「中堅スカウト」に、新たに移動となるオペレータの一覧が発表された。
中堅スカウトは、実装オペレータが増えすぎてスカウトのランダム性が高まりすぎた状況への対応策として初期オペレータを別枠に移動させたもので、1回あたりの合成玉消費量は通常スカウトと同じく600ながら、上級資格証で交換できるスカウト券は通常スカウトが10のところ7で交換可能であり、若干安めに設定されている。
最新のオペレータが含まれないため、狙って初期オペレータを引きたいのでなければこれまではスルーされがちであったが、今回の異動によって現環境で主軸となるオペレータが多数加わったことで、その価値が変じたのではないだろうか。
というわけで、「今後のスカウト環境」について考えてみた。
兵種ごとに、「中堅落ち」するオペレータとスタンダードに残留するオペレータを比較してゆく。異動するのは星4〜6までだが、スカウトで狙いたいのは基本的に星6であるので、他は比較対象としない。
先鋒
中堅落ちする先駆兵サガは、敵をHP1残す特殊な素質を有する。味方に倒させてSP回復をサポートできるのが強みだが、本人は倒し切らず通すため序盤ブロックには使いにくく、採用率は低いと思われるため中堅落ちによる影響は薄いだろう。
先に中堅入りしていた先駆兵シージ、突撃兵バグパイプが十分に強力であり職分も被るため、中堅戦力としても大きな強化はない。
常設に残るのは旗手サイラッハ、先駆兵フレイムテイル、偵察兵イネスの3人で、戦力は十分保たれている。
前衛
中堅落ちするのは領主ソーンズ、術剣士スルト、闘士マウンテン、教官パラス。採用率の低いパラス以外は攻略動画の常連メンバーばかりである。
既に中堅にいる領主シルバーアッシュ、勇士スカジ、剣豪チェン、武者ヘラグ、強襲者ブレイズと役割が被りもせず、純粋に戦力強化されたと言える。
常設には剣豪アイリーニ、解放者ムリナール、領主チューバイ、鎌撃士イグゼキュター、勇士ヘドリー、術剣士ヴィヴィアナ、剣豪デーゲンブレヒャー、武者ズオ・ラウと十分な戦力が保持されているものの、この中で攻略常連はムリナールぐらいのもので、やはり若干の使い勝手低下感は否めない。特に、高い術火力と耐性無視、致命傷耐久を備えた決戦火力スルトの異動はだいぶ痛い。
重装
中堅落ちメンバーは決闘者ユーネクテス、庇護衛士ブレミシャイン、破壊者マドロック。回復を担う庇護衛士がすべて落ちたのは若干辛い。また破壊者最強マドロックに代わりペナンスが残るが、硬いボスよりも多数の雑魚に特化したスタイルで、攻略の要にはなりにくい印象。
とはいえペナンス以外にもステルス解除と定置火力の強力な堅城砲手ホルン、厚いブロックと対空をこなし向き変更も行なえる哨戒衛士ジェシカが残るので、戦力に大きな不満はないが。
現行の中堅メンバーは庇護衛士サリア、重盾衛士ホシグマで、盾の要となる二人ではあるが人数が少なかったところ、だいぶメンバー強化された。
狙撃
中堅落ちした速射手アルケットは先に中堅入りしているエクシアに匹敵する高連写弓で、似た性質のオペレータが移動した形になる。その他の現行中堅メンバーは、精密射手シュヴァルツ、破城射手ロサで、このあたりはまだ若干バランスの悪さが否めない。
残留メンバーの方は戦術射手ファートゥース、榴弾射手フィアメッタ、精密射手パゼオンカ、破城射手ティフォン、狩人レイと十分以上の高火力があり、戦力に不足を感じることはなさそうだ。
術師
中堅落ちする連鎖術師パッセンジャーは広範囲高火力のオペレータではあるものの攻略常連にはなりにくい立ち位置。方陣術師カーネリアンについては同じ職分のリンとの棲み分けとなる。
先行する中堅勢は中堅術師エイヤフィヤトラ、同じく中堅術師ケオベ、爆撃術師イフリータ、拡散術師モスティマと各職分を代表するような顔ぶれで、それに被らない職分が新たに加わったことになる。
一方、残留するのは方陣術師リンの他に攻略常連の操機術師ゴールデングロー、対ボス火力の秘術師エーベンホルツ、能力無効化と行動阻害の中堅術師ホルハイヤと十分な戦力で、こちらも不足はない。
医療
中堅落ちしたのは医療のふりした決戦火力、医師ケルシー。替えのいない職分といえるが、回復役という意味ではあまり活躍しないので、この職分から退くこと自体は気にならない。
とはいえ常設スカウトに残るのも回復より攻撃が得意な呪医師、焔影リードなので現環境の星6医療メンバーはちょっと微妙ではある。まあ医療はその役割的に、これまで紹介した兵種のような決戦級が期待されにくい立ち位置なので、星6の不足はさほど問題ではないが。
中堅の先行メンバーは医師シャイニングと群癒師ナイチンゲール、この二人がいれば大体のことは不足なく、そこに火力が加わり最強に見える⋯⋯が、昨今のギミックに多い元素損傷に対応したメンバーがちょっと不足か。
補助
今回の中堅移動メンバーに補助は含まれていない。
現在の中堅メンバー構成は緩速師アンジェリーナおよびスズラン、召喚士マゼラン。やや少ないが、そもそも兵種のとおり補助的な役割だし、我らが光の存在だけで十分すぎる。
常設メンバーの方は工匠ステインレスと呪詛師ノーシス、これも十分な編成であろう。
特殊
特殊枠からは永続の推撃手ウィーディが中堅入り。ステータスよりスキルLvが求められる職分であるから低レアでも替えは利くものの、この運用性は余人を以て替え難い。
迎え入れるは鬼才アと執行者ファントム、兵種の通り扱いの特殊な職分なので強制移動メンバーが増えてようやくバランスが取れた気がする。
残留組は行商人リーと琳琅スワイヤー、罠師ドロシーに潜伏者ミヅキとアスカロン。職分が結構被っているのはちょっと気になる。
総評
初期オペレータのみだった中堅スカウトに中期オペレータが加わり、だいぶ戦力が充実した。
元々アークナイツは性能インフレのゆるやかなゲームではあるが、それでも新メンバーは差別化のため徐々に強化される傾向があり、シンプルな初期オペレータはどうしても見劣りが否めない。
もちろん、初期勢の中にも何人もの攻略常連がいるし、引いて損になることはないが、華やかな最新スカウトに惹かれるのも事実ではある。
今回のメンバー強化により、イマイチ引く意味が薄かった中堅スカウトも十分な魅力を備えるようになったのではないだろうか。
一方、中核的戦力を失った常設スカウトも、十分に手堅く、また順次新オペレータが加入してゆく。
総じて、なかなか良い棲み分けになっているのではないかと思う──逆に言えば、従来のような「引くなら常設」から「どっちも引きたい」になって悩ましさが増したということでもあるが。