正月に読んだ小説。
ああ、ウィリアム。
何か小説を一つ読みたいなと思って、手に取った本。
メイン州と言われてもどこだかわからなかったのですが、アメリカの一番東の州なんですね。
「いや、ずいぶん考えたよ、ルーシー、さんざん考えたんだがーーどうなんだろなーー人間てのは、何かをしようと実際に決めてるんだろうか。どうだろ」
そう言われて考えた。
彼は話を続けた。「そりゃ、たまにはーーせいぜい、たまにはーーどうするか決めることもあるだろう。ただ普通にはそうじゃなくて、ある何かしらを何だかわからないとしても、たどっているだけだ。ルーシーだって、出て行こうとして出たんじゃないと思う」
決める前から動き出しているというような話は聞いたことがあります。
心のなかというか無意識ではすでに決まっていて、それに従った行動が現れてくるんでしょうね。
とはいえ、無意識にでも認識されるために、何らかの外部刺激を受ける必要はあるんだと思う。
「人間は何にせよするだけーーただするんだよ、ルーシー」
私は何とも言わなかった。
何か深いような、よくわからないような、そんな感じ。
ちなみに、ウィリアムというのは、主人公の前の夫だそうです。