ちょいちょい「土建屋の息子」と
自分のことを書くが、
生前の父が仕事にしていた。
私自身は一切関与しておらず、
損保代理店を兼業していた頃に
父の会社の自動車や火災等の
保険を担当した程度。
さて、小さい頃
インドア派だった病弱な私は
本を読んだり落書きしたり……。
その描くのに使っていたのが、
スケッチブックではなく
広告や青図の裏だった。
青図とは、青地に白線で書かれた
大判の印刷図面なのだが、
古くなって破棄するものを
適当なサイズに切って使っていた。
広告よりしっかりした厚さで、
また独特の風合いもあって
お気に入りだった
各駅しか停まらないような
小さな町にも、青図を焼く店が
昔は当たり前にあったけれど、
すっかり見かけなくなった
そうそう、青図といえば……。
eYACHOのテレビコマーシャルを
少し前に初めて目にして。
言わんとすることは理解できたが、
そのネーミングが不明すぎて
思わずポチったわけである。
「野外で用いる手帳。手簿(てぼ)。
実地調査のための記録帳」などと。
さらに「表紙に防水加工、
またはビニールカバーを施した
縦長のポケットサイズ」と説明が。
あっ、ちびっこの頃、
使えるとこが少ね〜と
ぶーたれながら使ってたぞ。
そう思わず口にした。
建設現場に特化した作りで、
尺貫換算表だの関連連絡先、
あと方眼のページもあって、
素人の、しかもガキンチョが
扱っちゃ駄目な代物だったのだ。
そうか「野帳」というのか。
半世紀経って知った。
そーゆーものって、いっぱいある。
あるはずなのに即思いつかない