「見たまま」は結局、その人の主観なのよね。
『伊集院光・深夜の馬鹿力』で、「ホタルがなんで好きかっていうと、見たように撮れないから」と言っていたことが印象に残っている。そもそもホタルを写真に撮るのは難しい。これまでの写真生活で2回ぐらい撮る機会があったけど、どちらも上手く行かなかった。長時間露光をするとホタルの光が線になってキレイだと思うんだけど、それはきっと「見たまま」ということではないんだろうなぁ。
「見たままを写真に撮る」ということがどういうことなのかを考えている。単純に考えれば、レンズの「画角」という制限はあっても、基本的には、写真は見たものが撮れていると思っている。
ただ、写真が写し撮っているのはその画角のたった一瞬のことなので、その間にも動作や時間の経過によって状態や明暗の変化は絶えず起こっているはずである。写真は、目で見ている連続した瞬間から切り出した一瞬だから、「見たまま」になっていない要素があったとしても、記憶や思い込みが瞬間の間を補完しているのかもしれない。まあ、普通は一瞬の間の変化なんて微小だと思うので、それをどうこう言う必要は本来はない。しかし、写真は意図が組み込めるものだから、それを思い込みが変な方向に補完してしまわないように、気をつける必要はあるな、と……
書き始めに想像していたのではない方向に来てしまった。暗闇でピントを合わせるのは難しい。
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