジブリ映画「平成たぬき合戦ぽんぽこ」
一回見たっ切りなんで違ってたら突っ込んでください。

時は高度経済成長期、奥多摩の丘陵地帯にも開発の手が伸びようとしていた。
そこに暮らすタヌキ達は人間に対抗しようと古来から伝わる「化け学」を復活させる。
妖怪や幽霊に化けたり怪奇現象を起こして作業員を驚かせ、狙い通り開発は中断されたかに見えた。
しかし人間たちは怯んだわけではなく、さらに高度でパワフルな重機を用意し
迷信や怪奇現象など信じない仕事と金しか頭にない者たちに次第にタヌキ側の旗色が悪くなる。
巨大な化け物になって道路を封鎖しても車で体当たりすれば本体のタヌキたちは死ぬ。
犠牲も増え、タヌキたちはこのままこの丘陵地帯に残るか
同じく化ける能力を持つキツネ一族のように人間に成り済まして
人間社会で生きていくかの決断を迫られる。
ラスト主人公タヌキはサラリーマンに成り済まし、他のサラリーマンがそうであるように
毎朝満員電車で通勤し忙しない日々を送っていた。
山に残ったタヌキたちは化け学を忘れ、里まで降りて人間の食べ残しを漁って生き延びていた。

後味悪いというかひたすら哀しくなってしまったorz



371: 本当にあった怖い名無し 2012/03/29(木) 06:02:42.78 ID:Re2HUOZX0
既出かな、楳図かずおの短編で、タイトルは確かダイエット

少し太った女の子が男の子に告白するも、男の子は、「デブはごめんだよ、痩せたら付き合ってあげる」と断る。
女の子は悔しがり、食欲を我慢して日々の食事を減らし毎日体重計に乗り、ついにダイエットに成功する。
再び意中の男の子に告白して、今度はOKを貰い喜ぶ女の子。だがその瞬間意識をなくしてしまう。
気がついたら目の前には男の子はおらず、女の子は血まみれ。
食欲が開放された女の子は男の子を食べてしまったのであった…。



382: パルレ 1/4 2012/03/29(木) 19:02:26.69 ID:0pP5tPvB0
長めです。すみません。

韓国のミュージカルを日本で翻訳劇として上演したお芝居、パルレ(洗濯)が後味悪かった。

舞台は現代、ソウルの下町。
主人公は地方からソウルに出てきて自活している24、5の女の子。
これといって特徴のないどこにでもいるタイプの女性で、いま恋人はいない。
事情があって、ある長屋に引っ越してきた。

長屋の大家は金にうるさく、何かにつけギャンギャンわめく中年女。
主人公の二つ隣に住んでいるのはだらしない感じの女性でヒモと同棲している。
さらに隣室からは毎夜おかしなうめき声が聞こえてくるのだが、その部屋に出入りする人間は誰もいない。
主人公は早くも長屋での暮らしに不安を覚えるのだが、ある日、屋上で金盥に水を張って洗濯し、ロープに洗い物を干していると、隣の長屋の屋上で同じように洗濯をしていた男に声を掛けられる。
その男はモンゴルからソウルに出稼ぎに来た外国人労働者ソロンゴだった。
はじめはソロンゴにあまり関心のない主人公だが、段々と彼の優しい心に惹かれるようになっていく。

さて、主人公は本屋で働き始めるのだが、その本屋はワンマン社長の下で不正な取引ばかり繰り返して本業がおろそかになり、業績は急速に下降中。
社長の右腕と呼ばれる有能な女性(主人公の上司)が一人奮闘している状態。



383: パルレ 2/4 2012/03/29(木) 19:06:45.89 ID:0pP5tPvB0
以上が主人公とその周囲の登場人物の状況。
途中経過は割愛して、それぞれの結末だけ記す。

大家→主人公の隣に住んでいたのは先天性四肢切断の障害を持つ大家の娘だった。
彼女は主人公と同じくらいの年齢だが生まれてからずっと長屋の一室のベッドの上で過ごしてきた。
この娘は大家の元夫との子ではない。元夫がDVに浮気を繰り返していたのでその報復に浮気をしたら娘ができてしまったのだった。
主人公がこのことを知ったのは、ソウル市の役人が定期訪問に来た際、大家と喧嘩し、長屋中に聞こえる声で娘の障害について喚き散らしたから…。
大家にはもうひとり息子(嫡出子)がいるのだが、この件で愛想を尽かして出ていき、経済的に母を援助するのを拒絶している。
が、物語のラストでは事業に失敗したため母を頼って長屋に引っ越してくる。

隣人女性→無職の暴力男のヒモを追い出すことに成功するが、大家に「あんなにあんたのことをわかってくれる男はいない」と説得されてヒモと再び同棲することを決意。



384: パルレ 3/4 2012/03/29(木) 19:07:36.55 ID:0pP5tPvB0
ソロンゴ→工場で働いているのだが、ビザがないことを逆手に取られ、給料未払いの状態が続いている。
ある夜、いつものように工場長に「お金下さい」と電話しているところを大家とその酒飲み友達に見つかる。
彼らはソロンゴのような外国人労働者に仕事を取られたブルーカラーで、溜まりに溜まった鬱憤を晴らすべくソロンゴをたこ殴りにする。
部屋を追い出されると行き場がなくなるソロンゴは黙って暴行を受け続ける。
そこへ主人公が偶然通り掛かり、ソロンゴを庇うのだが、「女の癖に男に逆らう」ことや、「外国人がこの国の女まで持っていく」ことにさらに逆上し、暴行は激化してしまった。
暴行後、主人公とソロンゴは彼らを訴えるでもなく、泣き寝入り。
ソロンゴと主人公が暴行を受けた飲み屋街には、「我慢強く逃げ出さないベトナム人を妻として斡旋します」という看板が掛かっていてそれも気分が悪かった。

主人公の女上司→ワンマン社長に経営改革を申し出るとクビに。年齢もあって最早再就職は絶望的。上司をかばった主人公もついでにクビになった。



385: パルレ 4/4 2012/03/29(木) 19:10:48.48 ID:0pP5tPvB0
最後はみんなで「心を洗濯して前を向いて歩こう!」という感じの歌を歌って踊って大団円。
あらゆる問題が未解決の状態で放置されたまま主人公はソロンゴと別の長屋へ引っ越していってハッピーエンド(っぽい終わり方)。
ソロンゴは元々家族への仕送りのために韓国へ来たはずなのだが、ラストシーンでは主人公に「これからは給料は全部君のために使うよ」というようなことを言っていた。

で、一番後味悪かったのが、このお芝居がいま韓国で一番人気のあるオリジナルミュージカルらしいこと。
こんな話が仮にも先進国の首都でありふれた事情としてたくさんの人から共感を集めているなんてびっくりした。



395: 本当にあった怖い名無し 2012/03/30(金) 16:10:47.41 ID:ds6W0CwgP
アメリカのアニメ、ザ・シンプソンズの中の一話。

テレビで苦労の人として紹介されたフランクという青年。
彼は幼い頃に両親に捨てられ、学校にも行かずに働き、更に18歳の時に爆発事故に巻き込まれた事も。
そんな境遇に負けず、僅かな自由時間を勉強に費やし、通信教育で核物理学コースを卒業した。
そのテレビを見ていた原子力発電所の社長は「彼を自分の会社の副社長にしたいから連れてこい」と秘書に命じる。
翌日、秘書がフランクを連れてくるが、その頃にはフランクに対する感心を失っており、平社員として彼を採用する。

そして、フランクは主人公であるホーマーの下で働く事になるが、ホーマーのあまりに適当な勤務態度に怒りを覚えるフランク。
ホーマーはフランクと仲良くなりたいと考え、自宅へ招く事にする。
が、そこでホーマーの家や妻、子供達を見たフランクは「こんな適当な奴がいい家に住んでいて結婚していて子供までいるなんて」と更にホーマーに対する怒りが湧いてくる。
そこでホーマーに恥をかかせてやろうと企んだフランクは「子供模型コンテスト」に子供向けという事を隠してホーマーに出場させる。
コンテスト当日、子供に混じって参加するホーマーをみんなで笑い物にしてやろうとしたが、何故かフランク以外はホーマーが子供向けのコンテストに出ている事を疑問に思わなかった。
それどころかホーマーがコンテストに優勝した事で、我慢の限界がきたフランクは発狂してしまう。
そして、散々ホーマーのマネをした挙句、高圧電流に自分から突っ込んで死んでしまった。

真面目人間を皮肉る感じの話だったんだけど、にしても胸糞悪かった。



422: 本当にあった怖い名無し 2012/04/01(日) 23:16:04.03 ID:KN5W2L9y0
十五年くらい前に一回だけ見たアニメの話なんだけどさ。(確か六時台の枠)

何か、侵略者の攻撃がえげつないアニメで、
ネズミ型のロボットか妖怪が大量に沸いて徹底的に街の食料を喰い荒らし、
主人公一同も兵糧攻めを喰らい、骨抜き状態に。

そんな中、そのネズミ達は猫が弱点と言う事が発覚して、
大量に捨てられてた野良ネコがどんどん拾われて行くの。
(話の最初の方で多くの猫が人間の都合で捨てられて野良が増え、散々追い回されるシーンがあったような)

それで、最後はネコの活躍でネズミ達が全てせん滅されるんだけど、
ネコもあっさり捨てられ、というか以前よりも酷い数が神社に追いやられ。

最後は主人公に割と好意を寄せていた猫までが憎しみの声色でウーッと無くカットで終わるっていう。

それが物凄く後味悪くて、以降見る事は無かったんだけど、つい最近、ふとした拍子に思い出した。
何てタイトルだったんだろう。



424: 本当にあった怖い名無し 2012/04/02(月) 00:23:58.13 ID:aALZEkU30
>>422
勇者指令ダグオン
27話 猫が消える日宇宙鼠マウザー星人登場



423: 本当にあった怖い名無し 2012/04/01(日) 23:40:31.06 ID:dwdpGGWYO
ネズミ人間



426: 本当にあった怖い名無し 2012/04/02(月) 07:22:29.99 ID:fmadkb2dP
ダグオンはそういう後味悪い話がそこそこあったな。
ある敵宇宙人が地球人の心を悪に染める装置を地球に落とす。
ダグオンは阻止しようとその敵宇宙人を倒すが、結局装置は発動してしまう。
けれど、発動したにも関わらず、地球人には何の影響もなかった。
装置が壊れていたのか、それともそんな装置を使うまでもなく地球人の心は既に悪に染まっていたのか…。
みたいな話が幼心に結構衝撃的だった。



428: 本当にあった怖い名無し 2012/04/02(月) 20:35:18.95 ID:M/i4k28a0
既出だったらごめん。怪談レストランから3回目の出典
「ひらめになれ」
魚屋の女の子が呪いの人形を手に入れる。
その人形に針を刺し、呪いを込めて土に埋めると相手を呪うことができるという。
そこで彼女は、同じクラスでまるで目が片方に寄ったひらめのように自分のノート
などをちら見してくる金谷さんという女の子を呪いでひらめにしてしまおうと
人形に針を刺し、「金谷さん、ひらめになれ」と呪いをこめて土に埋める。
その翌日から金谷さんが学校に来なくなる。そして数日後。
彼女が魚屋で店番をしていると、売り物のひらめが急に彼女に話しかける。
「よくもあたしを、ひらめにしたわね」
そこで彼女はそのひらめが金谷さんだと知るが、金谷さんは私だけひらめには
ならない、あなたもひらめになるという。

気がつくと、少女もひらめになり金谷さんの隣に並んでいた。
そこへ父親が帰ってくるが、当然娘がひらめになったなどと知るよしもない。
ひらめが二匹いることに不審に思う父親に助けてくれとじたばた暴れるが、声
が出ず逆にいきがいいと思われ父親は刺身にしようと包丁を取り出す…
原作、アニメともにここで終わっていてそのあとは不明だが、おそらく助から
ない。
人を呪わば穴二つ、つまり人を呪えばその呪いが自分に返ってくるという教訓
らしいが、自業自得とはいえあまりの救いのなさが怖かった。



467: 1/3 2012/04/07(土) 10:13:26.00 ID:VGJ2c4aB0
百合小説の元祖、吉屋信子の『花物語』の一篇「睡蓮」

ある女流画家の弟子に、寛子、仁代という特に達筆な二人の少女がいた。
寛子は富裕な家の箱入り娘、仁代は福岡は博多の出だったが、
母子のみの家庭で一人身を立てねばならず、上京して画家の内弟子になっていた。
境遇に違いはあったが、二人はとても仲が良かった。
特に仁代は寛子に対して強い憧れを抱いていた。

二人は昨年揃って落選していた若手画家の登竜門である展覧会に出す絵を描くため、題材を睡蓮に決めた。
植物園を訪れ二人並んで絵を描いていると、寛子が仁代に
「好い物をあげましょうか」と言って、上品な夏手袋を差し出した。
それは二人お揃いで、寛子が仁代のために買っておいた物だった。
「まあ美しい!」と仁代は目を輝かせたが、すぐに表情が沈む。
その様子を訝しんだ寛子が気に入らないのかと尋ねるが、仁代は要領を得ない。
少し気を悪くし始めた寛子の様子を見て、仁代は思い詰めたあげくに声を震わせながら理由を打ち明けた。
「堪忍して頂戴。私――私――あの、指がいけないんですから――」
仁代の左手は、生まれつき小指と薬指が癒着していた。
それを見た寛子は唖然としたが、すぐに仁代を優しく慰めた。
そして、こんな物を持ってきて嫌な思いをさせて本当に悪かった、私はちっとも知らなかった、
言わなければ誰にも分からないようなことで悲観する必要はない、私も友情に誓って誰にも言わないから――
と言って、仁代の左手を握って口づけをするように唇に近付けた。
仁代は寛子の優しい気遣いに感激して涙ぐんだ。



468: 2/3 2012/04/07(土) 10:14:23.73 ID:VGJ2c4aB0
下描きが終わり、寛子が仁代を家に招いての着色作業も終わり、いよいよ絵が完成する段になって
お互いがお互いの絵に題を付けよう、ということになった。
仁代は寛子の絵に「睡蓮咲く頃」と名付け、寛子は仁代の絵に「水の面」という題を付けた。
そして寛子は言った。もしまた落選したとしても、あんなに二人が協力して描き上げた絵なのだから、
二人の友情の思い出のためだけでもいい、それだけで充分報われる――と。
仁代は何も言わなかったが、心の中で何度も肯いた。
そして今や、仁代が寛子を想い慕う気持ちは、動かし難いものになっているのを感じた。

絵を出品した後、仁代は寛子が睡蓮の精として現れる夢を見た。
しかしその夢では、いくら名を呼びかけても、寛子は素っ気なく冷たい素振りを見せ、
やがて睡蓮の花の影に隠れてしまった。

そして入選作発表の日、入選者を知らせる新聞には、居並ぶ画家の中でも
特に仁代の写真が添えられ、苦学して画家を志し云々、と大きく取り上げられていた。
一方で寛子の「睡蓮咲く頃」は選に漏れていた。
口々に祝福の言葉を掛ける人たちの輪の中で、仁代の心は複雑だった。
寛子と一緒に入選できていれば、いっそ入選したのが寛子だけだったら、何の躊躇もなく喜びに浸れたのに。
この想いを伝えようと、少しでも寛子を慰めたいと、仁代は後日稽古にやってきた寛子に言葉を掛けた。
すると寛子は不快感も露わに、同情や慰めはよして、あなた少し残酷よ――と、
仁代に見向きもせず言い返した。そして弟子達の輪の中に入ると、苦り切った口ぶりで
「どうせ当選するような人は、特別な人よ」と言い放った。
この言葉に、選考に何か裏があったのかと食い付いた弟子達に、寛子は言った。
「だって、どっか不具だったりする方の意気込みは、私たちの遊び半分のようなものとは違うでしょうから」
弟子達は静まりかえった。「不具」が誰のことを指しているのかは明らかだった。



469: 3/3 2012/04/07(土) 10:15:54.38 ID:VGJ2c4aB0
展覧会が終わるのを待たずに、仁代は玉園の家を去り、故郷の博多へ帰っていった。
「あれほどの栄誉の後に、なぜ絵筆を捨てるのか」という玉園の詰問にも、涙ぐむだけで何も答えなかった。

一年後、玉園は長崎で行われる画会の道すがら、博多で途中下車して仁代の家を訪ねてみた。
そこにいたのは、母子二人きりの粗末な家でやつれきった仁代の姿。
部屋の中には、生活のために請け負った土産物用の素焼きの人形が数十も転がっていた。
涙ながらにひとしきり再会に浸っていたが、やがて玉園の汽車の時間が迫った。
仁代は玉園に対し、土産にと人形をひとつ差し出す。
その彩色の鮮やかさに、玉園は改めて仁代の才能を惜しんだ。
ふと玉園はその顔が、知人の誰かに似ている気がしたが、誰であるかまでは思い至らなかった。

博多のとある百貨店には、「睡蓮の精」と銘された人形が陳列されている。



470: 本当にあった怖い名無し 2012/04/07(土) 11:03:37.56 ID:AvGi8Qj9P
余韻のあるお話だね
こういうのまた頼む



471: 本当にあった怖い名無し 2012/04/07(土) 11:23:37.02 ID:lpHQzX0A0
馬鹿の嫉妬はいやらしいね
せめて最初からライバル心むき出しなら芸術とは成功とはそういうものと
わりきれ互いに切磋琢磨できるのに
なまじ二人でがんばりましょうとかぬかすから



476: 本当にあった怖い名無し 2012/04/07(土) 13:20:51.98 ID:W5l6SuvJ0
後味悪いけど、仁代は寛子への嫉妬による醜い言動を見て
それ以上憧れを汚さないために博多に帰ったんだろうから、
いい思い出だけに浸りながらその結晶による人形を作って生きていけてある意味幸せじゃないかな
客観的に見ると哀れだけどね



480: 本当にあった怖い名無し 2012/04/07(土) 18:51:39.77 ID:oKBaHM+C0
「完全なる報復」
詳しくは http://ja.wikipedia.org/wiki/完全なる報復

妻と娘を殺されたお父さんが犯人や司法制度に報復を企てる話。
ある日、いきなり押し入ってきた強盗に目の前で妻と娘を殺されてしまう。

犯人は捕まったものの、父親は殴られて意識混濁していたので証言は証拠にならず
その他にも証拠が少なくこのままでは有罪にするのは難しいので
主人公の検事は「無罪になるよりは司法取引に応じて少しでも罰与えた方がいいよね。もう決めたから」
と有罪を勝ち取るためなら軽い刑でもいいやっていう酷い選択をする。
そのせいで妻と娘と殺した張本人は仲間に罪を押し付けてのうのうと出所してしまう。

10年後…、殺人を押し付けられたもう一人の犯人は死刑執行の時を迎えていた。
薬剤で眠るように死ぬはずが、いきなり苦しみだし体中から血を噴出して死亡する。
外で自由を謳歌していた妻と娘を殺した犯人も
死なないように止血や輸血をされながらじわじわ16箇所を切り刻まれて惨殺。

その後犯人のお父さんが余裕の表情を浮かべて捕まるわけだがそこからが本番。
お父さんは刑務所にいるのに、あの裁判に関わったやつが次々と殺される。
日和見な裁判長も主人公の部下も、弁護士も悲惨な死を遂げる。



481: 本当にあった怖い名無し 2012/04/07(土) 18:55:09.76 ID:oKBaHM+C0
のちの調査で10年間かけて監獄までトンネル掘って
そこから抜け出し殺人を行っていた事が発覚。
監獄にお父さんが戻って来たところを主人公らが両側から鍵かけて閉じ込め
爆薬を使って焼き殺す。

お父さんは炎の中、娘が作ってくれた
ダディという文字が入ったブレスレットをいつまでも見つめていた…。


クズの市長やその他側近がゴッソリ生き残ってるのと
あれだけ法に乗っ取って~と法に従うことを信念としていた主人公が
法律完全無視で父ちゃんを焼き殺したのが納得いかない。
しかも市長まで「法律なんかどうでもいいから!奴を市内から追い出せ!武装警察市内全域に配置!」
殺した犯人は司法取引の法にのっとって軽い刑だったのに…。

しかも焼き殺したのを罪に問われないで娘の演奏会を家族で楽しんで幸せハッピーエンド。
みんな死ぬか報復受けたのに無傷の主人公一家万歳エンド。



511: 本当にあった怖い名無し 2012/04/08(日) 15:59:48.67 ID:ToJ8t4ZV0
昔見た、実写ドラマ版のいじわるばあさんの話

いじわるばあさんの近所の男がFAXを買ったと嬉しそうに話していた。
それを聞いたいじわるばあさん。近所の店にかたっぱしから男のFAX番号を教えまくる。
翌日、山のような宣伝FAXが押し寄せて、買い込んだFAX用紙が空っぽになり男は半狂乱となっていた。
それを見てほくそえむ意地悪ばあさんが後味悪かった。



523: 本当にあった怖い名無し 2012/04/09(月) 01:35:21.51 ID:wR2acevoO
>>511
いじわるばあさん、後味悪いの多いよな。
自分が一番うわ~と思ったのは、いじわるばあさんには妹がいるんだけど、妹は優しくて美人。
妹にはカッコイイ恋人がいたんだけど、嫉妬したばあさんがなんか策略して妹を別の人と結婚させちゃうの。
んで、ばあさんがその恋人とちゃっかり結婚するんだけど、結婚後に旦那をイジメ抜いて、早死にさせちゃう。
人の人生をめちゃくちゃにさせちゃうって、意地悪では済まされないよな~。



512: 本当にあった怖い名無し 2012/04/08(日) 16:39:30.87 ID:rGzH0jy6O
「いじわるばあさん」は漏れも後味悪い話を覚えてるな。
婆さんの近所で車の自損事故が起こった。
真っ先に到着したいじわる婆さんは
電柱にぶつかり大破しドアが開いた中にシートベルトをした気を失いかけたスーツ姿の男性を見た婆さんは・・・
「み水」と呻く男性に家から持って来た日本酒を飲ませて慌てて隠れる。
そこへ警官がやって来て、男性の息を嗅いで「酒飲んでるな」と一言・・・
それをみて含み笑いをする婆さん・・・
後味悪かったと言うか胸糞悪いと言うか、子供心に駄目だろこれって思ったよ。
ちなみにいじわる婆さんも青島も大嫌いだったな。



558: 本当にあった怖い名無し 2012/04/11(水) 16:07:53.49 ID:dpjowCtF0
前に読んだ小説のエピソードのひとつ

夏休みにプールに向かう途中だった小学生は、
通り道にあるスーパーの駐車場で、赤ん坊を見かけた
赤ん坊は一人きりで車の中からこちらを見ており、
目があうと笑って手をふってきた
小学生は微笑みながら手を振り返し、そのままプールへ向かった

数時間後に小学生が帰路についていると、スーパーの周囲が騒がしくなっていた
野次馬たちと警察官と救急車の姿が見える中、悪い予感がして小学生は群衆をかきわけ騒ぎの真ん中へ向かった
そこで警察官たちは、茹でられたように真っ赤な姿になった赤ん坊を運んでいるところだった
もう生きているはずがないと一目でわかるその赤ん坊の姿に、小学生は錯乱したようになった

初めは小学生や野次馬たちを遠ざけようとしていた警察官たちだったが、
小学生のうわ言のような発言から、小学生が目撃者だと知り事情を聞くため連れていこうとした
呆然としていた小学生が強い視線を感じてふりむくと、そこには同じように警察官に囲まれた一人の人物がいた
「気づいてたくせになにもしなかったお前が悪い!お前が子供を殺したんだ!」
とその人は叫んで飛びかかってこようとした。だが警察官たちに取り押さえられ、そのまま連行されていった
そうされる途中でも、「あいつが人殺しなんだ!あいつを捕まえろ!」とその人物は叫び続けていた

その人こそが赤ん坊の親だった
スーパーの駐車場に子供を置いたままパチンコに行き、興が乗って数時間を費やし帰った時には赤ん坊は死んでいた
大勢の前で罵倒された小学生の事を、慰める人こそいたが責める人はだれもいなかった
だが当の小学生本人は、自分があの時どうにかしていたら赤ん坊は死ななかったのだと自責の念を抱いた



559: 本当にあった怖い名無し 2012/04/11(水) 16:27:49.10 ID:ZC4wxMngO
>>558
後味悪ぅ…。
現実にありそうなだけにキツいわあ。

ダンサーインザダークのミュージカル部分は、母親の妄想なんだよね。
華やかな妄想と、陰鬱な現実との対比でより一層悲壮感がが出てる。
ラストの救いのなさは衝撃的だけど、一見の価値はあるかな。



561: 本当にあった怖い名無し 2012/04/11(水) 17:43:12.76 ID:B9PQ7zSz0
>>558
小学生であることを度外視してパチンコ屋に入って母親に何か言っても、それはそれで頂点までファビョって殺されそうだしなあ。



568: 本当にあった怖い名無し 2012/04/11(水) 21:05:50.20 ID:/w9i9IZB0
>>558
いいね、読みやすく完結にまとまってるけどしっかり後味悪い。
こういうのいっぱい載った短編小説でもないかな?



587: 1/4 2012/04/13(金) 19:16:39.50 ID:BtyJHxQx0
たぶん既出かも知れないが、映画『切腹』


武勇の誉れ高い井伊家の江戸邸に、津雲半四郎と名乗る浪人が訪れた。
曰く「生活に困窮し、これ以上生き恥をさらして生きるよりは、いっそ武士らしく切腹して果てたい。
ついては最後の死に場所に、当家の庭先をお借りしたい」と言う。
邸の奥で、家老・斎藤勘解由は「また来おったか」と苦り切った。
過日、食い詰めた浪人がさる大名家の庭先で同様の申し入れをしたが、その志を買われてその家に抱えられるようになった。
それだけならば良かった。その者は真実切腹しようと思ってやってきたのだ。
しかしその後、江戸の街では諸大名家に二番煎じの浪人者が押し寄せ、
厄介ごとを嫌う諸家は幾許かの金を渡してそれを追い払うという、いわば浪人による強請たかり紛いの行為が横行していた。
庭先に通された半四郎を前に、斎藤は言う。「お主はまさか違うと思うが、全く武士の風上にも置けぬ困った風潮でな」
これを聞いた半四郎は、自分は違う、本気である、とあくまで言った。
切腹の準備が整えられる間に、斎藤は半四郎に語り始めた。
「先日も何某という若い侍が、同じように言ってきたことがあった」



588: 2/4 2012/04/13(金) 19:18:16.53 ID:BtyJHxQx0
半四郎に先立ち井伊邸の門を叩いた者は、千々岩求女(ちぢいわ もとめ)という若侍だった。
井伊家は求女の申し状を聞くと一室に通し、死装束を用意するから待てと言い渡した。
死装束とは口実で、運ばれてくるのは金に違いないと思った求女は、「こんなに上手くいくなんて」とほくそ笑んだ。
しかし井伊家は昨今の浪人の致しように憤慨しており、その風潮を戒めるため、また井伊家の武勇を天下に知らしめるため、
見せしめとして求女を本当に切腹させることに決めていた。眼前に死装束が運ばれると、求女は青くなって言った。
「どうか、どうか一両日のご猶予を!一両日待ってさえ下されば、必ず戻ってきて腹を切ります!」。
しかしそれは許されず、求女は庭先に引き立てられた。そこにはしっかりと切腹の場が整えられていた。
さらに求女は愕然とする。用意されていたのは竹光である自分の刀だった。
求女を待たせている間、家臣がその刀を検め竹光であることを知りながら、あえてそれで腹を切らせようとしているのだった。
求女は狼狽するが、家臣は矢継ぎ早に言葉を浴びせて急かした。
やがて求女は破れかぶれで竹光を腹に突き立てるが、切れるはずはない。
それでも求女は何度も刀を腹に突き立て、血が滲み始める。井伊の家臣団は嘲笑いながらそれを眺めていた。
求女が思い切り体重を掛けると、ついに腹が貫かれた。しかし、介錯人が刀を振り下ろす気配がない。
地獄のような苦痛に苦しむ求女が舌を噛み切ると、ようやくその首が打たれた。



589: 本当にあった怖い名無し 2012/04/13(金) 19:20:28.34 ID:BtyJHxQx0
話を聞き終えた半四郎は、「それでは」と切腹の準備に掛かったが、その前に最後の望みとして、
井伊家中で知られた腕利きに介錯をしてもらいたいと言い出した。斎藤はその希望を聞き入れたが、
半四郎が名を挙げた沢潟彦九郎は病欠、次に挙げた者も病欠、三人目も病欠だった。
不審を感じた斎藤は沢潟の元に使いを走らせた。
半四郎はそれを見送った後、「では、拙者の身の上話でも」と、静かに語り始めた。

半四郎はもと広島藩士だったが、藩主の福島家は僅かな瑕疵から幕府によって取り潰され、
家中は散り散りとなって半四郎も浪人になった。先の話に出てきた求女は
かつて腹を切った自分の親友の子であり、娘婿だった。
半四郎は求女夫妻、孫と一緒に江戸に出てきたが、新たな士官先があるわけでもなく、生活は苦しかった。
そんな折、娘が病に伏せ、孫もまた高熱を出した。しかし医者に診せる金はない。
刀を売れば幾許かの金にはなるが、武士の魂を金に換えることを半四郎は思いきれなかった。
すると、求女は金策に心当たりがあると言って何処かへ出掛けていった。
夕刻になっても戻らず心配していると、井伊家の者が求女の死体と共に半四郎の家を訪れる。
井伊家の者は事の次第を説明すると、「竹光の切腹は見苦しい」と言い捨てて帰って行った。
半四郎は求女が生活のために刀を売っていたことも知らなかった。
悲しむ娘の傍らで半四郎は自分の刀を抱き、「俺は、こんな物のために……!」と慟哭する。

「奈落の底に喘ぎうごめく浪人者の悲哀など、衣食に憂いのない人には所詮わからぬ。
所詮武士の面目などと申すものは、単にその表面だけを飾るもの」と、半四郎は斎藤に語りかけ、
そちらも武士であるならば、なぜ一両日の猶予を願う求女に、
その理由を聞いてやるだけの情けを持たなかったのかと訴える。



590: 4/4 2012/04/13(金) 19:22:24.16 ID:BtyJHxQx0
そこへ、使いの者が帰ってくる。沢潟彦九郎は病が重く面会できないという。
すると、半四郎は懐から髷を取りだした。半四郎が介錯を願いたいと名を挙げた3人は
特に求女をなぶった者であり、いずれも半四郎に髷を取られていた。
3人は江戸中に轟いた剣の使い手だったが、戦国の世を生きた半四郎はそれを遙かに上回っていた。
「実戦の経験を経ぬ剣法など所詮は畳の上の水練」。髷をひとつひとつ放り投げながら、半四郎は言った。
「武士道などと言いながら、髷が伸びるのを待って出仕もできぬ腰抜けばかり。
それでよくも金に困った若者をなぶり殺しにできたものよ。
どうやら井伊の武勇とやらも、所詮武士の体面の上辺だけを飾るもの!」半四郎は哄笑した。
斎藤は狼狽し、手下に半四郎を斬るよう命令する。半四郎は家中の者を相手に大立ち回りを演じるが
邸の奥で鉄砲を持ち出され、命運尽きたと腹を切って果てた。
多くの者が半四郎に斬られたが、斎藤は「井伊家中に浪人者に斬られる者などおらぬ。
津雲半四郎は切腹、死傷者は病死とせよ」と命じた。破壊された箇所も血の痕跡も速やかに消された。
江戸の街に改めて井伊家の武勇は鳴り響き、老中よりも賞讃の言葉があったと記録には伝わる。



607: 本当にあった怖い名無し 2012/04/14(土) 13:06:18.69 ID:PIu6BcRIO
>>587
これ井伊家は良い迷惑で後味悪いよな

求女は同情の余地あるかもだけど、半四郎の言うように理由聞いたところで、求女の言い分がほんとかどうかなんて井伊家には確かめようないし、戻ってくる保証もないし
いたぶって殺したとかも今の感覚では悪いかもしんないけど、江戸時代は普通に拷問刑あったしな
半四郎が求女に金の工面のあてについて詳しく聞かないのも悪いし、死ぬ死ぬ詐欺やって殺されたから復讐ってDQNかよって思うしな
食い詰めの死ぬ死ぬ詐欺浪人一人一人に一々丁寧対応なんてしてらんないだろ



608: 従兄の話1 2012/04/14(土) 15:30:58.09 ID:s7AiA20t0
子供の頃、歩いて20分位のところに従兄が住んでた
母親の姉(伯母)と従兄の二人暮らし
従兄とは結構年が離れてたんだけどよく遊んでもらった
男兄弟が居ない俺はよく遊んでくれる従兄が大好きだった

ところが、ある時期を境に従兄が居なくなってしまった
にも関わらず、母親も伯母も他の親族も何も言わない
なんというか、従兄なんて元から居なかったかの様に振る舞う
最初の頃は「???」てな状態だったんだが
学校行って友達と遊んでという日常生活をしてる内に
そんな疑問も次第に忘れていった

数ヶ月ほど経った頃に伯母が再婚して遠くに引っ越して行った
子供心にこの二つの出来事になんらかの関係があるのは分かったが、
同時にこれは訊いちゃいけない事なんだとも分かった



609: 従兄の話2 2012/04/14(土) 15:31:35.70 ID:s7AiA20t0
ずっと後、大人になってから母親に詳しい話を教えてもらった

1伯母と従兄は昔から仲が悪かった
2従兄は中学校を卒業後、地方の全寮制の高校に入学した
(後から考えるとこの頃が従兄が居なくなった時期だった)
3高校の学費は出すが卒業後の面倒は見ないという約束をする
言わば事実上の縁切り宣言だった

伯母は再婚後、高齢だったけど二人出産して
今も家族4人で幸せに暮らしている
従兄は従兄で旧称のまま、結婚してこちらも幸せに暮らしているらしい
ただ一族のイベント等には一切顔を出さない
数年前婆ちゃんが亡くなった時もやっぱり葬式に来なかった
もしかしたらそういう約束もあったのかも知れない

伯母を恨んでる訳でもないし、嫌いという訳でもないが
今でもこの事に関してはなんともいえないモヤモヤした気分になる



611: 本当にあった怖い名無し 2012/04/14(土) 16:25:07.78 ID:a/x2MgM/0
金スマのひとり農業
元番組ディレクターのヘルムートさんが田舎に移り住んでご近所さん達の力を借りながら暮らしている
今年5年目で農業にもある程度慣れて、いずれ両親を迎えて同居するための家も完成に近づいていたり
ヘルムートさんの冴えない地味っぷりがなんともいえないほのぼのコーナー
昨日の放送では今年の冬のことがやってたんだけど
収穫したコンニャク芋をコンニャクにするために皮をむいてたのね
で、このままの状態ではどんな味がするんだろって思ってそのまま食べちゃったのよ
でもそれは絶対にやっちゃいけないことだった
(生のコンニャク芋にはシュウ酸カルシウムっていう劇物が含まれているそうな)

ヘルムートさんは口内のしびれで過呼吸を起こしてすごく苦しそうにしてるんだけど
スタッフは何も声もかけず心配する様子も見せずずっとカメラを回してる
携帯で救急車を呼ぶなりなんなりすればいいのに苦しむヘルムートさんを写してるだけ
そしてふらふら自力で歩いてご近所さん(って言っても田舎だから遠い)の所に行って車に乗せてもらって病院へ
病院についても舌がしびれて上手く喋れなくて受付もスムーズにできないのにやっぱり無言で撮影
幸いそんな深刻な状態にはならなくて、回復したヘルムートさんは自分の無知が招いたことって反省するんだけど
なにやってんだよスタッフ…



612: 本当にあった怖い名無し 2012/04/14(土) 16:41:51.02 ID:PIu6BcRIO
>>611
マスゴミなんてそんなもん



615: 本当にあった怖い名無し 2012/04/14(土) 22:14:37.41 ID:ax/FBK9Y0
>>611
ヤギのゼットンに必須の予防注射をしないで死なせたヘルムートな
具合が悪くなったゼットンがヨロヨロしてる時も罵倒してた下種
自業自得



616: 本当にあった怖い名無し 2012/04/14(土) 22:31:00.91 ID:Xj2QNjed0
>>615
そうなの?
その番組は見ていないけど酷いね。
ヘルムートとやらも、それを放送する番組も。



618: 本当にあった怖い名無し 2012/04/14(土) 23:42:37.49 ID:UrNkENFr0
ずっと昔に見た映画。タイトルは失念。


海難事故に遭った男女数名がひとつの島に流れ着く。
その島には何故か大人の姿がなく、子どもばかり。
不幸な事件でも起きたのか……と不憫に思ったのも束の間、
漂着した仲間が次々と命を落とす中、
子どもたちの手で島の大人たちが消されたこと、
そして、今、自分たちに無邪気な魔の手が及んでいることに気づく。

島の子どもたちとのバトルは続くが、どうにか救助を呼ぶことに成功。
近づいてきた船に向かって、小さなボートを必死に漕ぎ出す生存者。
そうはさせじ、と、追いすがる子らをオールで殴りつけ、叩き落し……。
救助船の甲板から制止の声をかけるも虐待を止めようとはしない彼らに、
乗組員は銃口を向ける――


子どもの頃に見たから衝撃が強かった。いまだに自分の中では最悪endの映画。



629: 本当にあった怖い名無し 2012/04/15(日) 12:25:16.64 ID:Oiwrw+ng0
>>618
光る眼かと思ったけどザ・チャイルドだね
そのあと子供たちがその巡視艇を乗っ取って
大人を殺しに行くって言うラストが嫌だわ



644: 本当にあった怖い名無し 2012/04/16(月) 19:58:33.69 ID:ie5cos3MP
コンビニで売っていた死刑囚や刑務所などをテーマにした本のある一編


ある男が一人、刑務所の中で震えていた。
彼は数多くの幼女を誘拐し殺害した件で捕まり、死刑宣告を受けていた。
幼女を殺した時も逮捕された時も罪悪感などを全く感じてはいなかったが、死刑宣告されて初めて「死にたくない」と思い、恐怖と罪悪感が湧き上がってきた。
死刑執行を待つだけの日々が過ぎる中、男は全く眠れず、「死にたくない、もうしないから助けてくれ!」と喚くも勿論聴き入れてもらえない。
そして、死刑執行の日がやってきた。
男は既に喚く気力も残っておらず、それでも心の中は「死にたくない」という気持ちで一杯だった。
そして、死刑は執行され、男は死亡する。
が、脂肪確認されてから数時間後、男は目を覚ます。そう、生き返ったのだった。
結局、男は「一度は死刑執行された」という事で罪は消え、新しい名前をもらい釈放された。
数日後、男は散歩をしながら生きている事の素晴らしさを実感していた。
そして、通りかかった公園で幼女が遊んでいるのを見て「久々に楽しむかな」とニヤリと笑った。



「喉元過ぎれば暑さを忘れる」の典型的なパターンみたいな話で後味悪かった。
ついでに同じ本に収録されていた「刑務所の飯が美味すぎて太った」という話も後味悪かった。
無駄にいい食生活で。



668: 本当にあった怖い名無し 2012/04/18(水) 12:08:26.66 ID:IKwgNoDa0
『三丁目のタマ』の「まつりばやし」。

丸っこいデザインの猫や犬キャラクターが登場する子供向けアニメだが、「まつりばやし」の回は
台詞は最小限で、蝉しぐれや祭り囃子の音をバックに断片的なシーンでストーリーが進行していく
少し異色回だった。

  夏の午後、風鈴が鳴る縁側で、白い寝間着の若い女性がぼうっと遠くを見つめている。
彼女の膝では、猫の「ノラ」が首をかしげながら見上げている。
  場面は変わって、屋台の準備が進む神社の脇の林。ダンボールを抱えた男の子が石階を駆け上がり
「大勢の人が来る。きっと誰かが見つけて拾ってくれる」と、意を決して置き去る。
  そこに散歩の猫たちがやってきて、箱の中に子猫を発見する。時間がたち、かなり衰弱している。
飼い猫たちはご主人様に助けを求めるため各家へ走り、残ったノラが箱の中で必死に子猫を温める。
だが、行き違いで住民たちは祭の神社へ向かっており、どの家もカラ。再び神社へ駆け戻る。
  仲間たちが人混みの中で飼い主を探す間、ノラは昔のことを思い出していた。
子猫のころ、野良だった自分を拾ってくれた病弱な女性。震える自分を「死ぬな!」と何度も励ましてくれた。
あの夏の日、彼女は縁側で動かなくなった。触れた唇の先を爪が引っ掻いて、血が流れても
それでも遠くを見つめたまま微動だにしなかった。それでノラは全てを察し、家を去った。
  仲間の猫たちが飼い主を見つけ、浴衣の裾を引っぱりながら林へ連れてきた。
駆け付けた林の中で、ノラはもう箱から外に出て、うなだれていた。
「あの時と同じだ。」 箱の中の子猫は、既に冷たくなっていた。
すっかり日が暮れた神社には、楽しげな家族連れの笑いと祭り囃子がいつまでも響いていた。



688: 本当にあった怖い名無し 2012/04/19(木) 14:41:17.17 ID:HTUTrrflO
>>668
ノラだけ二度もそんな淋しい役回りなのが後味悪い。



718: 本当にあった怖い名無し 2012/04/21(土) 22:42:21.18 ID:oxk+Ze6N0
「青空のむこう」で話題になった、アレックス・シアラ―の児童書(?)『スノードーム』。
子供の頃に読んだきりだから細部は間違ってるかもしれないけど、大筋はあってるはず。

 
科学者である独身中年男性Yの職場には、同じく科学者である青年Aがいる。
優秀で研究熱心なAだが、人との関わり合いを避け、家族も恋人もいないようだった。
そんなAの机の上には、スノードームのような置物が一つ置いてある。
Aがとても大事に扱っているそれが気になったYは、ある日Aが席を外した隙に、
それを手に取り眺めてみる。中にはごく平凡な街並みが広がっていた。
そこへAが戻り、勝手なことをするなと激怒。次の日出社すると、スノードームはAの机の上にねじで固定されていた。
YはAのあまりの神経質さに違和感を覚えるものの、触らぬ神に祟りなしと、なにも詮索はしない。
 
しばらくして、Aが忽然と姿を消す。意外にもAが自分宛に手紙を残していることに気がつくY。
そこにはAが語ることのなかった、これまでの人生が綴られていた。



724: 本当にあった怖い名無し 2012/04/22(日) 00:27:44.85 ID:Xp+Rbpq+0
>>718
面白かった!
けど、後味はそんなに悪くないような…



729: 本当にあった怖い名無し 2012/04/22(日) 12:39:23.78 ID:XNALH48NO
>>718
面白かったし、長くても読みやすかった乙
ドーム内で産まれた子が可哀想だな
父ちゃん母ちゃんが死んだら後から来た兄貴と二人暮らし
恋や結婚を経験出来ないってことだし、もし普通サイズになれても、見知らぬ広大な世界に戸惑うだろうな



719: 本当にあった怖い名無し 2012/04/21(土) 22:48:13.57 ID:oxk+Ze6N0
Aは幼い頃、画家である父と二人、貧しくはあるがそれなりに幸せな生活を送っていた。
父には、自由奔放で魅力的な、踊り子の恋人Pがいる。Aもその恋人によく懐いていた。

Aの近所には、天才発明家兼芸術家Bが住んでいた。
裕福であるが生まれつき非常に醜いBは、誰にも愛されることなく一人寂しく暮らし、
時折個展を開いては自らの作品を公開している。その個展を覗いたことがきっかけで、AとBは知り合うことになる。
自分の子を育てることを諦めていたBは、Aのことを非常に可愛がる。
AはBを少し苦手と感じながらも、その作品に魅了され、交流を続けていた。
そんな中、父の恋人P、次いで父が謎の失踪を遂げる。途方に暮れるAだが、Bの養子として迎えられ、新たな生活が始まった。
BはAが実の子であるかのように愛情を注ぎ、何不自由のない暮らしをさせる。
だがAはBに恩義を感じつつも、Bの望むようにBを「父さん」と呼ぶことはどうしてもできずにいた。



720: 本当にあった怖い名無し 2012/04/21(土) 22:51:45.77 ID:oxk+Ze6N0
月日が経ち立派に成長したAは、国内有数の大学への進学が決まる。
ずっと自分を支えてくれたBに対して愛情が芽生えていることを自覚し、初めてBを「父さん」と呼ぼうと決意するA。
だがその矢先に、Bは自宅で事故死をしてしまう。階段を上る途中に転落したBの腕には、
Aの年頃には合わない大量のおもちゃと、知らない名前に「Bおじさんより」と書かれたバースデーケーキが抱えられていた。
Bの死を悼みつつもそれらを不審に思うAは、ついにBの日記を発見し、その内容に衝撃を受ける。



721: 本当にあった怖い名無し 2012/04/21(土) 22:59:31.91 ID:oxk+Ze6N0
BはPに恋をしていた。
しかしどうしても振り向かないPと自分の醜さに失望し、無理やり自分のものにしてしまおうと考えるまでになった。
Bは自らの発明品を用いて、Pを顕微鏡を使わないと見えないくらいに小さくし、作品であるスノードームに閉じ込めてしまう。
鍵の掛かった研究室にPの入ったドームを置き、時間を見つけては彼女を踊らせそれを眺めるB。
食事や生活用品を小さくしてはドームの天井に開けた扉から送り込み、廃棄物を取りだし、Pを飼うように生かしていた。

しかしPは日に日に衰弱し、このままでは死んでしまうとBは焦り始める。
体を元の大きさに戻そうとするが、どうしてもそのための装置が作れない。
歪んではいるもののPに深い愛情を抱いていたBは、結局Aの父までも小さくし、Pと再会させる。
理不尽な仕打ちに始めこそ憤慨する二人であったが、時間を掛けてその生活に慣れ、子を儲けるにいたる。
Pの腹が膨らみ始めたことに気がついたBは激しく嫉妬し、咄嗟にドームを割ろうとするが、Aの存在により思いとどまる。
やがて生まれる赤ん坊を見て、Bはその無垢な姿に感動する。



722: 本当にあった怖い名無し 2012/04/21(土) 23:01:14.61 ID:oxk+Ze6N0
生まれた子供は自分達の境遇を教えられず、また外の世界があまりにも大きいため認識もできず、
生きるとはこういうことだと思ったまますくすくと成長する。
Bは純粋なその子を我が子のように想い、様々な服やおもちゃを与え可愛がる。
PやAの父に対する嫉妬や憎しみもいつしかなくなり、Bは三人を温かく見守るようになっていた。
何も知らないAと、閉じ込められたままの三人。自分にも家族ができたと幸せを感じるBだったが、それでも良心は痛み、
とうとう事故で死ぬまで何年間も、三人を元に戻すため成果のでない研究を続けていた。
日記には、A達に対する愛情や罪悪感、そしてどうか許してほしいと願う気持ちがつらつらと書かれていた。


真実を知り愕然とするA。確かに芽生えていたBに対する愛情は消え、Bの願いとは裏腹にどうしようもない憎しみを抱く。
そのまま大学へ進学したAは、ひたすら勉学に励み、科学者となり、奪われた家族を取り戻すため研究に打ち込む。
だが一向に結果が得られないまま、ドームの中の父とPは年老いていく。



723: 長くなったごめん 2012/04/21(土) 23:04:54.12 ID:oxk+Ze6N0
Aの手紙は、こう締めくくられていた。
自分は失われた家族との時間を少しでも取り戻しにいく。
Yは優秀な科学者であるし、信用のおける人物だと思う。どうか自分達を生かし、研究を引き継いでほしい、と。

手紙を読み終えたYは、信じられない気持ちで卓上のスノードームを顕微鏡で覗きこむ。
そこには確かに、家族に囲まれ幸せそうに笑うAの姿があった。



734: 本当にあった怖い名無し 2012/04/22(日) 22:02:59.66 ID:p6x1G+hYO
序盤でドームを動かした時に中がシェイクされて
中の人が…って話かと思ったので無事生きてるなら
ハッピーエンドに思えちゃう



735: 本当にあった怖い名無し 2012/04/23(月) 00:09:16.82 ID:qnbUuBL50
これって、今自分達が住んでる世界も造られたドームなのかもね、て話じゃないのか?



737: 本当にあった怖い名無し 2012/04/23(月) 00:48:39.90 ID:42M4NQAu0
秋田の熊牧場の事件は、すべてが後味悪い。
飢餓の熊、餌のパン、野ざらし、DNA鑑定などなど、どれを取っても後味悪い。



738: 本当にあった怖い名無し 2012/04/23(月) 01:02:16.44 ID:OTThbl820
>>737
熊たちは雨ざらしで餌も満足に貰えてなかったらしいね…
そんな環境で10年間生きてきて、最期は射殺。
亡くなった方は気の毒だけど熊は悪くないと思った。



739: 本当にあった怖い名無し 2012/04/23(月) 01:15:49.28 ID:UlLtIUBT0
>>738
クマ牧場なんて人間のエゴでしかないからね



740: 本当にあった怖い名無し 2012/04/23(月) 02:00:12.67 ID:0DsX7IQ70
それ言ったら牛の牧場も鶏の牧場もそうだろw
人間様が肉食うためのエゴなんだから。



741: 本当にあった怖い名無し 2012/04/23(月) 07:44:58.95 ID:MFdbskYZ0
>>740
食うためでもなく、10年もの長きにわたってなぶりものとなったらさすがに虐待だろ
いまどきは食肉や魚介ですら食べる前に不必要に長く苦しめると眉をひそめられる風潮だしな



742: 本当にあった怖い名無し 2012/04/23(月) 13:31:03.61 ID:nFbBkIXMO
>>741
同意。
是非はともかく、動物園なら一応雨風しのげる所があって、運動量を考慮した餌が貰えて、獣医の検診なんかもあるだろうになあ。

地上最大級の肉食獣の筈なのに、なんか小さかったよな、殺された熊…。



762: プリンのおじちゃん 1/2 2012/04/23(月) 21:06:37.79 ID:SuQL66lL0
結城は契約家主の物件にいる滞納者から家賃を回収する仕事をしていた。
一ヶ月も続けると人間不信に陥るほど精神的にキツイ仕事だった
バレバレのその場しのぎの嘘を並べるのは良い方、逆切れして暴言・罵声を
あびせられることもたびたびだった。ノイローゼになり辞めたり自殺した社員もいる。
 あるワンルームマンションに一年近く滞納している女からの回収を命じられ
部屋に行くと、サラ金の取り立ての督促状がぎっしり郵便受けにたまり
ドアは蹴られたのかあちこち凹んでいた。

これは家賃どころではないだろうと、あきらめ半分で呼びかけたが返事はない。
その後何度も足を運んだが、女との接触はかなわなかった。
 ある晩、ようやく部屋の電気が点いていたので呼び鈴を押すとドアが開き
中から3・4歳くらいの男の子が顔を出した。
ママは?と聞くと「開けちゃいけないのに、ママに怒られる」と泣き出した。
なだめながら部屋に入れてもらうと、中はゴミの山で、隅には赤ん坊と猫が一緒に
タオルケットに包まれ寝ていた。
男の子はけんちゃんといい、母親は仕事だという
2人とも風呂に入っている様子もなく、痩せこけて酷い有様だった。
帰ろうとする結城の裾を掴み、「おじちゃん、また来てね」と言った。



769: 本当にあった怖い名無し 2012/04/24(火) 01:36:58.99 ID:ZDn/5NDb0
>>762
平山夢明の東京伝説だね。
この話は切なすぎで読んだ時泣ぐんだ。



764: プリンのおじちゃん 2/2 2012/04/23(月) 21:09:48.01 ID:SuQL66lL0
翌日コンビニでプリンを買って行くと、けんちゃんは生まれて初めて食べたと
目を輝かせて喜んだ。
さらに翌日も。家賃回収もだが、子供たちが気になったからだ。
母親が置いていったという消費期限をとっくに過ぎた異臭のするコンビニ弁当を
食べようとするのを止め、新しい弁当とプリンを買い与えた。
プリンをおいしいおいしいと食べるけんちゃんに「お母さんに連絡するように言ってね」
と告げてメモを残し帰った。
 その翌日会社に母親から「住居侵入で訴える」とクレームが入り、結城は上司に叱られ
担当から外された。

それでも子供たちが気になり、何度か訪ねそっとドアにプリンや食料の入った袋をかけておいた。
 半年ほど過ぎた頃、偶然あのマンションの前を通ったので気になり、部屋の呼び鈴を押していると
隣の住民が顔を出し、その部屋には今誰もいないと教えてくれた。
引っ越したのかと聞くと、母親が捕まったからだ、子供を死なせたんだと言う。
驚いて赤ちゃんが?と言うと。
「上のお兄ちゃんが死んだんだ、なんだかプリンのおじちゃんを待つんだ、待つんだと言って
ベランダによじ登って外を見ているうちに落ちちゃった。母親はそれから色々調べられて逮捕された」
 結城は一晩中溢れる涙を抑えることができなかった。
 翌日会社に辞表を出した。



765: 本当にあった怖い名無し 2012/04/23(月) 21:31:58.09 ID:Tt85JVDy0
これはくるなぁ…



766: 本当にあった怖い名無し 2012/04/23(月) 21:33:35.71 ID:HsbXB1maO
後味悪かった。



871: 本当にあった怖い名無し 2012/04/27(金) 20:42:29.56 ID:06E1eKLc0
じゃあちょっと投下
NHK時々迷迷より

わがまま放題でいつも自分が一番な小学生の女の子が主人公。彼女には隣のクラスの王子様が好きだった。
王子様は成績優秀、スポーツ万能、性格も良く、作文コンクールで金賞をとるくらい完璧。しかし主人公とは接点がない。
ある日、主人公はボランティアに参加することになる。嫌々ではあったが、王子様も同じボランティアをしており二人は良い感じに。
王子様は主人公に「ボランティアすると、いいことがあるよ!」と優しく指導してくれた。
浮かれる主人公だったが、ボランティア相手の障害者は意思疎通がうまくいかずイライラしてしまう。
「何言ってるか分からないし、こんな一円の得にもならないことしたくない!」
それでもボランティア団体の会長からのアドバイスもあり、少しずつ相手の立場を思いやる主人公。
障害者とも心が通じ、最後に「ありがとう。楽しかった」と言われた主人公は気分が晴れていく。
いいことってこれだったんだ!と主人公は王子様に報告するが、王子様は興味を見せずに何かを書いている。
「何を書いているの?」「ネタ帳だよ、もうすぐ作文コンクールがあるだろ?」
驚く主人公に王子様は言い放つ。
「こんなこと、見返りがなきゃやってられないよ。ボランティアは大人ウケもいいし、作文のネタにもなる
やっぱりやるからには他人の評価とか気になるじゃない?君も利用した方がいいよ」
固まる主人公。王子様は大人に褒められながら帰っていった。おわり。



確かにこの話は君はどう思う?系の道徳教材だけど、何か苦々しい気持ちになった。




876: 本当にあった怖い名無し 2012/04/28(土) 01:40:33.33 ID:J4OQOBgeO
>>871
民放のドラマならともかく、NHKの道徳教材でこんなの見せてどうすんの、って感じだね。
確かに小学生高学年にもなったら、打算や計算する子供もいるけど、純粋な子もたくさんいるのに。
大人がわざわざ子供から子供らしさを無くそうとしてるみたいで胸糞悪い。



885: 本当にあった怖い名無し 2012/04/28(土) 08:33:45.66 ID:5TGX5Ogn0
>>871

 養護学校で臨時教員してた俺がきました。

交流行事で普通学校の子がくるんだけど、そういう「王子様」みたいなのはいるよ。
(そのドラマの小学生設定は無理あるだろとツッコミたいが)

余談。養護学校に交流で来る生徒たちが歌を披露するんだけど『翼をください』と
『世界に一つだけの花』ばかりだった。しかも歌ってる生徒たちが、むりやり
歌わされてる臭がして、かえって痛々しかったというか。



872: 本当にあった怖い名無し 2012/04/27(金) 21:21:02.05 ID:Mzbe6qxJP
その王子は普通に大人だと思う
社会貢献とかこの先進みたい道が決まってるなら就職にも有利だし現実的
世の中のしくみを早すぎるほど早く理解しちゃってるんだろうな
王子の子供時代はほんとに短かったと思うよ

惜しむらくは王子がまだある意味子どもだからこそ
相手に理解してもらえると言う前提で親切心からアドバイスしているのが悲しいな

子供から見たら主人公のが正しいが
ある程度年食ってから見ると他人の評価にがんじがらめになってる王子は楽しいのかな、とは思う



909: 本当にあった怖い名無し 2012/04/28(土) 23:27:43.52 ID:14EtHgzQi
小学校一年生か二年生のときの国語の教科書に載ってた話。
タイトルは「ともだち」だったと思う。

主人公A子は大人しくて体育が苦手。
親友B子は明るくて運動も得意なクラスの人気者。
大嫌いな運動会のかけっこでクラス一速いB子と同じ番に走ることになった。
本番でもやっぱりドベなA子と一位独走なB子。
しかしB子は途中で派手に転んでしまい、結局A子と同じくらいにゴール。
転び方の割にほとんど怪我がないB子を見て、わざと転んだのだと気付くA子。
B子「転んじゃったーてへぺろ」
A子(B子ありがとう!)

テストでB子のやり方は良くないと書いたらバツにされた。



913: 本当にあった怖い名無し 2012/04/29(日) 01:55:40.76 ID:p3XqE2ez0
>>909
それは赤川次郎の小説のうちの一部を抜粋したもので、
本編中だと、どっちかが殺人犯に殺されちゃうんだよな



927: 本当にあった怖い名無し 2012/04/29(日) 05:00:30.06 ID:tsFAb6+yO
>>909
B子ののやり方について自分がどう思うか問うより
何故B子がそんなやり方をしたのかを問う話だと思ってた



910: 本当にあった怖い名無し 2012/04/28(土) 23:47:25.59 ID:lFaAqIlb0
バツなのかよw



933: 本当にあった怖い名無し 2012/04/29(日) 15:37:32.64 ID:62LMQz7o0
川原由美子の漫画作品「観用少女」のエピソード。
手元に本がなくてうろ覚えだけど。

幼い頃に母親を亡くして心を閉ざして言葉も表情も無くした少女に、
父親が引っ越し先の街で少女にそっくりな人形を買い与える。
(この街の人形〈=観用少女〉は多少なら喋ったりも出来る生き物)
父親はこの街が気に入っておらず、街と同じ嫌な匂いがすると
いって人形を嫌うが、娘は人形にべったりでいつも一緒にいて、
次第に笑みを見せるようになる。

しかし、娘からも人形と同じ嫌な匂いがするようになって
父親は嫌悪感を現すようになり、ストレスで段々と弱っていく。
ちなみに、父親の恋人やメイドは娘と人形が良い匂いといっている。
娘と人形の目の前で父親は恋人と口論になり、突き飛ばした瞬間、
娘が母親の遺体(自殺)を見てしまった時と同じ悲鳴をあげる。
この悲鳴が「きゃーあ きゃーあ」と棒読みっぽくてちょっと怖い。
ついに頭にきた父親は怒って人形の腕を掴み、人形屋に連れて行って
こんなものは要らないと怒鳴って床に投げ飛ばす。

家に帰った父親に血相を変えた恋人が言う、
「あの子をどこへ連れていったの。ここにいるのは人形よ」
部屋にはあの日の娘と同じ叫び声をあげ続ける人形がいる。
ラストシーンは人形のように表情のない娘が人形屋と一緒にいて
店主「あなたのお父さんは正気で迎えに来てくれるのかなあ」

ほんわかストーリーが多い中で、この話だけすごく後味悪い。
書いてて思ったけど、途中の微笑むようになった少女って
娘の方じゃなくて人形で、娘は無表情のままだったのかな。
娘も人形がとる食事と同じものを食べるみたいなメイドの台詞もあったし
そのへんぼかして描いてあったかも。



977: 2012/05/01(火) 05:05:36.55 ID:SGrejIs80
どっちも短編漫画。内容はうろ覚えでタイトルは忘れてしまったけど。

・御茶漬海苔の短編

あるところに仲の良い兄妹がいた。
兄は小さい頃からとても優しくて、いつも妹を守ってくれた。妹もそんな兄を大好きだった。
ある日、兄は「人の役に立ちたいから」と自衛隊?のようなところに入隊する。
妹に「お前が危ないときは絶対におにいちゃんが助けにくるからな」と約束する。
さがそこはすごいスパルタだった。上司は厳しく兄はいつも傷だらけだった。
けれど兄はその厳しさも、人助けをしたいという思いの強さから耐えることができた。
妹とは離れ離れで会うことも全然できないけれど、それでも兄は頑張っていた。
ある日、兄は上司から「○時までに必ず届けるように」と品物を預かった。
車で目的地へ向かう途中、事故の現場を発見する兄。夜の道路には自分とそのケガ人だけ。
助けを待っていては間に合わないかもしれない。病院に連れて行かなくては。
けれど任務を果たさないと。このままでは約束の時間に間に合わない。でも大ケガした人を見捨てていくなんて…。
兄は結局、任務は果たせなかった。けれどケガ人を病院へ運んだことで、人の命を救うことができた。
そんな兄の行動に上司は怒り「上司の命令を聞かんとは何事だ。お前らは何があっても上司の命令通り動くのだ。任務が最優先だ」と、兄を激しく痛めつける。


978: 2012/05/01(火) 05:06:16.59 ID:SGrejIs80
この頃から兄は少しずつおかしくなっていく。
だんだんと表情が消えて、ロボットのように上司の命令に従って動くようになる。
一方で、兄がそんな状態になってることも知らず、妹は婚約者もできて幸せに暮らしていた。
その日、妹は婚約者と一緒に海に来ていた。妹は兄の自慢話を婚約者に聞かせている。
しかしある拍子に妹と婚約者は海に落ちてしまう。荒れた海でどうすることもできず2人は波にさらわれる。
そのとき兄は船の演習でか、ちょうど海に来ていた。上司を目の前にみんなで整列している。
船の上にいる兄を見つけて「お兄ちゃん助けて!」と妹が叫ぶ。兄は妹が溺れていることに気づく。けれど動くことができない。
妹は何度も助けを求める。兄はその姿を目にしながらけれど動けない。
次第に妹も婚約者も海に飲み込まれていくけれど、兄はどうしても動くことができなかった。
(教官、命令を)(教官、どうか任務を)
ただ心の中で必死で上司からの「溺れている者を助けろ」と命令してくれるのを待ち続けていた。


・あだち充の短編(原作小説があるらしい)

雪の夜、バーで2人の男が飲んでいる。
一人は顔は男前だけど、身なりは汚らしく少し酔っている。以下A。
もう一人は大柄でおっとりした顔立ちで、身なりがいい。以下B。

AがBに「いい服ですね」と声をかけ「何の仕事をしているんですか?」と尋ねる。
「小さな会社を経営してます」とBは答え「このへんに住んでいるんですか?」とAに聞く。
「すぐ近くの汚いアパートですよ」とAは答え、自分がいかに惨めな人生を送ったかを語る。
仕事はまったくうまくいかず、妻には逃げられ借金漬けで、今も借金取りに追われているという。
その内容に「どうしてそんな話を私に」というBに、Aは「他人だから話せるんです」と悲しげに言う。
そしてAは、眩しくて楽しかった自分の子ども時代をBに語って聞かせた。



979: 2012/05/01(火) 05:06:47.74 ID:SGrejIs80
Aは小さいころは田舎で暮らしていた。
勉強ができて強くて勇敢で、友人たちはAのことが大好きだったし、Aも友人たちのことが大好きだった。
けれどAは親の都合で、都会に引っ越さなくてはいけなくなった。
春、引っ越していくAに友人たちは「都会もんになんか負けるな」「がんばれ」とエールを送り、
Aはそれに「当たり前だ!」と答え、手紙を送るからと約束した。
けれど都会は田舎に比べてずっと勉強が進んでいた。
田舎では一番の成績だったのに、都会ではそれがまったく通用しなかった。
成績はひどいもので、「こんなことみんなに言えない」とAは手紙に「勉強なんて楽勝。都会もたいしたことない」と書いて送った。
最初は友人たちを心配させまいとしてついた嘘だった。
けれど手紙を書くたびに嘘を重ねてしまう。
学年で一番の成績、部活だって他のやつは相手にならない、有名な高校に入った、有名な大学に入った――
もう今さら「嘘だ」なんていえないところまできてしまった。
結局その後も、それらを「嘘だ」と言えないままに30年近く経ってしまった。
田舎にいる友人たちは、今でもずっと手紙の内容が真実だと思っている。

都会の暮らしに馴染めなかったAにとって、友人と呼べるような存在はその友人たちだけだった。

今度、その友人たちと数十年ぶりに会うのだとAは言う。
それを最後にして、ボロが出る前に彼らの前から行方をくらますつもりだと。
せめて友人たちの中でだけでもこの30年を立派に生きた人間でいたいんだとAは言う。

そしてAは最後に、友人たちの中でも一番チビだった少年のことを話す。
「同じ年なのにチビで泣き虫で、いつも俺を頼っていた。けど俺もあいつに頼られると何でもできるような気がしたんだ」
まるで弟のようだった。いつも自分のあとをついてきた。
「引っ越すとき、あいつと離れるのが一番辛かった」Aは懐かしげな、でもひどく寂しい目をして言った。

雪が積もってきたとバーのマスターが言い、Bは席を立つ。
「お先に」と言ってAの分の代金も一緒に払いバーを出た。



980: 2012/05/01(火) 05:10:09.03 ID:SGrejIs80
そしてBは公衆電話から友人に「今度の同窓会、急用ができて行けそうにないんだ」と伝える。
「Aによろしく伝えておいて」とも。

Bはバーで偶然顔を合わせたときから、汚い身なりをしたその男が、あの30年前の春、都会に引っ越していったAだと気づいていた。
けれどAの変わりように驚き、名乗り出ることができなかった。
そしてA本人から現状を聞かされ、Aが自分たちに今の姿を見られたくないと感じていることを知り、
名乗らずに「他人」を貫き、そしてもう会わないことを決めたのだ。

電話を切ってBがボックスから出ると、雪の中にAがたたずんでいた。
Aの手にはナイフが握られていた。
「考えてみたらこんな汚い格好じゃ友人たちに会えないんだよ…。…服を交換してくれ。金も」
バツの悪そうな顔をしながら、Aはナイフをちらつかせる。
Bの目に涙が滲むのを見て、「殺したりしないから泣くなよ」と慌てるA。Bはおとなしく服を交換する。
「だから泣くなって。いい年してみっともない」と戸惑うAに、「泣き虫は子どものころからなんだ」とBは言う。

Bのスーツは少し大きかったが「まあ大丈夫だろう。バレやしない」とA。「裏に名前が入ってる」と教えるB。
「こんなところ誰も見ない」そう言いながら確かめようとしたAは、そこに書かれた名前が自分の友人のものだと気づく。
Aは顔をあげる。

自分がさっきまで着ていた汚いコートに身を包んだBが涙を流す姿と、小さかった頃のBの泣いている姿が重なる。
Aのナイフを持つ手は震えていた。

楽しかった子ども時代。Aのあとをついてくる小さなB。

『このまま春なんか来なきゃいいのにね』
『春が来なきゃAは都会になんか行かなくていいんだもんね』
『そうすればずっとここにいられるんだよね? ね、A』


雪の上に一人の男が倒れていた。男の体の下の雪は、血で赤く染まっていた。



994: 本当にあった怖い名無し 2012/05/01(火) 18:02:18.44 ID:EMXoQM1IO
>>977
なんで自衛隊に入ったら感情が無くなるんだ?
胸糞悪いわ。



981: 本当にあった怖い名無し 2012/05/01(火) 05:12:23.83 ID:SGrejIs80
>>977-980
長くなってすみません、以上です。
二つ目の方は、最後に倒れている男がAなのかBなのかはわからない感じで
けど倒れてるのがAでもBでも救いようなくて凹んだ



984: 本当にあった怖い名無し 2012/05/01(火) 08:16:49.66 ID:RANRHHGc0
>>981
どっちが死んだんだよう(つд`;)・゚・
朝っぱらから切ないよう…



985: 本当にあった怖い名無し 2012/05/01(火) 09:41:06.95 ID:+4GLH2OP0
>>981
上杉で再生したら後味悪さが倍増された



987: 本当にあった怖い名無し 2012/05/01(火) 13:39:09.97 ID:CyJvsAl70
>>981
おもしろかった
あなた文章うまいね



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剣道って全く実戦向けじゃないだろ 有段者より素人がキ●ガイの如くめった打ちした方が強そう

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