Retrospective: Selected Recordings 1973-2023 [CD/Super Deluxe Boxset] / Bryan Ferry
かつてロキシー・ミュージックのフロントマンとして活躍し、その後もソロとして数々の輝かしいアルバムを送り出してきたブライアン・フェリー。オレも大好きなアーチストの一人で、ことロックジャンルに限って言えばボウイも含めて五本の指に入ることは間違いない。このブログでも全ソロアルバムを紹介したまとめ記事を書いたほどだ。
そのブライアン・フェリーの、50年に渡るキャリア集大成となるCD-Boxset、『Retrospective: Selected Recordings 1973-2023』がついに発表された。ただしこれは各ソロアルバムを1作品ごとに収録したBoxsetではなく、フェリーさんの名曲をCD5枚81曲に渡って抜粋し網羅したコンピレーションアルバム作品となる。また、このコンピレーション用に制作された新曲も収められている。5枚のCDはそれぞれテーマ別にまとめられており、それは次に引用しておく。
5枚のCDにはそれぞれテーマがあり、1枚目は20曲入りの『Best Of』、2枚目はアルバム・トラックと隠れた名曲を収めた『Compositions』、3枚目はフェリーのカヴァー・ヴァージョンにスポットライトを当てた『Interpretations』、4枚目はレトロ・ジャズ・アンサンブルの楽曲(主に2012年の『The Jazz Age』と2018年の『Bitter-Sweet』から)を収めた『The Bryan Ferry Orchestra』、そして最後のディスク『Rare and Unreleased』には16曲のレア音源と4曲の未発表曲が収録されています。
ブライアン・フェリー 50年以上にわたるソロ・キャリアを網羅した5CD『Retrospective: Selected Recordings 1973-2023』発売 - amass
CD1『Best Of』やCD2『Compositions』はフェリーさんの名曲が目白押しで、次から次に鳴り渡るそれら珠玉の逸品に陶然となること必至、聴くほどにオレのフェリー愛が怒涛のように押し寄せて涙で目の前が曇って何も見えない。フェリー・ミュージックを聴く至福にしばし時も忘れてしまいそうだ(すいませんちょっと大袈裟に書いてしまいました)。
そしてカヴァーバージョンを中心にまとめたCD3『Interpretations』、そもそもフェリーさんはカヴァーバージョンの達人で、オリジナル曲を完全に自分のものにしてしまうため、どれを聴いてもフェリー作品にしか聴こえないという素晴らしさ。
CD4『The Bryan Ferry Orchestra』はフェリーさんが趣味で始めたレトロ・ジャズ・アンサンブル集となるが、実はフェリーオーケストラってあまり好きではなかったのだが、こうして1枚にまとめて聴いてみると、これはこれで実にいいではないか。
CD5『Rare and Unreleased』にはレア音源と未発表曲が収録されるが、オレほどのファンともなればだいたいは知っていて、どうだこれがファンの威力だ、とだれも聞いていないのに自慢してしまうしょーもない自分がいる。で、このレア曲というのがまたいい曲ばかりなんだよなあ……。
BoxsetにはCDブックレットとは別に100ページにわたるフェリーさん写真集が同梱、スタイリッシュにポーズをキメまくり、ひたすらナル入ったフェリーさんの姿をとことん堪能できる仕様となっている。ちょっとキメ過ぎな感じもするけど。まあしかし、確かにフェリーさんってカッコいいんだよなあ。
1945年生まれのフェリーさんは現在御年79歳、もう結構な年齢だし、正直後期のアルバムは声量も声質も衰えており、こっそり言うならばBoxsetジャケット写真も結構若い頃の写真を使っていたりもするのだが、ファンとしては新作云々とかもういいからお体大事にして長生きしてください、という気持ちである。そんな中、こういった形でフェリーさんのキャリアー集大成を聴けるのは、フェリーさんの偉大なる記録がここに刻印されたような気もして、嬉しい気持ちでいっぱいだ。
なおアルバムはCD1『Best Of』と同内容の1枚ものCDと2枚組LPが別に発売されている。
★ブライアン・フェリーを徹底的に探究する、初のキャリア回顧録 ★レア曲、未発表のレコーディング、詳細なライナーノーツと素晴らしい写真が掲載された100ページのブックなど、ブライアンのキャリアをこれまでで最も深く掘り下げた商品 ■Island Records、Polydor、Virgin/E.G.、BMGにわたる彼の名作を50年以上にわたって初めてまとめた作品。 ■このコンピレーション・アルバムは名作家としての彼のスキルを紹介するとともに、他の作家の作品の最高の解釈者としても彼の地位を反映しており、ロック/ポップス/R&B/ピアノ・バラード/エレクトロニカ/アンビエント/ジャズ/カントリー/フォーク/ブルース/ニュー・ウェーヴまで彼の音楽の多様性を引き出している。 ■今作は、ブライアン・フェリーが共同キュレーションし、アートディレクションした一連の製品として発表される。 ■ハードケース/100Pハードカバーブック/5CD