かっきーのアンガーマネジメントブログ : 対処法

かっきーのアンガーマネジメントブログ

一般社団法人日本アンガーマネジメント協会認定アンガーマネジメントファシリテーターの垣尾成利です。 日々感じる怒りの感情。どんなふうに対処すればイライラせずに済むか、自分自身の経験を書いていきます。

対処法

自分の役割、わかっていますか?

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自分が今どういう立ち位置で関わっているのか?

これを見誤ると、怒りを買ってしまうことになります。

上司と一緒に取引先に出向いた時に必要以上に会話に口を挟んで上司のプレゼンの邪魔をしてしまった。
奢ってあげようと言ってくれる先輩と食事に行った時に、一緒にいた後輩に先輩以上に偉そうな態度振る舞いをしてしまった挙句、店員にも偉そうな物言いをして先輩の顔を潰してしまった。
と言ったようなこと、皆さんの身の回りでもよくあることではないでしょうか。


自分がメインの立ち位置でない、サブキャラの位置付けで関わっているのに、メインを差し置いて振舞ってしまうと、メインさんはいい気がしなくて当然です。

もしかしたら、何も言われないかもしれません。
黙って笑っているかもしれません。


でも、内心では、お前が前に出る場面ではないだろう、ここは黙って一歩下がれよ、気の利かないやつだなぁ、なんて偉そうな振る舞いをするやつなんだ、と思われているかもしれません。


その時その時で、役割、立場ってあって、サブでもグイッと前に出ることがスパイス的に活きる時もありますが、そういうのは稀なことで、メインに花を持たせる、立てる、出しゃばらず謙虚に一歩下がる、といったことができないと、気付かないうちに相手を怒らせてしまうのです。

その時だけを取ってみれば些細なことかもしれませんが、「こいつは空気が読めないやつだ」、「立場をわきまえない失礼なやつだ」、「調子に乗りやがって」、と思われてしまうことは大きなマイナスなのだということに、言われなくても気付かなければなりません。

今、自分に与えられている役割はなんだ?
今この場で自分はどう動くべきだろうか?

そう考えることが出来る人と考えない人では自ずと行動に差が出て当然ですよね。


私がこういうことをしたら、相手はどう思うだろう?
逆の立場だったら、私ならどう感じる?

って、ちょっと考えれば答えは見つかります。

どうしていいか、わからない時は、黙っていればいいのです。

大事なことは、自分の行動が相手の怒りを生まないか? を考える気持ちをいつも持っておくこと。

そうすれば、余計なことをして怒りを生んでしまうことを回避できるのではないでしょうか?

自分の役割、わかっていますか?

良くないものに触れていると心が疲弊していく

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連日オリンピック関連のニュースがネット上に流れてきます。


結果を伝えるもの、美談を伝えるもの、知らなかった裏側で起きていたエピソードなど様々な情報が私の意図とは関係なく画面に溢れています。

その中には見たくないものもたくさん。


選手に対する誹謗中傷です。


事実とは無関係に、その人が思った怒りを、これでもかというくらいに汚い言葉で書かれたものの多さに驚かされます。

どんな思いでそうなったのか、なぜそんなことを言ったのか?

その答えは選手本人にしかわからないことなのに、全くの無関係な人々があれこれ言うのをついつい目にしてしまう度に心が疲弊していくのを感じます。

それぞれのSNSの運営母体がガイドラインを作り、全部は無理にしても強制的に削除してくれたらいいのになと思います。

そんなことをしなくても、ひとりひとりが相手の気持ちを考えて、こんなことを言われたらどれだけ辛いだろうか? を考えられるようになれば、嫌な言葉は減っていくのになと思います。

見知らぬ誰かが吐いた悪意に塗れた言葉に反応してその人を攻撃する人が現れ、それに乗っかって攻撃に参加する人が増え、あちこちで炎上が起こります。

そんなことをしてなにが満たされるのだろう?


それはよくないと思う、と意見を言うのは良いけれど、その先には常に相手がいるし、傍観している人もいます。

自分が誰だかわからないという安心感も酷い言葉を吐く理由でもあります。


「自分の感情に責任を持つ」

これは、私がアンガーマネジメントを身に付けたいと思ったきっかけとなった言葉です。

私はこういう者です、と堂々と顔出しして、身分を晒して自分の意見を述べ、真っ向から突き付けられる反対意見を受け止める覚悟があるか?

そんなふうに自分に問いかけた時に、ネットに溢れる数々の言葉の主たちはノーと言うのでしょう。

いや、ノーとさえ言わないのかもしれません。


相手の気持ちを考えずに無責任に言い放った言葉がどれだけ人を傷付け、心を疲弊させているか、その言葉が自分に向けられた時にどう思うか? を考えたら、もっともっと自分の感情に責任を持たなければならないなと思えるのではないでしょうか。


吐き出した一言は小さな一言かも知れませんが、その言葉に呼応する人がいれば、大きな塊となって猛烈な勢いで人の心を叩くのです。


自分がその発信源にならない、発信された言葉に触れても乗らない、相手にしない、そういう言葉と距離を置く。

そうやって自分自身の心理的安全性を守るためにも、アンガーマネジメントの考え方は有効です。

良くないものに触れていると心を疲弊してしまいます。

ただでさえ暑さで不快な毎日です。

余計に疲れることにならないよう、良くないものは遠ざけてくださいね。

いくら正論でも相手が腹立たしく感じる主張は良くない

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会議での発言や仲間内の会話など、人が集まって意見を言い合う場面で、正論を言っているのだけれど腹立たしく感じる時ってありませんか?

○○はこうあるべきだ!

と、言っていることは確かにそうだけれど、賛同できない、納得できない、と感じる人の言い方にはある特徴があります。
 
アンガーマネジメントでは、
「自分にとっても他人にとっても健康的な選択か?」
という考え方を大事にします。

これはどういうことかと言うと、アンガーマネジメントは怒ることは否定しません。
これは怒る必要がある、と判断したことは怒れば良い、でもどんな怒り方をしても構わない、ということでは無いのでます。

怒る、という行動を選択する時の大事な目線として、自分にとって都合が良くて、相手を追い詰めたり叩き潰したりするような怒り方は良くない、という考え方をします。

自分だけの都合でものを言うと、相手に余計な怒りを与えたり、不信感を持たせたり、信頼を失うようなことになりかねません。

そんな怒り方は良くなくて、どんなに正論でも腹立たしく感じるものになってしまうのです。


確かに言っていることは正論だけど、なんだかなぁ……


と思う時は、相手が自分の都合を重視したスタンスでものを言っている時なのです。

これでは皆が納得して前向きな気持ちでその主張を受け入れず、無理やり押し付けられた、と感じることになりますから、反発が生まれることになるのです。

こんな主張を繰り返していると、「あの人はいつも自分勝手な主張ばかりして相手の立場や言い分を全く聞かない」と思われるようになるでしょう。

正論を武器にして自己主張ばかりする態度ではお互いを理解し合う良いコミュニケーションを育たないですよね。

「こうあるべきだ」
という主張は、その人の目線では間違いなく正しいものとして語られます。

他の人も、概ねそうだなと思う部分はあるけれど、完全一致でその考え方を支持している訳ではありません。

同じ方向を向いた価値観であっても、違う部分はあって当然ですが、強い主張は「違う」を許容しようとせずに重なる部分を強く押し付けてくるので、受け止める側は心地よくないのです。

自分の考えを主張する時に大切なことは、相手の立場や考え方を自分の主張と同等に尊重しながらお互いが受け容れあえる点を探そうとする気持ちを持つことです。

相手を尊重する気持ちを持った発言は、一方的な押し付けの発言にはなりません。

怒りに限らず、思いを伝える時は、相手を尊重する気持ちを忘れないよう注意したいですね。

そうすれば、自分の気持ちも伝わるし、相手も受け止めてくれて考えるきっかけになるような意見交換ができると思います。

いくら正論でも、相手が腹立たしく感じる主張は避けましょう。

感情の揺らぎをコントロールして怒りに振り回されないようになろう

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怒りに限らず、気持ちを落ち着かせたいとき、感情の揺らぎをリセットしたい時、「深呼吸」をしますよね。

大きく息を吸って、ゆっくりと吐く……

ということをやって気持ちを整えます。

深呼吸することで怒りだったり緊張だったり焦りだったり、様々な感情をリセットできた経験を持つ方はたくさんいらっしゃるでしょう。

私もよく深呼吸をして気持ちを切替えることがあり、深呼吸することが感情の切り替えスイッチとなっていてとても有効だなと感じています。

この深呼吸ですが、やり方ひとつでもっと効果的に活かすことができるので知っておいてください。

私がやっているやり方をご紹介します。


・まず、ゆっくりと息を全部吐ききる

・吐ききったら直ぐに吸わず少し呼吸を止める

・ゆっくりと胸いっぱいに息を吸う


というやり方です。


怒っている時は特にこれを意識していますよ。


カッ! となって怒鳴りそうな時、息を吸うと大声を出すための空気を取り込むので、爆発力を一気に高めてしまうんです。

そうならないためにもまず息を吐くんです。

アンガーマネジメントでは反射的に怒ならないために6秒待って、より理性的な状態になってから次の行動を考えていきます。

ゆっくりと息を吐くことで反射的に怒りを爆発させずに6秒を待つことができるのです。

息を吐き切るときに同時に得られるのが身体の緊張が緩む、という状態です。

腹が立って怒りを感じている時、無意識に全身に力が入ってしまいます。

これは、怒りに立ち向かわなければならない
、戦わなければならない、と感じているからです。

息を吐き切って身体の緊張状態が緩むと、脳は危険じゃない、戦わなくても良さそうだぞ? と、リラックスし始めるんです。

こうなれば怒りをコントロールしやすくなっていきます。


次に、吐ききった時に少し息を止めるのは思考を介入させるためです。

吐き切ると苦しくなりますから反動で大きな息を吸いたくなりますが、1秒でも良いので自分で意識して息を止める、という考えを持つことで、自分で感情をコントロールするんだ、という気持ちを持てるのです。

コントロール下に置けない感情は勝手に爆発してしまいますが、ひとたび思考が介入し始めると扱いやすさは増して、より冷静さを取り戻すことがしやすくなるなと感じています。


そして、息を吸う時もゆっくりと胸いっぱいに息を吸う。

この時にはもう、感情はコントロールできるレベルに落ち着いていて「どんな言葉で伝えたらいいか? 自分はどんな気持ちをわかってもらいたいと感じているのか?」といったことを考えられるようになっているのです。


良くないな、と感じている時って感情が揺らいでいる時です。

感情が揺らいでいる時になんの対処もしないままに行動すると思い通りでは無いことを言ってしまったり意に反する行動をしてしまい後悔の結末を迎えてしまいます。


そうならないために。


深呼吸、大事にしてみませんか?


意識して吐いて、ゆっくり大きく新鮮な空気を取り込むだけですが、その効果はめちゃくちゃ大きいです。


繰り返しているうちに、このルーティン自体が気持ちを落ち着かせる最強の武器になります。

オン、オフだけでは感情をコントロールしているとは言えない

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アンガーマネジメントは怒らなくなることを目指すのではなく、怒りを感じた時に自分の責任で怒る、怒らないを選択することで、選択した結果に後悔しないようになることを目指していきます。


目の前にある怒りと向き合って、冷静に、理性的に、この怒りとどう向き合うか? を考えて選択し、怒る必要があると判断したなら怒る、怒らなくてもいいと判断したら怒らない、を選ぶのです。

怒る、を選ぶことと怒鳴りつけることはイコールではなくて、感情的に相手を攻撃することが怒ることではありません。

伝えたい気持ちを伝えるために、感情的に言うのではなく、言葉を選んで、穏やかな口調で伝えることができるようになる必要があります。

また、怒らないという選択は、腹は立つけれど我慢して自分の中に溜め込むことではありません。
腹は立つけれど、それは自分の理想とかけ離れたことが起こり、それは違うだろうと不快に思ったけれど、ちょっと冷静に考えたらそういう考え方もあるなと思えたとか、自分の考え方とは違うけれどそういう捉え方もあるんだなと思えたと時に、わざわざ言わなくてもいい、と思えた場合に言わない選択をする、ということです。

口に出したら強い怒りになるから何も言わずに済ませる、というのはただの我慢で、建設的に怒らない選択ができているということではないように思います。

皆さんの周りに、怒っているけれど言うか言わないかしか選択肢を持っていない人っていませんか?

怒る時は感情的になる、怒らない時はムスッと黙り込む、そんな二択しか選択肢を持たない人っていますよね。

感情的になられても面倒だし、黙り込まれても困る、どっちにしても怒ってるよね? って態度の人にはとても気を遣います。

こういう人は、ムカつくことがあった時に怒りを口にすると怒鳴ってしまうから抑えなければならない、という思いだけで黙り込むのだろうと思います。

これって怒りの感情と上手に向き合えている、と言えるでしょうか?

答えはノーです。

怒りを口にする時も、怒らない選択をする時も、どちらもよく考えた結論としての選択でなければ、そこには後悔が付きまとってしまいます。

強く言いすぎるから黙っておこう、では目の前の怒りの解決にはならないのです。

自分は何に対して怒りを感じているのか?

どう捉えたら冷静な判断ができそうか?

伝える際にはどの言葉が適切に気持ちを表現できるか?

といったことを考えて選択することができるようになれば、感情のままに怒鳴りつける、ただ黙り込む、といったことはしなくて済むようになるのです。


怒らないの選択が不適切な場面、というのもあります。

怒らなければならない時に言わない、という時です。

おそらく、怒りのスイッチを入れると強い怒りしか表現できないから怒らない、ということなのかなと思います。

怒りを適切にコントロールできないと、スイッチのオンオフしかできず、上手に気持ちを伝えることができません。

本当は怒った方がいいのだろうな、と思いながらも適切な怒り方がわからないために、怒らないでいるのは改善の機会を逃してしまうことになるため良くないのです。

怒りは幅の広い感情です。

軽くイラッとする程度の怒りもあれば、絶対に許せない!! と思うような強い怒りもあります。

オンオフだけでは対応できないんです。

怒る必要があると思った時に、感じた怒りを適切に表現する事が出来なければならないのです。

幅のある感情を正しく理解して最適な言葉を選べるようになるためにも、アンガーマネジメントのトレーニングは有効です。
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