伊藤沙莉のビジュアル的な解釈【やっぱりすごいよね】
この人の事は前々から描きたかったのだけど、主演の代表作みたいなので触れておきたいと思って待っていたわけなんです。
もちろん女優さんとしての性能は途轍もなくて、どんな役もガチっとモノにしちゃうので主役かどうかはこの人の能力に対しては、それほど重要ではないのかも知れないのだけれど、主人公としてNHKの朝ドラあたりに登場してくれてたら、より沢山の人と「やっぱりすごいよね」とハナシを共有できる気がしていたトコに今の「虎に翼」ですから正に「時は来た!」という感じです。やっぱりすごいよね。
女優さんって、以前は物凄く美人で画面の花みたいなタイプとか、どこかエキセントリックで個性的なタイプとか、その中間とかに立ち位置を定められていた気配があった気がするのだけれど、この人を筆頭に女性の演技者として観る人をストーリーにぐいぐい乗せていくチカラを強烈に発揮する人が登場してきて映像作品の建て付けが強固になってきているというか、脚本や演出とかもそういう出演者の能力を踏まえて感情移入できるリアルな心情を描く際のとても重要な構成要素になってきている気がするんですね。
その点で、この人の場合はコメディエンヌ的な要素もシリアスな役割りも、場合によっては役の年齢も幅広くガシっとモノにしちゃう底知れなさがあって、そういうトコが作品の質とか期待感に好影響をもたらすというか「もったいない使い方はできないよね」的な存在感になってきている気すらしています。
で、結局なにがいいたいかというと、この人はやっぱりすごいよね。
草彅剛のビジュアル的な解釈【聞いちゃう声の人】
僕はこの人のドラマを結構観ていたクチなのだけど、怖い人も優しい人もしっかりモノにする人だと思うんですね。
アイドルグループ出身の人って結構カタにはめられるっていうか、観る側にもある種の予断が発生しやすいし、本人やマネジメント的にも本業の国民的人気者みたいなポジションを押さえておきたかったりみたいなトコが見え隠れする的な例が少なくない気がするのだけど、この人は演技者としての機能を発揮する場面ではそういうあれこれを完全に分離できるチカラがある感じがします。
今のNHKの朝ドラ「ブギウギ」では優秀で飄々とした作曲家を演じているのだけど、そういう「優秀」と「飄々」の両方を同時に持っているキャラクターって難しい気がするんですね「優秀だけど鼻持ちならない」とか「飄々としてるけどアテにならない」みたいのなら割とパターン化されていてイメージしやすいかも知れないけれど、そういう、ちょっとひねりのある役をカチっと、またはフワっと掴む性能がこの人は高いんじゃないかと思うんですね。
あと、この人にはセリフに独特なトーンとかリズムがあるでしょ、訛りとかそういうのじゃなくてこの人独特の個性なんだと思うのだけれど、それがなんかこう「聞いちゃう声」になっているのも強みなのかもなぁなんて思うのだけどどうすかね?
趣里のビジュアル的な解釈【引きでも寄りでも機能する人】
世の中の動きにちゃんと歩調を合わせたいと思ってNHKの朝ドラを観るようになって結構経ちますが、やっぱり僕には大阪制作の朝ドラがピンとくる気がしています。今の「ブギウギ」は特にそうで毎回とても楽しみなわけなんです。
それってやっぱり主演のこの人の力量による所が大きい気がするのだけれど、歌うし踊るし楽しいし悲しいしみたいな物凄くレンジの広い役を見事にモノにしている感じがするんですね。多分フィジカル的な能力と演技者としての性能の両方ががすごく高いっていうのかな、動きとか所作とかに加えて心情を表情に展開するチカラが抜群に強いと思うっていうか、要は「引きでも寄りでも機能する」希有な女優さんなんだと思います。
時々描かれるステージシーンなんか正に圧巻で、ぐいぐい引き込まれるし僕なんか毎回立ち上がって拍手したくなる一方で、普段の生活の場面でもやっぱり引き込まれるのは脚本とか演出とか音楽とかの高水準さとか、このストーリーが求める要素のあれこれを、この人がガシっとものにしているからなんだと思います。
きっと「出来る女」も「謎の女スナイパー」も、なんなら「ポンコツ私立探偵」も「インチキ占い師」も、要はシリアスからコメディまで、なんでもパチっとハマることのできる守備範囲の相当広い女優さんなんだと思うんですね。
僕はこの人の主演作をこれまで観た事がなかったのだけど、いつも個性的な登場人物をリアルに出現させられる女優さんだなぁと思っていたクチで、その能力の高さはやっぱり主役でもガッチリ機能するんだなぁと、あらためて敬服しているしているわけなんです。
で、僕としてはバカリズム脚本の作品とかでの、この人を観てみたい気がするのだけどどうすかね?
新年のごあいさつ【去年のバイクオブザイヤーも兼ねて】
昨年はやたらとあわただしくて、バイクに200キロくらいしか乗れなかったし、あまり絵も描けなかったありさまでしたが、それなりにいい年の部類だったと思っています。どうぞ今年もよろしくお願いいたしますね。
一方、毎年描き初めはバイクにしているのですが「辰年」にちなんだ機種を思いつかなかったので僕が選ぶ昨年のバイクオブザイヤーで新年のご挨拶に代えさせていただこうと思います。実は2023年は僕にはあまりピンとくるモデルがなかったので脳内会議では全僕がこの一台しかノミネートしてこないという感じで満場一致でこれです。
当てずっぽなのですが乗り物界が「電気モノ」あたりに開発リソースとか知見とかを割かなくてはいけない気配にゆらゆらしている流れみたいなのがあって、そういう気配に、もひとつ決定打的な展開が見当たらないというか、まだ全面的に乗っかるにはギャンブル感が濃いっていうのかな。要は作る方も買う方も様子見のフェーズなんじゃないかと思うわけなんです。
そんな中で従来の新型機種の開発とかに、もしかすると以前ほどのチカラが注ぎきれていない感じがあるのかもしれない気がするわけですが、多分ここが思案のしどころというかパンチの効かせどころなんじゃないかと思うんですね。
その点で、これはハーレーに世間が求める要素をガチっと盛り込んである感じで「そうそう!」とか「これこれ!」と素直に思えるというか、いかにも「ハーレーらしい」トコをギュッと固めて実体化している感じで清々しいとすら思いました。つうか反射的に「買いてー!」と思いましたもん。
あ、僕としては動力がエンジンだろうとモーターだろうと問題ないというか、新しいパワーユニットが登場してくるのはむしろ歓迎するタイプなのだけれど、そこには「ならでは」とか「らしさ」みたいなお家芸的な個性がないと、せっかくの乗り物屋としての歴史とか実績とかを無駄にしちゃうような気がするので、もし今が過渡期というなら、その間にしっかりと「そこんちらしさ」を積み重ねておくのが吉だと思うし、もし過渡期でもなんでもなかった時にも、そういう「らしさ」って大事な要素になる気がするわけなんです。
そういうわけで、今年がみんなにとって良い一年になりますように。
浜辺美波のビジュアル的な解釈【笑顔だけで2000種類くらい持っている】
ここしばらく、実は東京制作のNHKの朝ドラはニガ手なのが多くて途中で脱落していたクチなんですが今回の「らんまん」はとても気に入っていて全話観ています。で、この人も是非描きたいと思っていたわけなんですが猛暑と、なんだか妙にあれこれ慌ただしい夏を過ごしていたのと、何より僕が美人を描くのが苦手なので最終回間際のこんなタイミングになっちゃいました。
それにしても、この人の「表情力」っていうのかな、要はセリフとかト書きにない(ハズの)心情の揺れとか心の機微とかの表情の動きは物凄いなぁと思うわけなんですが、例えば若い美人女優って表情のトボシさが許されるトコがあるような気がするっていうかそういうのが許される持ち場でもある気がするんですね。要はざっくりいっちゃえばニコっと笑っちゃえばOKみたいな。
その点で、この人の場合は「楽しい」とか「面白い」の無邪気な笑顔から「心配」+「不安」+「でも応援」の笑顔とか、「苦境」+「決意」+「大勝負」の微笑み、みたいな複雑な場面の表情をシームレスに使い分けられるのが女優さんとして群を抜いて高性能だなぁと思うわけなんです。
なので、圧倒的に美人なのは間違いない一方で、いわゆる若手美人女優のグループってよりキチンとした「女優」さんとしてのポジションの人なんだなと思うんですよ。
あ!そういえば「らんまん」といえば竹雄役の志尊淳も描きたかったんだった。そういう「描きたくなるキャラクター」の多いドラマだったなと思っております。