怒らなければならない時に躊躇なく怒れていますか?
自分勝手に腹を立てて怒りを投げ付けるのではなく、怒る必要のある時に怒るって意外と難しいものです。
昨日の合気道の道場指導でのことです。
小学生の時間に子供に怒りました。
今からやる技を前で見せながら説明するのですが、説明を聞かずに隣の子とふざけ合っている子がいました。
この子は先週も同じようなことで怒られていたのですが、全く同じことをしていたのです。
合気道はふざけてやるととても危険な武道なので、説明をしっかり聞いて理解して取り組まないと思わぬ怪我に繋がる危険があります。
しかしながらこの子はその説明中にふざけていて話を聞いていませんでした。
「説明を聞かないのなら稽古をさせる訳にはいかないから端っこで正座して見ていなさい」と怒ったのです。
子供はびっくりして泣きそうになりながら見学は嫌だと言ってきました。
ごめんなさい、ちゃんとやります。
そんなことを言ってきましたが正座して見学を命じました。
説明を聞かなかったことが腹立たしかったのではありません。
危ないから怒ったのです。
理解せずにやると相手に怪我をさせてしまうことにもなるし、やり方がわからないまま組むと相手にも迷惑がかかります。
やってはいけないことをしているんだ、ということを本人が理解できていないから、繰り返し同じことをしてしまう、これは仕方の無いことですが、見過ごす訳にはいかないことで、本人にも気付いてもらわないといけないこと。
最初は優しく伝えるのですが怒られないと気付かない時もあります。
稽古後、お母様にもこういうことで怒りましたと内容を説明しました。
危険を回避するために怒る必要があると判断して怒っているので、お母様に対しても隠すことなく堂々と怒った内容を伝えました。
もしこれが、言うことを聞かないからと腹を立てて感情的に怒鳴っていたら、後にはやりすぎたかなと反省する気持ちが生まれていたと思います。
アンガーマネジメントは怒りで後悔しないことを目指すもので、怒らない人になることを目指すものではありません。
冷静に考えて、怒る必要のある事だと判断し、どう伝えるかを考えて行動するというプロセスを踏んで対処することで、後悔しない怒り方ができるようになります。
また、怒る時にも、自分だけでなく、相手にとっても今後のプラスに働くことかどうかもよく考えて伝えなければなりません。
怒られた子達はしばらく反省したあと稽古に戻り真面目に取り組んでくれていました。
恐怖で怯えさせて従わせることが怒ることの目的ではありません。
危ないから怒ったんだ、その意味は伝わったと思います。
怒られることは悪いことではありません。
怒られて初めて気付くこともあるからです。
子供たちにとって、そんな気付きのきっかけになってくれたらいいな、と思います。
しかし、何度怒っても、本当に怒るべき時に怒るって難しいものですね。
トレーニング無しには上達しないとつくづく思います。