ガザ地区での停戦が2025年1月19日の日曜日夕方(日本時間)に、予定より3時間ほど遅れて発効した*1。私が見ている画面はガザ地区からのフィードとガザ地区からのニュースを報じている独立系メディアのフィードで満たされているのだが、日本時間で日曜日から月曜日にかけては、停戦のお祝いと、「久しぶりに、いつ爆撃されるかを恐れることなく眠れる」といった安堵の言葉と、解放されて西岸地区やエルサレムの自宅にやっと帰った大学講師やジャーナリストなどの人質(イスラエルが不当拘束していたパレスチナ人をメディアはprisoner「囚人」もしくは「捕虜」と呼ぶが、イスラエルはこの人たちを起訴する予定もなくただ拘束していただけなので「囚人」ではなく、戦闘中の戦闘員をとらえたわけではないので「捕虜」でもない。hostage「人質」である)についてのニュース、破壊された街の破壊された自宅に戻る人々や、そこで白骨を見つけた人々(攻撃された家の下敷きになって救出することもできなかった家族の遺体である)の映像が次々と流れてきた。爆発の映像は、ガザ地区からは出てこなかった(レバノンからは流れてきたし、西岸地区は放火などでひどい状態だ)。ガザ地区から爆発の映像が流れてこないということに自分がいかに違和感を覚えているかに気づいて、ぞっとした。自分の中でもあれが普通のことになっていた。
そういう中で、米国ではドナルド・トランプの大統領就任式典が行われていたらしい。「らしい」というのは、ガザの停戦を追うのでいっぱいいっぱいで、BBCなどニュースサイトはチェックしている暇がなかったし、私の見ているTwitter/Xの画面にはその話は流れてきていなかったから(フィルターバブルって恐ろしいよね)「流れで見てしまう」ということもなかったからだ。もちろんその日程は把握はしていたのだが、元々別に米国政治に関心はないし(英国については早口で語るが)、2024年の大統領選挙の期間中、民主党とその支持者が「ガザなんてどうでもいい」という態度をあからさまに示していたのに完全に辟易して「正直、アメリカがどうなろうと知ったこっちゃない」という極端な無関心モードに入っている。
そんな中でも流れてきたのが、下記である。画像はTwitter/Xに投稿されていたRolling Stone記事のキャプチャ。ちなみに、Rolling Stone誌に対する信頼も私は失っている。信頼していたジャーナリストがここの編集長になったのでよくチェックするようになっていたのだが、そのジャーナリストが、お友達のジャーナリストが児童ポルノで逮捕されたときに容疑を隠蔽しようと記事を書き換えるという、実にしょぼいビッグ・ブラザー的な、日本の芸能事務所とずぶずぶのマスコミかっていうことをやったからだ。それでも、人々が話題にしていたら見出しくらいは見るし、今日流れてきていたこのキャプチャ画像は二度見した。
どうやらトランプの就任式での光景のようだが、これはもう完全にアレにしか見えない(ADLは「違うよ、全然違うよ」と弁護しているようだが、「ADLさんがああ言ってるんだぞ」とドヤる人々のほか、誰が信じるというのだろう)。ノルウェーで労働党の青年組織のキャンプを襲って何十人も殺したテロリストが法廷でやってたやつだ。
とはいえ、普通に良識のある人は「い、一瞬を切り取った一枚の写真では文脈わかんないし……」と思うだろう。Twitter/Xのアルゴリズムはそういうところも行き届いていて(よくできてると思うよ、ほんとに)動画も流れてきている。
*1:遅れた理由について、イスラエルは「ハマスが約束していた名簿を出さないから」と言い、ハマスの側は「準備をしようにもイスラエルの攻撃のせいで進まなかった」と言っているので、名簿の提出が遅れたことは事実ではあるようだ。ソースはDrop Site Newsのフィードだが、リンクを探している時間がない。