【勝訴しました】はあちゅうさんとの名誉毀損をめぐる高裁判決のお知らせ
はあちゅうさんから2020年8月にいただいた訴状に応じて始まった裁判にて、地裁に続けて東京高裁においても勝訴いたしましたのでお知らせいたします。
はあちゅうさんとは、どんな方か
はあちゅうさんは、ブロガーで作家です。慶應義塾大学在学中からブログを執筆し、卒業後は電通を経てトレンダーズへ入社、「キレナビ」編集長などを歴任しました。2014年から個人での活動が忙しくなったことを理由に、トレンダーズを退職。2018年にはセクシー男優・しみけんさんとの事実婚を公表しましたが、2022年に離婚を発表しました。現在は、息子さんを育てるシングルマザーです。
私の認識が正しければ、はあちゅうさんは「ブロガー」という、ブログで仕事をもらい、食べていく仕事を生み出した最初期のひとりです。それまで「ブログは趣味の領域でやっていくもの」という認識が強かった中で、ブログで食べていくことを可能にし、新たな職業を作られたという意味で、インターネットにおける功績はとても大きいと思われます。
はあちゅうさんは現在にいたるまで、アメブロ、note、voicy, オンラインサロン、YouTube、VALUなど新しいサービスが生まれたタイミングですぐに試し、告知することで各種サービスの知名度向上に貢献しています。執筆業のみならずインフルエンサーとしても人気があり、2022年12月現在、各種SNSで数十万人のフォロワーがいらっしゃいます。
また、近年は小説執筆にも力を入れておられます。著書の中でも、2017年に出版された『通りすがりのあなた』は私が好きな小説のひとつです。作中で日常のささやかなシーンはクリアに切り取られ、情景となります。余韻として残る風景は、どれも私たちが置き忘れてきた、きらめきの一部です。
さて、本記事の執筆者であるトイアンナは、はあちゅうさんから名誉毀損で訴訟を起こされていました。その経緯について、次の段落で説明いたします。
はあちゅうさんから提起された訴訟とは
はあちゅうさんは、かつてご自身の妊活を発信されていた過去があります。その際に、「リアルタイムで妊活を発信する」と投稿されていました。しかし、妊娠発表時期から出産までの日数、そして前後の投稿などから、実際には妊娠してからも妊活を続けていたかのように振る舞っていた疑惑がありました。
これにより、多数の方が傷つき、または批判を表明しました。
はあちゅうの妊活日記…たとえばガン闘病日記で、実は途中からはガンじゃなかった事が判明してたけど「病気に負けず頑張ります!」とかUPし続けてたようなものなんだよ。絶望と戦いながら長年不妊治療してる人の共感や応援の気持ちを踏みにじったんだよ。妊娠した事自体を非難してる人なんていないし。
— pnpn (@mpnula) 2019年3月30日
はあちゅう氏が妊活アカウントたちにボロクソ言われてて草。
— 柏原 (@Gohanyurufuwa) 2019年3月27日
3月20日に妊娠検査薬が陰性だと投稿して、今日妊娠したと発表。しかも秋出産予定(性別までわかってる)。今年頭から妊娠がわかっていながら妊活コンテンツをやっていたとなると底意地が悪いマウント行為だと捉えられても仕方がないよな😑
それを踏まえ、私は以下の投稿を行いました。
はあちゅうさんが物を宣伝するとよく売れる。だから仕事が絶えない。近い業種だからよく存じてます。けれど、妊活の本を出して売れたタイミングで「実は妊活について書く前から妊娠していました」は冒涜ではないですか、読者を、妊活する方をなんだと思っているのですか。
本投稿について、はあちゅうさんから投稿を削除するようご依頼をいただきました。特に反対する理由はなく、私は削除に応じました。しかし、その後、この投稿に対し名誉毀損だと改めて訴状が届きましたので、対応することとなりました。
このとき、はあちゅうさんには私がまるで意図的にデマを広めたかのようなブログを投稿されてしまいました。
こちらについては、現在も削除されていません。
はあちゅうさんとの裁判経緯とこれから
2021年10月26日に、東京地裁で判決がおりました。その結果、私は名誉毀損をしていないことが明らかになりました。
その後、はあちゅうさんから控訴が行われ、2022年12月21日に高裁判決にて控訴が棄却されました。このため、改めて私の発言が名誉毀損ではなかったことが、確認されました。
地裁のタイミングではあちゅうさんから一度和解案を出していただいたのですが、「内容について相手の同意を得ずに公開しない」という点において私側と合意することができませんでした。そのため、和解へは至らず地裁判決を待つこととなりました。
※はあちゅうさんが最高裁判所への上告を選んだ場合、裁判はまだ続く可能性があります。そのため、高裁判決は現時点での経過報告となりますことを、予めご容赦いただければと思います。(追記:2023/1/3 最高裁へ控訴されませんでしたので、これにて判決が確定いたしました)
はあちゅうさんとの高裁判決に伴う、トイアンナからのコメント
2019年の投稿をきっかけに、裁判を通じ大変長くみなさまをお付き合いさせてしまう裁判となりました。まずはご支援、応援いただきましたみなさまに、厚く御礼申し上げます。
地裁判決の際も読者のみなさまにTwitterなどでお願いさせていただきました通り、この件を通じてはあちゅうさんへの誹謗中傷をなさらないよう、お願い申し上げます。はあちゅうさんは訴訟を起こされた当時、多くの嫌がらせにあたるメッセージを受け取っていたそうです。いかなる理由があろうとも、そして誰に対してであっても、批判の域を超えた中傷は許されるものではありません。
実は、私もこの裁判を起こされた当初、はあちゅうさんのファンを名乗る方から、誹謗中傷を受けつらい思いをいたしました。また、「訴訟をしあっている関係なのだから、どちらも似たようなもの」といった心無い言葉も受けました。訴訟に巻き込まれていることを理由に、お仕事が無くなったこともございました。勝訴できると信じてはおりましたが、それでも心にくるものがあったのは事実です。
従って、今回の判決が新たな誹謗中傷ではなく、自由闊達な意見のやりとりが生まれる土壌になることを願ってやみません。どうか、誰に対するコメントであっても人格ではなく投稿や作品への批評、論評に止め、建設的なコメントがネットに増えますよう、みなさまのお力をいただけますと幸いです。
最後に、本件でかなりの弁護士費用を負担することになりました(訴訟は、たとえ勝訴しても弁護士費用を相手方が負担してくれるものではありません)カンパは募集しておりませんので、もしみなさまの周りで「自社メディアの運営を誰かに相談したいな」という方がいらしたら、以下からご連絡いただけますと幸いです。
寒い日が続きますが、どうか温かくして良いお年をお迎えください。
感謝を込めて
参考:地裁判決時のご報告投稿
結婚と妊娠のご報告
こんにちは、トイアンナです。
私事ですが、昨日10/23に結婚いたしました。夫は勤勉で真面目な方です。夫のように素晴らしい人が出会うまでに独身でいてくれたことに感謝しています。
また、現在妊娠5ヶ月で、安定期に入りましたのでご報告いたします。
35歳という決して若くない年齢でありながら、子が私のもとに来てくれそうなことを、とてもありがたく感じる日々です。
まだつわりが終わっていないこともあり、お仕事面では数ヶ月にわたって多大なご迷惑をおかけしておりますこと、深くお詫び申し上げます。
また、これまでたくさんの方に支えていただいたからこそ、今日ご報告することができました。いつも、本当にありがとうございます。本の感想や、記事へのリアクションをいただくたびに、皆様からエネルギーをいただいています。
まだライターとして未熟な面も多々ありますが、これからも真摯にお仕事へ向き合っていければと思いますので、今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。
【〆切ました】10/20締切 トイアンナのマネージャー募集 時給1,300円~
はじめまして、もしくはお世話になっております。ライターのトイアンナと申します。現在、私はライターとして原稿を執筆する傍ら、オンラインメディア(いわゆる、企業のウェブサイト)の企画・執筆・編集を承っております。
こうした業務において、私個人では回らない業務が多々あり、それらを支援してくださるマネージャーを1名募集します。
業務内容
- 業務を一覧にして納期・請求書送付状況など管理
- 会議、インタビューなどの日程調整メール
- トイアンナに来た依頼の受諾/辞退/ご相談メール
- トイアンナに対し締切のお尻をひっぱたく連絡
- ご請求書の作成、送付
- イベントの出欠管理
- オンラインコミュニティの参加者リスト管理
業務で使うツール
★最初から使いこなせる必要はありませんが、新しいツールに対し抵抗がない方であればありがたいです。
時給
1,300円~+税(業務委託契約によるお支払です)
労働環境
- 完全リモート、居住地を問いません
- 残業なし。終わらなかった部分は引き継ぎ伝言であがってOKです
- 原則としてオンライン会議なし 後ろに家庭音があっても働けます
- 担当する日のうち好きな2時間を使って働けます 深夜・早朝OK
- もう1名のマネージャーとシフトを分担し、平日の1日2時間・月10日程度勤務
- やりたい仕事がある場合は優先しておまかせもできます
- 事前申請で長期休暇も取得可能
- お盆、年末年始、GWはお休みです
望ましい応募条件
現状主婦/主夫の方や、副業探し中の方などご自由に応募ください。
志望動機は問いませんので、労働環境にフィットした方を募集します。
応募・質問されたい方は
これらをご覧のうえで応募、お問い合わせをご希望の方は toianna.blog@gmail.com までメールをお願い致します。
応募される方は「履歴書」を添付してお送りください。履歴書の形式はWord / GoogleドキュメントのURL / PDF のいずれかにて、顔写真なしでも結構です。
応募いただいた中から、一次選考通過者へZoomでの面談をお願いいたします。面談はトイアンナが行います。11月末までに、通過者へのみご連絡いたしますので、ご了承ください。
みなさまと一緒に働けるのを、楽しみにしております!
就活で「やりたいこと探し」の沼に落ちる学生が多すぎる
やりたいこと、って何だ。
という疑問を持っている21歳は少なくない。
当然だ。
やりたいことが決まっている学生は、とっくに実現するための行動を起こしている。
起業なりYouTube/TikTokなり、「実現するための道のり」をとっくに歩んでいるものだ。
だから、普通の就活生にとって「やりたいことがない」のは至極まっとうで、普通のことなのである。
なぜ企業は「やりたいこと」を就活生へ聞くのか
ではなぜ、企業は就活でやりたいことがないか、就活生へ質問するのか。
答えは簡単で、「これから……"本当にやりたいこと"に目覚めて、せっかく入社した弊社を辞めたりなんて……しないよ……ねっ?」と不安になっているからだ。
企業にとって、早期離職はそれほど怖いことなのである。
というのも、多くの日系企業は「30歳までは下積み」くらいの気持ちで、若手を育てる。
つまり、30歳くらいまでの社員へ支払う給与は赤字覚悟なのだ。
だから、応募企業の中に"やりたいこと"がありそうな就活生を求めている。
そうすればずっと、自社の中で「やりたいこと」を実現し、会社を辞めないでいてくれるからだ。
就活生が誤解する「やりたいこと」
一方、就活生は採用側の事情を知るよしもなく、「やりたいこと」をシンプルに聞かれたものと誤解してしまう。
そして、「自分のやりたいことってなんだろう」と哲学的思考にハマってしまうのだ。
哲学をするなとは言わない。
むしろ、学生のうちに人生でやりたいことを探すのは素晴らしい試みだ。
だが、わざわざ就活のフレームに当てはめて「やりたいこと」を探さなくていい。
- 誰よりも早く家に帰ってプラモデルを塗装するために生きる
- 仕事人間になって出世へ命を捧げ金と権力を手に入れる
- 専門職として、出世せずともやりがいを感じたい
- そんなことより寝ていたい、睡眠こそわが命
と、「やりたいこと」は人それぞれ、就活のフレームにとらわれずあるものだ。
その本音を探す旅は、30代までに見つければ十分だ。
あの孔子だって「40(歳)にして惑わず」と言ったのだ。
40歳まで、孔子だって惑いまくりだったのである。
我々凡人だったら、80歳までオロオロ人生に悩むかもしれない。
でも、それでいいのだ。
就活対策としての「やりたいこと」語り
では、就活対策としての「やりたいこと」はどこで見つけるべきか。
答えは、企業研究の中にある。
先程述べたとおり、企業は「あなたが辞めないか」だけを心配しているのだ。
だから、「その会社を辞めなさそうな、都合のいい"やりたいこと"」が何かを、調べて考えるのだ。
という手順で、企業へ「やりたいこと」を語ればいい。
こんなの嘘だ、と思うかもしれない。
だが、今「真実」のやりたいことを語ったところで、30歳で同じ「やりたいこと」を持っていられるだろうか?
あなたは今から10年前、同じ「やりたいこと」をベースに生きていただろうか。
おそらく、全然異なるプリンシプルで生きていたのではないか。
人は変わるのだ。
そして、変わる前提で就活では「入りたい会社に入る」という目標を達成するほうが、よほど生産的ではないだろうか。
就活で「やりたいこと」の嘘をつく必要はない
もちろん、完全な嘘をつく必要はない。
「絶対にやりたくない」ことが、やりたいことに変わる可能性は低いからだ。
100%嘘をついてまで「やりたいです!」と言わなくてはならない会社なら、
そもそも受けないほうがいい。
あなたの「やりたいこと」に近い会社があるなら、ぜひ第一志望群に入れてほしい。
大事なのは就活"ごとき"で質問される「やりたいこと」に、人生哲学を委ねないことである。
あなたの人生は、就活なんかよりずっと、ずっと大事なものだ。
だから就活で「あなたって、弊社を辞めたりしないよ……ね?」という意図から繰り出される
やりたいことに、人生を掛けなくてもいいのである。
就活記事をもっと読みたい方はこちら
志望動機の書き方など、より具体的な「やりたいこと」を書き記すテクニックをご案内。
就活以外で出会いがなくなってしまったコロナ世代に向けて、恋愛指南をした記事。
Heaven Burns Red 第二章完結時点での考察 #ヘブバン #ネタバレ
この記事はゲーム「Heaven Burns Red」第二章までのネタバレを含みます。
key作品の長い愛好家としてヘブバンは予約ダウンロードし、真っ先にプレイしてきた。現時点で第二章を終えているが、key作品だけあって予想通り謎が含まれている。
考察しがいがあるので現時点での疑問点と、考察を書いていきたい。何分まだ第二章なので、妄想も入れながら考察するしかないのだけれど……。
未プレイの方はとりあえず、このトレーラーをご覧ください↓
改ざんされている記憶
ヘブバンでは、登場人物たちの記憶が明らかに改ざんされている。『記憶の庭』ではとぎれとぎれの記憶が転がっているし、月歌に至っては入隊の記憶があいまいすぎる。
最初の方から登場する挿入歌「Burn My Universe」でも、
君を忘れても
ぼくは連れてくよ
出典:Burn My Universe
という歌詞があるので、記憶が失われていることを隠している様子もない。
ただし、記憶の庭に転がっているのは月歌視点での記憶だけだ。
月歌は「過去」に登場人物たちと出会っている?
月歌の記憶は改ざんされたか失われていて、実はすでに登場人物たちと出会っている。ガチャに出てくる「Aランク」のスタイルたちは、過去の登場人物だから、SSランクの現在より弱い。
ただし、この場合はなぜ他の登場人物が月歌の話に合わせているのかが謎になる。鍵となるのは第二章に出てくる「るか」と呼ぶ声。声の主はユキだが、それを覚えていないという。つまり、ユキも記憶障害を抱えている可能性が高い。
月歌の語る時系列がおかしいことからも、この可能性は高そうだ。
10年前:キャンサーの隕石が落ちる
7年前:キャンサーの支配領域が拡大
このあとに
16歳の月歌:She is Legendとしてデビューし世間を騒がせる
高校生のユキ:ハッカー集団として名を馳せる
という経歴はつじつまが合わない。世界がキャンサーに襲われているときに、バンド活動をしている余裕なんてあるか?
ループ世界である可能性
というわけで、月歌は記憶をいじられているか、何度か記憶をリセットされて、セラフ部隊に投入されては記憶を失うループを繰り返している可能性がある。そうすると月歌の実年齢は20代、下手すると30代の可能性もある。
さきほどの挿入歌「Burn My Universe」で、
ぐるぐる同じところ
回って気付いたらまた朝だ
1,2,3,4でLet's Go New Game
出典:Burn My Universe
という歌詞がある。ゲームオーバーを繰り返しつつも、New Game(新しいゲーム)へ何度もリセットされている可能性が、直接的に描かれている。実際、ゲームシステムとしてもあっけなくゲームオーバーになるし、何事もなかったかのようにやり直せる。
ではなぜ「ループ」をするのか。その可能性を2つ挙げる。
可能性1: ○○は死にかけている?
先の挿入歌「Burn My Universe」では、こんな歌詞が出てくる。
ああもう 忘れそうだ
でもまだここで脈を打つ出典:Burn My Universe
ここで記憶障害について再度触れられているのはスルーして、「まだここで脈を打つ」に注目したい。
さらに、別の挿入歌「Dance! Dance! Dance!」では、デスボイスで
This is My Dying Cry! (これは死にゆく私の叫び!)
This is Me Half-dying! (これは私、死にかけている!)出典:Dance! Dance! Dance!
というド直球な歌詞が入っている。
さらに、死を示唆する歌詞は、
地上で生きてゆくには心が脆くて
どこにもたどり着けない出典:星の墓標
と、複数登場する。
まだ死んではいない、けれども死にかけている……と考えると、月歌は死にかけているのではないかと思われる。記憶の庭では、目をつぶっている月歌がホームにいる。これは月歌の現状を表していると言えなくもない。月歌は、記憶の庭で記憶を修復することによって生きている世界へ戻ろうとしているのではないか。
「記憶の庭」の気泡は、ナ―ビィの「内側」世界ではないか?
記憶の庭には泡が飛び散っている。そして泡といえば、ナ―ビィにも気泡が描かれている。何なら、ナ―ビィが気泡そのものにも見える。
第二章で死んだ人間の記憶はナ―ビィの中にあるとわかっているから、実は月歌自身も死にかけていて、ナ―ビィとなっているのかもしれない。そして、記憶の庭を修復していくことで、ナ―ビィとして自我を失い切るのではなく、月歌として復活できる可能性が残されているのではないか。
そもそも、ナ―ビィという名前がダイレクトにnavi = navigator(案内人)だ。ナ―ビィは死者の魂というよりも、記憶のナビゲーションをしているのかもしれない。
もしここまでのゲームが全て「死にかけた月歌の記憶」なら、変な矛盾にツッコミを登場人物が入れてこないのにも納得がいく。物語は月歌の脳内で展開されているだけだからだ。
さらに、聖華は作中で「どうだ、未来は見えたか?」と言ってくれる。この声掛けは不自然すぎるが、死にかけの月歌にとって、未来が見えるか?と問うているなら意図は明確になる。
可能性2: むしろ○○が死にかけている?
もし、死にかけているのが「月歌以外の全員」だったら……?という可能性もある。聖華の「どうだ、未来は見えたか?」は、もしかすると月歌が何度も世界をループして、ナ―ビィと化した仲間を救いに行く旅を暗示しているのかもしれない。
考えてみれば、先程の歌詞
This is My Dying Cry! (これは死にゆく私の叫び!)
This is Me Half-dying! (これは私、死にかけている!)
出典:Dance! Dance! Dance!
でデスボイスを出しているのは、月歌ではなくカレンだ。
死にかけているのは、カレンなのかもしれない。この場合は、記憶の庭が「月歌と死にゆく人物の記憶をつなぐ鎖」の役割を果たしていると考えられる。
さらに、
Hello Hello 応答を
Hello Hello 応えて出典:星の墓標
と、セラフィムコードが「Hello World」のユキへ呼びかけているような歌詞もある。
ただ、この可能性がある場合は世界はより絶望的であると言える。実際、PVでは数万人レベルまで生き残りが減っているシーンが出てくる。もしそこまで人口が減っているとなると、仲間が全滅していてもおかしくない。
これを裏付けるように、蒼井は29期において唯一の生き残りだ。30期はG部隊しか出てこない。つまりG部隊以外は全滅している可能性が高い。精鋭であるはずの30A部隊が先輩ヅラして出てこない時点で、生存率はお察し……という状態である。(ナ―ビィ、あんな数で死傷者全員分足りるの?)
31期はまだ入隊したてだからメンバーが多くいるが、今後は1クラス分、下手すると主人公以外全員死んでもおかしくない。そう考えると、「月歌だけが生きていて、あとは全員死んでいる」可能性も十分にある。
まだ解決していない謎一覧
と、ここまで雑な考察を並べてみたが、まだ解決されていない謎が多すぎるので三章クリア後に加筆したい。
まだ解決の糸口すら見つかっていない謎
- 生き残り人口をなぜ正確にカウントできるのか
- なぜ男女が極端なほど明確に分けられているのか
- なぜドームの一般人と戦士は接触が禁じられているのか
- 記憶の庭に登場する猫の正体
- 挿入歌「Indigo in Blue」に出てくる「止めを君にさす」の意味
というわけで、今日はここで終わり。
はあちゅうさんとの名誉毀損をめぐる地裁判決のお知らせ
はあちゅうさんから2020年8月にいただきました訴状に応じ、東京地裁にて勝訴いたしましたことをお知らせします。
はあちゅうさんから起こされた訴訟の経緯
作家のはあちゅうさんには、「リアルタイムで妊活を発信する」とされていた期間に、実際は妊娠していたのではないかという疑惑がありました。これにより、不妊治療に励む方々が多数傷ついたと感じ、私は以下の投稿をいたしました。
はあちゅうさんが物を宣伝するとよく売れる。だから仕事が絶えない。近い業種だからよく存じてます。けれど、妊活の本を出して売れたタイミングで「実は妊活について書く前から妊娠していました」は冒涜ではないですか、読者を、妊活する方をなんだと思っているのですか。
その結果、はあちゅうさんから内容証明が届き、削除をご依頼されたため削除しました。しかし、さらにその後、名誉毀損であるとして訴状が届きました。
また、はあちゅうさんからは私が意図的にデマを広めたかのように、ブログを投稿されていました。
これらを踏まえ、応訴する決断をしたものです。
はあちゅうさんとの裁判で地裁判決が出るまでの経緯
裁判の経過に伴い、裁判長からはあちゅうさんの弁護士へ「(はあちゅうさんの訴えていた)請求を認めることは難しいのではないか」と、和解勧告がありました。それを受け、はあちゅうさんの弁護士から和解案をいただきました。
しかし、はあちゅうさん側から出された和解案について「本和解内容について相手の同意を得ずに公開しない」というポイントで私側と合意することができず、残念ながら和解へは至らず、判決を待つ結果となりました。
判決結果として、はあちゅうさんの請求は棄却され、東京地裁において私の発言は名誉毀損ではなかったと認められた形になりました。
はあちゅうさん控訴に伴う高裁に向けて
はあちゅうさんが控訴を選んだ場合、本件は高等裁判所での控訴審が続く可能性があります。そのため、地裁判決は現時点での経過報告となりますことを、ここに申し添えておきます。
追記:はあちゅうさんから控訴されました。まだ期日(裁判の日)が未定のため、今後についてはわかりしだい更新いたします。
地裁判決に伴うトイアンナからのコメント
この度は、多数のご支援の言葉を賜り誠にありがとうございました。弁護士の清水陽平先生には並ならぬサポートをいただきましたこと、厚く御礼申し上げます。
昨今、度を超えた誹謗中傷がネットで見られることに、私も強く心を痛めております。それと同時に、名誉毀損の範疇ではないと考えられる批判が封殺されないよう、表現の自由と名誉維持のバランスを取りつつ、今後も発信を心がけてまいります。
お取引先様、ご関係者様、そして私の発信を見てくださっている皆様におかれましては、今後もご愛顧賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。
トイアンナより、感謝を込めて
トップのイラスト提供:ドデモイ様
お問い合わせ先および関連記事
トイアンナの公式サイトが10月にオープンしました。宜しければご覧いただけると嬉しいです。
お問い合わせはこちらからお願いいたします。
訴訟を起こされた当時の掲載文はこちらとなります。
お知らせ:婚活結社「魔女のサバト通信」で結婚の極意を発信しています
最近、noteにTwitterにInstagramにと、さまざまなフィールドで文章発信にチャレンジしています。そのなかでもnote「婚活結社 魔女のサバト通信」では、結婚したい女性向けに心震えるx役立つ情報のハイブリッドをお届けしています。
魔女のサバト……というとおどろおどろしいかもしれませんが、長らく女性支援をしてきた起業家3名によるユニットで、「結婚しても、シングルでも幸せな人生を目指す」団体として5年以上運営しています。かつてはリアルミーティングで実施していましたが、現在はコロナによりオンライン化。
そして今回、魔女のサバト関連でビッグニュースが2つ!
1. 「マッチングアプリ大学」さんとのコラボ対談が実現!
note内「魔女のサバト通信」でマッチングアプリについて網羅した媒体で日本最大級の「マッチングアプリ大学」、白崎さんとのコラボ対談が実現しました。
対談相手ご紹介
マッチングアプリ大学 白崎 萌
株式会社ネクストレベルメディア事業部マネージャー。婚活恋活メディアのマッチングアプリ大学・縁結び大学・マリピタの統括。2012年より婚活関連メディアで取材・執筆・編集に携わり、様々な婚活サービスに関して広く知見を持つ。直近では知識を生かし、婚活アプリの運営・開発にも携わる。
noteで「個人の意見発信」を超え、こうして公式媒体さんと提携できることをとても嬉しく思います。なにせ、持っているデータの量が違う。知見のレベルが違う。マッチングアプリを使ってみただけの素人(私)よりも、重厚で信頼できる比較データをお持ちです。
コラボ第一弾では、
など、婚活始めたての人に嬉しい最新情報・裏情報をたっぷりお聞かせいただきました!
婚活って最初はアプリからかな?と思っている方はぜひご覧いただければ幸いです。第一弾ですでに1万文字を超えました。むろん、すべて無料です。
2. 魔女のサバトから新刊発売!
魔女のサバトを運営するメンバーで『やっぱり結婚しなきゃ! と思ったら読む本: 35歳からのナチュ婚のすすめ』を執筆いたしました。
こちらで私はマーケティング手法に則った、お相手選びのコツをお伝えしています。マーケティングは「誰に売るか・どういうメッセージで売るか・どうやって売るか」の3つを考える仕事であり、婚活には最適なフレームワークでもあります。
もし宜しければ、こちらもお手にとっていただければ嬉しいです。
ではまた!
4℃で喜ぶ女はチョロいのか
4℃というジュエリーがある。市場が縮小する中で着実に売上を伸ばすトップブランドであり、ハート形とピンクゴールドの組み合わせなど甘々なデザインが特徴。SweetやCanCamなど女性誌でも引っ張りだこで、結婚指輪としても人気がある。
その一方で、「4℃はダサい」という意見も根強い。4℃は女子高生から女子大生を主に支持を受けているブランドで、似合いそうな服は真っ白なコートやパステルカラーバッグ。アラサーのほとんどが着るのをためらう色合いだ。
価格帯は2万円台がボリュームゾーンで決して安くもない。「だったら、年相応のブランドがいい」という気持ちはわかる。
年齢層を無視しても、4℃が背負う王道イメージも私のような日陰者にはずしんとくる。デザインモチーフはハート型、ピンク、ディズニー。ううっ。年末年始の繁忙期を『日曜日よりの使者』を流して乗り切っている痛いアラサーに何てことするんだ。4℃が悪いんじゃない。こっちの感性が悪いんだ……。
4℃はクリスマスプレゼントでよく登場する。
ほとんどの男性はジュエリーブランドに詳しくない。若いうちから女性のジュエリーに詳しかったら業界人かよほどの遊び人だろう。だからクリスマスプレゼントに困る。
「彼女 プレゼント」で検索するとネックレスやリングなど貴金属がお勧めに出てくる。検索1位で出てくるサイトのお勧めはティファニーのオープンハートか、4℃のハートモチーフ。ティファニーの方が高いし、どっちも王道なら4℃かな……。
と、直前になって男性は慌てて店へ駆け込む。相手が4℃やティファニーが好きで選んだのでもない限りは、プレゼントしたら彼女の笑顔がどうも引きつっている……という顛末になる。
「貰いものに文句を言うなんて」という層もいるだろうが、彼氏からのプレゼントは、おいそれと捨てたりできないからこそしんどいんじゃなかろうか。次回のデートにはつけないと気まずいし、さりとて合わせる服もない。いっそ白いワンピース、買うか…? ムリムリ。彼の検索結果を恨むしかあるまい。
何歳になっても4℃で心から喜べる女性はチョロいかもしれない。王道ファッションを好むと分かっているからだ。リッツ・カールトン、ディズニーランド、パリ旅行と喜びそうなものが想像できる。従って男性がプレゼントを考える時間も少なくてすむ。どれもお金さえ払えば手に入るから、彼女の笑顔をたやすく手に入れられる。
その点、王道でない私のような人間のなんと面倒で嫌味ったらしいことか。4℃が嫌なのは「この年だからヴァンクリがいい♡」とかそういうことじゃなくって、自分の好みを元に熟考してほしいからだ。
今年なら私は新型コロナウイルスへの寄付をしてくれたら嬉しい。そういうねじくれた願望には「王道プレゼントをくれる君は、私のことを本当に考えて選んでくれたのか」という答えのない問いが待っている。彼にとってみれば、プレゼントを慎重に選ぶ苦痛が毎年続く。去年あげたものと同じものでは済まないからだ。
王道を好む女性は「浅はか」「チョロい」という陰キャからのそしりと引き換えに、男性の思考コストを大幅に削減しているのである。クリスマス1日前に駆け込んだ店で手に入る愛情を喜んでくれる。それはなんと大らかな性格なんだろう。こっちは何てワガママなんだろう。
だから4℃を喜ぶ女性を馬鹿にして「私は違いが分かる女だから」なんて振るまえやしない。それは4℃という優れたブランドを踏み台にして自分をお高く見せようとする、別の呪いに過ぎないのだから。
ディズニーへ行けない、ピンクのハートなんて耐えられない。そんな自分を相手にしてくれるパートナー候補の数は絶対に4℃を喜ぶ王道女子より少ない。わかっちゃいるけどmiu miu♡Tiffany♡になるのはムリだなあ……そもそもがはてなブログを選ぶ女なんだからさ。
もしあなたが私と同じように4℃で喜べないなら誇りも抱いてほしい。単なるアンチ王道になって「私は違いがわかる女だから4℃は選ばないのよ」なんてつまらない態度になるのはもったいない。どのブランドにも駄作や傑作はあり、4℃もその例外ではない。
けれど「ああ、これじゃなくていいかな」と思うあなたを含めた複数の価値観がこの世にあれば、多様性が生まれる。価値観が一つしかない社会では「絶対開成から東大へ入るのよ」なんてベクトルが一直線のママが生まれてしまう。
価値観は1種類ではない。子どもが4℃を好きになろうが自作のネイティブアメリカン衣装を着ようが、「いいじゃん」と言える度量は多様性から生まれる。
将来子どもが彼氏に4℃を貰ったら「いい彼氏じゃないの、大事にしなさいよ」と言ってあげられるように、同じくらい自分の価値観も大事にしていい。どちらが優れているわけでも、劣っているわけでもない。
ただ、もし王道プレゼントやもっと言えばプレゼントをもらうこと自体も苦手なら自分が王道女子のように大らかな女ではないと自覚しておきたいし、そんな人間がクリスマスプレゼントを欲しがるなら「これ買って」と指定すべきだろう。ややこしい好みなのにプレゼントはサプライズがいいなんて、モノを貰うプロセスだけ王道サプライズにあこがれてしまうのは都合がよすぎる。
かつては私も「クリスマスに欲しいものを自分から言うなんて、せびっているようで失礼なんじゃ」と思っていた。その結果サプライズでもらったのは高さ1mほどあるサルの置物、自作の小説、私のために作られた曲たちだ。ハッキリ言って、4℃貰ったほうがマシだった……。そう思うくらいなら自分でブツを指定すべきである。男へ女向けブランドの知識を与えることなくサプライズに甘えるな。
お互いに同じくらいの予算で前からほしかったものを交換したいと言えば、王道女子がターゲットの人間も納得してくれる。4℃を喜べるなら、自分の大らかさに自信を持って。4℃を喜べないなら、チョロくない女として誇りを持とう。
優劣を付ければ、そこに単なる「王道への僻み」が生まれてしまうから。そして自分が面倒な側に立つのなら、クリスマスは本当にギフトを贈り合うべきなのか?サプライズである必要はあるのか?と、根底から面倒な疑問を呈しようじゃないか。
メリー、クリスマス。
***
2016年に書いた記事、消してしまったけれど未だに生きるものがあると思いちょっと加筆して再掲しました。
トイアンナ、1人に戻るってよ
はい、ほとんどの方にはどうでもいいお話です。トイアンナが1人に戻ります。
トイアンナが2人って何だよ、と思った方はこちらをご覧ください。
要するに、トイアンナはもともと1人でしたが、いつも取材協力をしてくれていた女性へ「もうトイアンナと名乗っていいレベルでは?」と声をかけてユニット制になっていたわけです。
私と彼女は「葉巻好きの女」という珍しい共通点があり、そこから仲良くなりました。そして多数の取材に協力してくれておりました。
しかしながらニワカ葉巻スモーカーとして月1回ほど葉巻を吸っている私とは裏腹に、彼女はガチ葉巻勢へ成長。
年の半分をキューバで過ごし、トルセドーラ(葉巻を巻く職人)になるべく、現地で練習をしているそうです。新型コロナウイルスの影響ないの?共産主義圏で定住ってできるの? うん、私もそれ思いました。わからない。でもキューバにいます。
私の周りの人間は特殊な設定を背負わないとダメなルールでもあんのか? と、話を聞いたときには笑いましたが、しかし彼女の幸せな笑顔が見れたので、何もかもよし。
いつか葉巻ネタでコラボしよーね!と約束して、ひとまずトイアンナはもとの1名に戻ります。経歴も執筆内容も変わりません。なぜならそれは、もともと私がやってきたことなので。
これからも変わらず、どうぞよろしくお願いいたします。
30代女がギャルになる。鬱から「最悪の期間」を脱出するまでの4か月
なんだか全身がダルいな。そんな日が数日続いて、あれよあれよという間に、床から離れられなくなった。
結婚、過労、死、退職、訴訟
なんだこれ?胸に手を当ててみる。思い当たるフシはたくさんあった。今年を振り返ると、
1月 結婚
4月 夫が倒れる
5月 過労で自分が倒れる
6月 夫を失う
7月 転居
8月 友人を失う
9月 退職・訴状①が届く
10月 訴状②が届く
12月 裁判
である。厄年か。←後厄でした
始まりは退職
ネットには書いてなかったけれど、この数年間、外資系企業で働いていた。その会社を退職した9月あたりがトリガーになって、ガクンと落ち込んだ。夜中に落ち着かずウロウロしたり、罪悪感に押しつぶされそうになっていよいよ鬱らしい、と気づいた。すぐに精神科へ電話したら幸い、近隣で評判のよい精神科が予約できた。
先生「今年結婚して、旦那さんを失って、それから訴訟を起こされた。えっと……そんなにいろいろあって、鬱にならないのも変じゃない?」
私 「私もそう思います」
客観視はできている(つもりだった)けれど、やっぱり動けないものは動けない。先生は面倒見のいい人で、ゆっくり話を聞いてくれて、薬を処方してくれた。
しかし、処方されても数週間は効かないのが鬱である。ちょうどいい位置にドアノブがあるなあ……おっといけない、寝よう寝よう。ってな危うさを抱えつつ、とにかくこんこんと眠った。こういうときは寝ていた方がいい。起きているとろくなことを考えない。
寝込んでいる間、大量の夢を見た。主に高校時代の夢だった。イギリスの寮で、アルコールとドラッグを大量摂取してぶっ倒れた女の子。手首がシマウマみたいになった別の子。
いろいろ思い出した。問題のある子ばかりではなかったのだけれど、夢見の主が病んでいるのだから、病んだ思い出が多くなるのだろう。夢の中で英語を使うから、寝起きはぐったり疲れていた。
そして申し訳ないことに、私はフリーランスで、しかもチームワークをしていた。職場の関係者に謝罪のメールを打つ余力すらなく、マネージャー2名が代理で方々へ謝罪してくれた。私はごくわずかの、動ける日に謝礼を振り込むくらいしかできなかった。彼らがいなかったら、謝礼を払える内部留保すらなかったかもしれない。
ほぼ寝たきり雀
そして10月。ほぼ1ヵ月、毎日20時間寝ていた。起きている間もピクリとも動かず、天井を見つめていた。あまりに動かなさ過ぎて、尻に床ずれができた。風呂も週に1回が限界だった。
全身がかゆいし痛いが、やはり動けないものは動けない。家事代行を週1で頼んでいたから家は家の形をしていたが、そうでなかったら生ごみにまみれていた可能性が高い。
息も絶え絶えに来院した私へ、先生は入院を勧めた。
私 「最低限は……仕事を……しないと……自営業なので……ですがパソコンの持ち込みは……」←鬱で途切れ途切れにしかしゃべれない
先生「パソコンはいいんですが、電源コードがだめですね。他の患者さんが悪用する可能性もあるので」
実質だめじゃん。入院の可能性は消えた。さすがにメールも打てなくなったら、マネージャーが倒れちゃう。
この時期、優しくしてくれた男性がいた。ずっと病状は隠していたけれど、さすがに入院寸前までいって、どうも私は鬱らしい、ということをLINEした。彼は「そういう病気を持つ人は無理」と言って去っていった。
いやいや、手首切ってないし、〇にたいとか言ってないし。「今年いろいろあったし、鬱で入院するかも」でそれかい。このタイミング、私じゃなかったら耐えられなくね?
この瞬間、心の中でギャルが目覚めた。
「いやさ、ありえなくない?私さあ、今年けっこう頑張ったと思うよ。っていうか普通の人だったら倒れてると思うよ、とっくに。何なの今年は。不幸のパフェ特盛りチョコレート追加なん?その状況でこんな仕打ち?まじありえないんですけど?」
かなり怒ったけど、怒る力が湧いてよかった。
ギャルになってキレていたら、お世話になっている先輩が厄払いに誘ってくれた。神社で課金、初めてしてみた。霊験あらたかな神社で祈った。厄払いした直後に2つめの訴状が届いた。厄、強すぎ。笑った。先輩すみません。
宮崎と岡崎体育で癒される
11月。3日に1度、稼働できるようになった。薬が少しずつ効いてきた。
とはいえネガティブな気持ちは常に付きまとっていたので、まあ美味しいものでも食べるか、と考えた。美味しいものがあれば何でもできる。
まず、宮崎へ飛んだ。学生時代にインターンしていた先の社員さんが、アーリーリタイアして住んでいた。めちゃくちゃ出迎えていただいて、動けない私の代わりに車であれこれ連れて行ってくださった。
宮崎では、海でぼんやりしていた。
宮崎から関東に帰ってからは、前々から行きたくてたまらなかったフレンチ2軒を、友人が予約してくれた。何もかも美味しかった。何より友情が染みた。ありがとう、コートドールとLibre。元気になったら恩返しするという願望ができた。
と、いろいろ動いた反動であとは寝ていた。なにせ寝ているので、食べようが食べまいが代謝が落ちまくって太った。理不尽だ。
原稿は納期を遅らせたり、1回お休みをいただいたりして、なんとか書き始めていた。悔しいことに、こういうときの原稿のほうがいい原稿になる。普段の私は何なんだ。普段から出でよネガティブパワー、メイクアップ。
とはいえ収入は激減。
生きてるのが辛かったのでずっと岡崎体育のこれを聞いてた。
岡崎体育 『なにをやってもあかんわ』 Music Video
もう何をやってもあかんときは、何もしないに限るんや。
家がきれいになると心がきれいになる
12月。稼働できる日が2日に1度、そして毎日に戻った。今も1日10時間は寝ている。でも前の冬眠状態からはかなりマシだ。
家を癒し系空間に変えるために、貯金を引っぺがしていろいろ買った。買ってから気づいたけど、生活必需品に関係ないものこそ、心を回復させてくれるものなんですね。
買ってからはAlexaで波の音を流して、暗闇でハンモックに揺られてた。なんでもっと早く買わなかったんだろうって感想になった。
絵も飾ってみた。(実際には動けなかったので、家事代行のお姉さんが飾ってくださった)
ここに来てゴッホを選んじゃって、メンタル大丈夫かな……。と思ったけれど、アーモンドの木はそんなに影響なかった。普通に可愛い。トイレに飾った。←ゴッホさんすみません。
あとはカーテンやらベッドなど、むしろ今まで何で家になかったの?っていうものを買っていった。つーか、それ以前の私の家は何だったんだろうか。箱?
猫が寂しそうにしていたので、レーザーポインタで遊んであげるために買った。これなら寝たきりでも猫を構ってやれる。ごめんよ猫、お母さん病気なの。猫もそれを察してくれて、顔をよく舐めにきてくれた。夜はともに布団の中で顔をくっつけて眠った。
家が整ったあたりで、やりたいことがいろいろ出てきた。元気になったら、ハイキングしたい。寝たきりからスタートなのでまだ近隣の散歩しかできないけれど、ちょっといいトレッキングシューズを買った。来年中の目標は高尾山。
ベッドでこのサイトをずっと見ていた。
このころ、床ずれがやっと治った。イベントへ登壇するため、横浜から末広町まで電車でたどり着けたときは嬉しくて足が震えた。
デブになった体は、そろそろ痩せたいなあと健康を考えられるほどにはなった。パーティとかはまだ無理だけど、友達とまったり過ごす時間がうれしい。仕事は前のペースへ徐々に戻りつつある。
もちろん、これから状態が安定するか観察して、さらに減薬していくプロセスが残っている。揺り戻しもあるし、まだまだ寝込む日もあるだろう。
でもどうやら、最悪の期間は、抜けたっぽい。
先日、精神科での会話。
先生「双極性障害の可能性も残されているので、躁になっていないか、注意してくださいね」
私 「躁になったサインって、どんな感じですか」
先生「そうね、代謝が良くなって痩せることが多いかな……あと眠らずに働けたりとか……」
人生でまだ躁状態が来ている気配がないです……。
痩せたいし眠気なく働いてみたいです……。
来年は幸せが大量に来てくれよ
最悪の期間を抜けてから、谷口マサトさんが亡くなられたのを知った。同じくらい寝込んでいるnoteを残されていたことも、気づく余裕がなかった。
そして、よく夫のことを考える。過労で自分が倒れていたとき、もっと大事にできたことがあった。できなかった。私の力不足だった。まだ彼について、書く元気はない。
病気で失った友人のことも思う。失いたくなかった。何もできなかった。今年は人が死にすぎだ。
私は……もう100年くらいこの世にいたい。
飼い猫を愛しているし、これまでどんな辛いこともいい面を見つけてきたので。今は「大変だったけど、やりがいのある1年だった!これが人生の底ならば、来年は幸福ばかり訪れるに決まってる」と思っている。
そうじゃなかったら、またギャルになっちゃうぞ。
お題「#買って良かった2020」