最近テレビが面白くない? 私たちが楽しみ方を知らないだけかもしれません。
テレビ批評は、はてなブログで根強い人気を誇るテーマの一つ。アニメやドラマからバラエティー番組、さらにはドキュメンタリー番組まで、さまざまなテレビ番組に対する感想や考察が日夜寄せられています。
ただ視聴しているだけでは分からなかった面白さや、おすすめされないと見なかったであろう番組。新しいテレビの楽しみ方をはてなブログの「テレビっ子」たちに教えてもらおう。
そんな思いから、普段テレビ番組に関する熱いエントリーを投稿しているはてなブロガーに、「週刊はてなブログ」でその面白さを語ってもらうという企画が生まれました。題して「大好き!テレビっ子クラブ」。
第1弾では、テレビアニメ『プリキュア』シリーズを「数字」という独自の観点から分析する「プリキュアの数字ブログ」のkasumiさんに寄稿をお願いしました。
(企画:はてなブログ編集部)
『キラキラ☆プリキュアアラモード』で見えた視聴の傾向
kasumi(id:kasumi19732004)と申します。普段はアニメ『プリキュア』シリーズに関する変なブログ「プリキュアの数字ブログ」を運営しています。
2017年10月に、日曜朝のアニメ放送枠、いわゆる「ニチアサ」で放送時間の大改編が行われました。
『仮面ライダー』シリーズの放送開始時間は、これまでの午前8時から1時間遅い午前9時に変更。『スーパー戦隊』シリーズは午前7時半から午前9時半に移動し、ドッタンバッタンしましたが、幸いにも?『プリキュア』シリーズは時間変更を免れ、午前8時半からの放送と平常運転でした。
現在、朝日放送・テレビ朝日系列で放送されているプリキュア最新作は、スイーツ×アニマルをテーマにした『キラキラ☆プリキュアアラモード』。15年間プリキュアを見続けている自分からみても、今年は「少し面白い視聴の傾向」が見られました。
特定の話数で実況人数が増える
下記のグラフは、アニメレーダー様から取得した『キラキラ☆プリキュアアラモード』のTwitterでの「実況参加人数の推移」です。要は「どれくらいの人数がTwitterでプリキュアの実況に参加したか」ということですね。
2017年12月3日放送の第42話までのデータを算出
このグラフの推移をみると「ある特徴」がうかがえます。特定の話数になると「実況の参加人数」が急に増えるのです(赤いマルの所です)。
話数としては、
- 第6話「これってラブ!? 華麗なるキュアショコラ!」
- 第10話「ゆかりVSあきら! 嵐を呼ぶおつかい!」
- 第16話「キケンな急接近! ゆかりとリオ!」
- 第25話「電撃結婚!? プリンセスゆかり!」
- 第29話「大ピンチ! 闇に染まったキュアマカロン!」
です。これらの回の実況ツイート数は、前週比で115%以上増加しています。
この5つの回に共通するファクターを探すと、ある事に気付きますよね。「高校生コンビ」である、琴爪ゆかり、剣城あきらの2人が出ている回なのです。
そうです。『キラキラ☆プリキュアアラモード』では、
琴爪ゆかり(キュアマカロン)
剣城あきら(キュアショコラ)
この2人がでてくると、Twitterでの実況が盛り上がっていたのです。
キュアマカロン(琴爪ゆかり)は美しくミステリアスな高校2年生。「ねこ」のように気まぐれな性格。
一方のキュアショコラ(剣城あきら)は背が高くボーイッシュな高校2年生。仲間想いで、誰にでも優しい性格。
例年でも特定のキャラが出るとTwitter実況が盛り上がるのですが、ここまで顕著に差が出ることは珍しいのです。
高校生コンビはなぜ人気なのか?
では、なぜそのような現象が起きていたのでしょうか。キュアマカロンが小さな子供に大人気、というのは子供向け雑誌『たのしい幼稚園』(講談社)の表紙で大きく取り上げられていたことなどからも分かります。ですが、小さな女の子がTwitter実況をやっているとは思えません。
そこで「キュアマカロン」「キュアショコラ」でTwitter内を検索してみると、女性(と思われる方)のツイートが圧倒的に多いことに気付きました。特にキュアショコラに関しては、女性のツイートが大多数を占めているという傾向がうかがえました。
お子様と一緒にプリキュアを見ているお母さんだったり、女子高校生だったりと、とにかくキュアショコラは女性から支持されていたようです。また、キュアショコラの声優が宝塚歌劇団で男役を務めていた森なな子さんということもあり、宝塚ファンの方も多く視聴していたのかもしれません。
これに付随して、キュアショコラと行動を共にすることの多かったミステリアスなお姉さま、キュアマカロンに対するツイートも同様に多くなっていました。この2人がただのお友達なのか、それ以上なのか? といった感じの「2人の関係性」についてのツイートがTwitterを盛り上げていたようです。
特に盛り上がりを見せた第25話
『キラキラ☆プリキュアアラモード』の中盤に当たる第25話「電撃結婚!? プリンセスゆかり!」は、最も盛り上がりを見せた回でした。
Twitter実況は参加人数3,153人、ツイート総数49,864と、いずれもデータでは4位にランクインするほどの勢い。第1話の放送や新しいプリキュアの追加といった大きなイベント以外でここまで盛り上がる回は珍しいと思います。
この回で描かれているのは、異国の王子からプロポーズされたゆかりをかけて、あきらと王子が戦う、というもの。普段は見せない「弱さを前面に押し出した」ゆかりの言動に、そしてそれを受け止めるあきらの行動に、皆さま、いろいろと言いたかったことがあったのでしょう。
調べると、『キラキラ☆プリキュアアラモード』におけるTwitter実況のトップ10中5つが、ゆかりとあきら関連の回でした。
『キラキラ☆プリキュアアラモード』という作品が盛り上がったのは、琴爪ゆかり(キュアマカロン)、剣城あきら(キュアショコラ)の女性人気が1つの要因であった事がうかがえます。
次回作は「HUGっと!プリキュア」
『キラキラ☆プリキュアアラモード』には個性的な6人のプリキュアが登場し、ストーリーを盛り上げました。
先述した通り、子供には「キュアマカロン」が人気だったようです。そして、データからも見られたように、女性には高校生コンビ(キュアマカロン、キュアショコラ)が大人気を博し、この2人の関係性にヤキモキしていた人の多さがうかがえました。
子供から大人まで、男性も女性も、どんな人も魅了する個性的なキャラクターがたくさんいるのが『キラキラ☆プリキュアアラモード』という作品の特徴だったのです(もちろん、メインターゲットは女児なのですけどね)。
さて、そんな『キラキラ☆プリキュアアラモード』も残念ながら2018年1月末をもって終了し、次作『HUGっと!プリキュア』がスタートします。
次はどんなプリキュアなのでしょうか。またまた、たくさんの個性的なキャラクターがテレビを賑わせてくれると良いですよね。楽しみです。
(おわり)
プリキュア好きの会社員。2児の父。プリキュアを数字の点から考察した「プリキュアの数字ブログ」を執筆中。2016年4月1日の記事「娘が、プリキュアに追いついた日」が感動するとネット上で話題となり1ヶ月で25万PV、ヤフーニュースなどネットメディアにも多数取り上げられる。麩菓子が好き。ダイエットを考えてはいるが、実行には至らず。
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