電脳塵芥

電脳塵芥

四方山雑記

川口市の「日本人不可(外国人のみ入居可能)賃貸」はコラ画像だよ


https://x.com/AmiHeartGlitter/status/1856265450327576709

 コミュニティノートにも書いてあるが、各画像に対して画像検索を行えばこの画像は二つの物件画像を使用したコラ画像であることがわかる。


千葉県習志野市実籾本郷


千葉県市川市大野町

以上の様に千葉県市川市習志野市の物件の画像を使用したものであり、埼玉県の物件ですらない。また条件欄の話をすると、当然の様に今現在このような条件を満たす不動産は貸し出されていないし、そもそも「外国人のみ入居可能」という単語で検索してもこの様な賃貸条件を満たす物件は存在しない。ちなみに日本における拡散元は上記の「ami@AmiHeartGlitter」だろうが、元々は5chで「【悲報】川口市、ついに日本人お断りになるwwwww」が日本での出典となるだろうし、さらにいうならば5chの投稿はredditの次の投稿が元だろう。

下に書いてある文章を自動翻訳に変えると「誰が知っていますか、私たちはいつも外国人が空いているかどうかを尋ねるために電話します、そして私の同僚が今日のジョークを共有しました〜ハハハハ」となる。どうにも中国人の間でごく最近で流布したジョークと思われる。ここでいう「同僚」が何処でこの画像を得たかまでは不明だが、ただ千葉県の物件画像を使用している事、その様な条件が出てこないことからジョーク(?)の為の作成されたデマ画像だろう。

投げ銭用ページ
note.com

イマネ・ケリフ氏に睾丸があるという「報告書流出」は現状では胡散臭い

https://x.com/Reika8833/status/1853456600729792845

 匿名アカウントだけならともかくとして日刊スポーツでも「「睾丸が埋もれている」「生物学的に男」パリ五輪で性別騒動の女子ボクサーのヘリフ、報告書流出」として記事が出てこの件が広がっている。とはいえpoligrafoOPENDWがファクトチェック記事を出している様に現状では胡散臭いとしか言いようがない。
 まずこの「問題」は「報告書の一部のスクショ」が流出したことによるものだが、報告書の著者であるソウマヤ・フェダラ(Soumaya Fedala)とジャック・ヤング(Jacques Young)のうちジャック・ヤングはpoligrafoやDWに対してこの報告書へのかかわりを否定し、イマネ・ケリフについて何かしらのことを書いたことはないとしている*1。もう一人のソウマヤ・フェダラは連絡が取れていないとのことであるが、共著者の一人とされる人物が否定しているだけあって報告書の信用性は疑わしい。またこれを報じたアイト・アウディアによればこの報告書自体がジャック・ヤングがパリの学生に明かしたものだとしているが、それが真ならばジャック・ヤングに倫理上の問題が生じることとなり、その流出過程は疑わしい(なのでその問題を隠す為に否定している、という論理は成り立つが)。それと当然ではあるがDWの報道においては病院側は医療上の守秘義務に関する情報は一切提供していないとしている。
 そしてこの報告書について報じた記事だが、時系列的には表に出るまでに紆余曲折を経ている。


8月30日
アイト・アウディアがイマネの医療記録を調べた記事を数時間以内に公開すると投稿
9月8日
記事を投稿するが削除
9月11日
再度記事を投稿するが、これも削除
10月25日
現在の記事が投稿され、拡散


都度、タイトルなどを変えながら公開という不思議な流れを経ており、これが何故なのかは不明だ。また不可思議な点で言えば9月8日の記事においては医師の名前は「Soumaya Fedad」と「David Joung」とあり、前者はつづりの間違いとしても後者は現在の記事で「Jacques Young」になるのは奇妙な部分だ。とくに「Jacques Young」はアイト・アウディアによれば言いふらした本人となるために名前を間違えるのはおかしい。おかしいといえば、記事中にはジャック・ヤングが学生に明かしたという部分は存在しないことも奇妙な点であるともいえる。ただこれらの奇妙な空白期間や人物名の間違いなどがあるものの、最終的に投稿された10月25日の記事が反トランスジェンダーを隠さないReduxxなどを経由して拡散する事によって今に至る。
 実際のところ、この診断書の真偽は不明だ。それっぽい形式や内容は保っている様に見える。診断書の全体像は出ていないが、それはプライバシーのためにと言えば正当化も可能である(ただそもそも事実ならばこの流出自体が重大な問題だ)。とはいえ診断書に沿ったとしても、発端の記事の診断書のスクリーンショットには診断対象となっている「イマネ」という人物(この「イマネ」がイマネ・ケリフであることは立証されていはいない)が「臨床歴を考慮すると、女性の方が常に好ましい」というような事が書いてある。ルモンドによればイマネ・ケリフ側は今回の件で法的措置を検討している様で、この件はもしかしたらのちに明らかになる可能性もある。ただ少なくとも現状ではこの診断書は胡散臭さが抜けないし、乗ったとしても診断書は「女性」だと判断しているようだ。

投げ銭用ページ
note.com

*1:探し当てられなかったのだがヤングに対してアウディアが診断書を見せようかというやり取りが存在。画像の出所がわからないので脚注に画像リンクを貼っておく。

シンガポールは土葬も可能だよ


https://x.com/Southern_X777/status/1852655947501769084


https://x.com/Parsonalsecret/status/1852678856458818017

 シンガポールでの土葬(埋葬)は可能です。

シンガポール環境庁
With effect from 1 November 1998, the burial period for all graves will be limited to 15 years. At the end of 15 years, the graves will be exhumed. For those whose religions permit cremation, the exhumed remains will be cremated and stored in columbaria niches. Where burial is mandated by religion, the exhumed remains will be re-buried in smaller individual plots.
(1998年11月1日より、すべての墓の埋葬期間は15年に制限される。 15年経過後、墓は掘り起こされる。 宗教上火葬が許可されている場合、掘り出された遺骨は火葬され、コロンバリア・ニッチに保管される。 宗教により埋葬が義務付けられている場合、掘り出された遺骨は小さな個別の区画に再び埋葬されます。)
※自動翻訳

死後には遺体埋葬許可申請を選ぶか、火葬許可申請という選択が用意されており、どちらかを選ぶかは個人の選択だろう。シンガポールでは15年間後に掘り起こされるが、そこでも宗教上の扱いにとって火葬するのか、そのまま小さな区画へと再び埋葬されるのかが選択可能であり、可能な限りの配慮はされている。またsilverstreakというシルバー世代向けのシンガポールのHPによれば、シンガポールでは5人に4人が島内にある火葬場で火葬されるとある。「島内にある火葬場」という表現から残りの1人が必ず埋葬というわけではないだろうが、しかし残りの多数は埋葬を選択してはいるだろう。ちなみにだが、シンガポールのムスリム人口は15%ほどだとされている。「SouthernCross@Southern_X777」は別の投稿で、近年は火葬を選ぶムスリムも増えているというが、ソースも示されず、またそれっぽいキーワードでもその様な統計的事実は特に見当たらない。そもそも国の制度上いずれも選択可能な状態であるので、個々人のムスリムで火葬を選択している人間がいたとしてもシンガポールの埋葬制のシステムがある事は事実であり、日本におけるムスリムの土葬へ反対する根拠としては到底機能しえない。

投げ銭用ページ
note.com

「男女共同参画9兆円の内訳」とされているイベント一覧の表は不適切

【11月5日】一部表現を修正。



https://x.com/nihonpatriot/status/1852297187364941851

 メモがてら。「男女共同参画9兆円(10兆円)」というネタは古くって、2006年時点で「「男女共同参画予算10兆円」のカラクリ」というブログ記事が書かれているくらいに古いデマの類。要は男女共同参画事業における関係予算(男女共同参画社会の形成に効果を及ぼす施策・事業)すべてをひっくるめた予算となる(ちなみに今年度は10兆円*1。ただこれが「男女共同参画社会の形成を目的とする施策・事業」となると2000億円*2、内閣男女共同参画予算となると15億円となり*3、事程左様にこの9、10兆円という数字はある意味で言えば盛られている数字ともいえる。この予算10兆円の話そのものについては上記ブログ記事や2020年のバズフィード記事でも再三指摘されている事なのでここでは割愛する。
 さて、冒頭の画像では謎の表をもってして「男女共同参画9兆円の内訳」としている。この表を見て「9兆円」の内訳と本当に信じているかは不明だが、それはとにもかくにもこの表は何なのかと言えばネット保守のインフルエンサーであった「海乱鬼@nipponkairagi」が2022年12月に投稿した次の投稿がおそらくの出所と思われる。


https://archive.md/YZl9J

海乱鬼は現在アカウント削除済みであり、何に反応して調べるに至り、そしてどのようにして調べてこの表を作成したのかは不明だが、この表にある「男女共同参画事業イベント一覧」とは「男女共同参画センター」という全国に356ある施設で行われた「イベント」となる*4。またこの「イベント」だが「公的主体」が主催するイベントと、施設内にある貸しスペースを「私的な団体」が借りて行ったイベントが混在していると思われる。後者の例としてわかりやすいのが「TWICEのサビだけ踊る会」だ。これは2022年12月に札幌市男女共同参画センターで開催予定だったイベントと類推できるが、このイベントの事務局は「TWICEのサビだけ踊ろう in 札幌事務局」というもので男女共同参画センターが行うものでもないし、会場は「健康スタジオ1」と書かれており、貸しスタジオであることがわかる。あくまでこの「TWICE」のイベントは男女共同参画センターの施設を利用しただけであって、それを「男女共同参画事業イベント」というのは無理筋だろう。
 ただし表に多く見受けられる○○講座/教室というのは実際に男女共同参画センターが行っているものが多数と思われる。とはいえこれらの講座系は有料のものが多い。それがわかりやすいのが公益財団法人横浜市男女共同参画推進協会による事業報告書(2023年度)だが、多くの講座は参加費が設定されている(勿論、無料も存在する)。

この参加費による収支は不明だが、多くの税金支出を伴うのか、というよりも少なくとも「男女共同参画9兆円の内訳」的な語りをするにはあまりにも不適切な例示だろう。またセンターによりけりだと思われるが、札幌市の男女共同参画センターは利用料金収益や自主事業収益によって黒字の模様だ*5

これはおそらくうまくいっている部類なのだろうと思えるが、政令市などの施設として充実している男女共同参画センターは貸しスペースや講座などである程度の収益も見込めるのかもしれない。
 以上、見てきたように「男女共同参画9兆円の内訳」として男女共同参画センターにおける「イベント」を持ってくるのは不適切だ。表の中には検索してももはや出てこないイベントが複数存在しており、発端となった海乱鬼がどの様にしてこれを作成したのかは謎だ。「こくちーず」というサイトでは「男女共同参画イベント特集」があり、そこからさまざまな事務局が主体となっているイベントが告知されているのでそういったもの中から「耳目を引く」ものを選んだ、などとも考えるがそこには強い恣意性が見受けられる。これは表にある「イベント」にカルチャースクール的な講座を偏って多そうなことからも窺える。実際、「燃やす」ことを念頭に置いて作られた表なのだろうから恣意性が高いのは当然なのだが。

投げ銭用ページ
note.com

『それでもボクはやってない』のモデルが再犯していたというデマについて

【追加(22日0時)】
記事のタイトルを「話について」から「デマについて」に修正しました
【追記(22日10時】
長崎満及び映画パンフレットなどの情報から取材などの時系列を一部修正、加筆しました。


 冤罪事件を扱った映画『それでもボクはやってない』(ワードとしては『それでも僕はやってない』と漢字表記が多いが、「ボク」が正しい模様なのでそれに準じる)のモデルが後に再犯していた、という投稿がここ1,2年ほどよく見るようになって消える気配があまりなく、その様な事実は少なくとも現時点では存在しないのでここに記しておく。まずこの件に関しては2024年に「しお@sodium」によって拡散され、当時にデマである事がまとめられている。『それでもボクはやってない』という映画は実際の複数の事件をモデルとしている。その一つである2000年12月の西武新宿線高田馬場駅における矢田部孝司が容疑者となった事件で一審は有罪だが、二審で無罪となる。矢田部は後に娘と『お父さんはやってない』という書籍を出し、また「冤罪犠牲者の会」という会にも入っているが、当然ながら再犯の報道は一切ない。そして二つ目のモデルが2000年5月の京浜急行電車内で女子高生のスカートの中に手を入れたとして逮捕された小泉知樹となる。小泉は冤罪を訴えるも懲役1年6月の刑を受け服役、2004年に出所し、その後に『彼女は嘘をついている』という本で冤罪を訴えている。そして小泉は2015年に再審請求をするのだが、この再審請求がどうなったかの続報もないし、当然再犯の報道もない。また映画公開時に紹介された記事では2003年の西武鉄道新宿線における事件も扱われており、それもモデルの人であろう。こちらは2004年に無罪判決となっており、前二者の様に活動などをしておらず無罪判決のために名前を伏せられた形だが、該当人物による再犯報道と思われるものはない。当然、痴漢犯罪がすべて報道されるわけではないが、とはいえ現状のところ「報道ベース」で「モデルが再犯した」という情報は存在しない。
 そしてこのモデル再犯説の初出だが、これ自体はいつ生まれたのかは不明だ。ただ少なくとも2019年の5chの書き込みで類似の言説の存在を確認出来る。


出典:【朗報】JKに1カ月痴漢をした痴漢犯(30代デブ)、逝く 足かけおじさん大勝利へ!!!

ただ上記は「再犯」とまでは言っていないことから今の「モデル再犯説」とはやや異なる。また小泉が懲役刑を受けたことそのものは事実なのでそれを受けての書き込みの可能性は存在する。そして明確な「モデル再犯説」がでているのが、2020年の以下の書き込みだ。


出典:正義マンの嫁が悲痛ツイート「世の中いいことをしても報われない。涙が止まらない」

この再犯説が何をソースとしているのかは全く不明だが、2020年時点のTwitter上では類似言説を検索してもヒットせず、今現在は消えただけの可能性もあるがまだ言説そのものは流布していないことがわかる。2021年には再犯説ではないが5chで「痴漢冤罪映画「それでも僕はやってない」、主人公のモデルが実際に痴漢して懲役食らっていた※リンクはまとめサイト」というスレッドが建っており、しかしソースは2015年の小泉による再審請求の記事であり「実際に痴漢した」という記事ではない。ただこういったスレッドなどから「それでもボクはやってない」の「モデルが実際には痴漢をしていた」という言説の流布が強まっている事がわかる。そしてこの認識が5chを飛び出て広がったと思えるのが2023年1月の次のTwitter上での投稿となる。

ソースを求めるリプライに対しても無反応なのものあって「お肉ちゃん@NIKU_no_aburami」が何をソースとしてこの発言をしているかは不明となる。事件内容そのものは小泉の事件と同一だが小泉は無罪判決は受けておらず、繰り返すが矢田部もそのような再犯報道はない。ただ書きぶりからして2015年の再審請求を受けての発言なように思える。この投稿がなされた2023年1月以降に類似の投稿が複数見られ*1、また2023年9月には5chに「【悲報】痴漢冤罪映画「それでも僕はやってない」→後にモデルの男性が痴漢で服役」というスレッドまで立っている。しかしこのスレッドの1は次の様に2015年における再審請求をソースとしており、これは「再犯」ではない。

それがそのまま流布して今年4月の「しお@sodium」へと繋がっていくのだろう。つまり、この「モデル再犯説」の形成過程として考えられるのは、2015年における小泉の再審請求報道をその数年後に質の悪い情報源から見聞きする事によって、「再審請求」ではなく「再犯」報道だと誤認した/させた人間によって生まれたデマだと考えられる。
 ただしまたこれとは別にもう一つの「モデル再犯説」が存在し、「無罪(冤罪)後に再犯」はこちらからの由来も強いと思われる。


https://x.com/yuijack/status/1847417559064465425

この「🍎@yuijack」の言説は今までとは別の「モデル再犯説」を述べている。それが2024年8月に「月島さくら✿@sakuratsukisima」によって示された長崎満の事件だ。この月島の投稿以前にも2019年に人物名は出さずとも同内容と言える投稿が一つ確認できるが、当時は全く拡散されておらず、「拡散」という意味では月島の投稿がきっかけの可能性は高い。

この長崎満だが1997年に痴漢で逮捕され冤罪を主張、しかし2000年の判決で有罪となるものの、その後に無罪を勝ち取ったようで(追記:2002年に最高裁への上告が棄却され一審、二審における5万円の罰金の判決が確定(読売朝刊 2003.7.16))岩波新書の『裁判官はなぜ誤るのか』においても扱われた「冤罪」事件の当事者だ。そして彼は「痴漢えん罪被害者救済ネットワーク」の代表者となっており文字通り痴漢冤罪に関する団体だったが、2003年7月その運動の帰り中に盗撮をし、そして記事がネット上にないので5chの過去の書き込みに頼るが、それを見る限り2004年2月に東京地裁によって懲役6月執行猶予4年の有罪判決を受けた(読売朝刊 2004.2.4)、というものだ。長崎がその後控訴したのか不明だが続報がない事を見るとしなかったのだろう。ただ、この長崎満が『それでもボクはやってない』の「モデルの一人」とまで言えるかというと甚だ微妙だ。例えば周防正行は2021年のインタビューでは次の様に応えている。

何人ぐらいの法曹を取材されたのでしょうか。
分からないですね。最初は痴漢冤罪事件の取材から始まって、「痴漢えん罪被害者救済ネットワーク」に関わっていた法学者や全国痴漢冤罪弁護団会議に出席して話を聞きました。
不快な思いで映画館を出てもらう必要があった 周防正行監督インタビュー 完全版Vol.1  

周防が行ったのは「痴漢えん罪被害者救済ネットワーク」に関わっていた法学者への取材だ。ただそこには長崎満事件に関しての取材も含んではいただろうし、その中に本人への取材があった可能性そのものは否定できない。ただそれをもってして「モデル」とするのは性急だろう。時系列的に言うならば『それでもボクはやってない』(2007年公開)の製作きっかけは「東京高裁での痴漢事件の逆転無罪判決の記事」と書かれており、また映画パンフレットにおいては直接的に矢田部の事件であると記述されている。そしてその日付は2002年12月、取材を開始したのが2002年末ごろとして3年の取材期間中に長崎の事件が発生が有罪判決に至るまで含まれており*2、この最中に「痴漢えん罪被害者救済ネットワーク」は取材したであろうことは間違いない。故にそれらを考えれば長崎満の事件が何らかの形で作品にフィードバックされてはいるで可能性はあろうが、それがイコール「長崎満が『それでもボクはやってない』のモデルの一人」といって良いかは、取材の最中で有罪判決を受けているだけに微妙といえる。実際のところ周防正行が長崎満事件に関してどの様な考えを持って作品に反映させたのか、させていないのかは不明だ。
 以上のことから事実としていえることは「映画の明確なモデルとされている人物に「再犯」の事実はない」、と「取材対象となった団体の人間が盗撮をして有罪判決を受けた。そしてそれは冤罪ではないであろう」という事になるだろう。「モデル再犯説」そのものは長崎満という「取材対象者(団体)」の「冤罪主張→再犯」という事実と、小泉の再審請求情報が幾度かネット上に出ることによって長崎満の情報と合わさって再浮上して拡散した「説」だと考えられる。

投げ銭用ページ
note.com

*1:例えばhttps://x.com/mtmoymr/status/1658748733117575171https://x.com/0k0m3_/status/1668900096455630848など

*2:周防正行それでもボクはやってない 日本の刑事裁判、まだまだ疑問あり!』においては3年半、200回を超える膨張とあり、これが「3年間」の取材なのだと思われる。

有田芳生のコラ画像についての出所

 この画像については日本ファクトチェックセンターが「有田芳生氏が小学生への性的行為を認める発言? 投稿画像は捏造【ファクトチェック】」という記事を挙げており、ファクトチェックの内容自体にはデマであることの説明そのものには問題ないと考えるが、詳細がかゆいところに手が届いていない感があるので補足的に記述しておく。
 まずそもそも有田芳生のアイコンがズレていたりとコラ画像としては質が低い。ただそれは置いとくとして、このコラ画像の文面は2017年に5chで「松本人志「女子小学生でも乳さえ出てればもうご賞味あれ!の合図」」(※リンクはまとめサイト)というスレッドが立ったことによって広まったもので、スレッドタイトルからわかる様に松本人志の発言である。これはラジオ番組『放送室』の2003年7月17日放送の第94回における松本人志での発言の様で、音源も確認できる投稿が存在する。
 そしてコラ画像の出所だが日本ファクトチェックセンターは画像検索では1月末ごろまでは確認できたとしているが、それ以上は遡れなかった旨の記述がある。画像検索はこの手の事実確認においての常道ではあるものの当然ながら削除されたものは出てこない。しかしながらもう少し遡ることは可能で、拡散した投稿は「湯豆腐@yudofu385」による1月17日の次の投稿だ。

現在この投稿は削除されているが幸いなことにスクショが残っていた。なぜこの画像に行きつけるかだが画像検索ではなく文章検索で突き止めることができる。例えば「もちろん同意が必要だけど」というワードで検索すると1月17日に投稿の形跡が発見できるし、「有田芳生 ロリコン」で検索しても反応を探すことができる。画像検索は最もわかりやすい手段ではあるが、こういった関連しそうな文章による検索によって探し出すことも可能だ。また当時の「湯豆腐」の投稿に対する反応も現在残っている引用投稿の残骸を見ても数十件を超える引用がついていることからも拡散元はこの投稿である事が類推できる。ちなみにこの「湯豆腐」はよく他の画像をパクってくるアカウントな模様であり、コラ画像がこのアカウントのオリジナルではないであろうことがわかり、そして自身が次の様に出所の投稿を提示している。


https://x.com/yudofu385/status/1747455046055542787

そしてリンクされた投稿が1月16日の次のものとなる。


https://archive.md/eTfBY

「れいわ新選組勝手連@立憲共産党はゴミ@rzkvlu」は現在アカウントが凍結されているためにどのようなアカウントであるか、「湯豆腐」が言っている様に有田のコラ画像が「たんまり」あるかは不明だ。ただ現存するこのアカウントの画像から悪意をもったアカウントであろう事は推測できるし、その振る舞いかられいわ新選組の支持者であるかも疑わしい。

この他にもこういった投稿のスクショは多く存在しており、一部で有名なアカウントだったのだろう。こういったアカウントが作成したコラ画像を受けてバクツイした投稿が拡散し、その画像だけが残りまた今回コラだと気づかずに投稿して再拡散したというのが今回の流れとなる。

投げ銭用ページ
note.com

川口における「クルド人幼児による万引き」という偽情報と、そこから端を発した「手口」情報について


https://archive.md/yWVzn

 以上は9月下旬の投稿だが、この「クルド人幼児の万引き」とされるデマ情報が出回っていた。デマではあるもののこの「もなか@monaca123456」の投稿自体に、

・万引きの瞬間は捉えていない
 (動画が証拠として機能していない)
・仮に商品を手にしたとしても万引きは不成立
 (店外への持ち去りが必要)
・「ニホンゴワカラナイ」で万引きは免罪されえない
 (もなかが考える言い訳の非合理性)
・そもそも「もなか」が何故この幼児を撮影していたのかが不明

などの問題点や違和感が存在する。特に「もなか」は万引きをする以前からこの幼児を撮影したことになるために、予知能力でもあって事前に撮影をしたとかでもない限りこの動画は「もなか」による幼児の盗撮動画でしかない。投稿内容からも「もなか」はこの子の関係者でもないだろうし、「もなか」自体が投稿頻度は高くないもののクルド人への嫌悪を隠そうともしていないアカウントであったこと、そして投稿内容からしてデマ情報ありきでの動画撮影を行った可能性が高いだろう。またこの投稿自体は石井孝明への情報提供という体で行われた投稿であり、そこからの拡散も狙ったものだと思われる。ちなみに石井孝明はこれについての情報提供を「もなか」に求めていたが返信は行われずに「もなか」のアカウントは凍結に至る。
 この万引き情報に対しては石井孝明は万引きをされたダイソー本社へ取材を行い、次の様な回答を貰ったと26日に投稿している。


https://x.com/ishiitakaaki/status/1839148491765084330

「全店社内規定をもとに対応しておりますので、詳細な回答は控えさせていただきます」はテンプレ的対応と言えるだろう。ただしこれに反する情報として安田浩一の27日の取材投稿がある。こちらでは「万引きの事実は確認できない」、「万引きが相次いでいるとの認識もない」との回答を得ている。「もなか」の投稿の全否定と言って良いだろう。(10月23日追記:東京新聞の記事においても広報はその様な事実はないととしている。)


https://x.com/yasudakoichi/status/1839642661051142419

なお安田の投稿を知ったかまでは不明だが石井は「ダイソー 万引き」でX上を検索した画像を28日に挙げているが、何を主張したいのかは意味不明であるし、川口ダイソーだけ「お子様を連れてくださいとアナウンスがあるらしい」と今回の件を含めたであろう悪意ある推測でしめている。問題のある投稿だろう。


https://x.com/ishiitakaaki/status/1839898261290893460

ちなみにこのブログの筆者もダイソーの問い合わせから尋ねており(25日の営業時間外に送り、27日昼に返答)、次の様な回答を貰っている。

この回答自体はテンプレな内容に過ぎないし、「消費者」からの問い合わせならばこの程度の回答にはなるのだろう。ただジャーナリストである石井と安田の取材に対するダイソーの回答の違いが何故に生じたかは不明だ。ダイソーが問題を重く見たタイミングが異なることによって生じた差であるかもしれないし、石井と安田で取材ルートが違う為に生じた差であるかもしれない。嘘という可能性もあるが安田は取材先を明記しており、安田の取材に関してはその可能性は低いだろう。ただいずれにしても「もなか」の投稿を肯定する情報は存在せず、この投稿から端を発した「クルド人幼児の万引き」が存在しないデマだろう。

クルド人の子どもが複数人で万引き云々

 石井孝明がこの幼児の万引き情報を受けてか、後に次の様なクルド人の間引き手口投稿をしていた。


https://x.com/ishiitakaaki/status/1839105720836567257


https://x.com/ishiitakaaki/status/1840204584893198540

内容としては次の様にまとめられる。

・子どもを含めた複数のクルド人グループが万引きをしている
・万引きを3~4歳の子どもにさせる
・店員は一切子どもを注意せずに見て見ぬふり
・川口では保護者同伴ではない中学生以下の入店を禁止している店もある
・「親が子どもを連れて歩いてください」というトルコ語の張り紙や館内放送をする店もある

幼児を万引きの主犯としている時点で「もなか」の情報を下敷きにした感が強い。ただ石井の投稿でも「現地のパート従業員」、「行政の関係者」から聞いた情報であり、また入店禁止の店や張り紙をはる店のが存在する事から現地では「有名」な話レベルだと思われる。それくらいに「有名」な話ならばと川口商工会議所に上記投稿(9月26日分)のリンクを貼り、この様な事例があるのかと尋ねたところ次の様な回答を頂いた。

いただきました手口情報について、現状は、当商工会議所として詳細は把握しておりません

勿論、川口商工会議者に川口の万引き情報がすべて集まるという事はないであろうから石井の情報を否定できたわけではない。なおこのほかに川口市の防犯対策室、埼玉県警にも同様の問い合わせをしたが、防犯対策室は「市では犯罪の手口などの調査を行っていないため、その真偽等の確認はいたしかね」るとともに警察への問い合わせを勧められ、埼玉県警からはこれを書いている8日時点で未だ返信が来ない状態となっている(補足するならば県警は一般人からのこういった類の情報への返信は行わないことが多い為、このまま返信は来ないものと思われる。筆者は過去に数回情報を問い合わせたが基本返答はない)。また石井の情報で特徴的なものとして「トルコ語の張り紙」という情報があるが、2023年7月に「大量の小銭支払い」と「以前はトルコ語で万引き注意」の張り紙という目撃情報は存在するが、それ以外の張り紙の目撃情報ない(駅や公園などの公的な注意喚起は除く。)。「親が子どもを連れて歩いてください」という張り紙は特徴的でもあり、石井が主張を証明するならばせめて写真が欲しいところだ。またトルコ語での張り紙はまだともかくとして、「トルコ語の館内放送」が本当ならば目撃情報があるはずだが当然そちらもない。「トルコ語」は張り紙にかかっており、館内放送は日本語だという言い逃れも可能だがいずれにしても信ぴょう性が低い。日本語でのアナウンスの場合、万引きというよりもそれは迷子抑止のアナウンスと考えた方が良いだろう。トルコ語による万引き注意の張り紙などの目撃情報は過去にあるし、クルド人による万引き自体は存在するであろう事は否定してない。しかしながらそれは幼児が万引きしたと盗撮デマ動画で訴える事ではないし、石井による正直なところ怪しい部分が見え隠れする情報で訴える事ではない。

投げ銭用ページ
note.com

アサ芸プラスの川口市記事におけるデータに間違いが多すぎる

 アサ芸プラスで那須優子による「住民が「怖くて道を歩けない」と嘆く埼玉県川口市「外国人ドライバー暴走事故」続発の異常実態」という記事があったのだが、その中身が酷かったのでここに記しておく。まず前半分については最近川口市で起きたトルコ国籍によるひき逃げ事件、中国籍による飲酒運転&暴走事件について書かれれており、この部分については特に異論はない。容疑者らは法に基づき、処罰されるべきだろう。そして中盤には川口市に住むという女性のインタビューが掲載されており、こちらについても問題ないといえる。ただ、問題なのが次にあげる後半部分だ。

 異常事態はこれだけではない。川口市では毎月1000人ずつ人口が減り続けている。川口は県南部、東京都境に位置し、JR東京駅、新宿駅までそれぞれ25分、地下鉄は都心に直通運転するなど通勤通学に便利な立地。それでも不動産会社のアンケートでは「埼玉県で住みたくない街ワースト1位」で、年間事件発生数は3800件超と、県内ワースト1位である。治安悪化により、川口市から逃げ出す世帯が相次いでいるというのだ。これ以上、不名誉な事件や事故が起きれば、不動産価格が暴落するという経済的損失を免れない。
 ちなみに、住みたくない街ワースト2位は、ベトナム人が大量移住してベトナム寺院も建立された越谷市、ワースト3位は川口に隣接し、在日外国人の割合が約9.0%の蕨市だった。3市に共通するのは外国人労働者を募集する法人、企業が多く、外国人が増える一方、日本人の人口が減っていること。真面目に働いている外国人が圧倒的多数だろうが、一部の暴走外国人によって、交通ルールを守っている日本人が「命を奪われる」現状を、埼玉県の議員センセイ達は指をくわえて見ているつもりなのだろうか。

はっきり言って、この部分は嘘デタラメが多すぎる。都度指摘していくがその前に該当記事のイメージとして使用されている写真について指摘しておく。

これは「ぱくたそ」というサイトで掲載されているフリー素材「商店と道路の無料写真素材」であり、場所は愛媛県松山市道後温泉となる。いくらイメージ素材としての写真使用だろうとはいえ、埼玉県川口市の記事に愛媛県松山市の写真を使うのは不適切だろう。

川口市では毎月1000人ずつ人口が減少

 嘘である。川口市では「人口・世帯数・人口動態の月別推移」が公開されており、令和6年10月現在、日本人に限定した「対前月人口増減数」が1000人を超えた月は一度もない。

上記の表は日本人に限定した表であるが、ここで「日本人+外国人」という括りで見ると川口市の人口増減数は増加の月も多く、ここ数ヶ月は多少の減少に転じている、という程度だ。

なお人口減少の理由として「川口市から逃げ出す世帯が相次いでいる」とあるが、日本人に限定した表における「転出等」の対前年同月比を見ていくとここ数ヶ月は前年を上回る転出は確認できるものの、「毎月1000人人口減少」を説明できるほどの転出数増加とはいえないだろう。

川口市の人口が毎月1000人減っている、という情報が何処から来たのか謎だが、その様な事実は存在しない。

不動産会社のアンケートで「埼玉県で住みたくない街ワースト1位」

 事実性が疑わしい。このアンケートがどのアンケートかは不明だが、実在を前提に立つならば住みたくない街ワースト2位は越谷市、3位は蕨市となっている。ただグーグルで検索する限り、不動産会社関連のランキングでいうと、「引っ越しまとめ」の「埼玉県住みたくない街ランキングTOP10!」では1位がさいたま市大宮区、2位が川口市、3位が八潮市となり越谷市は4位、蕨市は7位、また「イエプラコラム」における「埼玉県住みたくない街ランキングTOP10!」では1位川口市、2位さいたま市大宮区、3位蕨市となり、越谷市は6位である。不動産関連ではないがrankyというサイトの「埼玉の住みたくない街15選」では1位がさいたま市大宮区、2位が草加市、3位が川口市越谷市は4位、蕨市は5位となる。「住みたくない街ランキング」はそこまで数はないが、これらを見ていくと川口市が「埼玉県で住みたくない街」の上位にいることは異論はないが、それと同等程度にさいたま市大宮区もランキングに入っている状態だ。業者による非公開のランキングの可能性もあるが、とはいえ那須優子のランキングには大宮区の情報が入っておらず不自然に見えるし、2位越谷、3位蕨という並びと順位の説明部分からは論旨のために用意されたランキング感が拭えない。

川口市は年間事件発生数は3800件超と県内ワースト1位

 嘘である。埼玉県警の犯罪統計を見ると、年間事件発生数3800件超は令和4年の事件発生数なので事実だが、実際のところ事件数ならばさいたま市の方が多く県内ワースト1位だろう。さいたま市は区ごとに統計されているので犯罪統計情報ではそうはあまり見えない様になっているが、市という括りならばさいたま市は7000件を超えている。これが東京23区の様な特別区ならばともかく、さいたま市における区はその様なものとは言えないために件数のみワーストとするならばさいたま市を外すのは恣意的だ。そもそも人口が多ければ犯罪数は多くなるもので件数を殊更いうのは微妙な部分もあるのだが、ならばと犯罪率でみるならば令和5年の川口市の犯罪率は県全体では16位であり、中の上程度でしかない。

在日外国人の割合が約9.0%の蕨市

 嘘である。蕨市各年次別人口統計を見るとが直近の外国人比率は12%程度だ。

蕨市の外国人比率が9%台前半になるのは令和元年であり、一体いつのデータを使用したのか理解に苦しむ。
 事程左様に那須優子によるこの記事は意味が分からないレベルでデータ部分に過ちが多すぎる。ここまでになってくると中盤のインタビューを受けた人物が実在するのかも本当であるのか疑わざるを得ないくらいの記事レベルだ。しかしそんな記事であるにも拘らず「毎月1000人ずつ人口減少」などの目を引く情報と共に拡散されてしまっている。


https://x.com/okada_2019/status/1841305117452349838

最早この記事は偽情報というにふさわしい記事になっているし、那須優子はなにをソースに記事を書いたのかが謎すぎるし、そしてこんな記事を掲載したアサ芸は問題では。

投げ銭用ページ
note.com