「白熱日本酒教室 増補改訂版」9月26日発売!
本日、発売です!
正確には、取次に入るのが9月25日で、ほとんどの書店に並ぶのが9月26日(木)からという感じなので、9月25日に手に入れた方もおられるかもしれません。ただ、電子書籍とか、大手通販サイトなどでは9月26日からのようなので、9月26日を発売日として告知させていただいております。
改めて、どんな本なの?
10年前の2014年に発売した、「白熱日本酒教室」の増補改訂版です。10年ぐらい前に、初心者のための日本酒本を作ろうという気持ちで白熱日本酒教室は誕生しました。
日本酒の初心者が疑問に思う点はいくつかあると考えています(実際に、いろいろな人から意見を伺ったうえで出した考えです)。
- 結局、どの日本酒がおいしいの?
- 度数が高くてたくさん飲めないから、どうせならおいしいのを飲みたい
- 日本酒ってなんかたくさん名前がついているけれども、どういう意味なの?
- どういう飲み方をすれば悪酔いしないの?
- お店で頼むときのマナーとかあるの?
- というか、どういうふるまいなら上級者に怒られないの?
などなど。
他にもあるでしょうけれども、代表的なのはこのような感じでしょうか。
どうせ飲むのなら(お金を払うのなら)おいしいのを飲みたい。あとは、諸先輩方にふるまいとかで怒られたくない。というのが、一番思うことではないでしょうか。細かい部分とかは二番目なんじゃないかなとも。
どんな趣味でもそうなんですが、「いきすぎたマニアが門戸を狭めてしまい、初心者お断り状態になる」のが、そのジャンルの衰退の第一歩だと考えています。
10年以上前には、実際に自分が経験したこととして、あったんですね。僕が大好きなお酒が、非常にフルーティーで果実味が強いタイプの日本酒だったんです。それを、とある日本酒会で「これが好きなんですよ〜」と話したら、
「ああ、あれ、日本酒じゃないよね。ジュースだよね。ふーん、あれが好きなんだ」
みたいに言われたんです。めちゃめちゃ日本酒を飲んでいて、家にもものすごくたくさん日本酒を保管しているという方から。
はっきり言って、まあ、暴言です。そして、もし自分が初心者だったら、中上級者の方からこんなことを言われたら「自分の飲んでいるお酒は日本酒じゃないんだ……」なんて萎縮してしまい、「好きを好き」と言いにくくなったのではないでしょうか。
それから、10年以上前は、今よりももっと、とある作品達の影響が大きかったといいますか……
「○○の造り方をしているのは本来の意味の日本酒じゃない。大手が金儲けのためにやっていることだ。明日また来てください。本当の日本酒を飲ませてあげますよ」
みたいな感じの台詞を言っていたり言っていなかったりする作品とか、あれやこれやの影響を受けた方が、特定の製法を本当に悪し様に言っていたりしたんです。
でもこれも、自分が好きだと思ったお酒がどんなお酒か調べていたら「本来の意味の日本酒じゃない」と言われていたらショックですよね。
というわけで、趣味の世界なのでこういう要素を否定する、という書き方はやめよう。味わいの好みが個人によって違うのは当たり前なので、どちらかというと、知識を得て選択肢を広げてもらい、自分の好きなお酒を探す手伝いをしよう、ということを重視した本にしました。したつもりです。
この考えで書いたので、10年は読んでも大丈夫な本になったんじゃないかと思っております。もうちょっとミーハー寄りだったら、ネタが風化していたなとも……
挿入する写真を新しく撮りに行きたかったんですが、風邪を引いてしまって新しく撮れていないので過去のと同じのを入れさせていただきます……
じゃあ改訂版は?
では増補改訂版はと言いますと。
さすがに10年経つと、前述のような先鋭的なことを言うマニアの方は減った気がします。過去のあれやこれやの作品も、影響力が大きく落ちたといいますか。休載が長引いたといいますか。さすがに「知識が古い」ということが知れ渡ってきた感があるのです。
そして、醸造技術が本当に進歩していて、まあ、どんな日本酒を飲んでもおいしいことおいしいこと! なので、「これこれは日本酒じゃない」みたいなことを言う人は、本当に減った気がします。
まあ、いないわけではないです。年配の方で、過去の知識にとらわれている方が。そういった人の謝った知識に関しては、このブログでも今年の2月ぐらいに何回か書いていたりするので気になる方は見てみてください(文末に過去記事へのリンクを張ります)。
ただ、そういういいことばかりではありません。
コロナ禍などもあったおかげで、若い人がお酒を飲む機会がめちゃめちゃ減ったのではないでしょうか。
何人かの大学生に聞いてみたところ、集まって家飲みとかはほとんどやらなくなった、と。
そしてお酒に対する態度もだいぶ変わり、「お酒は飲みたい人が飲みたいだけ買ってくる」ものであるという感じになっています。とりあえずビールの缶の6本セットを買ってきて、乾杯はビールでやって……みたいなじゃくって、基本的には自分の飲みたい分だけ自分で買う、みたいなのが家飲みでも多いのではないかと(サンプル数はそんなに多くはないのですが、聞いた範囲ではこうでした)。
どちらかというと、ファミリーレストランやカラオケボックスのフリードリンクというか、ドリンクバーのような概念が染みついているので、飲みたいものを飲みたいだけ自分で用意する、となっているんですね。
つまり、新しいお酒に出会う機会が結構減っていっているのではないでしょうか。もちろん、中には好奇心旺盛でどんどん挑戦する人もいますが、全体的には減っていっているのではないかと考えております。
そしてまた、お酒に対する恐怖心……ではないですね。えーっと、酔った醜態を見せる事を恐れる、みたいなのが、一昔前よりも強い気がします。自己責任論が強いといいますか。泥酔したら泥酔した人のせい、みたいなのが強いとも思いました。なので、度数の強いお酒を好まない、と。
そういう時代にどういう日本酒の初心者向きの本を書いていけばいいのか、悩みに悩んで増補改訂版を書いたという次第です。
じゃあ、結構書き直しているの?
書き直しています!
たとえば、「一時間目」。旧版は
一時間目:いま、日本酒が面白い!
に対して、増補改訂版では
一時間目:いま、日本酒が面白い! 日本酒でお酒を覚えよう!
としています。
スタート地点は同じですが、ゴール地点をひとつ増やしてみました。日本酒に関する基礎知識を学べば、他のお酒のこともある程度わかるようになります。それは、日本酒はラベルの情報量が多いためなんですね。なので、若干コストパフォーマンス(?)が良いですよ、というお話にもなっているんです。
その一方で、まったく同じ目次のものもあります。
二時間目:特定名称酒ってなあに?
は、旧版も増補改訂版も同じ目次です。でも、よりわかりやすくするために、法律面の説明を強化したり、たとえ話を加えたりと、だいぶ加筆しています。
その一方で「事実」はまったく動かせないものでもありますので、ほぼ似たような章もあります。そこでも、法律の改正によって変わった部分とかはしっかりと加筆をいたしました。
ただ、加筆をしたといっても、ゴール地点が同じものが含まれているのは間違いありません。前述の一時間目も、ゴールを二つにしたといっても、一つは旧版と同じ結論になっているわけです。そのため、うける印象としては、同じ事を言っている、となるかもしれません。ただ、そこにたどり着くまでに得られる知識は間違いなく増えていますよ、というわけです。
一番多く加筆したのは、間違いなく「日本酒で悪酔いしないためにはどうしたらいいの」という部分です。
旧版が12ページに対して、増補改訂版では20ページを費やしました。
やはり、すべての人にとって一番重要な知識であり、需要が高い部分だと思いますので、より詳細に書かせていただいたというわけです。
あ、そうそう。もっと重要な情報として、よりわかりやすくするために、漫画版の白熱日本酒教室よりコマを引用したりしています!
アザミさんの素敵なイラストを、ふんだんに活かした本になっています。旧版でもアザミさんの漫画がありましたが、今回は漫画部分は全部新たに描き下ろしていただいております!
ぜひ、楽しんでいただけたら幸いです。
というわけで、本屋さんで見かけましたらぜひともよろしくお願いいたします!! 見かけなかったら、注文してみてください!!!
通販情報(検索して出てきたのを随時追記していきます)
●Amazon様
●講談社BOOK倶楽部様
bookclub.kodansha.co.jp
●Rakutenブックス様
books.rakuten.co.jp
●ヨドバシカメラ様
https://www.yodobashi.com/product/100000009003888434/
●e-hon様
www.e-hon.ne.jp
●タワーレコード様
tower.jp
●TSUTAYA様
store-tsutaya.tsite.jp
●Honya Club様
www.honyaclub.com
冒頭でちょっと言っていた過去記事コーナー
shouyutechou.hatenablog.com
shouyutechou.hatenablog.com
shouyutechou.hatenablog.com