uenoyamagooo’s diary

AI絵師、お金を稼ぐ:2ヶ月で11万円稼いだ方法・そして今後どのようにお金を稼ぐことができるか

・はじめに:自己紹介とAI絵師になったきっかけ

本記事はあるふ氏が主催の「画像生成AIアドベントカレンダー」に寄稿したものである。主に、自分がAI絵師としてお金稼ぎをする上で考えたことや、その方法について紹介しようと思う。
 
先に、AI絵師としてお金稼ぎをする際のエッセンスについて述べておく。
 
己の性癖に真剣に向き合い、己の性癖を支持してくれる人たちを味方につける。
 
以上だ。
 
 
私のアートに関連したスペックとしては以下の通り。
・地方大学の学生
・図工と美術の成績は5段階中2, 3程度
・絵は直近3年間で描いた記憶がない
・美術館には1年に1回行く程度
・イラストソフトを使用した経験は2, 3回程度
 
 
次に、現在のAI絵師として活動しているアカウントの概要的な数値を掲載する。
 

 
12/7午前時点での、Pixivの閲覧数・ブックマーク数・フォロワー数は以上の通りである。
1作品あたりの閲覧数は約9300回、ブックマーク数は約770件(ブックマーク率8.3%)だった。
 

 
Pixiv fanboxの収益は以上の通りである。
AI絵師として活動を始めて2ヶ月ほどで、合計で約11万円の収益を得ることができた。また、収益は増加している傾向にあるため、2, 3ヶ月後には1ヶ月当たりの収益が10万円を超えることになるだろう。
 
 
ここからは、画像生成AIで収益を得る際に取り組んだことについて紹介する。
 
 

・AI絵師を始めたきっかけ

私が画像生成AIに始めて触れたのは2022年の6月末のことだった。Redditでdallie-2の存在を知ったのがきっかけだ。その時は「面白いオモチャだな」と思っていた程度だったのだが、10月の頭にNovelAIを触って「これ、自分の性癖を表現しながらお小遣い稼ぎに使えるんじゃないか」という考えに行き着いた。
 
その後、AI絵師についてのネットの議論を眺めていたのだが、
「AI絵師は顧客の細やかな要望に応えることができず、需要を満たすことができないから職業として成立しない」
という意見が多かった。
イラストレーターの現状のビジネスモデルはそうなのだろう。
 
だが、YouTubeのメンバーシップなど他のコンテンツ産業でファン向けのサブスクが十分に普及していることに加え、イラストは供給によって需要を増やすことが容易であること(つまり人の性癖を歪ませられる)から、自身の性癖イラストをサブスクで提供するビジネスが成り立つと考えた。
 
 
実際にAI絵師としてお金稼ぎを実行し始めた際、目標としたのは以下の2点である。
  1. 日常生活に支障が出ない作業時間(1日あたり1-2時間程度)で、月10万円を安定的に稼げるようになる。
  2. もともと興味のあったマーケティングの知識をAIイラストの販売を通じて身に付ける
 
イラストのクオリティアップに注力し、また安定的にどの程度稼げるか確認するため、収益は当分はサブスクのみで得ることにした。
10月時点では、dlsiteやfanzaといった各種プラットフォームのAIイラストに対するルールがどのようなものになるか不透明であった。そのため、こういったフロー型のビジネスで販路を広げても、そこに注いだ努力が無駄になってしまう可能性が高いと判断した。
現在、これらのプラットフォームではAIイラストの販売は規制されており、この読みは正しかったと思っている。
 
これは個人的な制約だが、AIイラストであることを明記し、無駄なイラストの連投は避けるようにした。イラストを見る側として、私がAIイラストの無秩序な投稿に嫌気が差していたからだ。
また、fanboxの特典は何十枚も追加で投稿することは避け、追加のイラストを2, 3枚加えたものにした。ただ、その追加のイラストはクオリティの高いものになるように心掛けた。
 
 
 

・AIイラストをどのように売るか

・そもそも、現状のAI絵師を取り巻く環境は?

10月の初旬、画像生成AIで思い通りのイラストを生成する練習をしつつ、現状のイラスト市場の分析をおこなった。
先述しておくが、これらの分析や考え事の大半は、おそらくAI絵師としてお金を稼ぐことにあまり影響しないだろう。これらは、自分が現状のゲームルールを理解して面白く立ち回るためのものだ。趣味のお金稼ぎでも、全力で取り組んだ方がより楽しいし面白いだろう、というのが個人的なスタンスだ。その点を理解して読み進めていただきたい。
 


上のスライドは、現状の画像生成AIとイラストレーターを取り巻く環境として私が理解したことの一部分をまとめたものである。知識・思慮不足で至らない点もあるだろうが、ご容赦願いたい。
また、イラストレーターの現在の状況については「イラストレーター白書」を参照した。日本のイラスト業界の現状をレビューした文献は非常に少ないので、そこのちゃんとした調査をしてみても面白いかもしれない。
 
重要なのは、政治・社会的な観点から、現在の画像生成AI技術は法的に規制されるまで「かなり揉める」ということだ。
つまり、AI絵師としてのビジネスの立ち上げから中期的な持続まで、十分な時間的な猶予が存在することが考えられる。
 
現状の画像生成AI技術は著作権の観点から複数のイラストレーターに批判されているが、画像生成AIに対する見方は様々である。肯定的な人物(一般イラストならさいとうなおき氏、R-18なら伊東ライフ氏、漫画家なら平野耕太氏が代表的だろう)もいるし、否定的な人物ももちろんいる。決して一枚岩ではない。
 
さらに、イラストレーター業界には政治に働きかけられる圧力団体が乏しい一方、画像生成AIを含むAIビジネスを推進したいであろうIT・医療・製造などの業界には強力な圧力団体が存在する(IT業界なら日本IT団体連盟が代表的だろう)。
その他の考慮すべき要因として、AI関連ビジネスの発展が国策であることや、政策決定側の画像生成AIに対する知識不足などもあるだろう。
 
これらのことから、画像生成AIに対する法的な整備が進んだとしても、それはイラストレーターに不利なものになるか、(画像生成AIを否定する)イラストレーターにとって公正なものになったとしても、規制の取り決めまではかなり時間がかかることになると判断した。

画像生成AI否定派として活動的なアカウントが人種差別的な発言を繰り返していたり、「サザエさん」のオマージュキャラを自身の政治的発言に利用したり、他のコンテンツ産業の従事者を煽るなど、同じ画像生成AI否定派の同志からドン引かれるような言動をしていたことも、イラストレーターの結束を鈍らせる要因として考慮した。志を同じくする者からの共感や支援を得られない運動はたいてい失敗する
 

・AIイラストの強みと弱みを理解する


次に、画像生成AIをイラスト市場に投入する際の強みと弱み、どのような機会があるか、そして脅威としてどのようなものがあるかを検討した。
 
画像生成AIの一番の利点は、言わずもがな短時間で大量にイラストを生成できることだ。工夫自体でクオリティを上げたり、自分が想定するシチュ・構図を簡単に出せることも大きい。
画像生成AIの欠点はキャラの特徴・絵柄が複数のイラストで一致してくれないことや、細かすぎる要望にはなかなか答えてくれないことなどが挙げられる。
 
以上のことから、「既に供給が追いついておらず、クオリティが比較的不十分であり、複雑な時系列を必要としないジャンルでこそ、AIイラストは効果的に人気を博することができるのでは?」と考えた。
 
即ち、異常性癖ジャンルにAIイラストを投下することにした。
 
その他にも色々思いついたが、自分の性癖の範囲が広かったことと、AIという最先端っぽいものを使って卑近で変なことをするのは面白そうだという直感から、ニッチなジャンルに絞ってAIイラストを投稿し、それに関連するサブスクサービスを展開することにした。
 
 

・AI絵師にとって一番の脅威は「画像生成AIを使いこなす神絵師」

AIイラストをお金稼ぎに利用する上で、一番の脅威として想定していたのが「画像生成AIを使いこなす神絵師」の存在だった。
他のAI絵師に比べてイラストのクオリティが先行している自信はあったのだが、ニッチなジャンルに自分が投稿することにした理由にはこれが大きい。
たとえ大規模なジャンル(原神だとか巨乳だとか)であっても、AIを利用する絵師が10人も登場すれば、そのジャンルで自分が閲覧者に価値を提供することは難しくなるだろうと考えた。
 
しかし、私の予想とは異なり、「画像生成AIを使いこなす神絵師」はあまり登場しなかった。その原因として、「神絵師」のビジネスは絵師同士のファンダムに基づいているものだから、というのが大きいと考えている。
 
画像生成AIの権利的な問題には本記事では詳しく触れないが、それが絵師からの反感を買っていることは確かだ。
同業者である絵師からの支持を中核のネットワークとして、神絵師はビジネスを展開していることが多いと、観察していて感じた。それゆえ彼らは絵師同士でお互いの作品をリツイートしあったり、フォロワーが多い神絵師同士でリプライを飛ばしあって絡んだりする。
神絵師が画像生成AIを使用し、このファンダムからの支持を失えばビジネスに即座に影響するだろう。
 
七瀬葵氏やディープブリザード氏の画像生成AIに対する姿勢を巡るゴタゴタを見て、神絵師が画像生成AIを用いて大々的にPixivに参入してくるのは、かなり遅れることになると確信した。このように、神絵師はファンの声をよく聴いたがために、画像生成AIの利活用は遅れることになるだろう。典型的な「イノベーションのジレンマ」だ。
 

 
対照的に、自身のビジネスがクリエイター同士のファンダムに依存していないゲームクリエイター・漫画家などの業種や、より多様なファンを獲得しているイラストレーターなどは画像生成AIに肯定的な人が多いように感じた。
このことには、彼らが「AIを利用して新たな体験を提供するゲームクリエイター」、「AIで素材を効率的に生成し、従来より時間をかけて練られた物語を提供する漫画家」という風に働き方を変えることができるほか、AIで生成したものが商品のメインではないというのも効いていると思う。
 
もちろん、ファンダムに依存していない神絵師もいる。
白白白氏は画像生成AIを利用した素晴らしいイラストをアップしている神絵師の一人だ。
 
過去絵も綺麗なものばかりだし、こういった素のイラストスキルが高い神絵師に画像生成AIを利用されると、AI絵師のビジネスは本当にキツくなる。取り柄である生成量とそれなりのクオリティが完全に打ち消されるからだ。
 
 

・AIイラストに価値を感じさせるために

・どのようにAI絵師は自身をブランディングするか?

AI絵師でもファンとの関わりといったビジネスの構造は、基本的に通常の絵師と変わらないだろう。事実、AI絵師のファンダムは既に存在しており、その中心にいるのが852話氏だったり、シトラス氏だったりする。
 
私はSNS上で人とやり取りをするのが苦手なので、AIイラストを重点的に使ってファンを獲得することにした。その際に大切なのがブランディングだ。
 
自身の商品がどのような魅力を持っているのか、このアカウントがどのようなイラストを投稿するのかを徹底的に印象づけなければならない。「AIイラストで〇〇のジャンルならこの人」と思われることを目標にするべきだろう。
 
絵師のブランディングは「コーラをどのようにして売るか」といった問題に比べて簡単だ。実際、自分の性癖イラストを継続して投稿し続ければいいだけなのだから。
 
次の節では実際にブランディングをする上で、もう少し細かく心がけたことを紹介する。
 
 

・AIイラストのクオリティアップに真面目に取り組む

私が特に心掛けたのは最新技術の徹底的なキャッチアップによる先行者利益の確保と、自身の性癖ジャンルがどのような要素で成り立っているのかの執拗な分析、この2点だ。
 
まず、最新技術のキャッチアップについて。
私は11月まで英・中国・韓国語圏のコミュニティを毎日巡回するようにしていた。より良い表現や新しいモデルが見つかれば、まず自分でも試してみることにしていた。今はそこまでしなくてもいいかな、と思っている。
 
最低限の最新情報を手に入れるのであれば、Redditのstable diffusionコミュニティ(https://www.reddit.com/r/StableDiffusion/)、gigazineの記事(https://gigazine.net)、そしてやまかず氏の「日刊 画像生成AI」(https://note.com/yamkaz/m/mad0bd7dabc99)をチェックするのが言語的な負担も少ないし、効率的にもいいだろう。
 
この取り組みのおかげで、私は多くの先行者利益を得ることができた。
いずれにせよ、支援者に価値を提供するため、このキャッチアップは今後も続けていこうと思う。
12/8時点では、直近にWaifu diffusionのver 1.35, 1.4が控えているので、 今から試行錯誤をするのが楽しみだ。
 
 
次に、自身の性癖ジャンルの分析について。
大事なのは、性癖ジャンルの人気作品を見て、どのような特徴がそのイラストを人気にしているのか、徹底的に分析することだ。
 
たとえば、人気作品はそのジャンルに固有の特徴が何らかの形でカルカチュアされていることが多い。
具体的を出せば、ロリ系のイラストでは、人気作品からはミルクのような湧き立つ匂いや、まだ形成しきっていないあばら骨の柔らかさが感じ取れるだろう。
逆に熟女系の人気イラストからは、むせ返るような汗の匂いや、ねっとりとした熟成しきった皮下脂肪の感触が伝わってくるだろう。
 
そういう想像力を喚起させる特徴はどこにあるのか。肌の塗り方か、線の太さか、それともオノマトペなどの漫画的な表現にあるのか、よくよく分析した方がいいだろう。
私たちAI絵師はある程度の方向性持たせたイラストを画像生成AIで作成した後、どれを世に出すかは自身の審美眼に頼るしかないのだから、こういったトレーニングは積んでおく必要がある。
 
pixivのAI・R-18部門のランキングで常連1位となっているTAJI氏はそこの理解がとても深いと感じている。
 
反対に、残念ながら人気の出ていないAI絵師や一般の絵師の作品を選んで、どこが性癖に刺さらないのかを分析してみてもいいかもしれない。
 
また、フォロワーの嗜好を注意深く調べるという方法もある。
AI絵師についてくれるフォロワーは1人だろうと10000人だろうと貴重であることに変わりはない。
なぜなら彼らはあなたがAI絵師であることを知っており、脛に傷を持っていることを承知の上で性癖を支持してくれている人物だからだ。これほど有り難いことはないので、この上なく大切にした方がいい。
 
己の性癖に真剣に向き合い、己の性癖を支持してくれる人たちを味方につける。
以上の2点を熱意を持って実践できれば、あなたの商品の価値はフォロワーはもちろん、それを見た多くの人に必ず伝わるはずだ。
 
 
 

・AI絵師はこれからどのように稼ぐ?

・1年以内にできること

以下は自分が画像生成AIを用いてビジネスをする上で思いついたアイデアの一部を紹介する。イデア著作権はないので、別に参考にしたりパクってもらったりしても構わない。あなたの本気の性癖が見れれば、私はそれで構わない。
 
私と同じようなビジネスモデルで稼ぐには:
手始めにRTX3060を購入し、画像生成AIのローカル環境(特にstable diffusion web ui, AUTOMATIC1111)を構築することをオススメする。
今は比較的グラボが安いし、生産力を外部ツールに依存するのは「安定して稼ぐ」という方針と完全に矛盾するからだ。
 
ニッチな性癖が見つからない、という場合は、性癖偏差値https://dic.nicovideo.jp/a/%E6%80%A7%E7%99%96%E5%81%8F%E5%B7%AE%E5%80%A4)などを見て、自分が「刺さる」と思ったジャンル名でpixivで検索をかけるといい。
そのジャンルが明らかに供給量が足りていなさそうであれば、あなたのAIイラストはより閲覧されやすくなるだろう。
 
収益が安定してきたら、複数枚グラボを購入して一人で複数ジャンルを兼任するのもいいだろう。また、RTX3090, 4090のようなハイエンドのグラボを購入し、よりテクニカルな画像生成AIの機能に挑戦してみてもいいかもしれない。
 
 
画像生成AIを元にマルチメディア的にビジネス展開する:
画像生成AIで培ったものを活かして、同人音声や漫画といったマルチメディアを販売するフロー型ビジネスに挑戦してみる。これによってより広く価値を提供できるのではないかと睨んでいる。
 
たとえば、ニッチなジャンルの音声作品は投資した金額の回収が困難であることから、一般性癖に比べて作品のクオリティが目に見えて低かった。
サブスクというストック型ビジネスで安定して資金を稼ぎ、この資金を投じれば、ニッチなジャンルであっても従来よりもクオリティの高い作品をフォロワーに提供することが可能になる。
これまで絵師に頼んでいた資金が浮くことや、AIイラストで台本のプロや声優さんに作品のイメージを伝えやすくなるのも大きな利点だろう。
 
漫画で言えば、既に画像生成AIを活用して約200万円を稼いでいるAI絵師が存在する。
 
イラストだけでなく物語も凝らなくてはならないため大変だろうが、今後も大きな収益を見込めるコンテンツだろう。
 
このほかにも色々お金稼ぎをする方法はあると思う。いずれにせよ、支援者を大事にするのがキモだ。
 
 

・画像生成AIは倫理的な正当性を獲得できるか?

権利的にクリーンな画像生成AIの開発:
あるふ氏やAdobeが現在取り組んでいるのがこれだ。
 
 
Cool Japan Diffusion(ひいてはClean Diffusion)は出来が悪い」との意見もあるようだが、私は別にそうは思わない(この記事の意見には同意する部分もあるし、そうでない部分もある)。
 
 
なぜなら、権利的にクリーンな画像生成AIは、従来の画像生成AIにはない倫理的な正当性があるからだ。
 
倫理的な正当性をバカにしてはいけない。政府の援助なしでは持続できない太陽光発電や比較的高価なヴィーガン食がマーケットを着実に伸ばしている理由も、それらの商品が倫理的な正当性という強みを持っているからだ。
 
さまざまな欠点を補えるほど、モノを売るという観点において倫理的な正当性は強力だ。このことをウリにすれば、後述するようなアニメ業界を含むさまざまなコンテンツ産業での利用が急速に進むだろう。
 
あるふ氏が私たちのように完全に匿名の存在ではなく、既に企業と接点を持っているなど、社会的な地位のある人物であることも大きい(もしかしたら、議員からヒアリングなんかも受けているかもしれない)。投資した数百万円など、すぐに回収できるだろう。
必ずしも売れるイラストを作る必要はなく、売れるソフトやシステムを作ればいいのだから、企業との連携や風向き次第で数億から数十億円だって稼げるポテンシャルはあるだろう。
 
ただ、気になるのがあるふ氏の開発したモデルが、ビジネスの現場の需要と噛み合うかどうか不明瞭だということだ。
 
現在あるふ氏のモデルはイラスト的な人物画を得意にしている(もしくは方向性を持たせないと、モデルが勝手に女性の顔を出力してしまう)ように思える。
だが、コンテンツ業界のビジネス現場の需要は、人物画のアイデア出しなどより、背景・オブジェクトの作成や高精細なフレーム補完にあると思われる(もし違っていたら申し訳ない)。
いっそのこと、キャラが描画されたらその出力結果をオミットしてしまってもいいのではないかと考えている(実際、Anything V3は著名キャラクターが出力されそうになったら、その結果がオミットされる)。
 
また、AltDiffusion(https://huggingface.co/docs/diffusers/main/en/api/pipelines/alt_diffusion)のように、多言語で指示できるモデルも登場してはいるが、いずれの言語でモデルに指示ができるのかも、画像生成AIの利便性にかなり関係してきそうだ。日本をマーケットとして捉えるのなら、もちろん日本語で指示できるに限る。
この辺りはきちんと訴求するターゲットを絞ってから、開発を進めていった方が良いような気がする(上から目線で申し訳ない)。
 
さらに、倫理的な正当性をウリにするのであれば、著作権の本質が現状の法律では蔑ろにされているから、現在AIの学習と生成に法的な問題がなくても倫理的な問題が生じている」と主張する画像生成AI否定・懐疑派の意見にも、いずれ向き合わなくてはならない時が来るだろう。
ここの説明はかなり工夫しなければならないと思う(パブリックドメインの著作物のみで学習を進めているのであれば大丈夫だろうが)。
個人的には、あるふ氏の画像生成AI開発を非常に、心の底から応援している。
 
Adobeがどう動いてくるかは正直わからない。権利的にクリーンな画像生成AIを提供すると謳っているが、海外では既に抗議する声が高まっているようだ。
このまま勢いよく実装されるのか、ひっそりいつの間にか追加されていることになるのか、それとも実装を諦めるのか。現時点ではまったく予想できない。
 
 
 

・最後に

長々とAI絵師がお金稼ぎをする方法について書いた。
このブログの内容を情報商材にすれば少しはお金稼ぎもできたかもしれないが、そうしなかったのは、これを観てくれた方々の性癖の表出が見たいからだ。
暗い情熱でジリジリと十年以上かけて顕れた煮凝りのような性癖を、私はこの目で見てみたい。そのためならば時間もお金も惜しまない。
万人が自由自在に性癖を表現できる世界を私は望む。
 
改めて、このような場を用意してくださったあるふ氏や、私の支援者の皆様、そしてこれを読んでくれた皆様に感謝を述べさせていただく。
 
匿名の身分ではあるが、もし意見や質問があればブログにコメントをお寄せいただいたり、以下の連絡先にメールを送っていただければと思う。もしかしたら全てのメッセージに返信することは難しいかもしれないが、できるだけ善処する。
 
uenoyamagooo(アット)gmail.com
 
以上、このブログをご覧いただき、誠にありがとうございました。